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表題作憂鬱な朝 7

久世暁人(久世家当主・学生・子爵)
桂木智之(久世家元家令・石崎家大番頭)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

 「この手をを二度と離さない」──桂木との逢瀬でそう誓った暁人。桂木から初めて弱音を聞いた暁人は、改めて過去の清算を決意!!最後の生き証人である、病床の桂木高正の元を訪れる──。
 一方、激怒する石崎父と対峙し、叱責された桂木。工場経営での独断専行を咎められ、大番頭の職を解任されてしまい…!?

作品情報

作品名
憂鬱な朝 7
著者
日高ショーコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
シリーズ
憂鬱な朝
発売日
ISBN
9784199606977
4.8

(376)

(331)

萌々

(25)

(14)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
26
得点
1799
評価数
376
平均
4.8 / 5
神率
88%

レビュー投稿数26

尊い

◾️久世暁人×桂木智之
悩ましい桂木も見ものでしたけど、この桂木こそ我々(何様だ)の求めていたものですよ!カッコいい〜
その行動がまた暁人がどうするか考えてのことだと言うのが尊い。暁人はかつて、桂木に憧れて桂木のようになりたかった。ただ桂木と並ぶためには桂木に憧れを持ち彼を追いかけるだけでは、それを成し得ないと気付いて今があるわけで。その桂木が、暁人ならどうするか考えて、暁人のことを思いながらした振る舞いが石崎紡績買収。これを尊いと言わずして何を尊いと言わんや。

前巻の布団の上では悩ましい桂木を残したままカッコいい桂木になってくれたのは最高ですね。こんなに喘ぎ声書いてくださったことありましたっけ?色気の振り切れ具合が…凄まじ……

0

翻弄された桂木がただただ報われて欲しい

 5、6巻よりはずっとストーリーがすっきりしたように感じました。というか、テンポが良かったと言うべきでしょうかね。BLはひとまず置いておいて、思わず引き込まれたり、唸らされたりする展開が多かったように思います。桂木の母親らしい芸者の知津の話や、桂木と石崎、石崎父とのやり取りなどなど。終盤まで暁人と桂木が一緒になることはないのですが、別々に暗躍する2人のかっこ良さに惚れ惚れしました。特に、暁人が病床に伏せっている桂木家当主の遜った態度を一蹴したり、桂木が石崎紡績のため石崎父と舌戦を繰り広げたりするシーンがとても良かったです。

 ただ、桂木の出自が何をするにあたってそこまで重要になってくるのかは、まだあまり理解しきれていません。誰が桂木の本当の父親なのか、桂木家当主の言質は恐らく取れたはずです。桂木はもういつでも自分の本当の出自を知ることができるでしょう。でも、それを知るだけで桂木は久世家先代の呪縛から解放されるんでしょうか? 彼は自分が久世の血を引いていないことには薄々勘付いていたように思うんですが。はっきりと証明されるまでは彼は永遠に先代から逃れられないということなんですかね。出自に関する一連の桂木の感情は、あまりにも複雑過ぎて解釈するのが非常に難しいです。これは単に私の読解力不足が原因なのですが。8巻ではBLとしての要素はもちろん、桂木が長年揺らぎ続けた自分という存在を確立させられることも期待しています。

0

嗚呼、夜が明けてしまう。暁人さまもまた、憂鬱な朝を迎えられていたこと。

再読するまで。5巻以降はややこしい、と勝手に思い込んでいました。そんな事は無い。場面転換や回想などで、時間軸が飛ぶので、少し戸惑っていただけでした。振り返ってみれば、至極単純な事なのだと。6巻で「憂鬱な朝」とは、桂木のその想いだったのだと理解していましたが、桂木と愛し合った夜、朝が来る前に遠くへ逃げて行く桂木を想って、独り寂しく目覚める暁人さまにとって、それはまた「憂鬱な朝」だったのです。

石崎総右衛門の命令を聞かず、紡績工場の経営の立て直しをしていたことを咎められ、桂木は大番頭の任を解かれます。クビです。桂木は見誤っていたのです。総右衛門殿は、感情に流されず時代の機微を見定める人ではありませんでした。ただ、憎らしいと思って生きてきた久世家を、それに仕える桂木を従えたい、優越感に浸りたいだけだったのです。そんなつまらない事に囚われて、工場で働く人々を路頭に迷わせるわけには行かない。そう決意した桂木は石崎紡績を鐘本紡績(これは当時、日本一だった鐘紡、つまりカネボウのことだと思われ。)の傘下に収め、経営権を獲得するために奔走します。桂木が、久世家や暁人さまの為では無く、自分の意思で動いたのは、これが初めての事でした。のみならず、この難題にぶつかった時、桂木が考えていた事はただ一つ。「暁人さまだったら、どうしていただろうか。」これはいつも、暁人さまが「桂木だったらどうするのか。」と、考えて行動してきたことと繋がっています。共に過ごした年月はお互いに影響しているという事がとても良く分かるのです。雨宮も言います。「暁人さまの目指す “新しい久世家” とは、かつてあなたが目指していたものと似ている気がするからです。」

一方、暁人さまは桂木と共にある為に、桂木を畏れて口を閉ざすのをやめて、最初からやり直したいと決意します。その為に全ての元凶である、桂木の出自を知る、最後の生き証人である桂木高正に会いに行きます。暁人さまの調べでは、桂木の母であった芸妓、知津が久世直弥さまの妾だったことは確かだが、後継者となるべき男子を産んだのに関わらず、その赤子を直ぐに桂木家へ出している。つまり桂木は、桂木高正の父の子では無いかという新事実⁈ これを盾に暁人さまは桂木高正から言質を取り、畜生届けの裏付けを取るのでした。
桂木高之もまた、智之の顔はともかく、その辣腕とふてぶてしさは、久世暁直さまよりも尊敬する桂木の祖父に似ている気がする、などと弟に話すシーンがあります。

桂木高之が、自分の妻に養子を取ろうと話して、妻を嬉し泣きさせるシーンがあります。このことから、高之には男の子供、次代の後継者がいないという事が分かります。これ、完全にフラグです。高之もまた、直系の血に囚われない後継者を作ろうと思うのでしょう。高之に妾がいない事も分かります。
桂木が石崎の息子、総一郎の縁談をまとめる為にその恋人、小ふさに金をやって遠くに追いやった事を総一郎が怒って詰るシーンもあります。桂木は、総一郎に言うのです。本妻と妾の間を行き来する様な事は優しいあなたには出来ない、あなたが愛する事が出来るのは一人だけだと。そして家を捨てることも出来ないだろうと。それは桂木の優しさなのです。

英国留学を前に、一夏を過ごす為、療養を装って鎌倉の別邸に暮らす暁人さまを桂木が訪ねます。それは、最も桂木が足を踏み入れたく無かった場所。暁人さまが生まれ、暁直さまが、久世本邸よりも大切にされた場所。その場所に初めて訪れたのです。
暁人さまは、先の紡績工場の件で、桂木が自分の判断で動いたことを嬉しく思い、「“桂木智之”にしか出来ないことを成し遂げて欲しい。お前は僕の指針なんだよ。」と、伝えます。桂木も初めて、素直に答えることが出来たのです。「あなたがいたから、私は進むことが出来たのです。」と。桂木が優しく微笑むのを見てたまらなくなった暁人さまは、二度も先に達してしまいます。どうか、朝になっても何処へも行かないで、と願う暁人さまに「私を朝まで寝かせなければいいでしょう…?」と、煽る桂木。「…ずるい…けど、それでもいいよ。」という切羽詰まった暁人さま。朝まで…頑張っちゃったのでしょうか。

初めて二人で迎えた昼下がり。暁人さまは、桂木と話し合うことになりますが、それは次巻へと。
二人はそれぞれ前へと進み始めました。長かった夜も明けることでしょう。それは次代への輝かしい幕開けとなる、そんな結末への予感がします。

0

時代のうねり。憂鬱な朝7

7巻です。
もう完結の運びという事で、1巻から積んでいた本作を一気読みしているわけですが。
う〜〜ん…
美しいですよ。それはもう。
華麗で。
身分制の縛りからくる禁断性や。
家制度の窮屈さや。
若き子爵の一途さや。
はじめは冷酷だった年上の桂木が、やがて甘く彼を受け入れていく様子や。
桂木が抱えている(らしい)出自に関する業や。
この設定や時代考証の重厚さ、絵柄の美しさ、BL的にはメロドラマの側面もあり、確かに「名作」「神作品」としての格は感じます。それは間違いない。
でも私個人にとって「神」かというと…ごめんなさいという感想。誰にごめんなのかよくわかんないけど。
この作品の描き方として採用されている、登場人物たちが思惑をはじめ言わずに動き、後で結局回収がなかったり、という方式、これが回りくどく、物語の進行を複雑にしてしまっていると感じる。
また、ずっと引っ張ってきている桂木の出自について。
なぜ桂木の出自がこの物語にここまで関係する?
久世の先々代の子だろうが、桂木の祖父の子だろうが、確かに桂木本人のアイデンティティに対しては意味があるけれど、暁人との関係性には何ら影響のない話なのではないのか?
この7巻は、時代がいよいよ動いて、労働者たちの立場の向上のような話もあり、家柄などより自分の才覚で実業を動かす者がこれからの勝者であるようなそんな時代の夜明けが背景にあっての、桂木の立場の激変具合、また暁人の隠居姿、が中心です。
そして唐突気味に暁人との甘い夜もあり。
そう、唐突というより暁人と桂木のラブシーンはいつも「浮いている」ように思えてなりません。
はじめの頃の無理やりの時は納得できた。でも甘くなってからは…
それは、桂木がかつて憎んでいた暁人と今は共にいたいとなるその流れが曖昧だからなのだと、私は思う。いつの間にか両想いになって、それでもまだ桂木は厳しくて、なのに夜だけは…っていうのが…。
BL的にはいいですよ。私だって美しい2人が甘く抱き合うのは眼福だと思う。でも物語との整合性はどうなのか。特にこういうエロだけではない大作だと余計そういうの大事だと思うのです。
これは8巻で終わるのかしら?9巻まで行きますか?
ともかく重厚な物語だから、そこを崩さず重厚で気品のあるラストを期待します。

2

ずっと好きになりますよ。

好きです

0

美しい。本当に名作

よくランキングとかで見かけていた本作品。
気にはなっていましたが今回初めて1巻から7巻まで一気に読みました。
なので全体通しての感想になります。。


もう読みながらずっと桂木のエロさと美しさに悶えてました。笑
こんなに心揺さぶられる受けキャラはいたかな…?というくらい魅力的なキャラクターです。

眉目秀麗というのか、とにかく本当に美しい。
髪の毛下ろして全身黒のスーツ?燕尾服みたいなのを着ている姿とかほんとにどツボ過ぎてつらかったです。


ストーリーもすごく緻密でお互いを想いあってるのがよくわかる…こんなにも相手のことを想いすぎて逆にうまくいかないこともあるのだな…と。
運命の人というのはこういう相手のことを言うんだろうなと感じました。。

出るキャラみんないい味出してて読み応え抜群です。あと難しい言葉や表現が結構あるので私の場合だいぶ集中して読まないと頭に入ってきません。笑

暁人の成長っぷりも見てて面白いです。
BLでこういう攻めが好き!とか特に自覚はしてなかったのですが、小さな頃から関係がある年の差もの、しかも年下攻めというのもすごくいいな〜と思いました。

ラストはまだどうなるかわからないけど、とにかく2人とも幸せになってほしいと願うばかり。。

3

よく練られたストーリー

前回に引き続き、二人の関係が大きく変わると言うよりも、大半が桂木の石崎家大番頭としての見せ場とか乗っ取りなどのお話でした。でも、そう言う活躍の場があるからこそ、桂木が自分を取り戻していき、暁人さまとのことにも前向きに進んでいけるようになった感じです。

一仕事終えて、鎌倉の別邸へ行かれた時の桂木の穏やかな笑顔と純粋に会いに来てくれたことを喜ぶ暁人さまが幸せそうで、このまま何事もなくハッピーエンドにしてほしいと思いました。

それにしても、ストーリーが壮大でまるで映画かドラマシリーズを見ているかのよう。次が最後なのが惜しいような、早くハッピーエンドを読みたいような複雑な気分です。

1

いつまでも揉めてて下さい!

初めて読んだ時に既に4巻まで出ていて、まとめて読んだのですが、華族とか時代背景に詳しくなかったので半分くらいしか理解してなかったんです。
日高さんが好きで、新刊も買ってましたが、後になればなるだけ理解できてない事情のしわ寄せが…。
7巻を手にした時にいよいよ話が繋がらず、スマホ片手に1巻から読み直しました!
叙爵とか家令とか書生とか!分からない部分は全部調べて、時間はかかりましたが、その価値がありました。これだけ評価されてる理由も納得です。
恋愛事情と時代故の難しさ、身分の違いや血統が、上手いこと絡み合っていて、素晴らしかったです。゜(´⊃ω⊂`)゜。桂木めっちゃ好き…。

桂木、久世には悪いけど、幸せになるのはもう少し待ってくれないかな(終わって欲しくない)?
本来、くっつくのを楽しみにするはずなのにこんなことを思ってしまいます笑
コミックス派なので、7巻掲載以降の話がわかりませんが、早く8巻出てほしい!でも終わらないで!!

3

何回読んだかわからないくらい好きな作品

たくさんBLを読んで来た中で、憂鬱な朝がダントツで好きです。家族には内緒なので電子書籍派ですが、憂鬱な朝だけは綺麗な絵がどうしても紙で見たくて書籍を隠し持っています(笑)
そんな読む前から期待度大のファンを充分満足させるどころか萌え死にさせる勢いの7巻でした。

先生の絵が本当に綺麗で、特に肌を見せている訳でもないのに桂木が超絶色っぽいのがすごいです。


良いなと思うシーンはたくさんありましたが、鎌倉に来た桂木が暁人様に優しく微笑むのが特に良かった。
キュン!と萌えた。萌え死にしそうだった。
けど、桂木がここまで穏やかになっちゃったらいよいよ完結が近いのかなと淋しくもなりました‥。
一巻で暁人様が押し倒した時、命令でなければ目も合わせようとしなかった桂木がよくここまで穏やかになったなぁ‥と。
暁人様は名前の通り、桂木の明けることない夜や憂鬱な朝を終わらせてくれる暁ですね。

もう2人の恋愛面では両思いになっちゃってるし、あとは数ある問題を解決して完結でしょうか。

あとがきによると本当は次の8巻で終わる予定だったとのことですが、何巻でもついていくのでずっと2人を見ていきたいな‥。一旦完結してから番外編でも良いから。


6

それって最大の賛辞で、最高級の告白!

前巻では停滞していたように見えた桂木ですが、7巻では「工員を路頭に迷わすわけにはいかない」と、石崎から縫製工場を買い取るため、兄に協力を仰ぎ、兜町で暗躍します。策略を巡らせ、ここぞという機を逃さない桂木は生き生きしていて見惚れます!やっぱり桂木はこうでなくっちゃ。

すべてを終えた桂木は、暁人が待つ鎌倉へ。桂木が家や暁人に囚われずに動いたことを暁人も喜び、「桂木智之にしかできないことを成し遂げてほしい。お前は僕の指針だから…」と思いを語ると、桂木はその言葉を遮って「ずっと あなたならどうするか考えていました」と…
これって桂木にとっての目標が暁人だったってことですよね?桂木にとって暁人は自分が継ぐはずだった爵位を奪い、忌々しいながら跡継ぎとしてすべてを教えなきゃいけなかった頼りない子供だったはず。年月とともに想いも関係も変えて今に至るわけですが、教える側だった桂木が教えられる側だった暁人を目標としていたって、桂木から暁人への最大の賛辞で、最高級の告白じゃないですか!
暁人は、あの桂木に、こんなことを想わせる男になったんだと、二人の関係も最高潮に感じてふるえました!

久しぶりに会った二人は夜を一緒に過ごすのも久しぶり。ここでは、子供のように「朝になってもいなくならないって約束して。約束してくれなきゃ動かない」とダダをこねる暁人に、「朝まで寝かせなければいいでしょう?」と桂木は大人の返し。桂木優位のちょっと前の関係を見てるようです。

5

んっとに!ややこしい!!

久世家当主:久世暁人×家老:桂木智之です。
相変わらず、本当にややこしい話ですが、早いもので7巻に突入です。
正直、私の読解力の問題とは思いますが、本当にややこしくて何回か読まないとさっぱり内容がわからないくらい難しい話だと思います。
家系図をメモしておかないと本当にわかりませんでした。

結局のところ、桂木は暁人の祖父と桂木の母親(芸者)の子供といわれて、なんか色々あって桂木家の養子になったってことになってるけど、実は、高之殿の祖父と桂木の母親の子ではないか?ってことで良いのかなぁ??って思ってます。←あんまり自信はありませんw

桂木が母親似ではなく父親似だったら、こんなややこしい話にはならなかったんじゃ・・・って少しだけ思っちゃいましたね・・・。

後半の鎌倉での話は本当に萌えましたね!桂木の顔が本当に良い顔しててまぁ!って思いました!

どうやら、次の巻で終わるハズらしいので、本当に最終的にどうなるのかが本当に気になりますね!もう予想すらできないので楽しみです!!

特典のペーパーは桂木が暁人の力を振りほどくことが出来なくて不安になるという1巻の話でした。

1

安易に最新巻に手を付けられない

 新刊の発売が発表されると、毎回それまでの巻を全て読み直してから最新巻を読むようにしています。でないと、こちらが取り残される。それくらい奥深くて、緻密。安易に最新巻に手を付けてはならないような、そんな戒めを自分に課すようになってきました(笑)
 桂木がグルグルしていた時期を抜けて、彼のやりたいことが明確になってきたところでした。どんどん成長していく暁人様が遠くなって、背中を追いかける力もないと感じていた桂木がようやく、『私にしかできない仕事』を求めて立ち上がりました。暁人様ならこんな時、どうするだろうか?、と。『本来の私に戻る』と同時に『何より私自身が暁人様と共に在ることを望んでいる』と宣言して。
 酒をあおったり、石崎総右衛門に喧嘩を売ったり私財をなげうって容赦なし必勝の戦いをしかけたり三等列車に乗り込んででも暁人様のところへ向かったり。アクティブな桂木をみることができて満足でした~。
 暁人様と桂木は離れたところで違うことをしているのに、お互いに通じ合っていることが余計に強く感じられた巻でした。
 暁人様は桂木の前ではやっぱり暁人様ですね^^それにあんな穏やかな笑顔で桂木に下から見上げられたら、ストップかけられるわけがないでしょう・・・・・
 正直もどかしい部分も多い作品ですが、この作品に関しては存分に時間をかけて描き切っていただきたい。それよりも、ここまで人気の作家さんになられて、BL以外のお仕事や実写化なども含めて益々お忙しくなられるのだろうという喜びとそれ以上の不安を感じている矮小なファン(自分)がおります。
 色々な変化がお2人の本当にやりたいこと(何かはわからないけど)の足枷に(結果的に)なってしまったりしないように、全てがスムーズに進んでいきますように、微力ながらお祈りするところです。もちろん他の作品についても楽しみですが、この作品に関しては少しのあいだ雑誌の方も休載されるということでしたので、これまで以上に待つのだと覚悟もしております。それでも次巻も楽しみにしたいと思います。

7

新しい朝の予感

ようやくここまで来た……と、読み終わってジンワリ。
まだまだ課題はあるけれど、暁の子 暁人はきっと全てに決着をつけ
そして桂木を呪縛から解き放ち、共に生きる道を見つけることだろう。

少しずつ、過去が解き明かされていく。
それぞれがそれぞれの戦いを続ける中、会えなくて離れていても
相手だったらどうするかを考えながら、行動を選んでいく二人の
心は深く深くつながっている。

常ならば決して乗らない三等列車に困惑しながら、鎌倉へ向かう桂木。
(お貴族様の暁人は、三等列車を楽しいと言ってしまうのがまた楽し。)
思いがけない桂木の訪問に、雨の中裸足で抱きついていく暁人。
朝になると桂木がいないことがどんなに寂しいかを言いつのる暁人に
朝を共に迎えたければ、朝まで寝かせなければいい、と言う桂木。
鎌倉の夜は熱く甘く、二人共が愛おしく、そして優しい朝が訪れる。

切なくも穏やかな余韻に身を浸しながら、8巻きを心待ちにします。

              *

馬車の中で雨宮が首元のキスマークを見つけてドギマギしているのに、
「暁人様私のことはもう諦めろ、私はもう抗うのを止めた」という桂木に
ものすごく萌えた……、というのは私の個人的好みかな?
時々年相応の幼さを見せる、暁人様にも萌え。

8

2人の成長に影響される脇キャラにも注目

2人の恋路を応援していましたが、話が進むに連れ、
桂木の兄・高之殿がものすごく好きなキャラになってしまい(笑)
今回は高之殿好きの私としてはもうたまらない巻でした…!
久世家と桂木家との”決まり事”に縛られ続けていた高之殿が
ようやくその呪縛から解放されて事業拡大が叶うことに…!
自分の小さい頃の写真(黒歴史)を暁人に要求され動揺したり、
いい大人なんだから智之と仲良くしてくれと暁人に怒られていたり、
奥さんに養子を取ろうかと相談する(もといデレる)高之殿。
見ていてとても微笑ましいです。人間臭くて良いキャラですよね。
主人公の暁人と桂木の成長ぶりも素晴らしいですが、
それに影響された脇キャラもまた良い方向へ変化していってます。

他にもたまらない場面満載の巻なのですが、
やっぱり後半の鎌倉で再び暁人と桂木が逢う場面が一番です。
あんなに鎌倉に行くのを渋っていた桂木が、
夜も更けっていく中、急いで鎌倉へと向かいます。
大番頭と教育係を解かれ、精神的に参っているであろうところ、あの再会…!
桂木の目を見開いたあの表情、グっときました…!
思いが通じ合っている2人なので、その後の絡みの場面も甘く良い雰囲気。
暁人に微笑みかける桂木が美しく、柔らかい表情。
今までお互いが譲らず、ずっと対立し合ってきていたので、
桂木のあんな表情をされたら…暁人はたまらないに決まってる!!

翌日、縁側での会話。桂木がようやく鎌倉に訪れてくれて、
束の間の、2人だけの穏やかな時間。
暁人が「夢みたいだ」と言うんですが、桂木が「夢ですよ」と。
この桂木の台詞が切ない…。
この後暁人は留学してしまう為、しばらく桂木には会うことができない。
留学してまた一段と成長して帰国する暁人も見たいですが…
でもやっぱり一番見たいのは2人が仲睦まじくしている姿だから…!

予定では次巻8巻で終わるはず…だったそうですが、
現時点では確実とは言い切れず、もしかしたら9巻で終わる可能性もあるそうな。
9巻だと中途半端だし、まだまだ2人のイチャイチャが見たいので、
個人的には9巻で本編終わらせて、10巻でちょっと番外編みたいな感じを
やってくれないかなあ、なんて思っていたり…(無理でしょうけど!!)
何にせよ、次巻の発売もとても楽しみです。

17

鎌倉までたったの2時間

ストーリーとしては、桂木の方は石崎家を上手く飛び出して、桂木兄弟も和解の方向に向かっている感じ。久世家の方は暁人は鎌倉に籠っているし英国留学も控えているしで、まだどうなるのかは分かりません。でも、暁人と桂木は今回100%結ばれた感じがしました。

桂木がね、満員列車に飛び乗って鎌倉にいる暁人に会いに行くんです。一等車や二等車で優雅に旅した訳ではありません。どうしても今日行きたいと、乗った事もないギュウギュウ詰めの三等列車に乗って汗だくのススまみれホコリまみれで行くんです。暁人に乗りかかられて「待ってください・・・すす臭かったらもう一度お風呂に・・・」みたいなことを言っちゃうもんだから、暁人が萌えにプルプル震えたのち猛獣化しましたw 雨宮にも「もう抗わない」と言った言葉の通り、鎌倉に来た桂木は自分の気持ちに本当に素直で、暁人も初めて全てを受け入れられた気分になったんじゃないかな。暁人はもう終始メロメロ状態だったな。。今までエッチ中も感情や声をほとんど出さなかった桂木が、突然「んっ...や...暁人さまっ...!」ってなっちゃったもんだから、そりゃもう仕方がないよね。若いし。甘えたことを言っても優しく頭をなでてもらえる・・・暁人が小さい頃から桂木にしてもらいたかったこと、やっとしてもらえるようになったんだから泣きそうなぐらい嬉しいんだろうな。今回の暁人はすごく甘えんぼでした。

憂鬱な朝って起きたら横に桂木がいない朝のことだったんだろうか。今回初めて一緒に朝を迎えた2人。これからどうなっていくんだろう。表紙の背景も1巻では真っ黒だったのに、7巻ではほとんど真っ白な状態に。まだまだ先が読めないけれど、最後まで大切に読みたいです!

13

ようやく

タイトルにある「憂鬱」の文字通り、どこか重く、何かが引っかかり、はっきりとしない。
桂木と暁人との関係性すら向き合った瞬間から背くの繰り返しで、もどかしさばかりが募っていく。
そんな印象が強い作品ですが、ふたりが久世家を出て距離的に離れてしまうと、お互いの「成そう」とすることを尊重し合えるようになります。
なにより、桂木の中で暁人が与えた影響を感じられるようになり、また暁人も桂木に対する執着の形を変え始め自分で考え行動する。
それぞれが己の道を歩き始めたんだな、と感じることが出来ました。

それぞれが、それぞれの場所で成すべき事をしている姿ばかりなのに、今までで一番ふたりが寄り添っているように思われ、読み進めるほどに温かい気持ちになっていきます。
次なるふたりの逢瀬が、きっとこれまでとは違うものになるだろうという期待に満ちる高揚感の中、桂木のらしくない姿に、ついに感情が理性を超えたと可笑しく、嬉しく、そして心臓が早鐘を打つような待ち遠しさ。
会話の穏やかさに、桂木の柔らかな表情に、お互いの気持ちと向き合い受け止めようとするふたりが見られて、とても幸せな気持ちになりました。

5

ラストを前に…

憂鬱な朝は作品自体が神なので、最終巻の時にレビューしようと思っていたのですが我慢できずに投稿してしまいました。

7巻という長編にもかかわらず、1巻から作品に流れている空気感、ストーリー展開にまったくのぶれを感じません。
暁人さまの桂木への激しい恋心、桂木の暁人さまに対する深い愛情は、巻数を重ねるごとに読み手に訴えかけてきます。
7巻では二人のシーンは最後のみと少ないものの、冒頭から二人のそれぞれの言動にお互いへの愛を感じて、心が熱くなりました。
最後の逢瀬のシーンでの桂木の笑顔。やばいです。暁人さまに向けた初めての笑顔なんじゃないかなぁ。
暁人さまはそりゃ我慢できないですよね(笑)

先生が予定なら次巻で終わり、と書かれていましたが、私にとってはもう巻数など問題ではありません。
私は先生が創り出す暁人と桂木の物語を最後まで見届けたいと思っています。
一人でも多くの方に読んでもらいたいBL界最高峰の作品の一つだと思います。

9

面白かったんですが

日高さんが次の巻で終わりたいというようなことを書いてらっしゃいますが、お話し的にはそろそろ終わった方がいいかな…と私も思ってしまいました。七巻もとてもよく出来ていて良かったんですけど、そろそろ飽きてきたかなあ…と。久世と桂木はもうこれ以上ないほど愛し合っているし信頼しあっているので、BLとしてはもうやることがないような…。この話って最初は久世を憎んでいた桂木が落ちるまでが楽しいと思うので。でもこの二人は好きだし、この二人がいちゃついてるとこは一生見続けたいですけどね!

4

後半部分は甘い。

今回はお仕事がメインだったので、ちょっと甘さが足りなかった様な気はすれども、桂木が奔走するのはひとえに暁人のためだと思えば萌えますね。
暁人は社交の場や人前に出るときは、桂木の教育もあってスマートな大人の男性なのに、桂木と二人きりになったとたん昔の様な表情になりますよね!
待ちわびた桂木が来たときの暁人の反応ったら・・・!
犬やったら絶対尻尾ふってるやん。
でも、桂木はいずれ暁人の元を離れるつもりでいるのだとすれば切ないです。・・・私としては、タイトルが“憂鬱な朝”なのがずっと気になって仕方ないのですが。
二人がハッピーになるのを心待ちにしております。

4

桂木、覚醒。

 森山家の夜会の後の6巻で、ただぼうっと立ちすくんでいたかのように見えた桂木の時計が、またたしかに時を刻み始めました。「そろそろ本来の私に戻るべきだと思っただけです」激高する石崎父に一歩も引かず、啖呵を切ってのけた彼は文句なしにかっこよかった。ただ以前のように正確無比、目的のためならすべての感情を切り捨てて突き進むようなサイボーグの歩みではなく、時に立ち止まって振り返ったり、壁にぶち当たって思案に暮れたり、効率は決してよくない、でもきわめて人間くさいやり方で。しるべとなるのはただひとつ「こんなとき、暁人さまならどうするだろうか」欲も得もかなぐり捨てて、ただ工員たちの雇用を守るため、天下の石崎財閥を向こうに回して紡績工場の買収に奔走する。恋の悩みはひとまずおいて、目の前の仕事に没頭する。その姿は、あれほどかたくなだった兄高之らとの確執すら解かしはじめる。

 変わる桂木。そして暁人は、誰よりそれを喜んでいた。久世家のためでも、暁人のためでもなく、桂木が初めて自分のやりたいことのためだけにその手腕を存分にふるっている。「何事にも囚われずに進むお前を見ていたい」10歳の時から8年間、桂木のきびしく隙のない教育をたたきこまれ、その結果として今の自分があると身をもって知る暁人は、実は今でも誰より桂木がこわい。自分なりに苦心して、時間をかけて算段してきたものを、桂木の意に反するからと、あの夜会の時のように一瞬で覆されることがこれからだって何度もあるだろう。それでも、自分を殺して黙って暁人の意に沿う桂木をみるよりはどんなにかましだ。桂木を選んだ時点で、従順な恋人なんか暁人ははなから望んじゃいない。桂木が桂木らしく、はるかな高みで輝いていてくれたら、そこを指針に、また負けないようにと自分を奮い立たせることができる。この7巻まできて、二人が背負わねばならない重い宿命はいささかも軽くなったわけではないけれど、気の持ちようというか、ぐらついていた足場がしっかりと定まったことで(特に桂木。隠さなくなったし、逃げなくなった)うっすらとトンネルの出口の明かりも見えてきた気がします。

 この巻も200ページ超、コミックスとしてはけっこうな分量ですが、主役二人一緒のシーンはラストの鎌倉別邸だけと、思いのほか少ない。その分絡みは熱く濃く、暁人の英国留学前の最後の逢瀬かもというスパイスも効いて、いやがうえにも盛り上がります。とりわけ「あなたも私と同じ石鹸の香りがしますね」のとこで桂木が見せた表情!! これまでどんなときにもこの人に付きまとっていた険や陰といったものがきれいに取り払われて、ただ無防備に、好きな人にだけ向ける淡いほほえみ。そりゃ暁人が暴走しちゃうのも無理なかろうて。

 主役二人が直接向き合ってない間も、周囲の人間ドラマはさまざまに展開してゆき息つく暇を与えません。これまでもずっと、顔と体はゴツいけど癒しの言動で一服の清涼剤だった石崎が、この巻では桂木のヤケ酒に付き合って和ませてくれます。それだけに小ふさを巡る二人の対立の行方はとても気がかり。桂木ってひとは、暁人さま以外の人間などどうでもいいと言いながら、周囲の人を一人ひとりよく見てて、人と人をめあわせるときのツボも実によく心得てるので、任せとけば悪いようにはしないと思うのですけれどね。(あの西園寺さんが最終的には感謝してたくらいだし)
 
 次の8巻で大団円か、まだまだ続くのか。日高さんのあとがきでも五分五分といった感じで、個人的にはこの内容ならヨユーで2桁突破しても不思議はないと思ってます。だって1巻1巻のこの充実ぶり、この際だから日高さんには思い残すところなく描きたいものをすべて描き尽くすまで筆を擱いてほしくない。どこまでも見届ける覚悟はできてます。

20

流れは切らないでほしかった!

 暁人が桂木家で前当主の高正と対峙するころ、桂木は石崎と向き合う。暁人が言うように桂木の出自は、桂木にとって根幹になる部分なので、例え結果がどうあろうともはっきりさせるべきだと思うし、私自身もとても興味のあるところなので、わくわくどきどきして読んだのですが、結局のところ未だ曖昧です。新橋の芸者の知津が母親ということより、重要なのは父親ですよね。あの怯え方だと高正なのかと思えるけど、父親の方かもしれないな。それともまだ直弥って説も残っているのだろうか。どちらにしろ、この時代はDNA鑑定もないので、母親はともかく父親が誰かなんてはっきりさせるのは難しいと思う。それをどう展開させるのか楽しみです。
 そして石崎家。こちらも桂木への処遇がはっきりしていませんが、桂木の様な優秀な男を石崎はやはり手放さないのでしょう。それでもなんだかスッキリした気持ちになれたのは、桂木がとても生き生きしているからです。石崎紡績工場は桂木にぴったりの場所だと思う。最初の頃から桂木は衣服にとてもこだわりを持っていて見る目も確かです。たとえそれが暁人の父・暁直の影響だとしても、桂木自身が自分らしく辣腕をふるう場所が出来たことがとても嬉しいです。

 こんな風にコミックスの4分の3ぐらいまでは二人の活躍が別々に描かれているので、それが『憂鬱な朝』のすごいところだと思いつつも、やはり一番見たかったのはここから先です。
 桂木が暁人を訊ねて鎌倉の別邸へ向かい、思いがけず庭先に桂木の姿を見つけた暁人が、裸足のまま駆けつけて桂木を抱きしめてキスを…キスを???え~~~っ!そのまま一気に愛しあって欲しかったですー!道中の汽車の中とか石崎とのことをここで挟む必要があったのですか!?時間を前後させるって良くあるけれど、高ぶった気持ちがちょっと折れてしまったので、ここは時間軸どおりに描いてもらって、彼らのこの時の感情をそのまま共有したかったなぁと思いました。続くベッドシーンが素晴らしかっただけに尚更そう思います。
 
 愛しあった翌日の「夢みたいだ」という暁人に返した「夢ですよ」という言葉、続けて「そう長くは一緒にいられません」と穏やかな桂木。その言葉の意味は8巻に続くのですね。とてもとても難しい7巻でした。

 たぶん全巻通したら【神】しか付けられない作品だと思う。だけど一冊ずつ評価を付けるのだとしたら、出自のことや留学の真相などが先送りにされていたり、ベッドシーンへの流れを考えるとこの巻は萌2かなと思います。

6

クライマックスへ向けて

読み応えありました。

憂鬱な朝で毎度感心するのが、伏線回収がきちんと成されているところ。話が入り組んでくると、曖昧な点の1つや2つ出てきそうなものですが…。かなり昔のちょっとしたエピソードに過ぎないと思われた事が
後付けではなくしっかりと本編に絡んできます。「そういう事かー」と驚けるのって単純に気持ちいいので好きなんです♪
同時に作者の手を抜かない姿勢が感じられて益々尊敬&好きになりました。この焦れ焦れする感じもあと最長2巻で終わりと思うと
寂しい。本番より過程スキーな私としてはもっと味わっていたい、と思うのです笑。

個人的7巻の萌え?ポイントは…

⚫︎扉絵の暁人様(坊ちゃん時代)のハの字眉

⚫︎馬車内で暁人様との関係が露呈した時の雨宮

⚫︎桂木の久し振りの切れ者ぶりとツン顏、美しい…

⚫︎ようやく2人の意見が合致した所 桂木の感極まり顏

⚫︎からの鎌倉初夜 暁人様が甘えモードになってて可愛いし桂木はキングオブ受けな包容力だし…もぉ(≧∇≦)

2人だけでなく皆が幸せになりそうな予感(あっ石崎君以外汗)の7巻でした。

9

4巻に続く節目となる巻でした

ちるちるさんでは数年ぶりにレビューを書かせて頂きます。

今巻は、暁人と桂木、お互いの想いが通じあった4巻に続いて二つ目の節目となる巻ではないでしょうか。故に、1~4巻と5巻~7巻では萌えの方向性が少し異なる気がします。
1~4巻を第一部としますと、そこでは自分を疎ましく思う桂木に恋してしまった暁人が少しずつ成長していき彼に認められるようになる過程、そしてかつて憎んでいた存在をいつしか当主と認め、側にいたいと思うようになる過程が萌えポイントだったのではと思います。つまり、年下攻めが年上受けに"抱かれたい,と思わせることのできるほどに成長する点と、年上受けが葛藤しながらも年下攻めに惹かれ、デレていく点が魅力でした。
しかし5巻~7巻を第二部としますと、こちらは二人の愛がもつ揺るぎのないものになった上で展開されているお話になりますので、今までの"お洒落な上流社会の中で繰り広げられる年下攻め美人受けもの"とは少し異なる様相を呈しています。
端的に申しますと、"自らの守るべきもののために戦う男達のリーマンもの"です(笑)勿論、暁人や桂木が時代やお家に翻弄されながらも自分の道を切り開いて生きていくというところは当初から一貫しているところではありますが、無理矢理ジャンル分けをしてみました。この変化が一部の読者さんには"変わらず好きだけれども以前に比べてあまり萌えられなくなった"原因であり、また私のような一部の読者にとってはより萌えが加速した要因なのではないかと思います。
既刊を纏めて読み返してみたのですが、暁人への感情を持て余して葛藤する桂木の悩ましい姿や、凛々しく成長しながらも桂木にどこまでも執着し続ける暁人の強い眼光に(私が)果てしない萌えを感じたのが第一部。しかし第二部では、背水の陣で臨む株式や投資の勝負で競り勝つ桂木、政事や悪巧みを毅然とこなし全てを自分の思い通りに進めていく暁人、(そして暁人の信頼を得た後に桂木に劣らぬ才覚を発揮して彼らを助けるまでになった桂木高之)に萌えているではありませんか!(笑)
よく考えたらここまで毎日お仕事しているリーマンものや社会もののBLなんてそうそうありません。憂鬱な朝のもう一つの魅力は、暁人と桂木が成長し変わっていく中で、彼らも含めた働く男達の関係性や社会までもが変わっていくところではないでしょうか。

最後に少しだけ本編に触れますと、桂木が初めて家や暁人のためでもなく、ただ自分のために動くシーンがとても印象深かったです。正直、久世家の使用人を抜けば桂木と暁人の周りの人間は彼らに関わってあまり良い事態にはなっていません。どちらかというと彼らに振り回されて迷惑を被っています。しかし二人、特に桂木は今まで久世家と暁人のためにのみ動きそれらを黙殺してきました。そんな桂木が、自分の関わっている紡績工場とその社員を守りたい、そしてそのためなら石崎家にも歯向かうというのです。その中にあったのは、自分にしかできない仕事を続けたいという思い。その工場こそが、自分を超えるほどに立派に成長した暁人に対する寂しさと悔しさを募らせていた彼の見つけた、暁人の腕の中以外の心休まる"居場所"だったのかもしれない。そう思うと涙が止まりませんでした。

長すぎる上に何が言いたかったのか分からないレビューになりましたが、皆さんの共感や疑問の種になり、萌えの一助となれば幸いです。一文で言うと日高ショーコ先生は最高!です(ノД`)

33

いらいら

この話って、もしかしたら、受けのルーツさがしの話だったの、と思うくらい、そのエピソードがメインの巻。これで、あと二冊も続くのかと思うと、まどろっこしくて、いらいら。コミックスで追いかけていると、毎回、これまでの細かい話は忘れているし。いろんな枝葉は整理して、3冊ぐらいでまとめてくれたらよかったのに、とおもわないでもない。そう思うのも、はなしがふくらんでおもしろくなる、というよりも、こんがらがるばかりにおもえるせいでしょうか。一筋縄ではいかない屈折した受けがいるだけに。もう完結してから読もうかな、と思うぐらいには、話を追いかけるのがめんどうになってきました。

あと、ちょっと絵が崩れてきたのが気になる。決め顔、決めコマは、まだちゃんとしてるけど、立ち姿とか下書きに別の人がペンでも入れましたか、という絵がある。きちきちに作り込んでいる画面のせいか、そういう荒が妙に目につくかも。
あとamazonで特典ペーパーつきを購入しましたが、どうでもいいような1巻あたりのエピソードで、別に読まなくてもよかったかも
これまでは作家買いをしていましたが、「花は咲くか」も合わなかったし、これも進めば進むほど、自分の萌えからずれていくかんじでざんねん。

7

萌え死ぬかと思いました

『憂鬱な朝』って、頭空っぽにして読める作品じゃないんですよね。話が複雑で、登場人物たちがみんな面倒な奴らばかりで(←褒めてます)。絵柄はどのページをとっても雑なところは全くない。日高先生の作品に対する愛情と真摯な想いが伝わってくるので、読み手としてもきっちり読み尽くしたい。

で、待望の7巻。

もうね、scene.34の扉絵が!すんごい可愛いです。
数年前なのかな。まだ子どもの暁人が、桂木にネクタイの締め方を教わってるシーンだと思われるのですが。
クールビューティーな桂木に、ベソかきそうな表情で必死にタイを結ぶ暁人。
もうこのシーンだけで萌えがたぎりまくってしまった…。

で、ここだけで萌えてる場合じゃないので、感想を。

前巻で暁人への想いを自覚し、伝えた桂木。
そして、その想いに応えたい暁人。

暁人は昔から桂木一筋なのだけれど、「自分が」どうしたいか、というところから行動していたように思います。それが、一歩引いて桂木のために何ができるのか、を考えられるように。暁人の成長ぶりが素晴らしい。

そして桂木のほうも。
暁人との行為によってつけられたキスマークや手首のあざを雨宮に見られ、指摘したほうが良いのかもじもじする雨宮に対して、

暁人様と私のことはもう諦めろ
私はもう抗うのを止めた

とスパッと言っちゃう。
もうだめだ。萌え死ぬな、これ。って思いながら読み進めました。
カッコよすぎだろ…!

暁人と桂木のカッコよさに悶えつつ、話自体はまた二転三転しています。

まず、桂木と石崎父との関係。
石崎父は商売人なので、そこでの駆け引きの勝負の行方がどうなるのか。
紡績工場の面々は桂木寄りだと思うので桂木に軍配が上がると思うのだけれど。ここでもサクッと「私は間違ったことはしていない」と言い切る桂木に痺れ、その後色々指示し利益を得るさまはカッコよすぎてどうしてやろうかと思うほど(オイ)。

そして、話は桂木の出生の秘密へと。
桂木のお母さんという人が出てきますが、すっごい美人。当たり前か、桂木の母ちゃんだもんなあ…。
で、この人がこれまた良い。野心家なんですね。自分の力で這い上がろうと画策し、実行する逞しい女性でした。賛否両論ありそうな女性ではありますが、個人的にはとても好きでした。
が、彼女が産んだ子(=桂木)が、結局誰の子なのか。

エチシーンは最後にちょびっとだけ。
苦労しつつ暁人の元へと現れた桂木が、自分からキスを仕掛け、そして事の最中に暁人へと笑いかける。
こんなん、暁人でなくても翻弄させられるわ、という桂木のデレっぷりにほっこりしつつ。

身体の接触は少ないのだけれど、確実に二人の距離が縮まってきているな、と実感する巻でした。

あとがきで日高さんが「予定通りなら次巻で終わる予定なのだけれど」と書かれていて、早く幸せになった二人を見たいという思いと、まだまだ終わらせてほしくないという思いと、相反する感想を持ちつつ。

あ、アニメイトさんのダブルカバーの特典付きのものとアマゾンさんのペーパー付きのものと複数買いしましたが、とりあえずアニメイト版のダブルカバーについて。

コミックをめくってすぐのカラーの挿絵のイラストのダブルカバーでした。
トーンは暗めですが、二人の表情は明るいし、手握ってるし、夜明けは近そうだな、と感じる。そんな絵柄でした。

21

最高の2人です

もう最高です!!!1巻からの暁人様と桂木を見守ってきた読者としては2人の成長が半端ない…
桂木の出生の秘密のために暁人様が奔走するのが桂木の事を凄く考えてるなって感じますね…桂木の出生の秘密も着々とわかってきて…これからどうなるのか…桂木は桂木で自分にしか出来ない事をしたいって気持ちが強くて成長したな…って思いました!
どんどん成長する2人だけどお互いのことをちゃんと考えてるのが素晴らしい…「暁人様ならどうするだろう…」「桂木なら」みたいな感じが素晴らしい…
7巻の最後は甘々でしたね…今までの巻の中で一番桂木が色っぽい様に感じました…(どの巻も素敵ですが)暁人様が桂木を見た瞬間抱きついたのが凄く良かった!あと桂木の「朝まで寝かせなければいいでしょう」がもう最高!!!暁人様も桂木も可愛すぎですよ!!!
暁人様が桂木を見る目がたまらなく良いですね…
言いたいことは色々ありますが一言「とにかく読んで」としか言えない

10

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