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表題作ただ思うことは

木宮 広也
長岸 友貴

その他の収録作品

  • 描き下ろし「友人の思うことは」
  • 応援店共通特典

あらすじ

高校時代から友人の広也に片思いをしている友貴。
広也には絶えず彼女がいて、男である自分は恋愛対象外。
告白はせず、ずっと良い友人でいるつもりだった。
ある日、友貴の恋心を唯一知る陽一と呑んでいたはずが、
翌朝目覚めると目前に土下座の広也が!
どうやら酔った勢いでヤってしまったらしいが、
友貴には全く記憶がなくて――?

作品情報

作品名
ただ思うことは
著者
まさお三月 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
ISBN
9784796412605
4

(194)

(76)

萌々

(72)

(35)

中立

(3)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
19
得点
776
評価数
194
平均
4 / 5
神率
39.2%

レビュー投稿数19

ノンケ社会人✕ゲイ社会人

高校からの同級生である広也と友貴は社会人になっても飲みに行く仲です。
泥酔した友貴が知らぬ間に広也と一線を超え、それから一夜の過ちだと思っている友貴と付き合っていると思っている広也の噛み合わないやり取りが面白かったです。
ちゃんと言葉にしていたら起こらなかったすれ違いなので、言葉にするって大切だと思えました。

広也と友貴には共通の友人である陽一とその妻の都がおり、相談に乗ったりアドバイスしたりと良き理解者で今後も二人を見守っていってほしいなと思います。

修正するものが描かれてないので修正はないです。
なので、えっちはあっさりでした。

1

お酒はほどほどに…笑

お酒の過ちで片思い相手とヤっちゃって、記憶失くしてる間にいろいろ進んじゃってたお話。流れもオチも既視感あるやつなんですが、出てくるキャラが皆独特のちょっとズレたところを持ってて、すごく面白かったです。
メインカプは高校時代に夫婦扱いされてた二人。広也は元々言葉が足りてないタイプのキャラですが、友貴の方はあの一夜以降、広也限定で足りなくなってしまいます。
言っちゃうと、このすれ違いはpixivでよく見るやつです。なのでオチが想像できるんですが、それが逆にすごく良いっていうか…安心感を持って二人を見守れますし、あの展開いつくるんだろ?とわくわくそわそわ期待を高めながら読めました。
で、いざ決めシーンがくるとキャラの変なセリフに笑わされるんです!このノリとテンションはハマるとクセになります!
二人の相談役の仲良し夫婦も良いキャラで、特に都は広也にズバズバ言ってくれるところが好きでした。
今後も相談役の友人たちに迷惑をかけ続けそうな二人ですが、納まるべき場所に納まった感じで、満足しながら読み終えることができました。お酒はほどほどにね!

0

まさお先生ワールド、盛大な行き違い

まさお三月先生作品、読むのこちらで7作目なのですが、キャラの目がいちばん大きく感じました。2人とも。
(相変わらずきれいな絵だけど、個人的には切れ長ぽい目、例えば「求めてやまない」の辰巳の顔が好みなので、ただ言いたかっただけですw)

長年の行き違いが、酔った勢いとは言え、ようやくクロスしたと思ったら、お互い言葉不足でぐずぐずてw
早速まさお先生ワールドだなと。

その後、意志確認してめでたくお付き合い始まるものの、恋愛においての言葉不足はすぐには改善せず。
学生の頃の阿吽の呼吸のようにはいかないので余計戸惑っているんですかね。

友貴が恋愛経験ないからと勝手にネガティブに思い込んで、広也に素直に聞けばすむ話だろうに突っ走るのが、まさお先生作品によく出てくるキャラだなぁと思いました。

相談される陽一夫婦の「正直めんどくさい‼︎」が、ほんとそうですよね!と笑ったw
ずっと相談に乗り、友貴を応援してあげようとする陽一がいい奴。

酔った友貴が相手の手を割りばしでツンツンするのや、素になるのがかわいい。
でも、今更だけど、友貴が広也のことを相談するためとは言え陽一と飲みに行くことを広也がヤキモチ焼くのくらいわかりそうなものなのにねw

0

友情に感動

勘違いで思い悩んで拗れるってお話なら他にもたくさんありそうだけれど、即友達に絡んで発散させてしまうから良くも悪くもあんまり発展しないの面白かった
初めから諦めている友貴と、友貴を意識することにやましさを覚えてそれをごまかそうとする広也
友貴が諦めているから、代わりに彼の恋の成就を願う陽一の良い奴加減に感動してしまった

友貴には広也には隠していて陽一には見せていたウザい甘えん坊の部分があるから、まだまだ愛される余地があって良い
何年遠回りしたって、始まってからはもっともっと好きになっちゃうと思う

ちょっとだけ髪の毛が硬そうに見えてしまうところか途中で気になってしまった
他のお話ではそんなとこ気にならなかったように思うんだけど…なんだろう

0

でた~、変な人

そう、分かっていたのです。まさおさんなら必ず変な人が出てくると。。
しかし、分かっていてもやっぱり、「この人変だ~」と思うものですね。

ずーっと同級生に片想いをしている主人公。今は皆社会人です。友達づきあいは続いているものの言い出せず、といううっぷんを、事情を知る別の同級生(+その奥さん)に日々ぶちまけている。

で、今回どういう変なひとかというと、ノンケに見えた攻めさんが、究極に言葉足らずな人で、思っていることを伝えられない、というキャラでした。
気持ちが分かる自分が通訳してあげていたが、自分への気持ちには鈍感、というすれ違いで1巻。。

まあ、こんな人いないよな~と思いながらもついつい読んでしまう、不思議な漫画です。

1

ただ"思い"すぎ

派手さはないけど楽しい作品です。まさお三月先生らしく、会話で話を進行させます。
とっても既視感があるな〜と思って読み進めてたのですが、まさお三月先生の「それでも構わない」にキャラのビジュアルと設定の雰囲気が似ていたんだと思います。

話の通じない攻めと、すこし臆病な受けと、面倒見のいい友達という構図。「それでも構わない」ではちょっと怖さを感じてしまっていたのですが、こちらの作品ではコメディに落とし込めていて、長い時間すれ違い続けたな〜勿体無い…とは思えど、おもしろく読む事が出来ました。

※電子書籍ひかり 局部描写無し 裏表紙有り
応援店共通おまけ漫画1枚 彼ジャージ

1

影の主役、陽一、都夫婦!

作者買い。
相変わらずハズレのないまさおさんです!
今回も笑ったりじーんときたり、心の奥をくすぐられる一冊。

なによりも、友貴くんはイイ友達を持ったよ!
ホント、その一言に尽きる!
本編でもそうですが、書き下ろしのSSを読むと
陽一くんのイイ人具合が更に上がります!

ストーリー自体は焦ったいほどのすれ違い両片思いで、
ちょっとコメディ風味なのですが、
それぞれが真剣なので切なさがいいスパイスで乗っかっています。

私がまさおさん大好きなので、
多少の贔屓目もありつつの、評価は「神」で!

1

切なさとコメディテイストのバランス

…が今回は私には合わなかった。
とにかくこの2人!
イラつくわ。
序盤は、友貴が可哀想というか同情というかそんな目で読んでたんだけど、酔ってヤってしまった??の後、広也と友貴のズレまくった行動や思惑がイラァ〜…
その上、そこを狙った描き方が作品としてのあざとさに感じられて、それも好みじゃなかった。
いくら言葉が足りなくて行き違いが起こったって…
全てが酔いすぎて記憶が無かったせいで、ここまでぐちゃぐちゃしてしまったとか…
2人のシラフでの初Hもなんだか色気もカタルシスも無かったし…
何より広也が私にはいいキャラに思えなかった。友貴の気持ちを知ったらすぐに宗旨替えですか…みたいなのがね…
絵柄は綺麗でとても読みやすい。
話中立、絵萌、描き下ろしでの陽一が友達想いなのはとても良かった。総合「萌」。

1

思ってるだけじゃ伝わらない

ぐっちょんぐっちょんの汁気たっぷりエロトロBLに疲れた時、まさお先生のこんなお話は自分にとって一服の清涼剤です。

高校の時から、同じ部活の部長と女房役として名コンビだった二人。言葉がなくても通じ合えていたのに、それが恋だと自覚して、大人になってからはうまくいかない…そんな長年の片思いを、互いに拗らせてしまったが故の、ドタバタストーリーです。

とにかくこのお話、その場でしっかり話し合えば、二話あたりで終わっちゃうような話。
なんでそこでちゃんと問い詰めないのよー? と言葉足らずな二人に、心底やきもきさせられます。
途中から攻め視点になるのですが、受けに恋してることは読者にも早い段階で丸わかりなため、じれったい!早くくっついちゃえよコノヤロウ!という状態がずっと続きます。
本当にじれったい、だがそれがすっごくいいのです…!
両片思いのジレジレすれ違いっぷりに、終始ニヤニヤ…男だから、友達だからこそ悩んでしまうのは、まさにBLの醍醐味!

二人の相談役に高校の同級生の男女カップルが出てくるのですが、その子たちもめっちゃいい子。
とくに女の子は、受けへの恋心に無自覚だったせいで高校時代に女子とつき合ってた攻めを、女子の立場からちゃんと叱ってくれます。
こういうことを作品の中で言ってくれるキャラがいると、一気に読後がよくなります。悪いことは悪い、って言われないと、二人が結ばれる過程で関係ない人を傷つけたことに、後でもやっとしちゃうんですよね。
このあたりの読者へのフォローはうまいなあと思っちゃいました。

駄目だと思っても続けようという努力をしてくれ、という攻めの言葉がよかったです。
これからはちゃんと話し合って、すれ違わないようにね、とほのぼのするようなラストでした。

2

都ちゃん裏山

全フジョシが思ったと思うけど、、、
都ちゃんになりたい人生だったよね?

0

展開が読めてしまって…

まさお三月さんのサラッとした絵柄や、淡々としつつもクスッと笑えて、心に沁みてくるようなお話の作り方が大好きです。
どこか憎めない、むしろ愛おしくなっちゃう変わり者なキャラクター達も大好きです。

今回、単行本の帯に書かれた
「間違いでも、抱いてくれて嬉しかった」
の文字に飛びつきました。
元々片思いとかすれ違いとか一途受けとか大好きなので、それをまさお三月さんが描かれてるなんて読むしかない、と。

実際、設定はめちゃくちゃ大好きな要素てんこ盛りでした!!

・高校時代からの友人で、その時から攻めに片思いをしている受け
・彼女のいる攻めを見て傷付く受け
・大人になってからも思い続けて傷付いてる受け
・酔った勢いで一線を超えた後、攻めから「間違った」と傷付く一言

大大大大大好きな展開です!!

くっついてからもお互い言葉足らずですれ違い、わちゃわちゃしつつも笑えてホッとできる展開は、まさお三月さんらしく大好きなものでした。

ただタイトルにも書いたように、最初から展開が読めてしまって、またその読み通りに進んでいくのであまり楽しめなかったのが正直な感想です……。
言葉足らずな攻めというのもあって、全体的に言葉が足りないことですれ違っていくのですが、展開が読めると言葉足らずな部分にやきもきしてしまって……。

展開が読めても楽しめる作品はいっぱいありますが、今回は私にはちょっと合わなかったようです。
評価も「萌」と「中立」で悩みつつ、今回は中立にさせて頂きました。

5

陽一くん、お疲れ様

大好物の、拗らせ腐れ縁系のお話。
部活内で夫婦と呼ばれるくらい通じ合っていた同級生に、片思いを拗らせて10年の主人公が、ある日酒に酔って記憶をなくして、目が覚めてみたら、自分は事後感アリありで、片恋を拗らせていた正にその相手がパンツ一丁で平謝り。
これっていったいどんな状況?
ここから始まる、だてに10年拗らせていないとばかりの、迷走とすれ違い。
絶対的に言葉が足りていない広也と、ネガティブに自己完結しがちな友貴。
結局二人の間を取り持ったのは、友貴がいつも愚痴をこぼす相手の、これも高校の部活からの付き合いの陽一と都夫妻で、この二人の描かれ方がとってもいい。
最後の描き下ろしの陽一編では思わずウルっとしちゃう。

7

雀影

セルフツッコミ
まさお三月さんの本、読むと高確率で当たりなんだけど、つい、新刊が出たのを見落としてた。
カバーイラストの印象かな、もう持っている本かどうか、わからなくなりがち。

まさお先生大好き

まさお先生大好きなので購入。絵が今回またまた個人的に好みな方に変わったように思って、そして大好き変人よりな話だったので、とっても嬉しかった・・・好き。何回読んでもせつなくて泣く&笑うので神。

高校の部活で部長、マネージャーという関係だった二人。言葉足らずな攻めさん(部長)をフォローしていて、周りから「夫婦」と言われるほどナイスな関係だったんだけど、ある日それが恋心だと気づいた受けさん。攻めさんが女子と付き合えることを知っているので、この気持ちは決して言うまいと固く心に決め、十数年。(既にセツナイ)飲みながら彼女と別れることになった等報告を受ける関係でしたが、ある日なぜか目が覚めるとすっぽんぽんで、土下座する攻めさんがいて・・・という出だしでして。

まさお先生の作品の何が好きって、表情が可愛い、モノローグが爆笑、お話の切り替え方がすっごくツボ!今回は受け視点から攻め視点への切り替わるところが、すっごく沁みて良かった・・・・また事至った後の二人して、同級生さんへ報告するってところで、ざくっと切り替わって、もうおかしくっておかしくって、何度読んでも同じところで爆笑してしまう。今回はセツなさも増し増しな気がします。さっぱりした性格の受けさんが、さらっと「俺と広也は夫婦なんだよ、部活の中では」などとマイノリティのせつなさを淡々と語っているシーンには泣きそうだったなあ・・よっぽど相性がいいのか、とにかくまさお先生、大好きなんです。

今回二人に振り回される同級生カプ(♂♀)がおられて、その方たち、お気の毒だとは思うのですが、巻き込まれてくれてありがとう!!!!と本当に感謝。そのサブキャラがいたから面白さ倍増。
多分、この同級生カプは一生、二人に振り回されるだろうなあと思うのですが、4人で是非仲良くしていただきたいなと思いました。

きゅん→爆笑→ぐすん→爆笑と色々大変なお話でした。大満足です。

6

言葉が足りなさすぎるよ汗

紙本
修正…描写なし
カバー下…タイトルと英訳
カバー折り返し…プロフィール
あとがきあり

3

独特のテンポが楽しい!!

まさお三月さんの作品はド王道!!!が多いと思うのですが
全く飽きさせない独特のテンポとコミカルさが大好きです!!
高校から付き合いのある友人同士、
友貴の片想いかと思わせておいて実は広也も好き、
更には勘違いからのすれ違い…。
しかも共通の友人が相談に乗ってあげて巻き込まれるまでが
ワンセットという微笑ましさ。
安心して読めるしクスッと笑えるし
おまけに今作は描き下ろし『友人の思うことは』で
泣かせられました!!ありがとうございます!!
でもちゃんとオチまであるなんてサービス精神旺盛な御方だなぁ…。
ちょっと面倒くさいヤツだったり、言葉足らずで不器用だったり
人が好過ぎて大変だったりな面々がとても愛おしいです。
本当に、思っている事は言葉にしないといけませんよね。
小さな誤解が大きなすれ違いに発展してしまうのは
恋愛話に限らず現実社会でも同じですものね。
個人的に気になってしまったのは、目がちょっと大きくなっちゃったかな~…!!
陽一くらいが丁度いいっていうか陽一みたいなタイプが好きなのでそう思ってしまうのか…。
でも神寄りの萌×2です!!

5

”言葉足らず”のじれったさがたまらない

はぁ~もぉたまりませんでした。

いつも言葉足らずだった部長の広也の「通訳」として部員たちとの間に入っていたマネージャーの友貴。
部員たちに「夫婦」と例えられる程に!!

広也が好きだけど報われることは一生ないので、せめて”女房役”というポジションを守り抜く為連絡も絶やさずずっと”友人”として傍にいた友貴が尊かったです!!
しかも、羽目を外さないように大好きなお酒も広也といる時は控える友貴。
その分、学生時代副部長だった陽一には広也を好きなことはバレてるので、毎度呼び出して愚酒を潰れるまで飲み広也への恋の愚痴をぶつけるのがこれまた尊いっ!!!

ある日、陽一と飲んで潰れているところに偶然遭遇した広也は初めて「酔った友貴を家に送る」事になるけど・・・まぁ~結果、朝チュン土下座(笑)
ここからのこじれっぷりは本当に見てて可笑しいし切ないし・・・たまらなく面白かった!

広也サイドになって切なさもグンと上がってラストは可愛い二人がとにかく愛おしかったです。

こじれにこじれた二人に振り回された陽一夫妻はホント優しかったです♪

4

切なくもどこかおかしい

まさお三月さんの色んな良さが詰まった長編だなぁって思います。
言葉足らずな厄介攻めと、そんな攻めに惚れちゃってる受けが繰り広げるボタンの掛け違いみたいなおもしろさ、カップルとなってからも相変わらずのお騒がせっぷりや、それに巻き込まれてしまう友人達の悲哀……。
大声で笑うほどではないけれど、終始どこかおかしくて、そして時々切なくなる…みたいなやつで、まさお三月さんがお好きな方なら、即買いで大丈夫です。

高校時代からの友人・広也(攻め)にずーっと片思いしてる友貴(受け)。
その気持ちはひた隠したまま、良き男友達としてのポジに収まり、何食わぬ顔をして恋愛話を聞いてやったりしているのだけど、ある日気づいたら二人とも素っ裸で……という酒の勢いあるある話。

翌朝「間違えた」とパンツ一枚で土下座する広也。

広也はいつも言葉が足りない男なんです、
高校時代、言葉不足で周囲の誤解を招きやすい広也の女房役だった友貴。
そのナイスアシストぶりに周囲から嫁扱いされていたほどで広也の言葉不足には慣れているはずだけど、「間違えた」にはそれ以外の意味を見出せず、どこの女と間違えたんだよ…とショックを受けつつも痛くも痒くもないフリをする友貴。

そしてこの作品の影の主役は、高校時代からの友人夫婦(陽一と都)じゃないかなぁって思います。
二人は友貴の気持ちを高校時代から知っていて、特にお人好しの陽一は友貴から愚痴を聞かされたり、その辛さに一緒にしんみりしたり励ましたりしてくれてるんです。

結局蓋を開けてみれば両片思いで(広也は無自覚ゆえの厄介さあり)、カップルになってからもしょうもない事で真面目に悩む二人と、それをめんどくさ……と思いながらもちゃんと聞いてあげる心優しき友人夫婦との温度差はもはやコントです。

私は描き下ろしがすっごーーくいいなって思いました。
「友人の思うことは」というタイトルで、友人・陽一視点のお話なんだけどほんといいやつなんです、この陽一。
高校時代、皆から広也の嫁扱いされている友貴に対して、友貴の気持ちを知ってるだけに「夫婦扱い」されてて大丈夫なのか心配する陽一。
それに対しての友貴の答えが、ほんとに健気で切なくて思わず泣いちゃいました。
こういうエピソードで「少数派」について考えさせられる、しかもそれを説教臭くなく読者に提示してくれるまさお三月さんの技量とセンス、ほんと大好きだし尊敬します。
そしてその友貴の答えについ涙しちゃう陽一なんだけど、あの時の涙返せ!的なオチに持っていくところも、さすがです。

萌萌か神で迷いましたが、まさお三月さんの長編の中で一番好きだなと思えたのと、描き下ろしがすごく好きだったので神です。

15

言葉足らず×天然早とちり!

言葉の足りない広也をフォローしながら、その気持ちを隠して友達の距離を保ってきた友貴。
彼と寝てしまったらしいことに複雑な思いを持ちながら、あれだけフォローしてきたのに広也の気持ちにはてんで気づかない天然ぶりが愛おしいです。

主役の2人を支えて(?)きた友人の陽一と都達との軽妙なやりとりと、大好きなあとがきまで絶妙でまさお三月先生らしい1冊です。

2

勘違いから長引く片思い

登場人物が皆いい人ばかりで、安心して読める作品でした。
高校の同級生である広也と友貴が、出会ってから恋人になるまでの数年を描いています。

高校時代、部活のマネージャーである友貴と部長の広也は、言葉足らずな広也のフォローをする友貴の様子から「夫婦」と呼ばれていた。
広也に彼女ができた事をきっかけに、友貴は広也に恋していたのだと自覚する。
それから数年、就職した今も気持ちを隠したまま友貴は広也との友人関係を続けていた。
広也への思いをこぼせるのは、学生時代の友人である陽一・都の夫婦だけ。
ある日、陽一と飲みながら広也への愚痴をこぼしていた友貴は泥酔してしまう。
目が覚めると、そこにはパン1で土下座する広也の姿があり…。

全ては言葉足らず、考え足らずな広也のせいで招いた勘違い&すれ違いストーリーです。
最初は友貴目線で話が進んでいきますが、途中から広也に、そして描き下ろしでは陽一目線へと移っていきます。

結局、広也は高校時代から友貴が好きだったが、本人が恋心を自覚していなかっただけ…。
ある日、友貴をネタに夢精してしまった事で後ろめたくなり、友貴を性的対象に見ていないというアピールのためだけに女の子と付き合ってきた。
都ちゃんも言ってましたが、広也サイテー!
ちょっと普通じゃないんですよね…そこが、感情移入しきれなかった原因だと思います。
土下座してたのだって、両思いになってすぐ手を出したのは間違いだった…という謝罪のため。
え?
「間違えた」としか言わなかったよね?
言葉足らずって言葉じゃ足りねーわ(呆)。
ただ最後は、広也が言葉の大切さを実感することが出来たので、これからはもう大丈夫かな…?と少しだけ安心しました。

対して、友貴は一途なマイノリティー。
恋人も作らず、ずーっと広也だけを思ってきた。
だからこそ、友貴のことは素直に応援できた。
酔ってる時に、陽一や広也の手の甲をチクチクするのが可愛かった。
泥酔して記憶をなくしてしまうせいで、自分から告白し両思いになり、初Hまでしたのに覚えていない。
そんな友貴でも、許せてしまうのはキャラが可愛いからだと思います。

あれ?と思った伏線は全て回収され、そこはさすが!と思いました。
友人の陽一がとてもいい奴で、描き下ろしで一気に好きになりました。
マイノリティーでも、よき理解者がいると全然違うのでしょうね。

5

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