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当シリーズのCPはどこも甲乙付けがたいと思っていましたが、5巻を読んで確信しました。私は陽明と火弦が一番好きなんだと。陽明の犬という立場を徹底し、そこからけっして逸脱しない火弦の姿勢。少なくとも私が読んできたBL漫画では、ワンコ攻めは数多く見かけましたが、彼ほど健気な犬受けはなかなかお目にかかれませんでした。相手に対して度が過ぎるほど盲目だと理解が及ばず共感できない時もあるのですが、火弦の陽明への一途さはどのシーンを読んでもすんなり心に沁み入り、彼の喜怒哀楽にすっかり寄り添って読んでしまいます。
陽明から火弦に対する想いも一見同じ熱量や種類ではないように見えますが、彼の中では恐らく、犬とは別に特に恋人という概念があるわけではなく、とにかく自分に忠誠を尽くし自分が愛情を注げる対象を熱望していて、それがたまたま犬という概念だったのかなと思いました。一般的な用語としてはけっしてプラスの意味ではないけれど、陽明の中では犬という存在は最高位なんじゃないでしょうか。火弦はこの上なく彼に大切にされていると感じました。この2人の今後に期待が膨らみます。そして、糸川の無事も何より。中毒寸前だったでしょうから業腹でしたが、一見とより一層絆が深まったようなのでなんとか受け入れられました。
先の展開(六巻以降)を知っていても、ハラハラドキドキの回。
曜明の兄である元組長殺害の犯人がわかって、始末すべく動く火弦と曜明。
死を覚悟した火弦が、曜明にキスをねだるくだりがいじらしいのなんのって!
それだけでは終わらず「死んでも判別できるようにキスマークを各箇所につける」という口実でキスマークをつける曜明。
曜明っていつも無表情で何考えてるのかわからないんだけど、そんな男が「あれは俺の犬だ」と言い切る姿には萌えます。
それにしても一般人の糸くんを巻き込むんじゃねー!!
おまけにあんたたち、まだ合体してなかったんだね、とそれにも驚き。
自分にだけ忠実な「犬」や、「特別」を渇望する曜明や吉里谷。
一筋縄じゃいかない男たちの一筋縄じゃいかない感情が明かされます。
それと勝又に起きた出来事……
何ともやり切れない気持ちにさせられる……。
ビター風味すぎるっ。
そしてなんと言っても、財前!!
待ってた!!
正直、ここまでどのカプも悪くはないけど、大好き!!というほどでもないなぁ……と思ってたので、この財前が登場した時は、心の目がカッ!!と見開いたのを覚えています。
ヤクザ展開が複雑だったり、そんなに不穏でなければいいな、志水先生ならわかりやすく描いて下さるのでは、と前巻のレビューに書きまして、それはその通りだったのですが。
勝又の娘と孫娘の話が悲惨すぎた(怖)
曜明が実の母親と関係を持っていた回想の時、本作はBLファンタジー色が強く、リアリティがあまり感じられないので、近親相姦はすごく苦手だけど生々しくは感じなくてよかったと思ったのですが。
今回の話はリアリティもヘチマもなく、内容そのものがきつかった。まさかこんな展開が待っていたとは!?と驚きました。
火弦が死を覚悟して、曜明にキスをねだり、それが叶ったのはよかった。体にいっぱいしてもらえたし。
曜明を守るために撃たれちゃったけど。
曜明が初めての自分だけの犬を必死で守ってくれるのでは、と次巻楽しみに読みます。
新キャラ財前!好みの美形です。
吉利谷と今後いい感じになるんですね。
これで4CP目。
余談ですが、純ロマ、セカコイ並みにゲイばっかり出てきますねw まさにBLファンタジー。
糸が火弦と偶然会ったり、こういうところもBLファンタジーだなと思う理由ですw
ふう…。
あとがきに書かれている通り、BLと言うよりVシネマ。
曜明の兄である元組長の敵討ちがメインの1冊です。
兄が父からもらった犬のような忠犬を欲しがった曜明と吉利谷。
曜明は火弦をもらい、吉利谷が求めたものをもらえる日は来なかった。
どうしてもそばにいる人間と自分を比べてしまうし、そのせいで蟠るし、人間というのは欲深く、しみじみしんどい生き物ですね。
なし崩しではなく、きちんと組長の座を受け継ぎたい吉利谷が書いた絵がどんなものであれ、最初は火弦を使う時点で「何かちょっと違う」と思ってしまいました。
曜明を引き離しておきたい、自分で決着をつけたいと思うなら、そこは曜明に一番近い存在を使っちゃいかんだろうと。
でも組長から曜明だけがもらった犬もあわよくば、死んでしまっても構わないという深い嫉妬のせいだったんだろうな。
ひとのものまで取り上げようとした業のせいで、足元を掬われるわけですが。
吉利谷と一見、さらに新キャラ・財前(弁護士)のつながりも今回はっきりします。
一見を怒らせるとやばいことも明らかになりましたね。
そして首を突っ込んでしまった糸くんは、また一見共々お預けです。
元組長(曜明の兄)が殺されたときに一緒にいた勝又もまた、自分の娘のことで後悔して、嫉妬して、逆恨みに近い感情を抱きつつも、そんな自分をまた悔いて、というつらい経験をしてきた人間のひとりでした。
このひとの話が本当につらい。
娘は自業自得だけど、孫娘のことは組長への対面を保つために手出ししづらい立場だったとは言え…、読むだけでもつらいです。
いろいろなことが済んで、終盤。
勝又の元娘婿に撃たれそうになった曜明を庇った火弦が…。
6巻を…。
急いで6巻を読まねばなりませんよ!
この巻としては、曜明さんと火弦が巻き込まれる事件がメインなんですが、7巻を読了した後戻って来てみれば。7巻のメイン、吉利谷×財前、特に吉利谷さんの叶わなかった想いなどが縷々と綴られており。プロポーズも既にしていたんですねぇ。(忘れてましたよ。)まるでソフレの様な二人。ただ人肌に触れて眠りたい、という吉利谷のそんなわがままを受け入れる財前。ぽんぽんと優しく触れるその背には、7巻で明かされる大きな傷。そして、おそらく曜明さんと同じく、先代の組長である克也さんに心酔していた吉利谷は、望んでも貰えなかった「犬」を貰えた曜明さんに嫉妬も感じていて。誰かの特別になりたいと、ただそれだけを一途に、ひたすらに思い続けていた、物語の中で一番大人に見えて、その実 幼い子供の様な吉利谷さんに「俺だけはお前の味方でいてやる」と告げる財前。
吉利谷さんが、「犬」こと、火弦にいつも優しかったのは「羨ましかった」気持ちがあったのだと気付かされます。
そしてその「犬」は忠犬らしく曜明さんを守って盾になり凶弾に倒れます。
ここではまだ、曜明さんの気持ちは読者には中々見えないのですが。先代の仇を打て、と組から命じられ赴く前に、火弦はこれが最期と曜明さんにキスをねだるのですが。曜明さんが異常に優しくて、火弦の身体中にキスマークを付けます‼︎ (これは後で吉利谷さんに見られて「愛されてるなぁ…火弦。」と言われるんですが…)えええ⁈ やっぱりそうなの⁈ って感じで。火弦だって、ピンと来て無いですし、読み手側としてもまだ納得してはいないのですが、吉利谷さんだけが気付くのです。
曜明さんが火弦を大事に思っているという気持ち。火弦が曜明さんを追って行きたい気持ち。しかし、曜明さんから火弦を預けられて保護するのに、吉利谷さんがとった行動が乱暴過ぎて。これは後で財前にも叱られますが、全く関係の無い糸くんを急性アルコール中毒にしかけて、一見さんにまで迷惑をかけます。…同級生、幼馴染、勢揃い。無駄に勢揃い。一見さんと吉利谷さんのハイキック、見ものです。一見さんが医者なのに武闘派なのも7巻でネタバレします。一見、吉利谷、財前、と全く別々の道を選んだ3人が同級生で、全員美形。そしてカッコいい。
7巻を読了してから読み返すと、本作が伏線張られまくりの神作品だと気付かされます。
普通に読んでいた時は、先代の死にまつわるあれこれに注視して読み流していたあれこれ、一つ一つの台詞の重さに。その魅力に、気づかされます。