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刑事たちのファミリー・シミュレーション

keijitachi no family simulation

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表題作刑事たちのファミリー・シミュレーション

夜崎勇吾,刑事
朝川暁,刑事

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

出世コースから外され捜査一課に配属された朝川は、刑事としては優秀だがセクハラじみた言動の多い夜崎とコンビを組まされ、呪詛を吐いていたある日、行方不明になった殺人事件の重要参考人の息子・翔悟を、護衛と監視を兼ねてニ人で一ヶ月面倒を見るよう上司に頼まれる。突然始まった同居生活。意外にも子供の面倒を見るのが上手い夜崎に助けられるうちに、彼への苦手意識は薄れていくがセクハラは止まず…。

作品情報

作品名
刑事たちのファミリー・シミュレーション
著者
越水いち 
イラスト
松尾マアタ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778125103
4

(87)

(40)

萌々

(27)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
11
得点
345
評価数
87
平均
4 / 5
神率
46%

レビュー投稿数11

面白かったです!

保護した少年の翔悟が、夜崎や暁の子供ならともかく、暁の異母弟というのを読んだとき、これは面白い!と思ったのですが、その予感は当たりでした。

松尾マアタ先生のイラストも迫力があって素敵でした。

あとストーリーと関係ないところで恐縮ですが、攻めが「夜」崎で、受けが「朝」川「暁」というのも覚えやすくて有り難かったです。

ただ、媚薬でセックスという内容の本を私が続けて読んだからか、またこれか…と思ってしまったのが不満というには申し訳ない個人的な感想でした。麻薬捜査なので突飛な展開じゃないのですけれど。

色々あったけれど、良い形に落ち着いてホッとしました。

刑事同士の恋、子育てモノ、セクハラだけど鷹揚な攻め、真面目なのにエロい受けがお好きな方にオススメだと思います。

0

テンポが良い!

最悪な出会いから相棒へ、相棒から恋人への一連の流れが
コミカルとシリアスの比重も絶妙で素晴らしい!
初めて読ませていただいた作家さんでしたが
違和感なく世界に入り込めましたし
なんと言ってもキャラが非常に魅力的でした。
真面目が過ぎる朝川暁とふざけてばかりいる夜崎勇吾、
性格も真逆ですが名字も対のようですね。
振り回されて若干暁が気の毒な気がしたのも束の間、二人の凸凹感が愉快です。

ある事件から面倒をみることになった翔悟が健気で健気で…。
たった4歳なのに「へいき」が口癖になってしまっている境遇、
可哀想過ぎて思いっきり甘やかしてあげたくなりました。
子は鎹と言いますが(?)二人で過ごす時間もいい感じ。
愛ある家庭のようで素敵でした。

事件については、その伏線が!となったり
翔悟の母の愛情はどこまでだったのかモヤったりしながらも
悪は最後までクズで情けのかけようがありませんでした。

ただ、クスリを盛られた暁のいやらしさが最高でしたよ…!!!
夜崎のテクもさすがと言ったところですが
頼むから今後は他に目移りしないでよね…。
暁が恋人になったからにはそんな気も起らないでしょうけど
病室での疑惑にはつい「何やってんだよ!!!」と頭に血がのぼりそうだったのでww

夜崎のイケボ設定に、T田さんとかY元さんとかどうだろうと
脳内再生してしまい二重に楽しませていただきました☆

1

巧みです!

私もノミネートされなきゃ死ぬで見て読んでみました。

さすがです。グイグイ引き込まれ久しぶりに夢中になって一気読みしました。

お話の巧みさ、事件の複雑さと謎解き、登場人物の魅力、すべてが絶妙です!

恵まれない環境で育った健気な翔悟、正義感が強いけど父の不祥事で冷や飯を食わされる美形の朝川、セクハラだけど雄のフェロモンを振り撒く優秀な刑事でもある夜崎。しかも翔悟が実は…で。

3人の暮らしや翔悟の健気さにほのぼのホロッとし、事件にハラハラし、朝川と夜崎の関係にモダモダし、終盤に向けて事件解決へとパズルのピースが組み合わされ、事件は悲惨な結末を迎えます。

でも朝川と夜崎が結ばれ翔悟も含め平和に仲良くフィナーレ。

うまい!巧みというのはこういうことかと唸りました。

翔悟のリュックに秘密がありそうな伏線も意外な展開を見せましたね。
媚薬はお約束でしたがいい盛り上がりになりました。

うん、ずばり神でしょう!異議なし!

5

めっちゃオススメ!作家買いします!

「この作品がBLアワードにノミネートされなければ、死ぬ。アンケート」の紹介文で知って読みました!上手い!そんじょそこいらの有名作家さんたちより上手いです!文章は読みやすいし、物語の構成もご都合主義ではありません。作家買いしたいと思える作家さんに、久々に出会いました!

カプは、たらしな攻×美人受。確かにちょっと残虐なシーンもありますが、BL小説と思えば、全然全然許容範囲です。だってBL小説は「日常からちょっとズレたファンタジー」じゃないですか。もっとズレまくってて「はぁ?」な小説はたくさんありますし。

ご都合主義なBLや、文章がおかしくて最後まで読むに耐えないBLもある中で、久々の大ヒットでした!

作家さんの既刊本「ロマンスの鐘が鳴る」も読んだんですが、そちらも大爆笑&爆萌えでした。
もっと本出してほしいです!

4

読みやすいバディもの

「この作品がBLアワードにノミネートされなければ、死ぬ。アンケート」に挙がった小説作品ということで手に取りました。
初読みの作者様です。
内容や作者様の巧みさは前の方々のレビューで大いに語られておりまして、私も全く同感であります。
夜崎の、男臭くてガサツで懐深くてエロ魔神で、という造形などは、私がBLを読み始めの頃に大ハマりして読み漁った中○○也先生を彷彿とさせ、すぐに物語世界に馴染んで読みました。
可愛らしくも不憫な生い立ちの翔悟が、夜崎と反目する朝川を結びつける役目と事件の大きな鍵を握る展開も、2時間ドラマ的なエンタメ感を盛り上げていました。
作品の大きな感想としては「萌x2」なのですが、他の方も言及されていますが、幼い翔悟の目の前で犯人が残虐行為をする、という所が星一つ減です。
また、翔悟の出生の秘密(翔悟の実の父親のこと)には今ひとつ納得がいきません。朝川が引き取る正当性を物語に盛り込むためにこの設定にしたのでしょうけど、これはいらなかったように思う。ていうか失脚なんて当然でしょ!
エロに関しては、私は媚薬でおかしくなった時の夜崎x朝川のシーンが良かったです。
というわけで、最終的には「萌」で。

1

オススメ通り、とても良かったです

「この作品がBLアワードにノミネートされなきゃ、死ぬ。アンケート」で知ったのですが、オススメ通り面白かったです。

松尾マアタ先生による表紙がこれまたキャラを的確に描きわけていて、キャラの性格がよーーーく出ています。
ワイルドな男が攻めの夜崎で、ゆるいところもあるけれど人の懐に入り込むのが上手い人たらしな性分。
受け様の朝川は、スリーピースをカッチリ着込んだ見るからにガードが固そうな生真面目な美人さんで、常に夜崎のことを「貴様!!」と呼んでます。
まさに難攻不落の受け様って感じです。

夜崎のほうは自分に対して常にキレ気味で接してくる朝川相手に、セクハラめいたボディタッチすらできちゃうツワモノでもあるのですが、そこがまた朝川にとっては癇に障るわけで……。

単なるバディものだったら、この二人の仲が進展するには最低でも3冊は必要だったと思う。
そこに殺人事件の重要参考人の息子という4歳児のチビっ子・翔悟が登場し、この翔悟含む三人で同居することによって、夜崎が単なるだらしない男ではない意外な一面を読者も朝川も知って彼を見直していく……という展開がとても良かった。

バディものと子育てものが絶妙にうまーく絡んでいます。
水と油のような二人の絶妙なやりとり、健気でいじらしい翔悟のかわいらしさ、このまま三人暮らしが続いて欲しいとつい願ってしまうけれど、行方不明の母親の所在が気になるし、事件の真相も気になる……

一冊で二つの味わいどころか、幾つもの楽しめる要素があり、読み終わった後の満足度が高かったです。

これ続いて欲しいなぁ〜。
もっとこの三人が読みたいなぁ。

神でない理由は、展開上仕方ないとはいえ、殺人現場を目の当たりにし、さらに愛する人達が殺される現場も目の当たりにしちゃった幼児・翔悟の心の傷を考えると……というか、子供の前でそれはキッツイなぁ……と読んでて凹んでしまったので萌萌です。
一般でもBLでもサスペンス・推理小説系はまったく読まないので、殺人描写のある小説を読んだ記憶が思い返せないくらい耐性が低いため、うわぁ……となってしまいましたが、決してグロ描写ではないので普通の方なら全然大丈夫だとは思います。


この本がとても良かったので、既刊のもう一冊も読んでみよう!と思います。


5

人物造形がものすごく好み!

テンポ良く進む魅力的な物語であっという間に読了しました。
個人的に非常に満足な一冊。


下半身が緩くて下品だけど懐が深くてワイルドな夜崎と、美人で気が強くて生真面目すぎる朝川のコンビがたまらなく良い!
そこに健気でかわいい4才の翔悟が入ることで、より魅力的な関係性が3人にうまれて読んでいて惹き付けられます。
「事件もの」として読むと少々引っ掛かる箇所はあるのですが、この物語を読む上では些末なこととして私は気になりませんでした。
ただ、一般の警察小説を好まれる方はツッコミたくなるかもしれません。



この物語の魅力は夜崎と朝川の関係性であり、二人の丁々発止な会話や、初期の朝川の一方的な反発をセクハラ交えて軽く受け流す夜崎の言動も読んでいて楽しく、ページをめくる手が止まりませんでした。
中盤、ある予想外の出来事により二人はセックスをしますが、普段は生真面目すぎる朝川の乱れる様子はまさにギャップ萌え。これは夜崎はますます惹かれちゃうだろうな、と。
後半にかけて朝川の夜崎に対する評価が変わりゆく流れも無理のない納得のストーリー。
一冊通して最後まで本当に楽しめました。


人物造形が魅力的で一冊で終わるのは残念。もっとこの先を読みたいと思わされる作品なので、できることなら続編を熱烈希望!です。

9

さりげなく見えて練られた繋がりが見事

今回はノンキャリアでやんちゃな刑事と
キャリアから外れた生真面目な刑事のお話です。

危険ドラッグからみの殺人事件を追う中で
受様が気の合わない攻様と重要参考人の子供と
深い絆を築くまで。

受様は国家公務員試験に合格して
警察官になったキャリア組です。

しかも受様の父親も警視庁で
高い役職についていたので
確実に出世コースに乗るはずでしたが

その父親が未成年者との淫行疑惑という
スキャンダルで警察組織を去ったことから

同じキャリア組からも見下され
元々反感を持たれるノンキャリア組からも
煙たがられる存在になってしまいます。

半年は前に移動した捜査一課でも
エセキャリアと呼ばれて
扱いづらい奴と見做されていました。

そんな受様ですが
神奈川県警から移動してきた刑事と
コンビを組むことになります。

紹介された相手は
受様が前日突入したパーティで
うさん臭さ満載で捕まえた男でした。

彼こそが今回の攻様になります♪

攻様は件の事件解決のため
1月前から潜入捜査をしていたそうで
人付き合いが悪い受様より
一課の刑事達と打ち解けていました。

しかも受様が
自分の相棒になる男と知っていて
セクハラを仕掛けてくるなど
何かと問題行動が多い男のようです。

攻様は情報通な上に
勘なのか経験なのか不審な点をよく気づき
警戒心の強い相手からも情報を引き出す
優秀な捜査官ではあるものの

生活態度が壊滅的にずぼらで
下半身がゆるくて見境がない攻様に
付き合わされる受様には
気が休まる時はありません。

そんな中、
麻薬販売で逮捕歴のある男が
ホステスの部屋で刺殺されるという
新たな殺人事件が起こります。

部屋の主のホステス本人は行方不明、
もう一人男がいたとの証言もあり
2人は重要参考人とされていました。

しかも、
捜査官が室内を調べたところ
押入れに隠れていた男の子が
保護されていました。

少年は件のホステスの子供でしたが
彼が所持していたリックには
攻様の配った名刺が入っていた上、
少年は他人の空似という以上に
受様に似た顔だちをしていたのです。

目撃者として狙われる可能性から
護衛と監視が必要と判断された少年は
受様達2人が1ケ月の間
同居して面倒を見る事になります。

少年は受様の異母弟なのか!?

秘かな疑惑を抱きながら
受様は攻様と少年と
同居生活を開始しますが…

刑事ものの醍醐味である事件解決に絡めて
受様と攻様の恋愛が進展するお話です。

受様は生真面目な性格な上に
他人と慣れ合うことも嫌いなために
同僚からも孤立していました。

何事も四角四面に対する受様と
柔軟な姿勢で対する攻様は
最初こそそりが合いませんが

事件を通して少しづつ
受様は攻様を認めていきます。

2人の掛け合い漫才の様な会話が
テンポがよくて楽しいです♪

攻様はセクハラを仕掛けるくらい
出会った時から受様に惚れてますが

生真面目な受様には
そんな男心はなかなか通じないのも
楽しさを盛り上げてます(笑)

しかし、
刑事として対する殺人事件では
受様がキャバクラ店長に一服盛られたり
ネグレスト気味な子育てをする母に
少年がいいように使われていたり
ドラック絡みの事件の最後も
かなりキツイ展開です。

2人の日常生活や
幕間的な休息時間では
けっこうほのぼのなのですが

捜査一課の刑事の事件ものなので
端々に事件の鍵は見え隠れいつつも
繋げる糸がなかなかな見えない展開で
最後の決着がつくまで
ハラハラして読み進めました。

事件の最後が悲しい結果だったのは
殺人事件絡みなので仕方ないものと
不満がある訳ではありませんけど
心からのハピエンではなかったので
「萌2」に留めます。

受様に引き取られた少年の
新しい幸せを願ってやみません。

本作はアンケート送付で
SSペーパーの全サ企画があります。

気になる方は早めにご購入して
応募される事をお勧めします (^-^)

今回は本作同様刑事×刑事なお話で
中原一也さん『不器用、なんです』は
どうでしょうか。
こちらは受様が問題児です(笑)

6

私も強く推したい!!

刑事ものです。バディです。そしてちびっ子です!!
本格的な事件にハラハラドキドキし、ほのぼの子育てにホロリとさせられ、オヤジと美人のやりとりに萌えまくる!!
楽しくて仕方ない作品でした。

で、こちら、私もデビュー作が大好きで、なかなか次作が出ないなぁと待ちわびていたクチです。
そして、期待値をかなり高くしていたのに、見事応えていただけました!
同じような事を書いて申し訳ないのですが、真似したのでは無く、本当に意見がかぶってます。お許し下さいm(_ _)m


内容は既に、しっかり書いて下さっているので、ザックリとした感想と個人的な萌えポイントのみ失礼します。

まず、すごくバランスが良い作品なのです。
刑事ものでありながら事件のみに偏るのでは無く、刑事さん達のニヤニヤさせてくれる日常だったり、事件に関わるちびっ子・翔悟とのほのぼのしつつも深みのある子育てが書かれている。
拉致監禁とバイオレンスな部分があり、思わずホロリとさせてくれるあたたかみのあるエピソードがある。
この緩急の付け方が絶妙と申しましょうか・・・。
子育て部分にほのぼのし、バイオレンスシーンではハラハラドキドキし、二人のやりとりにニヤニヤし、当然エロシーンで萌えまくる!!と言った具合で。

で、個人的に萌えまくった部分。
二人の関係性です!!

この二人、懐の広いオヤジと、融通の効かない美人なんですよー!!
で、攻めである夜崎が、受けの朝川の尻を揉んだり、エロトークをかましたりとセクハラ三昧。
また、朝川がキツイのです。夜崎にチョッカイをかけられるたび、ピシャリと反撃。ツケツケと言いたい放題てトコで。
「誰が貴様なんぞ家にあげるか」と言う朝川に対して、「照れ屋だなぁ」とのらりくらりと応える夜崎みたいな。
もう、この二人の会話が楽しくて仕方ないのですが!!

あと、そんな二人の関係が変化していく様子が、これまた萌えるのです。
ただ単にセクハラ三昧のだらしないオヤジに見える夜崎。
彼は、自分が「ダメオヤジ」を演じる事で、課から浮いていた朝川を皆と馴染ませたり、失敗で落ち込んでいる彼の心を軽くする。
う~ん・・・。なんていい男だ。
朝川は生真面目ではあるものの、そんな夜崎の真意に気付けない程に頑なではありません。
苦手から、信用できる男、共にいると落ち着かないと、心情の変化に萌える萌える! バディ最高ですよ!!

と、刑事ものとしても、子育てものとしても、もちろん恋愛ものとしても、とても面白い作品でした。
何故か入荷がとても遅かったのですが、地方に住んでおられる方も、今日あたりから店頭に並んでいると思います。
おすすめ作家さんですよー!!

9

fandesu

おんなじ方がいて(それも、ぴれーねさんだなんて)うれしいです!

この作家を強く押したい

前作『ロマンスの鐘が鳴る』が好きだったのにその後、刊行がなく「もう書かないのかなぁ?(涙)」と思っていた越水さんの新作!
ずっと待っていた作品って、期待が大きくなりすぎて「あれ?あれあれ?」となることもままあるのですが、本作は期待に違わず面白かったっ。

読み終わって、この作家さんを、強く、強く「布教したい」と思っています。
理由は2つ。

①会話の妙
登場人物の会話がリズミカルにポンポン繋がる様が楽しい。
科白に特色を持たせているので、会話が続く文章でも誰が話しているか解る。
科白でキャラクターの性格や、下手をすると生い立ちまで想像出来る。

②物語構成の妙
お話自体に破綻がない。伏線の張り方も王道(さりげない程度で張ってあって、あざとくない)。
LOVEに持ち込むために物語があるのではなくて、物語の過程で二人が惹かれ合っていくことが自然と理解出来る(私にとっては、これ、とっても大きな要素なんです)。
前作は本屋さんでのラブコメ、今作は刑事のバディものと、色合いが全然違うのにどちらも読ませるというのは、物語の骨格がしっかりしているから。

お話をざっと紹介します。
朝川暁は『エセキャリア警察官』。本来なら出世街道まっしぐらだったはずなのに、一年前、彼の後ろ盾になっていた警視庁高官であった父が未成年淫行疑惑で辞職をしたため出世コースから外されました。現在の勤務先である捜査一課でも腫れ物に触る様な扱いを受けていますが、周りに取り入るために媚びへつらうのは嫌だと思っています。薬に絡む大捕物があった翌日、朝川が「コンビを組め」と告げられたのは、昨日逮捕したはずの男!その男、夜崎勇吾は潜入捜査をしていた刑事だったのです。朝川に散々セクハラをしかけ、男女を問わずモテておまけに本人の下半身も緩い夜崎に嫌悪感を抱いていた朝川ですが、危険ドラッグがらみの殺人事件が起き、現在逃走中の容疑者の4歳の子ども、比留田翔悟(朝川と顔立ちがよく似ているというおまけ付き)を、捜査のために1ヶ月間、夜崎と一緒に預からなければならない羽目に陥ります。不安一杯で始まった3人での暮らしですが、年齢に反して大人に気を使う翔悟が2人に懐いて徐々に子どもらしさを取り戻していく様や、夜崎の思いもよらぬ家事能力の高さと子どもの扱いの上手さに、朝川は安寧を感じる様になります。そんな中、朝川は捜査で訪れたキャバクラの店長に催淫系ドラッグを盛られてしまうのですが……

強気美人の朝川と人好きのする男フェロモンダダ漏れの夜崎(『オヤジ』設定ですが、実際はそんなに歳をくっていないと見た)、夜の街の女達に可愛がられてはいるけれど心の奥底では母に捨てられることを恐れて『良い子』でいる翔悟。
どっかで読んだっていえばどっかで読んだこれらのキャラクターを存分に動かして、読みごたえのあるお話に仕上げた越水さんの手腕に大きな拍手を!

小説好きの姐さま方、
まだ単行本2作しか発表していない作家さんです。
「是非、応援してあげて」と、切に切にお願いいたします(土下座)。

17

ぴれーね

こんにちは!
気を悪くされたらどうしようと思っていたので、コメントをいただけてとても感激してます!!
レビューから感じるとおり、優しい方で良かったです(*´▽`*)
次作も楽しみですね!!

ぴれーね

男くさい~

マアタ先生の挿絵目当てで購入。初めましての先生でしたが、わーびっくり、すごい骨太って印象のお話でした。事件発生する刑事ものにお子様が絡んでくる、表紙通りのお話、本編のみ270Pほど+先生のあとがきです。最後の方に少しイタイ系の記載が少々あり、激甘デロ甘なふわふわ話とは真逆 とお伝えしておきます。(7/12追加です。マアタ先生のツイートに「書店のPOP 描きました」とそれを載せてくださってます、超可愛い!)

お話はあるパーティに突入するべく暁が待機しているシーンから始まります。そのパーティで胡散臭い、やたら目につく男を押さえて留置所に放り込んだはずなのに、翌日捜査一課に出てみると、その男が同僚と和気あいあいと会話しており・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
比留田翔悟:4歳、行方不明になったホステスの息子。暁に見た目そっくり。
暁の同僚、翔悟の母の勤務先関係の女性たちや周辺店の店長等。

********以下は内容に触れる感想

殺人事件が起き、事件現場となった部屋に住むホステスが行方不明になります。その部屋の押し入れから発見されたのが翔悟。何か見てるかもということで警護を兼ねて暁の部屋で夜崎と3人で暮らすことになるというハラハラ話+お子様見守り話。
翔悟は本当に健気で愛おしい。ややニグレクト気味なところもあったのか、なんでも遠慮してしまっていて痛々しく(泣)そんな子が二人とだんだん馴染んで嬉しそうにしているシーンがあり、救われます。夜崎(攻)が、私自身あまり得意ではない(妙に人懐っこい、清潔感たっぷりなタイプではない、フェロモンだだもれ、無精ひげたっぷりある)ので、萌え度はやや低いです。でも、こういうタイプの刑事にめちゃくちゃ弱い方は多数おられるはず。そして暁はけして健気とか、薄幸美人とかではなく、きゃんきゃん五月蠅い系と思います。こんな二人の刑事ものとしても面白いし、そこにお子様も絡んできて愛おしい~という感じです。

私は好みの二人と少し違っていたので評価は萌ですが、しっかり事件ものだったので、刑事ものがお好きな方にはよいのでは と思いました。

5

この作品が収納されている本棚

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