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表題作魔性の男と言われています

比嘉丈太朗,漆喰職人で名波を拾ってくれた社長
名波蒼司,地味なのに何故か男にモテてトラブルの絶えない青年、27

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

幼稚園では園児を惑わせ、小学校では教師を狂わせる──男に惚れられるフェロモンの呪いで、平凡な地味顔なのに恋愛沙汰が絶えない名波。住む場所を失くして身投げする寸前を救ったのは、漆喰職人の比嘉だ。「俺は呪われた血なんて信じねえぞ?」曲者揃いの職人達から男惚れされる比嘉の力強い言葉――今度こそ平穏な人間関係が築けるかも…?名波は比嘉の下で職人見習いをすることに!?

作品情報

作品名
魔性の男と言われています
著者
中原一也 
イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199008948
4

(46)

(9)

萌々

(30)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
11
得点
186
評価数
46
平均
4 / 5
神率
19.6%

レビュー投稿数11

不美人のエロス

amazon unlimitedに中原先生の作品が沢山でていた、嬉しい。

見た目はごくごく普通の地味男が持つ、不美人のエロス。コメディ 男に惚れられる呪い
男に惚れられるフェロモンの呪いのせいで、男性にばかりもててしまう男性が巻き起こす騒動のコメディ。
挿絵もほんとに地味。

---

名波の母方一族にある惚れられ体質。
名波もそれで問題ばかり起きて、長く仕事が続かない。
悩んだ末に、渓谷の橋から飛び降りようとした名波。
自殺を引き留めてくれた比嘉が経営する左官屋に就職することになる。
漆喰について、熱く語る比嘉。(著者は凄く建築資材について調べていて、面白い。)
左官職人は7名。
年上の職人は、前科持ち。
年下の職人は、ヤンキー風。

名波が気にする魔性フェロモンは、社長の比嘉の強烈な男の魅力のせいで目立たない。
名波は、初めて安心して務めることができる職場と仲間を得ることができた。

地味で冴えない外観の名波なのに、やっぱり徐々にみんなが奇妙になってきて・・
前の勤務先の工場長のストーカー退治をしているうちに、比嘉とホントの恋人になって・・
面白いコメディだった。

---
★左官アート 比嘉の漆喰芸術は「コテ絵」
日本の左官技術が生んだ芸術「鏝絵」コテ絵 左官職人がこて(左官ごて)で仕上げていく
漆喰鏝絵の美術館 - 伊豆の長八美術館で鑑賞できます。


1

昭和のかおりがたまらないっ

いやあ中原作品で1か2を争うくらいのいいオヤジ男前攻めではないでしょうか。
職人!いいですねえ。肉体労働で鍛えぬかれた美しい体、たゆまぬ努力、揺るぎない自信、誰もを魅了する懐の深さと大人の魅力。
一生俺についてこい、一生面倒みてやる。
くーっ、言われてみたい。

主人公名波もようやく自分の居場所が出来て、生き甲斐や仕事のやり甲斐を持てて、尊敬して憧れて好きな比嘉に愛されて良かったですね!
魔性のせいでひっそり苦労して生きてきたのがようやく比嘉のお陰で自由に生きられて。

比嘉が名波を好きになる描写がそんなになかったような気がするけど、くっついた後には比嘉視点で名波のどこがいかに好きか書かれていて、本当にちゃんと好きになってくれて良かったです。

「俺の上で踊ってみろ」にギャーっとやられました。なんとなく昭和のかおりがしますね。

途中までは名波の過去の修羅場やトラブルの苦労話が多くて恋愛はどうなるのかな?と思ったけど、恋愛もお仕事も事件もきちんと書かれていてとっても読みごたえがありました。

2

色気溢れてる攻めが読みたい人にオススメ

魔性の男ってどんなタイプなんだろうとドキドキしながら読み始めました。
勝手に好意を押し付けられる、受けの名波はとても気の毒な人でした。
そしてもう一人の魔性の男の比嘉がとても素敵でした。大人の魅力と男気に溢れていて、名波が惹かれたのも分かりました。
比嘉は本当の名波の良さが分かった上でメロメロになっていました。
2人のセックスがとても色っぽくて叫びそうになりました。
中原一也先生の文章って読みやすいし、随所が上手いと感心しました。脇キャラの仕事仲間が魅力的でした。

一冊があっという間に読み終わりました。

6

魔性とたらしのダブル男前!

これは優しい中原さんv
面白かったです!

左官職人という設定も面白いですが、
それをここまで色っぽく昇華してしまう
中原さんの筆力が素晴らしい!

このお話はとにかく出てくるキャラクター達が皆愛おしいv
魔性と言われながらも、素直で努力家の名波に、
とにかく漢気溢れて懐の大きなたらしの比嘉。
そして老いも若きも比嘉に傾倒する名波の同僚の面々!

中原さんのお話には、
こんな風に周りの仲間がワイワイと主人公を見守る
……というパターンが多いですが、
今回もまさしくそれで、このワイワイさ加減がまたイイんですよね!

更に今回も中原さんらしい、ハードボイルドというか、
ちょっと血生臭い展開もあって、ハラハラもします!

名波と比嘉がどんな風にくっつくのかと思ったのですが、
その辺はどちらも男前でした!

とにかく男前な主人公二人が印象的で、エロい!

そして最後のSSが可愛く納めてくれましたv

評価は、漆喰職人のドキュメンタリーが見たくなる「萌×2」!

3

男が惚れる男×魔性の男

「男を狂わせる魔性の血を引き継いでしまった青年」という設定が面白かったです。
地味な容姿なのに、なぜか男に恐ろしいほどモテてしまうという青年・名波(受け)が自分をめぐる出来事に絶望し、自殺を図ろうとしていたところ比嘉(攻め)に助けられます。

その魔性っぷりが半端ないです。
一目惚れ系ではなく、時間を過ごすうちにじわじわ作用して気づいたら相手が狂ってるという超厄介なタイプで、次第に周囲の男達が取り憑かれたように執着し始め、争ったり、破滅していったりする。
そのせいで職場にいられなくなり転職を繰り返すハメになっているし、ついには殺傷沙汰まで起きてしまった……。

漆喰職人である比嘉がお世話してやると申し出てくれ、名波は一度は遠慮するも「うちの職人達に殺傷沙汰を起こすような連中はいない」と言われて付いていってみたら、見渡す限り野郎ばかりの世界。
過去訳ありの曲者揃いで、社長である比嘉に拾われて今の自分がいるという人や、職人としての腕に憧れてという人など、比嘉に一生ついていく!と思ってる男たちばかり。

変に隠さないほうがいいということで、魔性の件を初対面時に皆に言うも、この貧相なモヤシが?!と半信半疑だった職人達。
だけど、やがて噛めば噛むほど味が出るから「スルメちゃん」と呼ばれるようになり、皆から可愛がられ「お前にフラっとする気持ちわかる」だの「その目がいけねぇ」だの「おいちゃんが飴やるから、そんなやつの言うこと気にすんな」だの言われて可愛がられてる姿は和みます。
脇役が魅力的なキャラばかりで、アホの子っぽい先輩やら、いつもお菓子をくれるおじちゃんなどによるやりとりがとても良かったし普段は和気藹々としつつも、仕事となると空気が一変して黙々と働く。
この緩急が読んでてとてもいいんです。
働く男たちの心意気も伝わってきて良かった。

そして本当に比嘉がかっこいい。
尋常じゃない名波の過去や怯えっぷりに同情はするも、「怯えてばかりいても仕方ない」と勇気づけ「うちの職人どもを信用してやれ」と言う。
めっちゃ度量が広くてまさに男が惚れる男で、「社長になら抱かれてもいいっす!」という職人たちもいるくらい人望があって、そして大人の男の色香たっぷり。
男が惚れる男でもあるけれど、女はもちろんなので全人類が惚れる男だと思う。

男が惚れる男と魔性の男が野郎だらけの世界にいるとどうなるか?と興味津々で読んでたけど、結構あっさり比嘉が名波に惚れてしまい、あれれ?とは思いましたが楽しく読めました。
でも人誑しの点では比嘉に軍配があがると思う。

4

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