特典付
最終巻。
私にとっては思いがけない展開。
と言うのは、優士さんが病んでしまう。
症状としては胃潰瘍だけど確実に精神のダウンですよね。
駿人と菊花がアメリカに行き、家を売って、一人暮らしになって、という生活の変化がじわじわ…
自分は何のために?みたいな無力感とか。孤独感とか。
あとはやっぱり駿人との関係性もあると思う。
1巻で駿人に告白された時。一番はじめは絶対に優士さんは駿人に何も抱いてないんですよ。保護対象としか。
だからどうすればいいのか、どうすればよかったのか…的な積み重なった負担はあった、はず。
そうして体も心も弱った時に、変わらず想いを告げてくる駿人にすがったのだ…
私にはそんなふうにも読める。
だから安易に駿人良かったね、とか。
優士さんハラを決めて、とか。そういう言い方はできない。
形としては駿人の長い長い片想いが実った、と言えるけど、ロマンティックではないですね。弱よわで病み病みで、保護者が逆転したみたい。
でもそれでいいとも思うんだよね。だって「家族」なんだから。
一方、コウx日高編も続く。
コウもあれから内的に違う人みたいになっている。
日高も。
良くも悪くも。駿人と優士もだけど、一度変容したら元には戻れないんだな…
結局、菊花が「強い」「しなやか」みたいな役割を背負わされちゃった?彼女だって色々傷ついてるんじゃないのかな。一つ一つ、誰にも何にも言わずに自分で噛み砕いていたんじゃないのかな。
あー!!!!
最終巻!!!!すごくよかったです。
最終巻も優士の件でハラハラがありつつ
駿人はやっぱりすごいなぁと思いました。
駿人の言葉が優士を救ってくれるんですよ。
あぁ…すごくよかった…。
最後までエッチするところはないのですが
それが逆にいいなぁと思いました。
もっともっと二人の未来を見てみたいし、
ずっとこの先も読みたいと思った作品でした。
そして、コウと日高が再会して、こちらも何か動きがありそうな感じがするなぁともったら
まさかの告知にびっくりでした。
嬉しいの一言です。
この作品を知って読んでほんとによかった。
秀良子先生ワールドは最高です。
曖昧な始まり方で、最後まで曖昧なまま終わりそうな雰囲気に、どきどきしながら見守りました。
駿人が家を出て完全にダメになる優士。高校時代も帰って来なかったのに、あのころとは何が違ったんでしょうか。家に一人になってしまった環境や、必ずしも戻ってくるわけじゃないと気付いてしまったことも大きいのかな。
優士は駿人をつなぎとめることが重要で、恋心とかそういうのはよく分かりませんでしたが、二人が納まる描写として、それがとてもしっくりくる気がしました。
気になったのは、スマタ知らないか…って呟く優士は駿人の性生活を知らないんだなって分かるとこ。駿人はセフレがいるっぽかったのに、優士の中ではまだ子供なのかな。まあ小さなズレの修正はこれからってことでしょうか。
ラスト数ページは泣ける感じで良かったんだけど、これで終わり…?とも思います。やっぱり日高とコウの話を番外編にして、駿人と優士をじっくり六巻かけて描いて欲しかったです。二人のこの先を、安心できるところまで見たかった。
とはいえ作品としては大好きなので、最終巻に神以外は付けられませんでした。
完結は存じ上げておりましたが、終わってしまうのがあまりに寂しく、今までずっと温めていました。やっと読むことが出来たので、拙い文章ではありますが感想を述べたいと思います。
正直1巻を手に取った時は「甥×叔父設定はドストライクすぎるひゃっほー!」という軽い気持ちだったので、ここまで壮大な愛の物語になるとは想像していませんでした。
序盤は猪突猛進を地で行く駿人と、ずるくて面倒くさい大人優士のあまりの嚙み合わなさに爆笑したりしていたのですが、徐々に駿人は成長していき……あの獣のような彼を見てきた身からすると本当に大人になったなあとほろりとしてしまいました。
「家族」の象徴だった「家」を失い、心身ともに不安定に陥る優士。そんな彼を言葉ひとつで安心させられるほど頼もしく成長した駿人がまぶしいです。
優士にとって家族とは「同じ家に暮らす人」。そんな優士に、常にそばにいることだけが愛ではないと駿人は教えてくれる。駿人にとっての優士は、たとえ離れていたとしてもいつだって「帰る場所」。駿人のまっすぐな言葉に優士がどれほど救われたことか。
終わり方もとても好きでした。「開かれた終わり」というのかな、細部までばちーん!と描ききってしまうのではなくて、読者にその後を想像させたり、解釈を委ねたり……秀良子先生の作品のそのぼんやりとした温かさが好きです。
あと、出てくる女の子がみんな魅力的なのもいいですね。顔立ちがそれぞれ違っていて、性格もきちんと個性があって。美浦さんの人生も国枝さんの人生も、もう駿人と交わることはないのかもしれないけれど、彼女たちが駿人に影響を受けたように、彼の中にもまた二人との出会いによって変化した部分が静かに残っているのだと思います。たとえそれが普段は意識すらしないような小さなものであっても。
初夜に関してはもしかして無いのかな、まあこの二人に関しては別に無くてもいいな……と思っていたので、見せてもらえただけで嬉しかったです。駿人は悔いが残る結果だったようですが(笑)
そしてこれは書こうか迷ったのですが……色々なレビューを読むとコウ×日高のCPが凄く人気のようですが、個人的にこちらはあまりハマらずでした。最初逆だと思ってたからかな……日高みたいなあっさりした顔の攻めが好きなので……
でも無論こちらのCPの幸せも願っているし二人の終着点が気になるので、番外編で描かれるのであれば見届けたいと思います。
あと少し楽しませてもらえることに感謝しつつ、最後の最後までこのいとおしい家族を見守りたいです。
このカバーの笑顔。ながかった氷河期がついに?を予感させます。
前巻の最後でゆうじ陥落か?がにおわされたラストのまま、この巻へ突入。
みるみるかっこよく成長し、テニス一筋の駛人。一人だちしつつあり、テニスへの非凡な才能をみせる彼を意識するゆうじ。
翻訳業をするゆうじは、アメリカについていくんだろうなあ、と思っていたら裏切られました。
家は売られ、いったん家族はばらばらに。。
もう自分のことを想ってくれないのかとあせるゆうじ。そして、アメリカに行ってしまった駛人が恋しく、病気になってしまう。。
そこからのラストがよかった。
作者さんいわく、はっきり恋ともならないびゅあBLが描きたかったということ。
もしかするとこの甘いラストはなかったのかも。それはそれで心にささる作品になかったかもしれない、と思ってしまいます。
そして、切なすぎたコウ×日高のこれからも描いて下さったのがよかった。日高かっこよくなりすぎ。
なんと、続編があるらしくて、今からとても楽しみです。
やっぱり秀さんのストーリーはすごいですね。面白い。