電子限定描き下ろし付き
大人になりきれない男達のエモーショナル・ラブ
はやりやまい先生の描く人物は、女の子よりも可愛らしい受けとか何もかも持ってる華麗なスパダリじゃなく、人間味があって好きです。
恋人と東京から長野→京都をめぐる豪華旅行なのに、ゲームや仕事で観光をしようともしない高瀬。お話は利一の頭の中で考えているグルグルと、高瀬との甘くない会話で進んでいきます。
ひとことひとことの言葉から利一や高瀬の気持ちを考えながら、じっくりと読むし、好きな作品なのでもう数回読んでいるのですが、高瀬がわかりにくーい!
旅の終わりが近づくほど利一の思いに胸が苦しくなりますが、びっくりするくらいハッピーエンドで、読むたびに、ああ良かったな、と。
出だしの会社での利一のオールバックでビシッと決めた姿が素敵だったので、描き下ろしで再見できて幸せでした。
高校の同級生だった高瀬と穂村は
23の夏、偶然再会し一緒に過ごすうち恋人になった。その後のふたりのお話。
ゲイを隠しそれまで生きてきた穂村にとって
高瀬からの告白は戸惑いより喜びより恐ろしさが勝り、
高瀬の気持ちを受け止めるより先に
自分の振る舞いが高瀬をその気にさせてしまったのではないかと考えてしまった穂村。
その一方で、気持ちが伴っていなくても
高瀬と、というよりは
男とするキスに喜びを感じてしまった自分もいて‥
「普通」に拘る穂村にとってそれはとても混乱する出来事だったのでしょう。
人それぞれの尺度で普通の定義は変わることを穂村はあまり信じていなかったのかな。
高瀬ほどのシンプル思考と一緒に暮らしていれば
先々まで考えすぎてしまう穂村も
頭が解れるかもしれませんね。
穂村のもだもだ感にイライラさせられつつ、なんだかそれもクセになりました(笑)
それも含めて愛してくれる高瀬ってすごく心がひろいな、と思いました。
単館上映の映画のようでした。
静かに始まり、徐々に熱を帯びていきます。
時系列の切り替わりなどもそれっぽかったです。
23歳で再会し、25歳で恋人になった高校の同級生た2人の物語。
穂村は、来年には30歳だし別れるにはいい機会だと思い別れを告げる前に高瀬を旅行に誘う。
旅の最後に別れるつもりだったが、様子が変だと高瀬に悟られます。
穂村はいわゆる''普通"にこだわっていて、高校生の時から男の先生が好きだったのに女子と付き合っていたり、旅行中のシーツの乱れ具合を隠す事にも抜かりがないようなヤツです。
旅行中に女性に逆ナンされてホテルにまで行っちゃうヤツです。
高瀬の事が大切になりすぎて怖いとか言っちゃうヤツです。
挙げれば挙げるほど面倒臭いし、割とヒドイ。
ホント面倒くさくて、振り回される穂村が可哀想になるくらいなのですが、こういう拗らせ嫌いじゃない。やっぱり同性同士の葛藤であれこれ考え過ぎちゃう展開はハマる時はハマります。
旅が終わりに近づくにつれて、別れが名残りおしくなる穂村。
終点の東京で愛の告白ですよ。
呆れられて振られてもおかしくないかもと思ってたので気が気ではありませんでした。
自分一人で別れを決めて、それでいて愛してるなどと言う。なんて自分勝手な…と思われても仕方ないと思います。
それでも高瀬は別れを選ばなかった。
高瀬の目に涙が浮かんでるところで不覚にももらい泣きでした。
穂村の事、好きなんだなぁって伝わってきました。
描き下ろしで高瀬の部屋に穂村が引っ越すのですが、ここでも穂村のめんどくささ炸裂でした。
この期に及んで引越し業者が来てる間は高瀬に外出させたり、女性と住んでるかのようにぬいぐるみでカモフラージュw
ここまでくるともう逆に面白い。
ごく普通の男性2人が普通のやりとりをしながら、別れ旅に行く話。
ま、穂村はゲイであることを隠したいから、普通であろうと、いろいろめんどくさいんですけどw
で、30歳を前にしてこのままじゃいけないと別れるために、彼氏を旅行に連れ出すわけですね。
穂村の言うことなすことめんどくさいw
結局、盛大な独り相撲というやつではないでしょうか。
高瀬はそんな穂村をちゃんと好きで、でも穂村が別れようと旅行に誘ったのもわかっていて。
さんざん、ああだこうだと言ったあげく、穂村はやっぱり高瀬を「愛してる」と告げてめでたしめでたし。
絵がね。
「あさはらたそかれ」の時は話に引き込まれて、そんなにだったけど、本作は気になってしまったw
エロシーンなんて、なんか生々しくて。
絵のせいか、キャラのせいかわかりませんが(両方かな)
通販で同人誌を購入したので再読。
はやりやまい先生の作品は大好きです。
拗れに拗れた大人の恋愛も大好物です。
今回の作品は『二人の関係を終わらせる旅」というのがテーマ。
ですが…どうあがいても好き同士の二人。
別れる事なんてできないんです。
愛してるのにすれ違うって大人の面倒くささとか素直になれない心情とか、ものすごく丁寧に心に迫る描写で描かれている秀作。
楽しいだけではないけど、こういうのも確かに恋愛で。
東京駅での「愛してる。いっしょにいたい」はもう…反則でしょう。
こんなん泣くしかない。
