• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作君は夏のなか 初回限定版

?佐伯千晴、イケメン高校生
?戸田渉、千晴の同級生で趣味友

その他の収録作品

  • カバー下:あとがき

あらすじ

男子高校生2人、夏、聖地巡礼。

お互いに映画が好き―――
佐伯千晴と戸田渉は
そんなよくある共通点から仲良くなった。

一緒にいると楽しい、自然とそうなったある日
2人の関係を一変する出来事が・・・。
落ち着かない気持ちの中、
千晴が夏休みを使って聖地巡礼しようと持ちかけてきて・・・

人を好きになる、ということ。
それはどうしようもない、ということ。

男子高校生2人が紡ぐ、眩しくて愛しい青春劇。

作品情報

作品名
君は夏のなか 初回限定版
著者
古矢渚 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
シリーズ
君は夏のなか
発売日
ISBN
9784758077149
4.1

(365)

(181)

萌々

(105)

(56)

中立

(16)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
31
得点
1509
評価数
365
平均
4.1 / 5
神率
49.6%

レビュー投稿数31

読むほどにより深まる。

小冊子付の初回限定版を購入するべきです。コミック本編を読んだあなたは、彼等の「それから」と「あの時」が読みたくなる、知りたくなるはずです。
この小冊子で明かされた内容がお気に入りです。佐伯のいじらしさと言うのか、健気さと言うのか、計算高いとも取られる行動をしてしまう必死さが可愛いです。攻めなのに。受け攻め未確定のようですが、おそらく佐伯が攻めではないかと予想中です。

単純に学生ものかなーと思って読んでいたら、まさかの再会もので驚きました。
それまで話したことのなかったモテモテイケメン同級生の佐伯と趣味が同じだと偶然知り、今では月に2、3回一緒に映画館へ行く程の仲になった渉。いつものように映画館で映画を観た帰り、いつものように映画の感想を話していると、佐伯から突然の告白をされた。
この告白がけっこう最初のほうであるのですが、そこに至るまでに渉視点での佐伯と渉の出会いから今にかけての付き合いや周囲から見た二人の様子などが描かれているので、突然で驚くという印象はあまりありませんでした。当人である渉はとても驚いていましたが(笑)
その告白から、少しずつ渉が佐伯を意識するようになり、少しずつ恋に近づいていく様子はもどかくしも微笑ましかったです。佐伯も変わらず素直に好きだという気持ちを表現していて微笑ましかったです。
ただ、佐伯のその言葉の端々で謙虚さではなく、想いが成就することはないと諦めていることが伝わってきてやるせなかったです。やるせないだけでなく、「諦めんなよ!」と叱咤激励したくもなりました。

佐伯は話の流れで、自分が渉に告白したのは「勇気」ではなく「覚悟」だと告げます。
告白も、夏休みの間だけの聖地巡礼も、渉への想いを諦めるため。2学期からの引っ越し&転校を期に、渉との繋がりを断ち切るため。そういう覚悟で「好きだ」と嘘偽りない想いを伝えながら、「一緒にいたい」という本当の想いを隠し、自分の心に嘘を吐いていた。そして、もう一つの隠し事。
そんな佐伯の伝えてくる言葉に、隠していることがあるようにずっと感じ続けていた渉は流石です。最後の浜辺での渉の一言に重みがあります。
佐伯の覚悟という諦めから、引っ越し先も転校先もわからず、電話番号を変えられて連絡手段すらも失った渉の憔悴ぶり、落胆ぶり、そこから生まれる怒り、憤りが切なく苦しかったです。本気で、このまま何年も会えないとかだったらどうしよう、と不安になりました。

そんな夏の終わり。2学期が始まって1ヶ月程経った頃、渉に届いた佐伯からの一通の手紙。
そこで明かされたのが、幼い頃の佐伯と渉の出会い。佐伯の渉に対する痛い程の想い。
佐伯の今までの意味ありげな態度や言動にも一気に合点がいきました。いろいろ、あーでもない、こーでもないと考えていたので、すっきり。
再会ものだったのか!という衝撃も束の間。消印という小さな手掛かりから、佐伯が今いる場所に目星を付けて即行動に移す渉、かっこいいです。しかも、正解している。流石です。

再会した渉がまず真っ先にしたことは、佐伯を一発殴ること。
古矢さんの作品でこんな暴力的な場面が出てくるなんて……!と驚く気持ちもありつつ、心情的には一発殴ってよし!と感じていました。そのくらいしないと、渉の想いは佐伯に伝わらなかっただろうし、渉の心も納得できなかっただろうし、佐伯自身も自分の心を決められなかっただろうと。
渉の必死の訴えに、漸く自分の想いを正直に嘘偽りなく隠すこともなく伝えることができるようになった佐伯。
ここまで、どれだけやきもきさせられたことか……。

幼い頃の佐伯にとってのヒーロー、渉。
そんな渉は、高校生になった今の佐伯にとってもヒーローでした。

ほんと、渉の行動力がなかったら、終わってたからね!もーう、弱気過ぎてこんなに苛々させられたキャラは久々でした。でも、愛しい。
実は、発売日に購入した本作ですが、一回目の読了で妙な違和感を覚えてしまい、レビューが書けませんでした。古矢さんの作品であり、好きな高校生ものであり、再会ものでもあり、好きにならないわけがないのに好きだと断言できないのは何故だ、と。自分にとってはそれが不思議でならなくて、しばらく時間を置いてからもう一度読んでみることにしました。
そうして、時間を置いてからもう一度読んでみると……いい!
何故、一回目で好きだと断言できなかったかという理由も何となくわかった気がします。

この作品は、何回も読んでいるうちに味が出てくるのだと思います。
端々に散りばめられた伏線や伏線のようなものを感じる度、見つける度により深く物語の中に入っていける。ひとつひとつを噛み締めるように読める。
やはり、古矢さんの作品です。今回は少し内容を詰め込み過ぎなのかなーとも思っていましたが、いつものように心情が丁寧に描かれていました。その心情描写が今回はいつもより淡く控えめに描かれていたので、私の読解力では一回で把握しきれなかったようです。

表紙の夏空が清々しくて素敵です。二人が引きで描かれているのも良いです。

10

お気に入り

夏らしい話を読みたくて、書店で表紙買いしました。初読みの作家さんで、初回限定盤の小冊子付きは値段も高かったので、購入しようか迷いましたが、本当に購入して良かったです。
落ち着いた雰囲気でモテる佐伯くんと、真っ直ぐで感情が表情に出やすい渉くん、2人の男子高校生の話でした。
この作品で、一番好きなところは空気感です。二人は映画の聖地巡礼をしているので、舞台も素敵ですし、好意や感情の動きなども丁寧に描かれています。男子高校生の青春している感じが眩しく、作品全体が優しく柔らかな空気感で、読後は温かい気持ちになりました。
最後は、なんとなく展開は読めたのですが、ドラマチックで映画好きの二人にはぴったりだと思いました。
あと、私の趣味なのですが、腕時計している男の子が好きで、私服のときの腕の感じが最高でした。

9

男子高校生の夏の眩しい青春ストーリー

自分にとっての神作品シリーズです。

『君は夏のなか』『君と夏のなか』それぞれの小冊子は男女問わず全世界の人に読んでもらいたい!
まさか私の汚れた魂を浄化してくれる作品に出会えるとは思いませんでした。

古矢先生の綺麗な絵と丁寧な描写に加え、感情や距離感などがとてもうまく表現されていて、まるで映画を観ているように引き込まれます。

こちらの『君は夏のなか』はぜひ初回限定盤(小冊子付)を読んで欲しいです。
小冊子の『君と夏のあと』と『君と君』を含めて、『君は夏のなか』だと思います。
小冊子のお話は絶対に読むべきです。本編に入れて欲しかった!

このシリーズでレビューを書くと長文になってしまうので短めにします(汗)

夏を舞台にした男子高校生の青春ストーリー
映画鑑賞、聖地巡礼、高校生活、そして「別れ」と「始まり」が、夏を舞台に繰り広げられます。

千晴くんと渉くんはすでに運命で結ばれていたのだと思います。

幼い千晴くんの辛い気持ちを救ってくれた渉くん。
それが、同じく幼い渉くんにはなにげない一言だったとしても。
渉くんの存在は、ずっと千晴くんの心の奥底で蕾のまま大切にされていたのですね。

高校で再会したのは偶然ではなく、
海で再会したのは運がよかったのではなく、
2人は出会う運命だったのです。

千晴くんの「覚悟」の行動と渉くんへの「手紙」には、感情移入して号泣しました。

「俺にとって渉は いつも夏のなかにいました」

千晴くんの心の奥底の蕾が開き、花が咲いて良かった。
もしかしたら、渉くんは千晴くんをいつも明るい太陽の下に導いてくれる「向日葵」なのかも知れません。

このような素敵な作品に出会えて本当に良かったです。
私のように魂が汚れている方や心が荒んでしまっている方には特におすすめします。

同人誌の『茜の頃』も読みたいです。
正規ルートでは手に入らない(涙)

6

映画でした。

とても上質な青春映画を観ている。
そんな感覚に陥るような作品でした。

映画好きな二人の男子高校生が聖地巡礼を巡って……というお話。
正直話の流れは王道というか、この流れならこうなるよね、と先が見えるような内容ではありました。
けれど物語の流れや一つ一つの場面の魅せ方が、漫画というより映画……そんな風に感じました。

夏の暑さがうつって、心がじんわりと温かくなるような作品で、気がついたら涙がポロポロ流れていました。
特にモノローグの魅せ方がずるい……。
何度も見たような話の流れ……話の流れも大まかに予想はつく……でもそれを、こんなにも人の心に届かせる作品にするのって、すごいことだなと思います。

夏休みになったらまた読みたいなって思える作品でした。
素敵な映画をありがとうございます。

4

彼の覚悟を 最後まで見届けたい!!!

イケメンのモテ男が"好きな人がいるから"と言って告白を全て断る…あ、これは友人が好きなパターンだな。まさにその通りで、映画が趣味でいつもつるんでいる友人 渉に片思いをするモテ男 佐伯と、モテ男からまさかの告白をされる渉の、同級生ラブです。ありがちなお話と思うかもしれませんが、ただの告白ではありません。一高校生の"覚悟"を決めた告白。涙なしには読めません!!!
ちなみに、キスまでのためどっちが攻め受けかは最後まで分かりません。でも、そんなこと考える余裕なく私はボロボロ泣いてました。読んでよかったー!!

佐伯は告白しましたが、渉には何も望まないと伝えます。望まない代わりに、頼みがあると。佐伯にとって特別な映画「白日の海」の聖地巡礼に、一緒に行って欲しいと話します。
夏休みの2人旅、距離が近づいたかなと思うと、遠くなり、曖昧で微妙な距離感を感じました。ふと笑う2人に嬉しくなったり、押し付けない佐伯の感情が逆に悲しくなったりしました。表情も、言葉も、二人の間も、絶妙なんですよー!!泣かせるなぁ(/ _ ; )
1番行きたかった場所に一緒に行けず、その後何も言わずに転校する佐伯。"覚悟"を意味する佐伯の告白の意味を、渉宛に手紙を書く前後で私は感じ始めました。渉に伝えた気持ち、聖地巡礼に選んだ映画、渉と会っていた過去…。諦めるための、引きずらないための、渉を思い出にするための、覚悟だったのかなぁ。
手紙を読み終えて夢中で最後の聖地巡礼の場へ向かう渉は、そこで佐伯と偶然再会し、互いの思いをぶつけ合って、気持ちを確かめ合って、お話は終わります。2人の夏は終わりましたが、これからは恋人としての新しい日々が始まると思うと、嬉しい気持ちになりました(^^)

お気に入りの渉のシーンがあります。
①"でも、誰かを好きになるって そういうことじゃないんだ…"モテ男の佐伯に、なぜ自分なんだろう、俺じゃなければ 望む相手と付き合えただろうと思う渉。でも、好きになるって、"俺なら"や"俺じゃなければ"なんていうifではないですよね。だからすごく共感して、この渉の考え方がイイなって思いました(^^)
②"勝手に人のこと思い出にしてんじゃねーよ"何も言わずに渉の元を去った佐伯と再会した渉は、佐伯に殴りかかりこう伝えます。これは、2人のこれからは続く、これからも続いていきたい、終わりにしたくない、そう言っている気がしました(^^)渉の覚悟を感じたシーンでした。佐伯だけが望んでいるんじゃなくて、渉も、これからも2人の繋がりを、望んでいるんです。そういう関係、素敵ですよね!!

物凄くおススメの作品です(〃ω〃)/ぜひ!

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP