• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作雪だるまは一途に恋をする

琉 、組織から逃げている元殺し屋
ユキ、翼の体に入った元雪だるま

その他の収録作品

  • Freezing Heart
  • 雪だるまのしあわせ

あらすじ

好きだ――雪だるまだったおまえをな
雪だるまのユキが転生したのは、ユキを作ってくれた翼の体。無口だけど優しい琉の傍にいたくて頑張るけれど、ユキは翼にはなれなくて…。

淡いブルーのマフラーにバケツの帽子、両手は棒つきキャンディ―。ユキは翼が作った雪だるま。寒い冬の日、小さな家の庭の端っこで生まれた。
翼の隣には無口だけど優しい琉。隠れるように暮らす二人を、ユキは愛おしく見守っていたが…。
翼の思いと引き換えに彼の体に転生したユキは琉を支えたくて頑張るけれど、中身は生まれたばかりの雪だるま。
翼にはなれないし、琉の心にも近づけない。しかし――。こころほっこりリリカルファンタジー

作品情報

作品名
雪だるまは一途に恋をする
著者
伊勢原ささら 
イラスト
コウキ。 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576170060
3.2

(31)

(4)

萌々

(10)

(10)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
6
得点
93
評価数
31
平均
3.2 / 5
神率
12.9%

レビュー投稿数6

表紙の癒し系のイメージとは違うシリアスもの

伊勢原ささら先生といえば「ピノと、彼の初戀」のイメージが強く、雪だるまが登場するほのぼのファンタジーを想像していたら……かなり想像とは違う、ダークさ漂うお話でした。

これは、あらすじをよく確認せずに買った自分が悪いのですが…;
表紙の可愛らしさからイメージしていたものとだいぶ違って、なんとなく世界観に馴染みきれないまま読み終わってしまったかな。。

”仇討ち”が合法化された世界で、追手から逃げる暗殺者 × 元雪だるまという、なんとも異色のカプです。

舞台は近未来。私的な報復殺人、仇討ちが合法になった世界のお話。

環境汚染の影響で春と秋がなくなり、一年の半分以上が雪に埋もれる日本で、追手から隠れ、隠れ家でひっそり過ごす琉(攻)と翼。
血の繋がりはないけれど、暗殺者養成施設で兄弟同然に育った二人。

翼が庭に作った雪だるまのユキ(受)は、そんな二人を眺めては幸せを感じ、琉にほのかな恋心を抱いていたのですが、ある日追手が現れ、狙撃され倒れた翼の体の中にユキが入り込んでしまいー!?

と続きます。

こう、なんというか、暗殺というダークさがある割にはハードボイルドに振り切っている感じではなく、ハリウッド的な「ドーン!バーン!ボーン!(語彙力…)」のようなものを求める自分にはちょっと物足りなかった。

雪だるまというファンタジー要素と、暗殺というダークな部分の掛け合わせが、どうも自分にはしっくりこなかったな、という感じです。
「仇討ちが合法化された世界」というのもなんとなく最後まで違和感を感じてしまったかな。。

受けのユキも可愛いんだけれど、自分を卑下しすぎなところがあって、もう少し精神的な強さが欲しいなあなんて思ってしまいました。

でもでもでも。人間×雪だるま(”元”ですが)なんてカップリング、自分では絶対に思いつかない異色な組み合わせ。
そんなカプをダーク色濃いめな物語に組み込まれる伊勢原先生、すごいです。

”可愛い”だけではないファンタジーの世界を味わうことのできる作品でした。

0

かわいいけど怖い

作者の印象がガラッと変わったローファンタジー作品。

タイトルは可愛らしいけれど、中身は結構なハードボイルドでした。

近未来。温暖化が進み、真夏と真冬しか訪れなくなった日本。捨て子だった琉と翼が兄弟のように育った児童養護施設は、暗殺組織の養成所でもあった。琉と翼にはもう一人近しかった仲間の新がいたが、暗殺業から抜け出したい琉たちと彼はいつからか考えを異にするようになり、やがて対立することとなる。

主人公は、琉と翼が二人で暮らす小さな家の庭で翼が作った雪だるま。ユキと名付けられ、物語はユキ視点で進行していきます。琉に恋してしまったユキの思いは、悲しくも不思議な経緯で成就していくのですが…。健気なユキが可愛くて、最後までハラハラしながら読み終えました。

驚いたのは、以前読んだ作品と本作で文章の印象がかなり変わったこと。後半の「Freezing Heart」は短いなりに読み応えがありました。抗争シーンが迫力満点!それに前半部分で描かれなかった部分をきちんと補完しており、謎が明らかにされます。

なんといってもユキが可愛くて。ユキの独特なセリフ回しに不覚にもハマってしまいました。琉に宛てて書いたお手紙にもウルっとしてしまって…。琉とユキが飼っている犬のツバサもめちゃくちゃ可愛かった。

最後の方はユキとツバサの可愛さを愛でているだけな感じだったんですけど、振り返るとこのお話って、終末の日本で、幻想的な雪景色の中、合法として殺し合いが行われている物騒なお話なんですよね。それでも、綺麗な情景が浮かぶ映画みたいな雰囲気がすごく好きだったので、もっと長尺でじっくりと読みたかったです。ふと、ユキって一体何者?って考え始めると急にホラーになるので、深追いはやめておきますが笑(なんでか作家様の作品にはホラー感がつきまとうの謎です)

1

雪だるま受け!!!

とにかく雪だるまのユキちゃんが可愛い近未来ファンタジー。
健気で一途で純真無垢な受けは宝物です。言葉遣いも仕草も可愛くて(*´Д`*)コウキ。先生の絵柄で更に萌え倍増です( *´艸`)

暗殺稼業のシリアス設定(復習暗殺設定が山藍先生のタリオをちょっぴし想起させましたが)もありますが、そこから紡がれる様々な人の想いは切なかったり暖かかったり。

そんな雪だるまモノはこれからの季節にもぴったりです。
そして、雪だるまを作りたくなる事請け合いです♪

コミコミ&ホーリン購入特典SSと同人誌に掲載されてる後日譚はモダモダwほっこりします。
なので入手できるなら併せて読むのがお勧めです♪

2

殺し屋×雪だるま

仇討ちが合法化された近未来の、元殺し屋・琉と元雪だるま・ユキのお話です。

琉は暗殺組織で兄弟のように育った翼とともに追っ手から逃げています。
その潜伏先で、翼が庭に作った雪だるまに魂が宿ります。翼にユキと名付けられたその雪だるまは、自分の作り手である翼や、翼とともにいる琉のことが大好きで、いつまでも2人と一緒にいられたらいいなと思っていました。
ところがある日、追っ手によって翼が撃たれ、近くにあったユキの魂がその身体に入り込みます。今際の際の翼の遺言を守るべく、ユキは翼として琉とともに過ごすことになります。


全体としてはとても切なくとてもファンタジックな、ホロリとする場面もあったりする、いいお話だったと思います。でも、設定の無理やり感やツッコミどころが多く、かなりもったいない印象でした。
たとえば、雪だるまのユキには性的な知識が皆無だという設定なのに、エッチシーンで急に「琉さんと一つになったら赤ちゃんをもらえますか?」ってセリフが出てくるのが明らかに不自然。なんでエッチしたら子供ができると知ってるのか。
そもそもユキが赤ちゃんにこだわりすぎるのもおかしいのです。雪だるまだった頃は、琉と翼が兄弟のように仲良くしていたのを羨ましく思っていたはずなのに、なんで「琉と母親と赤ちゃんが一緒にいるのが自然」と思い込んじゃうのか。翼と琉が一緒にいるのは不自然なことだったの?

思い込みが激しい受けに振り回されっぱなしの攻め、という図式に見えてしまったのが、健気受けの良さを半減させてしまっていた気がします。
あと、いくらなんでも受けの中身が別人だと気付かなさすぎやろ、という気もしました。

本編と、攻めの過去編、その後の攻めと受けが穏やかな日々を送るようになってから、の3編の話が収録されていましたが、個人的にはこのすべてのページ数を本編に費やしてほしかったな、と思います。
過去は不要だったと思うし、その後の話は受けが卑屈すぎて受けに対する好感度が下がってしまいました。

5

MOTTAINAI!!

人外ファンタジーとか大好きなので手に取りました。しかも、[雪だるま]というもはや生命体ですらない受けが気になりました。ストーリーとかキャラクターとかすごく私好みだったわけですが、他の方もおっしゃっている通り設定を詰め込みすぎかな。

◯無垢で一途な元雪だるまの受け
◯殺伐とした世界を生きてきた元暗殺者の攻め
◯仇討ちが合法となった近未来
◯殺された後天使となった親友
◯信頼していた者の裏切り
これだけ魅力的な設定をたった一冊で完結させちゃうのは勿体無い、と感じました。というか、一冊どころか本編は半分しかありません。後半はユキと出会う前の琉と翼と新のエピソードと、もうひとつは琉とユキのその後の話です。
本編で黒幕との決着が意外とあっさりだったし、琉はもう暗殺者としてのお仕事を辞めてしまったあとだったので、私としては彼のハードボイルドな面がもっと見たかったです。
むしろ、できたら全10巻くらいの長編で読みたかった!
一冊で完結させるなら雪だるま設定だけを残して、暗殺者だの近未来だのの設定はなくても良かったかなーと思ったり。すみません、素人がえらそうに…。

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP