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初恋王子の甘くない新婚生活

hatsukoi ouji no amakunai shinkonseikatsu

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表題作初恋王子の甘くない新婚生活

フレデリック・ディンズデール,31歳,ディンズデール地方領主
フィンレイ・フォルド,18歳,市井育ちの平凡な第12王子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

町育ちの平凡な第十二王子フィンレイに、十歳以上も年上の地方領主フレデリックとの縁談が舞い込む。美貌と威厳を兼ね備えた彼に、実はフィンレイは子供の頃から憧れていた。喜んで嫁いだけれどフレデリックの態度はよそよそしく、夢見た初夜の営みもなくて、自分が望まれていないことを知る。だがそっけないフレデリックもかっこいいし、彼の幼い甥たちは可愛い。せめて役に立ちたくて、領地の勉強や甥の世話を頑張ってみたが失敗続きで……。

作品情報

作品名
初恋王子の甘くない新婚生活
著者
名倉和希 
イラスト
尾賀トモ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
シリーズ
初恋王子の甘くない新婚生活
発売日
電子発売日
ISBN
9784778129743
4

(89)

(32)

萌々

(36)

(18)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
18
得点
359
評価数
89
平均
4 / 5
神率
36%

レビュー投稿数18

受けの男気と格好良さ、ピカイチです・:*+.

作者様買いです。

絆され攻めと一途受け。

いつもは名倉先生の書かれる「受けのことが好きすぎて様子のおかしくなる攻め(笑)」が大好きなのですが、今作は受けであるフィンレイのキャラがすごく良かった…!

初っ端から、野鳥狩りをしている場面で驚きました。
狩りが好きで得意な受け様って、けっこう珍しい気がします(攻めにはいそうだけど)。
しかも狩りができるだけじゃなくて、解体・組み立てまでできちゃうんです。
ワイルド! (゚∇゚ノノ"

以下、内容を軽く。↓

母親と共に街暮らしをしていた、第12王子のフィンレイ。
彼は10歳の時、行事のために赴いた王宮で年上地方領主フレデリックに一目惚れします。フィンレイの初恋(*´艸`*)

そして18歳になったある日、突然兄である王太子から王宮に呼び出され、結婚を命じられます。結婚相手はなんと一目惚れしたあの人、フレデリック!
驚きながらも弾む心を抑えきれずに嫁いでゆくのですが。

フィンレイが王太子の差し金で間諜として来たと思い込んでいるフレデリックは、フィンレイに対し冷たく接します。
大好きな人に冷たくされる悲しみを抱えながらも、フィンレイは一生懸命に領主と領地のために尽くしていきー

と続くお話。

序盤は、大好きな人に、邪険に思われ悲しむフィンレイの姿が痛ましくて可哀想で( ; ; )

でも、ただ落ち込むだけではないのが、このフィンレイのすごいところ!
健気に一途にフレデリックのことを思い、本を借りて領地のことを勉強しようとしたり、フレデリックが引き取った甥っ子たちと遊んだり、懸命にコミュニケーションを取ろうとするんですね。

なかなか懐いてくれなかった9歳のライアンが、思いがけず銃の手入れに興味を持ってくれ、フィンレイとの関係が変わり始めるところでは思わず「よかったねえ」と声が。

お下がりの衣装も喜んで着て、懸命に領地のことを勉強し、子供たちとも仲良くなろうとコミュニケーションを取る。フレデリックの方が一回り以上も(13歳差!)年上なのに、涙ぐましい努力をするフィンレイの方が精神的に大人に見えたりしました。

そんなフィンレイの姿を目の当たりにして、徐々に認識を変え、フィンレイを信頼し愛するようになっていく攻め様に、ニヤニヤが止まりませんでしたよ〜( ̄∀ ̄)

「嫁いできてくれて、ありがとう」のシーンでの二人の口づけのイラストを見た時は、不覚にも涙が…

そしてそして…!終盤のフレデリックの危機に駆けつけた時のフィンレイの格好良さといったら!!もう映画を見ているようにドキドキしちゃいました。
このシーンがあったからこその「神」評価といっても過言ではないかも。

普通なら危機に陥るのは受けで、それを颯爽と助けにくる攻めーという構図だと思うんですよ。
それがね、馬に乗って猟銃構えて、攻め様の危機を間一髪、救う受け様。
格好良すぎるよ…!

ラブシーンでの恥じらう姿とのギャップにも、もうめっためたに激萌えしました。

かっこ良く活躍する受け様を見たい方、ここに!ここにフィンレイがいますよ〜!( ̄∀ ̄)と叫びたい✨
もちろん、絆され攻めが好きな方にもぜひぜひ読んでいただきたい一作でした◎

1

受けが男前

問題提起的な事案が少ない代わりに感情描写が豊かで、元々しっかりとした人物像の受けのフィンレイの心の揺れがとても分かりやすく、読み手の心を揺さぶる様に描かれているなと思いました。
勿論攻めのフレデリックの感情の変化も同様です。

フレデリックは民にも慕われている有能な領主だけど、兎に角フィンレイが出来過ぎなほど人間的に素晴らしく、受けにしておくのが勿体ない!
フレデリックに嫁がずあのまま母親の実家で過ごして大人になって、気立てのいいどこぞの娘さんと結婚したとしても幸せな家庭を築いていたんだろうなと思うのに、そんなフィンレイにずっと恋心を抱かれて、嫁いできてからも一生懸命夫のために動いて、笑って泣いてしてくれるとか堪りませんね。

猟銃は最後にああ使う為にあったんだなと納得しましたが、個人的な感想で申し訳ないですが狩った後の動物の描写で苦手な部分がありました。そこだけが唯一マイナスな気分になりましたが、続編も出ているようなので読んでみたい位には楽しかったです。

1

やっぱりこっちが好き〜

こちらの作品の続編も読みましたが、やっぱり甘くない〜の方に戻ってしまいます。だって、続編の穏やかでない〜があまりにもフィンレイが可哀想で可哀想で…。


甘くない新婚生活は、フレデリックとフィンレイの結婚から物語が始まります。この結婚生活はタイトル通り甘くない。夫のフレデリックがフィンレイの兄と確執があってフィンレイを冷遇するんです。フィンレイにとってフレデリックは初恋の相手でウキウキしていたのに、それを知ったフィンレイの落ち込みようはこっちまで泣けてきました。

しかしフィンレイは王子とは言え市井育ちで、庶民に近い生活をしてきています。生活も明るくハツラツとしていて前向きで、それでいて健気。ハッキリ言って好感度高い嫁なのです^ ^
そんな性格のフィンレイなので、使用人たちやフレデリックの子どもたち(義理です)と仲良くなって、ついにはフレデリックとも心を通わせていきます。

フィンレイを毛嫌いしていたフレデリックも、フィンレイの人柄を知るうちにどんどん好きになっていくんですよーーー!この過程がニヤニヤ。フレデリックがフィンレイにハマっていく様がとても楽しいです。


フィンレイの兄がフレデリックに嫁がせたのは、フレデリックを陥れるためで、その片棒をフィンレイに担がそうとするんですが、フィンレイは兄と夫との間に挟まれて心身共に衰弱していきます。マジでクソな兄です。王都にいるときはフィンレイと全く関わりも無かったのに!(怒)
でも、フレデリックがフィンレイを兄の陰謀から守ってくれて嬉しいハッピーエンドです♪

フレデリックはフィンレイにメロメロ溺愛です。子どもたちもフィンレイにすごく懐いていて、完全に幸せ家族。この展開を待っていたので嬉しいです^ ^

フィンレイの頑張りを応援したくなる、そんな作品でした。フィンレイは見た目も性格もかわいいんです。最初こそ読むのが辛かったですが、フレデリックがフィンレイに惹かれていくにつれて、読むのが楽しくなっていきました。もっとラブラブとイチャイチャを見たかったです。物足りなかった!

元気なれる作品です。めっちゃおススメです^ ^

0

心理描写が巧みで泣かされます

BLにここまで感情移入して泣くことがあるか…? っていうくらい泣きました。
もちろん悲しいお話ではないのでご安心を。とっても甘々で、温かいお話です。

受けのフィンレイがとにかく健気で逞しい。
中扉のカラーイラストがドレスを着た受けっぽかったため、このご時世にBL作品で受けがドレスを着るのか〜とも思いました。

しかし、ここで引き返すなかれ。これはフレデリックの亡き母が残したドレスを、時間と予算が無いために仕立て直した急拵えのものなんです。それを不満ひとつ漏らさず、幸せそうに着るフィンレイ。
そういう経緯があるイラストで、彼の良いところが一枚に詰められた素晴らしい挿絵です。

私がぼろぼろ泣けたのは、フィンレイがとある事情で愛する人と家族の間で板挟みになってしまったところです。悩み苦しむ姿はとてもリアルで、痩せて指輪が緩くなってしまうシーンには胸が痛みました。
それでも立ち向かうフィンレイの強さ、そして彼の苦悩ごと包み込んでくれたフレデリックの優しさを感じて、たまらなくなりました。溢れたのは辛い涙ではなく、温かい涙です。

繰り返しますが、基本は甘々なので安心して読んでもらって大丈夫です。

何度も改稿を重ねたというのも納得の名作です。

1

この頼れる殿下を妻なんてよして

“廊下を歩いて行く後ろ姿をなんとなく眺めていたら、フィンレイはしだいに踊るような足取りになり、階段にさしかかると手すりにひょいと跨がった。スーッと滑って姿が見えなくなる。”


名倉さんのお話は甘く読みやすく、大好きになり最近何作か読んでいるのですが、このお話もご多分に漏れず。健気受けの切なさだったりツン攻めが徐々に絆されていく様子が凄く丁寧で、絵の浮かぶ美しいシーンも多く萌えました。
でも私がBLで受け付けられないのが、男なのに結婚して片方を「妻」「奥方」「嫁」と言うことです。現代ベースでふざけて言うのはまだしも、同性婚が一応認められている世界観ではもっと違う名称設定があってほしいと思うのは、それこそ固定観念なのでしょうか。このお話では領主とそれを支える役という立ち位置もありますが、同性同士だからこそ出来ることや補えることがあるのだからフェンレイが妻妻言ったり(フレデリックがだーい好きなのは分かりますが)、式でのドレスやマグロだったりが辟易しました。普段は女の子っぽい受けも大丈夫なのですが、今回「王/様と私」みたいで、個人的に男らしさがもっと欲しかったです。

ただこの名称問題と嫁嫁しいフェンレイが苦手なだけで、二人が心を寄せて行く描写は今まで読んだ名倉さんの作品の中で一番素晴らしかったです。スパイだと疑いフェンレイに冷たい処置を取るフレデリックが、徐々に彼を見直して好ましく感じていくのが、些細な言葉選びや「驚かせよう」という行動から見えてくる書き方がすごく好きでした。そしてフェンレイの気持ちを理解し労り包み込もうとするのに癒されるし、フェンレイの辛さが解放されてホッとします。
大好きな人と結婚出来てワクワクしていたフェンレイが、実は疎まれていると知って悲しくなるのは辛く切ないのですが、元々の快活さで子供や従者と楽しげに接し、土地と役目の為に書物を取る様は、心強く健気で絆されない人はいません。
挿絵はフェンレイが現代の平凡男子みたいで残念でした。

1

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