てんてん
本品は『月神の愛でる花~巡逢の稀跡~』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。
佐保が身体に違和感を感じるお話です。
佐保は昨年作った秋用の衣装に
不具合がないか確かめる為
順番に試着しようとしたところ
最初の上着の片袖に手を通した状態で
動きが止まってしまいます。
手の先はそうでもないのに
佐保の体が締め付けられているように
感じてしまったのです。
動かせば布地が引き攣った感触、
縫い目が見えるのではと思うくらいに
引き延ばされた布の意味することは
一つしかありません。
うそ……僕、太った?
往生際悪く服が縮んだのかもと
別の上着に手を通しますが
そちらもきつくて入りません。
これは由々しき事態です。
仮に仕立て直しということになれば
かなりの金銭的出費になってしまいます。
皇妃という立場上からも
資産から見ても些細なものですが
仕立て屋として働いたこともあり
軽々しく仕立て直す事等
頭に浮かびません。
数枚を適当に選んで袖を通してみても
やはり窮屈さは否めません。
そんな佐保の様子に
副団長のマクスウェルが
呆れたように声を掛けてきます。
どうやらマクスウェルはしばらく前から
佐保の様子を見ていたようで
わざとらしくため息をついて
脱ぎ捨てた服を指さします。
それ、縮んでないからな?
おまえが現実逃避しているだけだからな?
佐保はマクスウェルから逃げるべく
窓辺へと移動し始めますが…
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)、
今回は1段で12頁なので
いつもの小冊子よりは短く
笑える小話となっています。
しかし、たとえ庭に出たとしても
運動神経体力体格に勝るマクスウェルに
佐保が勝てるわけはありません。
2人はジリジリと移動しながら
会話を続けまていましたが
佐保はも脂肪がついた自覚があった様で
目をそらした隙に捕まってしまい
上着のせいにして現実逃避せず
上着に合わせた体型に戻せと
お説教されてしまいます。
しかも佐保の状態について
レグレシティスは何とも言わないのかと
痛いところを突いてくるのですが
直後にやってきたミオに
佐保が少しくらい柔らかくなっても
陛下が気にしなければ
周囲が意見すべきではないと
マクスウェルのほうを責め立てます。
これ以上余計なことを言ったら
団長に言いつけると言われて
マクスウェルは撃沈しますが
よく見るとミオはある意味
佐保よりも丸くなっていたのです!!
どうやら2人はただ今
美味しいお菓子に夢中な模様♡
にこやかに笑む2人に
マクスウェルはかける言葉もない
…というコミカルなお話でした。
確かに佐保が多少コロコロになっても
レグレシティスは何も言わないと思いますが
多少のうちにやめておかないと
気づいたら素敵なことになってそう Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
まあ、ファンタジーな世界なので
そんなことはないと思いますし
それを踏まえた上での小話なので
叩かれたマクスウェルだけが
ちょっと可哀そうなオチでした(笑)