【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
新婚・オメガ・戦国・初恋と、訴求力の高いキーワードの並ぶタイトルに惹かれて読んでみた。戦国らしさを醸し出す古風な言い回しとラフな口語が混在する違和感はありつつ、文章は読みやすい。
主人公の葉月は明るく楽観的で、セリフ・モノローグ共に「!」が大量、ノリツッコミ多し。恋には初心でどもりまくるBLテンプレ反応で、それ以外ではあほのこになることなく、前向きな思考でとても好き。
傑は思わせぶりな描写が多く、最後までつかみづらかった。凄惨な過去を持ち、「何ほどのこともない」が口癖ということで、葉月が傑の生きる意味になっていく的な話かなあと思いながら読んだ。
傑の闇は深く、自分のことが大嫌いという。その状態から誰かを好きになれたこと、自分の子供を喜べたのはすごい。
本編とは関係ないが、リアルで壮絶な生い立ちの子の口癖が傑の口癖と似たようなものだったのを思い出した。
ストーリーは特に後半にかけて面白くなっていった。戦の謀絡みのあれこれがテンポよく進んでいく。正直、展開が止まってしまうエロシーンを邪魔に感じるほど、話の続きを早く読みたい気持ちになっていた。
挿絵は本文のイメージとは異なる。ごつい・雄々しいと表現される葉月が、イラストだと華奢で可憐。これではコメディ部分の笑いが半減する。
あまりに違うせいで容姿に関し、なんらかの叙述トリック的な仕掛けがあるのかと疑ってしまった。ところどころにそれっぽい記述があったような。
序盤から変な登場の仕方ばかりの狸も気になった。傑が葉月の内心を見透かしたときによく現れたので、何か関係があるのか?と勘ぐってしまったり。結局大した役割はなく残念。もっと活躍して欲しかった。
面白かったが、伏線回収が本編後の巻末短編で行われたり、こねくり回した策略を匂わせるだけで実際はしょぼい展開だったり、最初に書いてた設定から変わってない?てとこがあったり、全体的に詰めが甘い。
キャラの魅力はメイン二人とも最高。「つがい焦がれ」がなんか好き。
不憫な受けのシンデレラストーリーが好きなのですが
こちらのお話もすごく良かったです。
可哀想な受けではなくて、健気ではありますがちゃんと自分の意思がある子です。
傑も健気で、ずっと葉月(受け)のことが好きだったと言う
私はとても大好きな感じでした(*´▽`*)
「はずれ殿」と言われていた葉月が腐らずに生きてくれていて良かったです。
絵柄を見た感じでは、そんなごつごつもしておらず
綺麗な顔してるのに変な価値観…って思っちゃいました。
戦国のお話なので戦いシーンとかもあって、ドキドキするのですが
ちゃんとハッピーエンドで良かったです(*´▽`*)
信じることの大切さを学んだお話でした♪
長いお話でした。もうこれでもか!と内容も盛り沢山で、葉月の切なさに泣かされ。
7歳の時に10日間だけ一緒に過ごした男の子のことが13年間ずっと忘れられず…。しかし相手は今頃どうしているやら、自分のことなど忘れているに違いないと。
とにかく葉月のコンプレックスを乗り越え、明るく前向きに頑張るところ、良かったです。そして傑の嫁になるのに、戦国の嫁の心得を勉強したり、醜男だからと親や従者に言われ放題でも明るく笑い飛ばして。
二人がすれ違うのが本当に切なくて泣けて泣けて。
傑が何を考えているのかさっぱりわからず、葉月は悪い方へとばかり受け取ってしまって。
どんなに優しくされても大事にされても媚びてるだけだと思い込んで。疑心暗鬼が過ぎます。
それがやっとお互い言葉で通じ合って(泣)
だけど一筋縄ではいかず。傑の修羅の道、心の闇は深いですね。誰よりも相手や領民や御家を案じている優しい人なのに、生き延びるためにやってきたことは鬼のようで。
傑はそんな自分を葉月に見せたくない。葉月もやはり信用してもらえないか…と。
腹の中の全ては決して見せてはくれない傑。
でも傑にとって葉月は自分を照らしてくれる月であり、誰よりも可愛くて救われて楽しくて。
葉月も傑となら地獄で楽しくやれる、共に落ちようとまで言って。器量の大きすぎる殿の背中を追いかけ、同じものを見たくて。
13年熟成純愛ですね。
主人公受けが美しくなく、でも攻めにはとてつもなく可愛く見える!新鮮でした。
面白かった。
「新妻オメガの戦国溺愛子育て絵巻」が面白かったので、既刊本も読むことに。
順を追っていないけれど、楽しめた。
著者オリジナルのバース設定で、
アルファ=「やまぶき」は、生まれつき発現している者と、後天的に発現するものがいる。
主人公の葉月が愛した荻丸は、15歳過ぎて、ヤマブキに変容。
白髪(オメガ)の葉月は、20過ぎて発情。
二人とも成人になるのが、遅かった。
純真で人を疑わない葉月は、自分の魅力を自覚していない。
双子の弟・充は淫気(フェロモン)を強く出す魅力的な白髪・(Ω)
常に比較される双子はアタリと、ハズレと影で言われて、葉月は自分に自信を持てない。
充の初恋の人は荻丸。荻丸の初恋の人は、葉月。葉月の初恋で片思いの相手は、荻丸。
三人の人間関係がぐちゃぐちゃにならなかったのは、葉月の純真さを敬愛する充と荻丸のけん制があったから。
飽きない展開で、引き込まれます。
続いて「囚われオメガの戦国読み入り絵巻」まで、一気に読みました。
オメガなのに無骨で色気もなく不器量で(でも絵はかわいいし、攻めや嫁ぎ先では可愛い、可愛い言われてたので美の基準が国によって違うんかな?)出来損ないの「ハズレ殿」と言われて育った受けの葉月がすごく良かった。
傷つきながらも、必死に笑い飛ばして前向きで周囲を明るくする。
超〜健気で好印象。
自分は政略結婚の駒でしかないと思いながらも、両家の架け橋となるべくそりゃあ頑張るんです。
だいぶ規格外の嫁っぷりなんだけど。
攻めの傑が葉月に惚れ込んでるというのは読んでてわかるんだけど、葉月自身はそう思ってないんですよね。
傑が優しくするのは、超大国の主である葉月の父へのご機嫌取りでしかない……みたいに、傑のやる事なす事、全てが裏目にでてしまう。
あんなにポジティブ脳な葉月ですら、傑の優しさを素直に受け取ることができないところがとてももどかしい。
というのも、この傑がほんとーーーに難儀な男で。
傑は弱小国の次男坊ゆえ辛酸を舐めつくして育ってきたんですね。
そんな彼の生き延びるための唯一の方法は、誰にも本心を見せず、策略を尽くし人の心を操ることだった。
そして本当は心根がまっすぐで優しいからこそ、人の好意の裏の裏まで読んでしまう自分が何よりも許せず、それが心の闇となってしまっている。
傑は剥いても剥いても中身が見えてこないんですよね。
いや、芯は葉月を溺愛している心優しい男だというのはわかる。
だけど用心に用心を重ねて生きてきたこともあり、誰も彼の本質まで辿り着けないし葉月にすら辿り着かせない。
そして予想以上に彼の心に巣食う闇が深くて、本人すら自分の本音に辿り着けない。
だけど、そんな傑を次第に理解し、何があっても傑を信じるようになるんですね、葉月は。
おまけに、こんな罪深い自分は地獄行きだろうと傑が言うなら、俺も行ってやるから心配するな!みたいな。
この一蓮托生っぷりが最高!!なんですよ。
そんな葉月がいたら、そりゃあね!!!
受けによって攻めの心の闇が救われるみたいなの大好き。
こういう男前受け大好きなので、大変楽しく読めました。
か弱きオメガどころか、俺も一緒に戦ってやる!と自ら戦場に赴くオメガ、最高だわ。
電子なので読む前に本の分厚さが目視できないし、文字の大きさによってページ数が変わるんでページ数を意識した事がないけどかなりなボリュームなんだと思う。
読んでも読んでも終わらない感がありました。
攻めのぐるぐる感がまだ続くのか……と思ってしまったところもあるんだけど、受けが素敵だったのでおまけして神で。
ーー
だけど最後の最後にあった電子おまけが、超〜萎えた……。
まさかの葉月弟視点のお話なんです。
葉月弟は、猛烈な淫気で会う人会う人を虜にさせてしまう伝説のオメガみたいな存在とはいえ、なんで女言葉なんだろ??
で、実は傑が初恋の人だったとか、そんな情報今更いらんわ……!みたいな。
話し方が女言葉なので、したたかな女子の裏話みたいなのを読まされたような気分になってしまい、テンションだだ下がりの読後感……。