電子限定描き下ろし付き
2組のカップルのお話。できあがっているカップルと、まだこれからのカップル。
豊橋と高槻はマンションのお隣同士。仕事が原因のすれ違いがあってもお互いにぽんぽん言い合うので、なんだかんだ仲良しの二人。
かたやその二人の並びの部屋に越してきた椿は、二人と交流したり同じ職場の先輩・我妻と色々なことを話すうちに、ゲイに対する偏見であったり、自分自身に足りていないと思うこと等と向き合うように。
そしていつしか我妻に惹かれていることに気付く、というお話です。
淡々とした日常の、ほのぼのした内容でした。描線が個性的で、とても可愛いです。タイトルのバニラとショコラは豊橋の飼っている猫の名前。シガレットは文字通り煙草なんですが豊橋と我妻が喫煙者です。
我妻が煙草を吸い始めたきっかけが、好きな人が吸ってたから、というもので、それに対して「俺も吸おうかな」と返すのにぐっと来ました。椿は真面目な人ですが、我妻は冗談やふんわりした空気で自分をよろう人なので、相性が良さそうでもあり、こじれそうでもあり。
巻末の4人の部屋や洋服の好みみたいな設定ページが面白かった。こういうの好きです。
吾妻と椿の恋のお話なのだけど、豊橋と高槻が居なければ吾妻たちの恋は始まらないというのがとても面白いなと思いました。
どちらかのカップルがメイン、ということでもないのでしょうね。
クドくなくアツくもなく。さらりといい具合に影響しあっているなと思いました。
吾妻は最初掴みどころのない人かな?と感じていたのですが
実ははじめから椿のことをイイなと思っていたのかな、と。
本心を隠すのが上手そうな吾妻に椿への気持ちの始まりを聞いてみたいなと思いました。
熊猫先生の作品は細かいところまでこだわって描かれていてお話以外の部分でも楽しませてもらえます。
こちらの作品も眺めてるだけで癒やされるような可愛さでした。
確か、広告で気になった「ビター・シガー」を先に買い、幸せを分け与えてくれるような作風とセンスの塊みたいな画面に惚れ、豊橋高槻も出てくると知ってこちらを追加で買い求めました。
吾妻椿めちゃくちゃ好き……!!
吾妻さんは爽やかでも飄々として今ひとつ何を考えてるか分かりにくい人なんですが、話す相手のことを大切にしてるのが伝わってきます。
豊橋高槻椿が割とキャラ濃いめなので、彼が出てくると程よく力が抜けます。
「寂しい」なんて目の前で言って、誰から見てもイケメンな成人男性なのになんだか初心で素直で思わせぶりな椿くん。そんなのかわいいに決まっている……。
ケーキのロウソクが吹き消された瞬間の見開き、ドキドキしました。騒がしい居酒屋で、なんて静かなキス。映画みたいな画角で最高です。
私が吾妻椿をこんなに好きなのは多分、まだ完成していないからかなーと思います。
豊橋高槻は「ビター・シガー」と本作で関係性として完成したところを見せてくれています。喧嘩しても仲直りする、安心感がある。
けど吾妻椿はまだまだこれから始まったばかりで未完成。想像の余地が無限大で、そこが良い。描かれなくとも、豊橋高槻と方法や進行は違えど、同じように穏やかに丁寧に相手を大切にする二人は当たり前に存在するはずです。
一生手繋いでて……。
……でも恋人してる吾妻椿ももっと見たいな〜!!!吾妻視点の椿くんが見たいよ!!!
未だにこの街舞台の続編待ってます!!!
※めちゃくちゃネタバレします※
こういうお兄さんめちゃくちゃスキ!
世話焼きで、ちょっとイジワル
ツバキくんが最初にお隣さんの相談した時は、カマかけられてるとおもったのかあ。それで、あの変な間、ね
ツバキくんは、はじめこそゲイにたいして偏見や恐怖があったけど、トヨハシ・タカツキと関わることで、だんだんと「何も違わない」ことを知る。一緒にいる時間が長くて、似てきちゃったトヨタカめちゃ可愛い
無自覚・無意識で誘ってくるツバキくん(性的な意味でなく)タチが悪いぜ。そんなの、アヅマさんも好きになっちゃうよね〜
「何も」「なかったら」「きちゃだめでした?」
なんだそれ可愛すぎるくるしい
そして!
アヅマさんのめちゃくちゃオシャレなカミングアウト…
「椿くんにできて俺にできないことなんて沢山あるし」
「例えば料理とか」
「女の子を好きになることとか」
このセリフも、ここからの展開も全部まとめて愛しいがすぎる本当にありがとうございます
そのあとツバキくんの相談に乗るトヨハシの「逆に椿くん女の子好きになったきっかけある?」がめちゃくちゃ真理!
全体的に、言葉選びが素敵
エロはほぼゼロです
でも心がとっても満たされます