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表題作タイラント

曽我部平等(タイラ)
義兄、ハッカー
曽我部存(アリ)
義弟、冒険者

その他の収録作品

  • 予習編
  • i've never left you
  • カバー下:人物紹介、あとがき

あらすじ

同い年の義兄弟、平等(タイラ)と存(アリ)。
幼い頃からアリは「死ぬような危険」を求めて
周囲を困らせるが、タイラだけはアリの衝動を理解する。
そしてタイラにとってアリが全てになった――。
タイラは追跡者(トレーサー)、アリは冒険家として
それぞれ生活するも会えばセックスして
お互いを感じあう。
いつまでも心地良い、
つかず離れずの関係は続くかと思われたが…。

作品情報

作品名
タイラント
著者
未散ソノオ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
花音コミックス
発売日
ISBN
9784832290167
3.9

(91)

(35)

萌々

(27)

(19)

中立

(6)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
21
得点
346
評価数
91
平均
3.9 / 5
神率
38.5%

レビュー投稿数21

義兄弟の異質なラブストーリー

『死にそうになることによって生きてる』

そんな風に、義兄に形容される【アリ】と、そんな彼の衝動を赦してずっと監視して(見守って)いる【タイラ】の話。

めちゃくちゃ業が深いです。一般的な感性では彼らの関係性を理解するのは難しい・・・。

アリは、見方によっては異常者、見方によっては天才。彼をどのように定義するかは、見る者による。幸いなことに、物語の中では『エクストリームスポーツプレイヤー』として活躍している。支えてくれるマネージャーの【フリー】もいる。

一方のタイラは、一見マトモだけど本当は全然そんなことはなくて。アリへの愛?執着?で雁字搦めになっている。

平凡な感性ではこれに萌えるのはなかなか難しかったですが、セックスするときに『アリちゃん』、『おにいちゃん』と呼び合うのがツボだったので萌にします。

1

なんかすごい二人だぁ…

いやぁぶっ飛んでました!設定からキャラ造形から全てが。身近にこういう人いるいるっていう共感はゼロなのに、キャラの性質的なところがすごく良く伝わってくる不思議な描写力。絵に魅せられるシーンは少なくても、とても惹かれる作風でした。
メインカプは義兄弟のタイラとアリ。本能のままに生きるアリと、そのままのアリでいさせるためだけに生きているようなタイラ。アリのためなら一流ハッカーになれるしCIAにも目を付けられちゃう。こういう、とことんまで突き抜けた設定大好きです。
転機はタイラの誘拐事件から。アリはずっと二人一緒に過ごすために生き方を変えようとします。放浪癖のあるキャラなんかに共通するパターン化した流れではあったんですが、この展開のオチがBのLで!ちょっと笑っちゃいました。え?痴話げんか?無意識??なんなのこの子たち!?っていう。
振り回されたフリーの心労に共感しまくりです笑。
なんかすごいものを見たなあっていう感想。これが二人の形だ!っていう主張強めで分かりやすいと思います。面白かったです。

2

危なっかしくて熱い兄弟

 これはまた今までに出会ったことのないキャラ! 義弟であるアリの、生きていることを実感するために一歩間違えれば死に至る行動を衝動的にしたくなるという性質が斬新で、とても興味深かったです。創作では初めて見たけれど、なんだかいそうですよねこういう人。ある意味リスカのような自傷行為とも似ているのかもしれませんが、別に日常で追い詰められてなくても本能的にやってしまうという点では、似て非なる行動なのかも。

 彼が生きようが死のうが問わない代わりに、彼が孤独を感じないよう、そして自分から興味を失わないよう常に監視する義兄・タイラ。アリからタイラに向かう気持ちが恋なのは分かりますが、タイラからアリに向かう気持ちは、はっきり愛と呼べるものなのか、私には確信が持てませんでした。アリ以上に、相手に捨てられたくない気持ちが強いタイラ。親を慕う子にも近い執着心の方が近い気がしました。ただ、これからも互いの気持ちをもっと晒し合うことによって、義兄弟であっても恋人のように愛し合える日が来ることもあるかもしれません。2人が共に心地良く安心できる関係性を見つけられればいいなと思います。

0

なぜか多幸感に包まれる作品

1巻では足りないです!
未散先生、続きを描いてください。お願いですから。

多幸感の理由は「死をも超越した兄弟の絆」。
恐ろしいことをするほど発せられる、ドーパミンやアドレナリン。
それらをコントロールできない。
危ないことジャンキーの弟のために、「どんな骨でも拾ってあげる」とまじめに言い切る異常な兄。

もちろん弟が望めばセックスもする。それもとても気持ちよさそうに。

この強く強く強い、兄弟の絆にうらやましく感じ、2人の幸福感が作品から伝わってくるのでしょうか。

それにしても、エージョンととは何か、なぜ2人はセックスするようになったのか。
裏側ももっと描いて欲しい作品です。

0

発想がすごい!いちゃいちゃが好き(でも深い)

まず、このお話の発想がすごい。

アリは子どもの頃から危険なことをして自分を殺そうとする衝動を抑えられず(陰鬱さがないのがいい!)

タイラはアリに危険なことをやめさせるのではなく、世界のどこで死んでもアリを追跡できるよう開発&監視者に。
子どもの頃にCIAにスカウトされるなんて、すこすぎw

お互いかけがえのない存在での、いちゃいちゃっぷりに萌え。
特に、アリのタイラへの甘えっぷりが好き。
タイラがアリちゃんと言って甘やかせるのも。
それも、愛ゆえの執着やったんやね。
と言ったら、陳腐になってしまうけど。

アリをサポートするフリーが常識人で、フリーを通して、2人のことを何とか理解できる感じ。

あとがきの「タイラもアリもお互い以外じゃがいもなので 誰の言うことも聞かない」に笑ったw
だから、タイラント=暴君に納得。

未散先生作品らしく、ストレスなくドキドキ進む。
いつものごとく、いいセリフ多し。
先生作品にしてはエロも多めかな。

本筋というか肝は、2人の関係が変わっていくとこですけど。
タイラにいつでも見守られているから自由にできているアリと、そんなアリを変えてしまうとアリでなくなるから見守ることに専念していたタイラ。

それがあることから2人の気持ちの底の部分が露わになり、関係性が少し変化する。
でも愛は変わらず。

お話の発想、キャラ設定、構成等、どの作品でもいつも新鮮な驚きと、さりげないながら含蓄のある人生や人間についてのまなざしが、さすが未散先生!と魅了される。

1

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