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表題作可愛いがお仕事です

霧生慧吾
30歳、偽装ゲイパートナーを依頼する会社経営者
間藤春真
18歳、人材派遣会社の新人キャスト

その他の収録作品

  • 可愛いが止まりません
  • あとがき

あらすじ

人材派遣スタッフの春真の初仕事は『ゲイのセレブ男性の結婚相手のフリ』で……!?
偽装結婚から始まる、年の差すれ違いスイート・ロマンス♡

作品情報

作品名
可愛いがお仕事です
著者
小林典雅 
イラスト
羽純ハナ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524929
3.3

(53)

(14)

萌々

(15)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
14
得点
167
評価数
53
平均
3.3 / 5
神率
26.4%

レビュー投稿数14

笑いが止まらない〜!天然×天然の、偽装結婚から始まる歳の差ラブコメ

ディアプラスさんのフェア特典小冊子が欲しくて、色々まとめ買いした際に購入したこちら。

も〜〜〜本当におっかしくて可笑しくて、何回ブフッと吹き出しただろう?ꉂ(๑˃▽˂๑)という感じ。
ツッコミどころ満載ではあるんですが、小さなことは気にならなくなるぐらい面白くて。

自分の萌えツボをグイグイ押されて、もうたまらなく楽しんじゃいました。
読み始めたら面白すぎて止まらなくて、深夜まで読み耽り、気付いたら2時半…(後悔なし)。

初対面のセレブ30歳スパダリの口から出る、
「手始めに僕のことを”慧たん”と呼んでもらえるかな」「君のことは”はるりん”と呼ぼうと思う」なんていうセリフから、ツボに入りまくり笑いまくりでした。

(先生のあとがきの後に、羽純ハナ先生による”けいたん””はるりん”のミニキャラ
顔イラストがあり、可愛さに悶絶)


以下、簡単なあらすじと感想を。

人材派遣スタッフの高卒18歳青年・春真(受)の初仕事は、
なんと”ゲイのセレブ男性の婚約者のふり”。

そのお相手となる慧吾(攻)は30歳のセレブ実業家。
言動は天然なものの紳士的で優しく、慧吾のもとで”本物の婚約者”らしく
振る舞おうと要求に応えるうち、秘めた恋をしていたはずの春真は急速に慧吾に惹かれていき、恋心を抱くようになってーー

と続く、楽しい(切ない要素もちらりとある)ラブコメです。


もう、「出会って一週間で恋心爆発、結婚決めました!てへっ★」

なんて、自分がお母さんでもお父さんでも「ゆ、ゆるさーーーーん!」となっちゃうところなんですが。

本当に不思議なんだけれど、無理やり納得させられる形じゃなく、
読んでいるうちに自然と受け入れている自分がいる…

笑っちゃいながら「しょうがないかあ!」わっはっは、となるこの感じ、
きっと小林典雅先生の文章力、展開力のなせる技なんだろうなあ…!と感嘆しきりです。

恋に落ちた二人のすれ違いの描写、それぞれが引きずっている「恋」の描き方も
見事で、慧吾の叶わなかった恋のお話には、切なくて悲しくて胸が痛みました( ; ; )
(※そこで出てくる「くまちゃん」のぬいぐるみは、もっと何か攻め受け二人に
関係するものだと思ってました;真相にちょっと拍子抜け…というか、驚いたところはあったかな?)

最後の高い高い壁ーー春真の叔父で養父の絃×慧吾の、旅館でのやりとりとまさかの
「枕ラグビー」にも、めちゃくちゃ笑ってしまった〜!!!

攻め受け二人とも、相手の親への説得方法が独特すぎ面白すぎ!
春真の妄想癖…いや、想像力&創作力?もぶっ飛んでいて、天然×天然カプの面白さを存分に堪能しました(*´艸`)

チラッと小林先生の既刊のカプも出てきたりして(未読の作品なのでこれから読む…!)、
そんな遊び心までふふっと楽しめる一冊。

細かいところにツッコミは不要。受け入れて、思いっきり笑おう!
そしてハッピーになろう!✨

と思ってしまうような、変態天然紳士×ウブだけど誘い受け、のビタミンラブコメ、
最っっっ高に楽しかったです◎

溺愛年上攻めの良さをたっぷり吸って、また明日もがんばろ!と思えました。感謝…!٩(ˊᗜˋ*)و・:*+.


0

ま、まぁ…ギャグ100%だと思えば…


最初に抱いた違和感がどんどん大きくなって最後はサラサラーっと流し読みになってしまった作品でした。

というのも、受けの性格がどうにも私には合わなかったです…。
二人ともちょっと癖のある性格の持ち主で、攻めはハイスペ残念イケメン。

受けは素直な子…なのですがノンブレスで語る妄想やツッコミがすごいです…。
レンタル彼氏として働き始めて間もないとはいえ、お客である攻めにズバズバとダメ出しを言ったり物怖じをしません。
攻めの地雷にもズカズカいくし読みながら色んな意味でヒヤヒヤしました…。

また、攻めには別の忘れられない好きな人がいるにも関わらず10日間で受けに結婚を申し込むくらいのスピード感は、ちょっと心が追い付きませんでした…。

それからビックリエピソードとして、攻めが薔薇100本を持ってプロポーズをしに来るのですが喜んで受け取ったかと思えば、それを育ての叔父に「横流し」と言って渡し、さらには「そのまま叔父の婚約者にあげなよ、めったにないよ薔薇なんて」と横流しの横流しを提案。
このデリカシーのない行動にドン引きしてしまい…。

あと、作中では会話がほとんどです。
一人が3~4行続けて喋ることが多く、すごい時は一気に9行を使って一人がしゃべり倒します。
会話文以外は受けの心情が割合を多く占めているので、周りの状況があまり読み取れず読者を置いていく印象を受けました。

更にはキーパーソンかと思われる、両親を早くに失くして育ててくれた叔父の人柄もよく分からないまま…。
攻めの父に認めてもらった理由も、正直やっつけ感が満載。
読みながら頭の中に「??」がたくさん。

途中からは、受けは宇宙人でこの話はギャグだと思って読んだらどうにか最後まで読むことが出来ました。

「嘘と誤解は恋のせい」も既読済みで好みとは違ったので、こちらの作品で再挑戦したものの、やはりどちらの受けと作風が私とは相性が悪いのかもしれません…。
これはもう私が悪いのですが、執着攻めと思ってこういう雰囲気なんだろうな~と想像していたお話と違ったのが大きな要因で申し訳なく思います…。

2

可愛い男子

人材派遣会社に入りたての春真にやってきた初仕事は、ゲイの金持ちの婚約者役。
実際に依頼者の慧吾に会ってみると真面目な紳士。
恋人に見えるように一緒に住み、恋人っぽいフリに慣れていくというもの。始めてみると。。。

春真は育ての親代わりの絃に片思いをしていたので、ノンケという感じでもなく、慧吾に落ちるのは結構早かったのかなぁと思いました。
何がいいかって、紳士な慧吾が度々春真の可愛さにやられているところを、当の春真は全く気付いていないとか、セレブに向かって庶民を突き通す春真とか、慧吾の父親を丸め込んじゃう春真の話術とか、読んでいてスカッとする場面も多く良かったです。
相思相愛になるまではサラッとで、早々手を出してしまうのかと思いきや、紳士はすごかった!!
その反面春真が意外にも積極的だし、この2人いい!!
格差カップルとか、偽装結婚とか自分の好きな設定が詰め込まれていて、最後まで楽しめました。

1

ああ言えばこう言う受け

受けの妄想力とコミュ力と庶民レシピと金銭感覚がすごいですね!

あんまり外見の描写はないですがきっと受けは可愛い男の子なんですね。そんな子にふつつか者ですがよろしくおねがいしますなんて言われたら、そりゃクッと額と目を覆ってしまいますよね。

もうああ言えばこう言う黙ってない受けが面白かったです。

攻めも溺愛のあまり暴走しちゃって。イケメン社長セレブなのに受けの庶民感覚を一緒に楽しんでくれて。
すっかり尻に敷かれてますね。

典雅節炸裂でツッコミも冴え渡り何度も笑いました。

叔父もまさかラグビーで決めようとか!
攻めの父も受けに圧倒されちゃって。

受けの子供時代の写真を叔父と攻めで可愛い可愛い言いながら、並んで覗き込んでるのがもう同類じゃん!で。

エッチの描写はあんまりなくて刺激もあまりです。
でも初めてでうまくいって良かったです。

諫山さんにボーナスあげてください。

1

受け様の創作とダメ出しが楽しい。

ふふっと笑わせてもらいました。

 受け様は、人材派遣会社『キャメロット』の新人、春真。
節約と創作が得意で生き生きとした楽しい受け様です。
最初の数ページで、春真のたくましい想像力に笑わせてもらいました。


 攻め様は、この『キャメロット』にゲイ婚のパートナー役を求めて仕事の依頼をした慧吾。
このパートナー役として、春真は慧吾の家に住み込むことに。

 バカップルとして見せつける為に、距離を縮めるべく、ボーイズトークに花を咲かせる2人。
雇用主の特権をフル活用して、膝枕だのおそろのパジャマだの、慧吾は役得でしたねΨ( ̄∇ ̄)Ψ
 慧真を知っていく内に春真は、穏和で優しい慧吾に気付けば惹かれていて。

無事、慧吾の家族にパートナーとして紹介された後に、春真の、甥離れできてない過保護な叔父に仕事内容がバレて、春真は連れ戻されてしまう。

100本のバラの花束を抱えてプロポーズに来た青年実業家慧吾、愛嬌もあって、かっこよかったです(*≧∀≦*)

 偽装パートナーから本当のパートナーになるまでが、雑誌掲載分で、まだ最後まではいたしてない2人。

 書き下ろしでは、ただただもう慧吾が春真を溺愛していました。
もうね、受け様を好きすぎて、残念になっちゃう攻め様、大好き。
(о´∀`о)
プチストーカーと化していた慧吾と、それがまんざらでもない春真。
いいバカップルだわ。

春真と慧吾の父親とのやり取り、最高でした。

慧吾と春真の叔父とのやり取りは、残念で可笑しい事になってて笑うしかなかったです。

2人の念願叶った初えっちまで、楽しく読ませてもらいました。

1

文字コメ初体験

典雅節、というレビューをたくさん見て。
なるほど、という感想と「控えめ」というレビューをさらに見かけて「これで!?」という気持ちとで本作以上に小林先生の作品に興味を持ちました。
文字で読むコメディはとても新鮮でした。

怒涛の春真節は、特に霧生会長に対しても物怖じしないところが気持ちよかったです。あれでも春真はとても気を遣っていたというのがまた痛快でした。
「わしが口を挟む隙がない」と憮然とするお父様、緊張場面なのに面白すぎました。
地に足のついた妄想でとばし気味の春真とお花畑な妄想が止まらない慧吾さんとの妄想合戦は本当に怒涛の文章で、すごく面白いのですが途中けっこう目が滑りました…本作はCDになっているのでしょうか。キレのある受さんと大らかな攻さんなお声で、音声ドラマで再生してほしいなあと思いました。

個人的に好きなのはパネルの準備と掲示が早すぎる慧吾さんです。
また、兄弟がユウゴとシュウゴで音が一緒だなてとこまでもう笑ってしまいました。

一生懸命、絃さんを好きだった春真くんも健気だったので、絃さんへの気持ちと慧吾さんへの気持ちの違いを春真くん思考でもう少しつきつめるようなところも読みたかったです。

秘書の諌山さんがいちばん面白かったです。
私の中の主役でした。
評価迷って迷ってですが面白さと好みとは両立しないことを知りました。勉強になりました。

3

紳士だけど、どこか天然な攻めが笑える

セレブ攻めと庶民派受けが偽装結婚のために同居するという目新しさはないネタだけど、やけにキャラが生き生きしててとても楽しめました。
なんど彼らの言動に吹き出したことか!

そして紳士なのにどこか変な攻め、受けのせいで暴走しがちな攻めが好きな方はきっと楽しめると思います。

まず初対面で、一刻も早くラブラブな恋人っぽくなるためとはいえ「慧たん」「春りん」呼びをしようと提案する攻め。
初っ端から変というか、飛ばしてる!
そしてそんなズレてる攻めを冷静に軌道修正できるナイスな優秀秘書の存在もいい。

受けはチャキチャキしてて芯があるんですね。
攻めの桁外れのセレブっぷりに目を白黒させつつも、堅実な金銭感覚の持ち主なので、きちんと物申すことができる。

例えば、お土産に攻めが1個1000円するようなケーキを8個買ってきたシーンがあるんだけど
「超嬉しいんですけど、8個は多すぎです。もったいないから次買うときは1個でそれを分け合って食べましょう、そのほうが本物の恋人っぽいし」と言える。
そしてたしなめられて憤慨するどころかやけに嬉しそうな攻め。早くも尻に敷かれてる感が……
だけど「明日はケーキじゃなくてコロッケがいいな」と受けが言うと「いいよ、20個くらい買ってきてあげようね」とすぐにセレブ買いに走ろうとする(笑)

後半の「可愛いが止まりません」は、途中でちらっと攻め視点に切り替わるんだけど、ここが秀逸。
脳内お花畑になっちゃってる攻めが「可愛くて号泣したくなる気持ちを春真くんから教わった」などと秘書にとうとうと語って聞かせるんですよ〜!
そしてそれを情け容赦なくぶった切る秘書。

ここがほんと笑えて好き。

脳内お花畑なのに、受けの叔父に認められるまでは一線を超えまいとする大人としての良識があるところも良かったし、叔父に認められるために、自分がいかに優良物件かをアピールするために送った書類の内容には笑った。

天然紳士な攻めが見せるちょい変態臭、そしてお花畑っぷりが後半は加速しててとても面白かったです。

あとがきによると15周年とのことで、過去の作品に関係したものがあちこち散りばめられてあるんですね。

例えば作中に登場した「アナルと雪の女王」というゲイビタイトル、どこかで見た……と思ったら、「国民的スターに恋してしまいました」で登場してたあの伝説DVDだ…!ということで、そういうファンならではの楽しみも味わえます。


神に近い萌萌で。

3

フランク

結局、好きで何回も繰り返し読んでるので、神に変更したい…

楽しいよ!

本当にこの作者様には毎度毎度楽しい時間を頂いてますわ。

腕枕棍棒脇の下スンスンからお喋り枕で盛大に吹き出してしまいました。
慧吾の父とのやりとりにはもう爽快ささえ感じるほどの会話の可笑しさに、何度も読み返して笑いました。ハムスターがトイレットペーパー事情で咎められるって 笑笑

作者様の作品の登場人物は最後までただの嫌な奴では終わらないから安心して読めます。

他の方々もおっしゃってる通り、小林典雅先生ってただただ楽しいを楽しめる唯一無二の分野?じゃないかと思います。


3

読んでほっこり典雅節

唯一無二です。毎回面白さを期待され、それに応えてくれるBL小説家は。コミックならギャグ要素強い方いると思うけど小説は珍しいと思う。こんなに受けも攻めも面白すぎる人のカップルってないだろ!と心の中で突っ込みつつも「まあ典雅ワールドの住民はこれが通常運転なんだろうな」と納得させられてしまいます。

実際博識で雑学王ですごいと思います。適材適所でそれをチョイスするのも。日々アンテナを巡らせ「これは小説のネタに使える!」と考える努力を怠らない人なんだろうな。最後にラグビーネタも出てきたし。ここまで今年ラグビーが世間で盛り上がることを見越してたなら、小林典雅…恐ろしい子!でもね「アナ◯と雪の女王」はディ◯ニー怒ると思うよ。私は爆笑したけど。

ストーリーは王道年上スパダリ攻め。受けは面白い性格の可愛子ちゃん。受けの影響を受けて攻めも段々変な人になっていきます。私の好きだったシーンは受けと攻めの頑固親父が対決する所。ワクワクしました。パンダが出てきた時点で受けの勝利を確信しましたが、こういうラブじゃないシーンで読ませる才能って凄いと思います。

もう作家生活15周年とのことでおめでとうございます、とこれからもよろしくね、の気持ちを込めて神評価です。

7

可愛いらしい

先生買い。攻め受けともあんまりシンクロしなかったので萌と中立の間です。雑誌掲載分140ページ弱+書き下ろし80ページ程+あとがき。典雅先生っぽさはやや控えめではと思いました。

育ててくれた叔父にほのかな恋心を抱く春真。はやく独り立ちしなきゃと、高校卒業後、人材派遣会社で働いています。ある日、社長から春真指定で、2ヶ月住み込みでゲイ婚パートナーのふりをしてほしいという依頼がやってきて…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受け勤務先社長、攻めの秘書(♂)、受け叔父、攻めの家族ぐらいかな。

※※攻め受けについて

攻めさんは所謂紳士なスパダリで、変態臭はあまり感じませんでした。コレクター気質?執着?かな。ちっさい春真のお写真を甥溺愛な叔父から見せてもらって、金に糸目はつけないから譲って等とぬかしていたところが好きだったです。

受けはおそらく天使ちゃんなんだろうと思うのですが、それを直接的に表現した箇所は余り無かったように思います。だから万人からモテる天使とはあまり思えませんでした。確かに庶民派お料理色々ガンバってカワイイですが、攻めが受けラブになる理由が今ひとつピンと来なかったです。確かに良い子だし、好きになったんだから理由も何もあったもんじゃねーなんでしょうが…

「密林の…」が全開じゃん!と思っていたので、今回は典雅さん節も少し控えめなのでは?!と感じたお話でした。

4

初仕事はセレブ男性の偽装恋人

今回は偽装恋人の依頼をする会社社長と人材派遣会社の新人キャスト
のお話です。

仕事で攻様の偽恋人を請け負った受様が本当の恋人になるまでと
2人が心身ともに結ばれるまでの後日談を収録。

受様は4才で両親を亡くし、当時20才の叔父に引取られて育てられます。
受様は成就は望まないながらも、この叔父に長く秘かな恋心を抱いてい
ました。

そんな叔父が恋人との結婚を受様が成人するまでしないと決めていると
知った受様は、なるべく早く家を出ようと決意します。叔父の薦める大
学進学せず、友人の兄のバイト先の人材派遣会社に就職するのです。

この会社の社長は犯罪幇助と性的サービスを除き、極力顧客の個人的な
リクエストに沿う事をポリシーとしています。受様が研修を経て初めて
オファーされたのが「ゲイのセレブ男性の結婚相手のふり」と言うちょ
っとイレギュラーなオファーでした。

依頼人は社長の大学の後輩の大企業の次男で、ゲイをカミングアウトし
た事で、勘当されて長く没交渉だった両親から結婚を強要されて困って
いる30才独身の会社社長との事。この社長が今回の攻様になります♪

攻様は「ゲイ婚のパートナー」を仕立てて実家と縁を切る事を決意、
社長にアリバイ工作も兼ねて2ケ月間住み込み可能な偽装恋人役の派遣
を依頼してきたのです。

受様は年が離れた庶民な自分では信憑性が低いのではと思いますが、
年は不問どころかショタだと思われれば余計呆れられて尚結構、SNS
等で偽装バレの7リスクがない新人のほうが都合が良いというのです。

社長は攻様はセレブ育ちで天然なところもあるけれど人柄は紳士だし、
早く自活したいと言っていた受様にはかなり魅力的なギャラだからと
提示された金額で受様は依頼を受ける事を即断します。

受様は同居している叔父には会社の研修と偽って、攻様の秘書氏に連れ
られて麻布十番のマンションに向かいますが、着いた場所は受様の想像
以上のゴージャスさで受様は早くも早まったかと後悔します。

しかも帰宅した攻様は間近で見ると息を止めて見入ってしまう程、瑕疵
のない優美な顔立ちの美形でした。受様はがばりとお辞儀し、「新米の
不束者ですが、精いっぱい頑張ります」と挨拶します。

攻様はなぜか頭痛を抑える様な額から片目を押さる謎の仕草をしますが、
にっこり微笑み、攻様にとって今回の依頼は今後の自由な人生がかかっ
た闘争なので本気でパートナー役になり切って欲しいと告げてきます。

そして早速10日後の母親の誕生日に受様を紹介したいから、本物の熱愛
カップルに見えるよう手始めに敬吾はやめ「慧たん」「春りん」と愛称
で呼び合う事を提案してきます。

社長がいっていた攻様"天然"炸裂に早くも引き気味の受様でしたが、
賢明な秘書氏にヤラセ臭が鼻につくとソフトに否定されて攻様案は却下
されますが、若干変な依頼人との今後が心許なくなってしまいます。

果たして受様は初仕事を無事にやり遂げられるのか!?

セレブ社長と新人キャストが偽恋人を装ううちに惹かれ合い、本当の
恋人なるまでのドタバタラブコメデイです♪

「創刊20周年記念特集」時の雑誌掲載作であるタイトル作に続編を書き
下ろして文庫化になりますが、タイトル作は特集号らしく既刊作との
コラボというお遊びも効いた楽しいお話です。

偽装恋人が本物の恋人になるお話としては、大筋は王道鉄板路線ですが
育ちの良さ故の攻様の天然な行動と受様の想像力が想像の斜め上をいき、
ドンドン引き込まれました。典雅ぶし炸裂です (^O^)/

攻様の依頼に対しても当初、成功した30歳の青年社長にパートナーが
いないわけがなく、それなのに替え玉をレンタルするのはなぜと想像
を膨らませるのですが、

家族に紹介出来るほど関係が深まっていないのか、
恋人のキャラやビジュアルが個性的過ぎて紹介し難いのか、
ワンマンな父親が激高して高価な杖でぶっ叩きそうで危険なのか、
恋人が繊細過ぎて反対されたら心が折れて別れを決意しそうだから
修羅場は偽物で乗り切るつもりなのか

等と半端ない妄想力を発揮してくれて、これだけ読んでも良くも悪く
もすれ違っていくだろう展開にワクワクが止まりませんでした。

受様は攻様の偽恋人を一生懸命演じていく中で、徐々に縮まっていく
2人の関係にハラハラ、ドキドキしながら楽しく読ませて頂きました♪

恋人になってからの続編でも受様が良かれと思ってする言動がすごく
的外れで面白かったです。

攻様のストッパーとなっていた秘書氏の存在もすごく気になります。
彼でスピンオフとかは期待してもよいでしょうか!?

今回は作中で出てくる小林さんの既刊『ロマンス、貸します』をおス
スメとします。こちらもレンタルから始まる恋物語です。

3

可愛いが最高です

15周年記念作品(と、勝手に言ってしまいますが)らしく、典雅さんの過去作品に登場した様々な人たちが登場しまして、もうこれだけでファンの一人としては楽しくてたまりませんでした。
みんな元気で暮らしているんですねぇ。こういうサービス精神で溢れている典雅さんが大好きだなぁ。

お話のあらすじは、ある意味ありきたりです(失礼)。
ゲイの御曹司が人材派遣会社から『偽のパートナー』を雇って、父が要求する政略結婚を諦めさせようとするのですけれど、彼とキャストの2人が恋人のふりをしているうちにどんどん本気になって行って……という『あれ』です。
このどこかで読んだことがある様なお話を実に面白可笑しく展開してくれる、その様!
おまけに恥ずかしいくらいデロ甘なのに、行き過ぎでシラケない様に置かれている数々の仕掛け。
まさしく「典雅節、絶好調」という感じでした。
食べた人に「家でも良く作るメニューなのになんでこんなに美味しいのーっ」と叫ばせる超絶料理人みたいですよ。

御曹司の霧生慧吾はスパダリ学校があったなら主席で卒業したであろう夢の男。
何故『夢の男』かと言えば、俺様臭が一切しないところなんです。
霧生が30歳でキャストの間藤春真が18歳なので、かなり年の差がある2人なのですけれど、霧生に偉ぶった処が全くないんですよ。「ものを教えてやろう」的な鼻につく部分すらない。
これ、素晴らしい。
そしてもっと素晴らしいことに、春真を好きになればなるほど、どんどん変態さんじみて来る(笑)。

そして春真。
タイトル通り可愛いったらないの!
霧生のセレブな暮らしの中に、自信を持って『庶民飯』をぶち込んでくる。
物怖じもするけれども、庶民で育ったことに全くいじけていないんですね。
そして、2人のなれそめとかの『裏設定』を作る際の妄想力が半端ないっ。
もう、春真の妄想に笑った笑った。
それと同時に、この子の真直ぐさはとても気持ちが良い。
間違っていないと思ったら、怖いはずの霧生の父にもきちんと反論するのよ。こういうシーンを読んでいると『人と人が解り合うためには、とことん話した方が良い』と思っちゃう。
喋っているうちに春真のとびぬけた妄想力が発揮されて、話が思いっきり面白いことになっちゃうんですけれども。でもまた、それが可愛らしいんだよね。

典雅さんのお話は良い意味のポリコレを感じる場合もあるのですが、このお話はそういう部分が少ないと思います。だから「典雅さんのお話はちょっとめんどくさい部分がある」と感じたことのある方にもお勧めです。
疲れた時、ちょっとだけ世の無常を感じてしまった時とか、読者に元気を与えてくれるお話です。
まさしく典雅さん言う所の『ビタミンBL』!
読み終わって幸せになりました。
次作も楽しみにしています。

5

コラボネタも最高でした

作家買い。

典雅さん作品と言えば爆笑に次ぐ爆笑、といったイメージがありますが今作品もコメディ色の強い典雅節炸裂な作品でした。





主人公は高校を卒業したばかりの春真。
彼は幼いころに両親を亡くし、以来叔父である弦に育ててもらった。弦にひそかに恋をしてきた春馬だけれど、弦には恋人がいる。血の繋がりもある弦との恋は成就するはずもなく、結婚もせずに春馬を育ててくれた叔父のために大学に進学せず人材派遣会社「キャメロット・キャストサービス」で働き始めたばかり。

そんな春馬に初仕事の依頼が舞い込む。
仕事の内容は、キャメロットの社長である中桐の古い友人である慧吾という男性の「恋人のふり」をする、というもの。

初仕事、かつ不可思議な内容にビビりつつも、春馬は慧吾のもとへと赴くが―?

というお話。

ストーリーとしてはよくある展開です。

良いところのお坊ちゃんである、正真正銘のスパダリさん(攻め)。
そのスパダリさんの恋人の真似をする受け。
「偽装結婚」をきっかけに、本当の恋に落ちる。

先の先まですっと見通せる展開に、バックボーンとしてはシリアスな点もありつつ、でも典雅さんらしいギャグが所々で盛り込まれ、シリアスさは皆無の軽く読める一冊でした。

さらに今までの典雅作品に登場しているキャラも登場していて、思わずにんまりしてしまいました。

舞台となる人材派遣会社「キャメロット・キャストサービス」。
ンン?どこかで聞いたことがあるような…、と思ったのですが、典雅作品の「ロマンス、貸します」で登場してましたね。

他にもちょいちょいと既刊で登場しているキャラが出てくるので、典雅作品を数多く読破している腐姐さまは楽しめる演出になってました。典雅さんの書かれたあとがきによるとデビュー15周年を記念してコラボネタを書いたとのこと。

15周年ですか…!
典雅先生、おめでとうございます。
そしていつも笑いと萌えをありがとうございます。
これからも楽しい作品をお待ちしております。

と言いつつ。

作品としてはもう一捻り欲しかったな、という気も。
慧吾×春馬の恋の成就の過程がやや甘くご都合主義だったのがちょい残念でした。二人はそれなりに過酷な過去持ちさんなので、その辺りをもう少し膨らませて書いてもらえたなら、あるいはもっと萌えた作品になった気がします。

ただ、やっぱり典雅作品なので。
笑いに特化した感はあり、そこが典雅作品の大きな魅力の一つでもある。

ということで、シリアスさはほぼなく、通常運転のザ・典雅作品、といった内容だったかと思います。

コミカルで、ほのぼので、紳士に見えて実はむっつり系な攻めさん、という典雅さんらしい一冊で、さっくり読める可愛らしい作品でした。

9

可愛いで満腹です!

とても面白かったです!
恋愛小説のお弁当箱に、笑いと萌がこれでもか!とばかりに詰め込まれていました…!

お約束の展開が、瞬く間に「典雅先生流」に変貌していくのが新鮮で、次は何が始まるんだろう?!とわくわくします!

言葉のセンスに何度も噴き出す一方、相手の心の機微に触れる純粋な言葉もあって、思わずじーんとしました。

以下、ネタバレありのあらすじです。



お客様の多様なニーズにお応えする人材派遣会社、キャメロット・キャストサービス。
18歳の新米、春真の初仕事は、天然紳士なセレブ・慧吾のニセの結婚相手として同棲することで…。

前後編に分かれています。
前編は、慧吾に見合いを強要する厳父に対し、「もう結婚してパートナーがいます!」と突っぱねるため、二人がラブラブバカップルになりきるお話です。

本物らしいラブラブバカップルになるため、二人は「熱愛感の醸成」をスタートさせます。

醸成のために天然紳士な慧吾が提案するのが「パジャマでボーイズトーク」でした。
出会って初日の二人がペアルックのパジャマを着て、交代で膝枕をしながらトークをする場面、必見です。
天然な慧吾に対し、春真も持ち前の妄想力を発揮します。より本物のカップルになりきるために、二人のなれそめ話をねつ造し始めるのですが、この会話がとにかく面白かったです…。

偽装だったはずの二人が、いつの間にか本気で相手を好きになってしまい、お互いの家族とどう向き合っていくのかも見所です!

後編はさらに惹きこまれました。
寝ぼけた春真が夢うつつに慧吾の体臭にうっとりしたり、可愛すぎる恋人を心配した慧吾がGPSと監視カメラのチェックを始めたり…。そして、巨大プリンを作って一緒に食べるエピソードは、その尊い光景が胸に刻まれます。

ストーリーも面白いのですが、なんといってもキャラの魅力が光っていました。
いつも穏やかな慧吾は、愛の伝え方がまっすぐで、気障な愛情表現がどうしようもなく様になる希有なお方。でも自分の味わった辛い体験を無くすために自ら会社を立ち上げる強い人でもあります。

春真はしっかり者でありながら、時々赤っ恥な聞き間違いをして墓穴を掘ってしまう何とも可愛い子です。
すごく節約上手で倹約家なのですが、慧吾が毎日買ってくる告白付きの薔薇とスイーツにはただドキドキして「無駄遣いしちゃだめって言えない。気持ちをいただいてる」と言って、ドライフラワーにして大切にしている優しい子です。

その他、慧吾の敏腕秘書、諫山さんはもはや陰の主役でした。彼のいるところに笑いありです。二人の家族が許してくれるよう密かに暗躍する一方、社長である慧吾に対する物言いが丁寧でありながら切れ味抜群で噴き出します。

春真の育ての親の絃さんも、「春真を奪った慧吾許すまじ!」の強硬姿勢ですが、酔っ払うと春真の幼少時代が如何に可愛かったか秘蔵写真で自慢したり、俺のトライを止めてみろ!と慧吾に突然ラグビー勝負(爆笑しました)を仕掛けたり、思わず味方したくなっちゃう素敵な人でした。

ずっと読んでいたいな…と思える作品でした。
慧吾と春真の幸せをお裾分けしてもらって、明るい読後感に浸れます。

オススメです!

12

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