梨とりこさんのレビュー一覧

追憶の庭 小説

栗城偲  梨とりこ 

2度死んだ祖父という人

始まりは「もう亡くなった」と聞かされていたはずの祖父の葬式から。
赤の他人でありながら、絶縁状態だった故人の家族を喪主として迎え入れたのは、未亡人のような儚さのある年若い美貌の男だった。
古めかしい木造平屋の広い日本家屋を舞台に語られる、切なさと一途な想いが流れ薫る恋のお話です。
舞台は現代だけれどどことなくレトロさも感じ、淡々としていながら静かで趣きがある。
好きなタイプの栗城先生作品で…

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彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

あ~もう面白すぎる攻めの執着すごすぎる

 
「あの日、校舎の階段で」が大好きなのですが今回もま~~攻めのド執着を受けが嫌う、嫌うわ…最高ですね!?

攻めの一途さ、受けがいないと死んでしまう。
そんな危うい執着を抱えて苦しくなる攻めが最高でした。

一方の受けも受けで、攻めの持っている才能に藻掻き、苦しみます。
たまに理由なき執着攻めとかいるじゃないですか。
それもそれで面白いのですが、佐田三季先生は受けが攻めを嫌う理由…

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渇仰 新装版 小説

宮緒葵  梨とりこ 

特濃レベルの異常すぎる愛

こんなにぶっ飛んだ作品読んだことない。

達幸が異様・異質・気持ち悪いです(笑)
ここまでやるか〜っていう明良への執着。気持ち悪い通して恐ろしい。
あからさまな性的シーンがヤバいですね。とんでもない本を買ってしまったのでは?と読みながらビクビクしました。
明良とのセックスシーンはねっとりとしつこい、そして濃厚。明人の前では子どもっぽく、おねだりなのか催促なのか時に強引に激しく抱く達幸の頭…

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運命ではありません 小説

一穂ミチ  梨とりこ 

マッチングアプリ開発担当者×マッチングアプリの広報

IAの判断は間違ってないけれど、そうじゃない時もある。一長一短だと分かりつつある今の世界にマッチしているテーマでまず惹き付けられます。
マッチングサービスだけでなく、VRでイベントに参加という話題もありメタバースを感じさせて2018年発売の本作ですが、2023年の今読んでも違和感がありません。
主人公たちの会社が多様性を重んじる近年の感覚にフィットしたサービス仕様になっていて好感です。

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キューピッドだって恋をする 小説

伊勢原ささら  梨とりこ 

キューピッドと一人ぼっちがいい人間

ミュウが健気で可愛くて!

半分くらいまではとても楽しく読みました。キューピッドのミュウが人間界に来て猫のクロと一緒に石動に拾われて。
ええ?人間なのに猫扱い?なんですが。

石動の笑顔が見たい、恋を知って欲しい、幸せになって欲しい。ミュウの願いが健気でね(泣)

元はキューピッドなもんですから石動に恋をとなったら人間の女性をとなるんですよね。切なかったです。

石動がミュウを可…

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裏を返せば…! 小説

栗城偲  梨とりこ 

SとMの考察は面白い

主人公は、学習塾の事務職として働く南雲。
童顔で未成年に間違われるタイプの24才。
南雲にはどうもソリが合わない同僚がいます。
それが同じ学習塾の講師・本郷。
講師と事務職だから別にいつも顔を突き合わせている訳ではないけど、喫煙室で行き合う時などいつも皮肉たっぷり、小馬鹿にしてくるように感じて苦手意識を持っています。
ところが本郷の方は逆に…
…という展開になっていくのですが。
う〜…

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完璧な恋の話 小説

渡海奈穂  梨とりこ 

タイトルがうまいで賞

世の中に“完璧“というものほど胡散臭いものはないと思ってる読者です。
正直あんまりキュンしなかったのですけどw、でも萌2っていうのは着眼点が面白くていい作品だと思ったからです。攻め受け、どちらも”おまえ恋愛やめろよ、相手がかわいそうだ”的なキャラクターで…ないわーって思いながら楽しく読んでしまったのでした。このいろいろ欠落している人たちの恋愛模様に、とりこ先生のイラストが絶妙マッチング!あと、受…

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あなたが教えてくれた色 小説

安西リカ  梨とりこ 

揺さぶられました

ぷはっ…ビビッて長らく積んでたのに読み始めたら面白くて一気読み。モヤるを通り越してしんどくなったんですけど、作家様の気迫が伝わってきたっていうか、すごい内容だな~これ!っていう印象です。

※三角関係、ってタイトルにしようかと思ったけど、”ネタバレ”なのか?と小一時間…。

この受けさんがビッチというより、この物語は”二股”ラブストーリーだよね?っていうところが、なんか斬新に見えてしまった…

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灰の月 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

この愛情は痛くて愛しい!

先に「月に笑う」を読むのが個人的におすすめです。
惣一と嘉藤のことを知ってから、「灰の月」を読むと、より感情移入しやいと思います。

以下は、「灰の月 下」について個人的な感想です。

「月に笑う」の賢く腹黒い惣一は、まさか愛のために狂人となった。
愕然とした展開、衝撃な結末、すごい、すごすぎます!

嘉藤視点だが、
狂った行動を起こし、もがく惣一の苦しさ、空虚感、しっかりと痛々…

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ファンタスマゴリアの夜 小説

砂原糖子  梨とりこ 

すっごく良かった

絶対絶対、何回も読み返すと思います。
読み終えて、余韻に浸ってしまう、それぐらい良かった。

幼なじみの再会&両片想いモノです。
時系列も現代だったり過去の話だったりします。
でも混乱することなく、スムーズに読めますし、過去のエピソードのひとつひとつが印象的で、無駄なく現在に繋がっているんですね。
あの時のあの言葉はこういう心情で、とか、あの態度はそういう流れで、とか。
切ない。

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