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盛りだくさんな内容で面白かった!連載漫画を読んでいるようなワクワク感。今作はメイン二人の背景や内面にも切り込んでいて、より一層キャラに愛着が湧く。期待を煽り、萌えでいっぱいにしてくれる終わり方も最高だった。
始まりは匿名のヒーローが活躍し、壮大なストーリーを期待させる。が、このプロローグの意味は最後の最後で明かされるまで分からず、メインはトムの故郷の小さな街が舞台だった。トムの過去や背景が語られ、心の闇も見えてくる。
驚いたというか笑いそうになったというか、トムは自分の前から消えたプロフィットに百通以上ものメールを送りつけていた。返信はなく届いているかも分からないのに。しかもたまにポエミーな内容を(笑)
前作では確かに不安定で恋愛脳な印象があったトムだが、まさかこんなキャラだったとは……。スケッチを添付したとあったので、あのイラストはトムの手描きってことだったのかな。なんか後からじわじわくるタイプの萌えだった。
殺人事件に巻き込まれながら語られるトムの事情は、精神的にキツい。自分で自分を痛めつけているところもあり、トムの心の中に明るい出口があるのか心配に。
今はプロフィットに依存していると言われたトムだが、それはトムにとってどっちなんだろうと思った。依存してしまっているのか、やっと依存できたのか。
プロフィットはずっと自由に動き過ぎていて仕事が謎だと思っていたら、かなり焦らして終盤でやっと種明かし。これがまたすごく良かったんだけど、今後背後にどんな組織があり、何をもってプロフィットがその任務に就いているかまで書かれるのかな。
二巻までの印象だと、ちゃんと読もうとするとそうした説得力の地盤となる描写が不足していると思う。BLに求めるのが間違いなのかなあ。
二人ともまだ自分の中の闇に縛られてはいても、欲しいものははっきり口にしていてほっとする。相変わらず喧嘩腰の言い合いで、決裂して次作への流れかと思っていたら全然で。占いと運命なんて妙に可愛らしいことで笑う二人に癒やされた。
決意を固めてさあ次へ!というエピローグも良かった。
全体を通して見れば余剰といえるエピソードもありそうだが、楽しいから全て良し。早く最終巻まで出ないかな。まとめ読みできる日が楽しみ。
なぜ突然、プロフェットはハリケーンがきているからとトムの叔母の家に行くのか。そして何故叔母は受け入れるのか…分からない…分からないけれどトムが嵐の中現れ2人が抱き合ったらもうどうでもよくなりました。
アリゲーターごっこはやってくれたので、兵隊さんごっこも是非やってほしいですね。
今回は生きるか死ぬかの規模がやや1巻より小さい感じ。国家規模の話から突然街の駐在さんレベルになったせいで、なんとなく受け入れにバグが。本人達にしてみれば重要なことなんだろうけど。
革を贈るっていうのはやはり支配欲の現れなのかしら。プロフェットは子どもが欲しいのかってのもやや驚いた点。よくよく茶化すように出てくるけど、彼はやはり本質的にロマンチストだ。
萌2〜神
1巻で2人は離れてしまったので、今回はそれぞれの居場所からスタートです。
1巻ラストから4か月。
冒頭、プロフェットがかなり距離を置きたがっている(今までの全てから)ので、どうなることかと心配してましたが、トムから今も送られてくるメールを読んだことがきっかけで、彼の故郷にて再会する2人。
かなり早い段階で会えるので、ほっとしました。
トムの故郷ということで、この巻はトムの過去の話です。
全体通して思ったのは、プロフはトムが好きでたまらないんだなってこと。
1巻の時から好きなのは分かってましたし、トムもプロフがっていうのは読み手にはよく伝わります。
ただ、プロフはそれを表に出さないというか、そういう感じがあったので今回は幾つか言葉にしてたのが印象的でした。
例えば、再会直後の洗濯機辺りとか、ラストの言い合いの締めくくりとか。
他にも、プロフ視点の部分でトムに対して「守ってやりたい」とか思ってるので、1巻と比べると糖度高いです。
プロフの方が相手をより拒絶しがちだったので、彼が自分の気持ちを認めると途端に辛さが和らぎますね。
反面、トムがかなり苦しんでいる(精神的に)のが気の毒でした。
彼も簡単に過去の話をプロフにはできず拒絶するので、何やら1巻とは逆の立場のようになりましたが、プロフの押しの上手さ(相手を問いつめる時に、直前と内容をがらっと変えたりするところ等)とトムの若干のM気質が相まって、ぎすぎすした感じはないと思います。
結局、トムが受け入れている形になるから。
殺人事件が起こるわけですが、このシリーズはミステリーではないのでそこに期待してはいけません。
これをきっかけにトムが過去と向き合い乗り越えようとするところと、それを支え守ろうとするプロフの距離の縮まりが見どころでしょう。
2巻でも当然リバなのですが、相変わらずセクシーな雄同士といった感があってとても良い!
小山田先生のイラストもパワーアップしていて、美しさ増し増しです。
ただ、今回もラスト周辺はプロフの秘密の件でそこそこ揉めてます。
最早、恒例ですね。
しかし1巻の時の拒絶とは違い、トムはプロフの力になりたい、プロフはトムを危険な目に遭わせたくないというお互いへの思いやりゆえです。
でも1巻のラストのように離れる決断をするわけではないので、そこはご安心を。
シリーズ前作の「幽霊狩り」ラストにて。
プロフェットとのEE社でのパートナーシップを解消しコープを選んだトムと、全ての連絡を絶ちEE社を辞めて地下に潜ったプロフェット。さあこの2人の未来はどうなる⁈というところで終わっていましたが。
のっけからプロフェットを恋しがって、返事の来ない恋文のようなメールを延々送るトムの姿。
陰謀渦巻くハードボイルドな物語の中でこのような甘さが出てくるのは読者としては読みやすいけれど、ただ肉弾戦のようだった2人の間にこんなにも恋情感が出てくるとは…
とはいえ2人のやり取りは「幽霊狩り」よりももっと辛辣だったりお互い意地を張っていたり。
でもそれもお互いがお互いを守りたいがため。そしてお互いがそれを理解している。
つまりお互いが離れがたく相手を愛してしまっている証拠…
そんな感じで、一気に2人の間には「恋心」も、より深い「愛」も、もちろん欲情も燃え上がっています。
そして本作の特徴は、トムの過去中心ということ。
トムが抱えている怒りの問題。それがどこから来ているのか。
少年時代にトムが経験したいわれのない悪評と非難の日々。
それらがトムの故郷・南部の熱くワニが蠢くバイユー(沼地)で語られます。勿論プロフェット側の砂漠のフラッシュバックも。
トムの魅力的な少年時代の恋人・エティエンヌの最期には非常に驚きましたが、彼の息子・レミーに向けるプロフェットの優しい眼差しは、『いい父親になれる』という言葉に過剰に反応するプロフェットの過去の何かの伏線なのだろうか?
また、本作ではプロフェットの本名が明かされます。
それはトムがまだ13才の時に女占い師の口から出た運命の頭文字…
彼女の占いが本当なら、プロフェットの未来も全てうまくいく、はずだけど…
健康?長生き?結婚?子供?まだまだもう一波乱二波乱ありそう。
シリーズ二作目。今巻はトムの故郷のバイユー(湿地帯)を舞台にトムの過去にアプローチがされる展開でした。アメリカ南部の湿地帯独特の雰囲気が出ていて、非常に新鮮で面白かったです。某動物との絡みとか最高ww トムとプロフェットのバカップルぷりも最高潮で萌えまくりました。この二人は対等な関係がいいな。
トムの過去も湿地帯の空気感と相まって、ミステリアスで引きこまれました。 トムが抱えていたスティグマの全容を知り、トムが闘い、大事なものを守り続けてきた今迄の軌跡が伺え、ますますトムに魅了されました。強い面も弱い面も併せ持つ所に人間の魅力があるなーと実感。
トムと元彼のエティエンヌとの甘酸っぱい初恋模様も良かったです。今はトムの本命はプロフェットだけれど、過去にトムもエティエンヌもお互いの事を良く知り、想い合っていた事が想像できて、そちらも楽しめました。
そにしてもプロフェットには謎が多すぎて、トムがヤキモキするのも分かるなー。トムもプロフェットも自分の過去が暴かれる過程で相手に見せる表情や態度が対象的で、そちらも萌えポイントでした。アメリカらしいスケールの大きい話なので、次巻で全ての謎が解き明かされるのが楽しみです。