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表題作野良猫に首輪を

片桐高一・フリーの医療コンサルタント
三田周・つかみどころの無い超自由人

その他の収録作品

  • 「野良猫の愛情」描き下ろし
  • カバー下・オマケまんが

あらすじ

医療コンサルタント・片桐は、打合せで使うカフェで、
店を手伝っていた超自由人の三田と出会う。
三田に振り回されるうちに惹かれる片桐だが…

作品情報

作品名
野良猫に首輪を
著者
未散ソノオ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
ISBN
9784403665561
3.6

(55)

(10)

萌々

(24)

(15)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
11
得点
193
評価数
55
平均
3.6 / 5
神率
18.2%

レビュー投稿数11

ただの恋愛ものではない

最初の方、正直何がどうなったのかよくわからなくて。
三田が片桐にマッサージをするところは場面転換しているんですよね。片桐のネクタイが違うのでそういうことかと。

で、片桐は三田を気に入って待ち伏せして、一緒に飲んで盛り上がって飲み過ぎて、ああなったと。そういうことでいいのかな。見たまんまですけどw

未散先生作品は軽くさりげなくお話が進むんだけど、ちょっとしたセリフややりとりに味があるというか、含蓄があるところが好きです。

例えば、片桐が三田とそういうことになった後、クライアントに「今日は人間みたいな顔をしてるじゃないか」と言われるところとか。

私は猫派じゃないので、猫みたいな性格の三田がそんなにいいとは思わないし、理解できないと思う。
でも「彼氏」は自分のもの、なんて嫌。なんでも自分のものだと思ったら、自分の好きにできると思っちゃう。というのは同感です。
(BLでは、俺はお前のもの、お前は俺のものだよな、というのがよくあり、それはそれでその時は盛り上がっているからいいと思う。でも三田の考え方の方が現実的よね〜となりますw)

片桐は「仕事ちゃん」と結婚しな、というのが、子猫の飼い主探しで三田とそういう関係ができたのもストーリー的によかったです。
さすが未散先生、ただの恋愛モノでは終わらない。

このプロジェクトの時、片桐が「私が私を雇いました」とニッコリキリッとしたのがかっこよかった。三田が「すげえ」と言って片桐のこういうところが好きなんだなとほっこりしました。

最初は水と油かと思われた2人が、好き合っていい感じのお話がとてもよかったです。

0

人気者な野良猫(招き猫)

不思議なお話でした。
野良猫こと三田はどこまでも自由で人気者で何も持たない要らない縛られない人で。

片桐が追えばひらりとかわされ、でも気に入られてはいるようで。

二人の恋が止まっては進んで。恋人になれたものの三田はスマホも固定電話も持たず家も何ヵ所もあって相変わらず自由人で。

弟が出て来て話の流れが変わるかな?と期待したけど眺めてるだけでおしまい。ええー!
何かこうなるきっかけとか首輪を着けようとするとか展開があるかと思ったのに。

そして最後のコマは小さすぎて何してるかわかりませんでした。

0

首輪は要らない

新鮮なストーリーでした。王道BL漫画に飽きてきた時に読むことをお勧め。

三田(受け 自由人)が何者なのか結局最後まで分からないけれど、魅力がある人だと十分伝わるストーリーです。片桐(攻め 自営業医療系コンサル)や周囲のキャラも魅力的なので、展開に飽きない。

片桐の「仕事と結婚」が全編通してキーワードになってくるのですが、中途半端にならず片桐の仕事への熱意もきちんと表現されています。

また、三田がしっかりした意見・考えを持っていて、片桐が三田の考え方に影響を受けていくのに、大人同士の良い付き合い感が出ていて、読んでて気分が良かった。

1

表紙もうちょっと頑張って欲しかったな…

このコミックは表紙が残念すぎます。
中めくってすぐのカラーピンナップは線も塗りも丁寧なんですけどねぇ。

まるっと1冊表題作ですが、
前半の「野良猫に餌を」と「野良猫に謝罪」が2012年の作品
後半の「野良猫に首輪を」が2016年の作品
描かれた時期にだいぶん開きがあります。
あいだの3年間に「KOH-BOKU」(2013-2014)→「デンタルダーリン」(2014-2015)→「上質な男とH」(2015-2016)を描いて出されて、その実績がデビュー作の単行本化に繋がったのかな〜と思うと感慨深いですね。
肝心の中身はというと、未散さんはデビュー時から未散さんなんだなぁって感じの一貫した作風で、時の流れはあまり感じさせません。

仕事が恋人の個人事業主〔片桐〕と、無職の野良猫ちゃん〔三田〕のお話。
未散さんのキャラですから、三田は無職と言ってもクズ底辺キャラな方の無職ではなく、働かなくても暮らしていける方の無職です。
そして猫は猫でも「招き猫」!
こういうリアリティがあるようなないようなキャラ描くのほんと上手いですよね。
非現実的だけど居るところには居るかもね、みたいな。

三田がね、良いこと言うんですよ。
「俺は俺が好きだから自分と何かを取引しない
自分の一部を差し出した代わりに何かもらわないし
何かの代わりに自分を差し出したりしない
(中略)
そういうふうにしてる」
三田の周りに見返りを求めない金持ちが集まるのは、この三田の哲学が「呼ぶ」んでしょうね。
これ結構真理だよな〜と思いながら読みました。
類は友を呼ぶ。ですね。

一方で、後半のお話にちょろっとだけ登場する三田弟が三田と正反対の“普通の人”なんですよ。
隣の芝生は青く見えるタイプの嫉妬と羨望だけの人。
三田のような自由人を兄に持ってしまった弟に同情はするけど、こうやって並べてみると三田の魅力が余計に際立ちます。

終始ほのぼの和気あいあいですが、三田のセリフには共感できるところがたくさんあって、大事な哲学をさらりと詰めてある作品だと思います。
未散さんの他の作品に比べると若干評価が分かれている感じがしますが、私は好きです!

【電子】レンタ版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし

3

筋の通った野良猫の生き方

今まで読んだ「野良猫」系キャラが出てくる作品の中で一番の野良猫でした。

たいていのそういうキャラは野良猫を演じているような部分があって、自由でいる代わりに底の深い孤独を感じていたり、自由にしているつもりでも過去にすごく囚われていたり、どこか窮屈さを感じていたのですが、三田さんは違いました。

ナチュラルボーン野良猫!

この一言に尽きると思います。
小さな頃から自由。持たない。交換条件のあるものはいらない。
すごい徹底ぶり。
こんなお兄ちゃんを持った弟はそりゃあたまらないだろうなと、陰キャラっぽい弟にも同情してしまいました。
過去の回想シーンで「あいつに手放された瞬間譲られた宝はいつも色あせて見えた」という弟のモノローグがあるのですが、すごくグッと来ました。ひとのものだから欲しい、という気持ちは子どもの頃に誰もが経験すると思うのですが(おとなになっても人の芝生が青く見えすぎて実行に移すトラブルメイカーもいますが…)、芽生え始めた欲を芽のうちから摘まれるどころか「そんな感情、意味ないよ」とスルーされて育ったら、「いつか絶対奪われたくないものを奪ってやる!」とムキになって歪んでしまうのも分かるなあと、サブキャラにも関わらず、大きな問題提起をしてくれた弟くん、なかなか良かったです。

それにしても三田さんというひとは凄すぎます。
いるだけでひとを引き寄せる、このひとのために何かしてあげたいと思わせる、中には「してあげたい」という気持ちより「このひとを自分だけのものに!」という執着心まみれのひともいるけれど、そういうひとへの三田さんの対応も潔すぎる。
無条件で、無償で、誰かのために何かをしたいという気持ちって、それこそ子猫だったり、赤ちゃんだったり、無力な相手には感じるけど、おとなに対してはどうだろう、と考えてしまいました。
パートナーにはそれに近い気持ちはあっても完全に無償というわけでもないし、家事をやる→パートナー喜ぶ、みたいに反応がご褒美になっているのは、三田さんの感覚とは違うんだろうなあ、などなど、いろいろ考えさせられました。

三田さんと片桐さんのいちゃこらシーンは出てくるものの、BLというよりは「生き方の本」みたいな、自己啓発本的な読み方もできる作品でした。

カフェのオーナー・フービさんがなかなか良い味出してました。

1

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