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表題作ここで待ってる

成田清玄,24歳,空手の師範代
飴屋朋,25歳,大工

あらすじ

小悪魔ビッチ好きという嗜好のせいで、なかなか恋人に恵まれない成田。
ある夜、ゲイバーで一目ボレした美人の飴屋といい雰囲気になるけれど、
すんでのところで逃げられてしまう。ところが数日後、成田が師範代を務める
空手道場に、飴屋が子連れで現れた!? 小学一年生の論が空手を習いたいと
言うのだ。好みど真ん中だけど妻子持ち──以来、飴屋と子供を挟んでの微妙な
付き合いが始まって……!?

作品情報

作品名
ここで待ってる
著者
凪良ゆう 
イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199008047
4

(174)

(75)

萌々

(59)

(25)

中立

(6)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
19
得点
692
評価数
174
平均
4 / 5
神率
43.1%

レビュー投稿数19

ゲイ受けと書かれていたのに騙された

 ゲイ×くそビッチなゲイという設定に惹かれて読み始めました。
 男を誘い慣れてるくそビッチな飴村かと思いきや、妻子がいるんですが……。しかも誤解とかではなくガチっぽい。籍を入れる意味がわからない。
 ゲイじゃない。騙された気分です。
 序盤の序盤までは、くそビッチに男を取られるネコたちの修羅場や、飴村の誘い受けなどよ良い展開があったのに。
 数十ページでリタイアです。

1

愛に満ちた家族の物語

凪良先生の書くすれ違いものが大好きです。
なかなか結ばれずにやきもきさせられ、すれ違っては距離を置いて……と、焦ったい恋模様が続く本作。
それでいて暗さは感じさせず、テンポの良い読みやすい文章でグイグイ読めます。
ただ、子どもや嫁がガッツリ関わってくるので、BLとしては読み手を選ぶ作品かもしれません。

優しくて朴訥とした青年・成田と、妻子ある身でありながら男を漁る飴屋。
そんな対照的な2人が、家族ぐるみの付き合いをしながら想いを育む物語です。

とにかく、成田がいい男だった。
飴屋に対して下心や期待を滲ませていたりと人間らしい面を残しつつ、健気に一途に飴屋と家族を支える成田が素敵でした。

ビッチに思われた飴屋の気持ちも、物語を読み進める毎に理解できるようになりました。
実は男らしくて一本気な男なんですよね。
最初は苦手だった飴屋が、後半嫌でなくなってくるという読ませ方が上手いなと。

そして、2人や家族を繋ぐ子ども・論が可愛い!
大人っぽくてしっかりした子が、成田や成田の祖父と関わることで子どもらしくなっていくところにホッとしました。
爺孫コンビに存分に癒された^^

飴屋夫婦が背負った重い荷物も、成田や祖父が一緒に持ってくれたんだと思います。
家族愛に溢れた作品だったなという印象。
その分イチャラブ要素は薄いのですが、それでも読後の満足感は十分です!

0

家族の在り方。愛情のかけ方。

数ある凪良作品のなかで個人的にベスト3に入る大好きな小説です。

攻めの成田は一つ年下の大型ワンコ。穏やかで気遣いのできる良いコ。
受けの飴屋は気の強い美人(ビッチ)。とても深い事情により妻子ある身。
ここに飴屋の妻・のばら、息子・論、成田の祖父が加わり、恋愛小説としてだけでなく、家族の在り方にも重点を置いたバランスの良い魅力的な物語に仕上がっています。

飴屋の想い人は学生時代のニコイチの親友であり、後にのばらの恋人となった拓人。
拓人は交通事故で帰らぬ人となり、飴屋は拓人の子(論)を宿していたのばらと籍を入れ、二人を守ってきました。
亡くなった拓人との約束を守り続ける男気と、一途な気持ちを持ち合わせる飴屋が健気で・・・。
そうした事情のもと、時に男性を誘って鬱憤ではないけれど日々のやりきれなさを発散させていても責められないな、と。
そして、複雑な事情が絡まった飴屋の心を少しずつ解きほぐす成田は本当にいい男!
無理矢理ではなく、あくまで飴屋の考えや思いを汲み取って支える姿が格好いいし、人間として素晴らしい。
頑なに拒んでいた飴屋が成田に心を開いていく過程は葛藤があり、なかなか着地点が見えなかったけれど、最後はすべてがおさまる大団円で気持ちよく本を閉じることができました。
論と成田の祖父のやり取りは微笑ましく、祖父の存在感がこの物語を支える大きな柱であり、最後に皆の背中を押す人生の先輩として強く印象に残りました。
この物語、主役二人だけではなく脇の登場人物も光る作品であったと思います。

恋愛面でいえば、成田の想いを拒んでいた飴屋が一瞬にして心の傾きが大きく振れたキスシーンは読んでいて胸がキュッとしました。
割合にしたら恋愛パートより家族パートの方が多いかもしれませんが、一冊通しての感触はいい意味でBLらしいファンタジーのある物語でした。

読了後、幸せな気持ちになれる一冊でした。

4

爺ちゃん、すてき!

男を喰い散らかすとんでもない超絶ビッチ受けと、それに振り回される硬派ワンコのお話かと思いきや……

受けの飴屋がこんな責任感の塊で漢気溢れる男だとは思わなかった……。
どんどん彼に対する印象が変わっていきました。

ゲイなのに妻子がいる飴屋の事情。
「事情」と一言で片付けるには余りにも重いものでした。

惚れていた男が惚れた女・のばらと忘れ形見の論を守り抜くために、裏切り者と言われて罵られようとも一切弁明せず、必死で彼らを食わせていく……
だからたまには何もかも忘れて、普段とは別人になってビッチになるっていうのも許せるというか、何も言えまい…って思うんですよね。

爺ちゃんなしではこの話は成立しなかったと思うので、私は攻めの祖父が好き。
凪良さんが書いてて一番楽しかったとあるように爺孫コンビのやり取りはもっと読みたいなぁって思うほどでした。
論に対してはすっかり好々爺なんだけど、さすが師範をやってるだけあってビシッとして筋が通ってる。
のばらと論を住まわせるために、若先生である攻めが家を出たことについて口さがない連中があれこれ噂してる……というのに対しても
「真面目にやってればわかってくれる人がいる。それでもわからないやつは相手にしなくていい。限りある大事な人生の無駄だ」と言うところがこの本の一番好きなところでした。

こんな爺ちゃんに親代わりのように育ててもらった攻めも筋が通った人間だし、飴屋ものばらも筋が通ったいい人間で読んでいて気持ちが良かったです。
こんな家族があってもいいと思います。

対してナチュラルクズなのばら母や、攻めの義妹やそれを許してる母にはイラァっとさせられましたが、爺ちゃんの言う通り「相手にしないほうがいい・まともに相手にするだけ人生の無駄だ」ということなんでしょうね。

2

フランク

神に変更希望。

血の繋がりだけじゃない

攻めの成田はイケメン細マッチョで面倒見が良いが、ビッチ好きで自分から好きにならないといけないタイプ。
そんな成田が好きになったのは子持ちの飴屋でした。
この飴屋が、いろんな男を喰いちらかす小悪魔ビッチな面はあるけど、家族を大事にする男気ある男で…。

飴屋の家族に何らかの事情があるのはすぐに察する事ができるんですが、なかなかヘビーな事情で…。
いや〜、飴屋が格好良すぎます!
でもその自制心ゆえに、成田となかなかラブにならずジリジリしました。

最後に、成田と飴屋が想いを通じ合った後の短編がありますが、2人きりになった時だけの名前呼びに萌えました。
お弁当作って持たせる夫婦感にニヨニヨ。

お爺ちゃん、のばら、論、そして成田と飴屋。
皆素敵な人たちばかりで、そんな彼らが皆幸せになれるところに落ち着き、読後温かい気持ちになれる作品でした。

3

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