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表題作たんたんとタント

麻沼瞬平,17歳,高校2年生
大山幸太郎,17歳,高校2年生

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

田舎に住む高校生・幸太郎(コタ)と瞬平は、
兄弟や家族のように一緒にご飯を食べたり、
お互いの家に泊まったりする幼馴染。
同い年の二人は同じ高校に通いながら昔と変わらない毎日を送るが、
空き家で「誰にも言えないことをする」という秘密を共有している。
田舎で今まで通り過ごせることが当たり前だと思っていたコタ。
だけど瞬平は、コタに言えない一人だけの秘密を抱えていて――

作品情報

作品名
たんたんとタント
著者
きはら記子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リイド社
レーベル
SPコミックス mimosa
発売日
電子発売日
ISBN
9784845856916
4

(205)

(75)

萌々

(83)

(39)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
26
得点
829
評価数
205
平均
4 / 5
神率
36.6%

レビュー投稿数26

…!え?!続編!?……♡

作品新規登録情報をくるくるスクロールして手が止まりましたよね!
「たんたんとタント 2 きはら記子(先生)」の文字に普通に「え?!」って声、出てましたw

嬉しくって本棚ひっくり返して読み返しました♡
改めて読んで思う…
きはら先生、好きだなぁ~…(*˘︶˘*).。.:*♡

田舎のニコイチ高校生、瞬平とコタの日常と揺れ動く恋心と劣情が悠然と且つ繊細にくり抜かれたような1冊
絶対的なお互いの存在という位置付けは変わらないけれど、その意義と意味が成す均衡が崩れて新たな関係が生まれていく過程がすごく丁寧に流れていきます

瞬平もコタも相手が好き過ぎる!のが不器用で無骨なのに伝わって来る
上手に伝えられないからこそ愛おしくなってしまう2人
瞬平がコタにぎゅっと抱きついている様やコタがふいに瞬平のほほにちゅっとキスしてしまう、そんな一瞬一瞬が本当にきゅんとします

この2人の「その後」!
楽しみでないハズがない….゚(→ε←*)゚ .゚‼

瞬平はコタセキュリティの感度上げまくってるのかな?
コタは相変わらず無自覚に天真爛漫さんなのかな?
それとも瞬平はなりたい!と思っていた「大人」へと成長しちゃってコタが嫉妬しちゃうパターンかな???
( *´艸`)~‼キャァーー♡妄想が止まらないーーー♡

続刊、楽しみ過ぎます♪
久々に読み返したけど前読んだ時より好き度が上がってる!
作品の持つ魅力の底力を感じました
高校生、幼馴染、ニコイチ、空き家での2人の秘密の時間、ノスタルジック、、、この辺のワードに食指が動く方にはおススメです(*'ω'*)


修正|白抜き(紙本)


0

やった!!続編出てる!

スピンオフは有れど続編は、きはら記子先生お初じゃないですか?

きはら先生の絵のタッチがとても好きです。
主人公達の自然体で温かみと色気を感じて、ストーリーも田舎の風景を交えつつ自身の体験を懐古するかのようにスルッと心に沁みる。

単行本の最後のエロってるの見ました?
読みました?
バコバコするだけがエロじゃ無いんですよ。
短いながらもぎゅうぎゅう詰まってる想い。

続編は東京に来てからの2人です。
エロの描写は冒頭に少しです。
けどね、あぁこの2人は常日頃からエロシテルノネって分かるんです。私には分かるんです。

信じるか信じないかはアナタ次第です。
まぁ「またするのかよ?」の一言が決定打(笑)

しかしコタと舜平の立場が逆転したような感じも有りますねぇ。
怒り方もコタくん母そっくり。
本気で怒ったら恐いかぁちゃん。
でもアレは舜平が悪い。

「そんなに急いで行くなよ」舜平の優しさが滲みます。
都会に慣れるため常日頃アドレナリンを出してるコタ。
疲れの限界を知らないんですね。都会マジック。

「順調 順調」がまるで不穏に読める。
舜平がコタの耳をふさぐ、田舎の風景が映す。
彼らは過去の積み重ねがある。
こんな心強い事は無い。

やっぱり舜平は舜平だ、イケメンスパダリ、当て馬なんのそのこれしき。

最後の順調順調はやっぱり順調でした。

もうYOU達、結婚しちゃいなよ。
ご祝儀は酒饅頭だよ!

応援していますよ!

0

すんなり読めました

絵がますますきれいでいいですね。
きはら先生読むの4作目ですが、いちばんスムーズに読めました。

絵がきれいなのはもちろん、田舎の風景とコマ割りが流れるように美しくて。

幼なじみが両思いになっていく過程も、思春期ならではのぐるぐるがありながらも、テンポが良くて。

コタの好きは、最初は瞬平の好きとは違ったけど、離れることは考えられないから無理なく受け入れていくのが自然に感じました。

家族みたいで兄弟みたいで恋人みたいで、でもどれかじゃなく全部、特別じゃなく当たり前の物にしたい
という瞬平のモノローグがよかったです。

お母さんもナイスでした。

1

この危うさこそ男子高校生

田舎に暮らすふたりの男子高校生。
なんでもできそうで、なにもできないような
このまま今が続けばいいのにと思いつつ変わっていくような、そんな不安定さが上手に描かれていて好きでした。

攻め、いい男過ぎて涙出る。

だいすきなふたり。

1

たんたんと成長

田舎の幼馴染みの高校生。街へは山ひとつ超え通学は8時で終わってしまうバス。
遊ぶのは川や空き家やら。

べったりな2人ですが幸太郎はいつまでも子供っぽくて、駿平は大好きな幸太郎に手を出しあぐねてて…。

ライバルもいないし障害もない。お互いの気持ちが揃うのを確かめるだけ、みたいな。

焦る駿平と何もわかってないのか大きく構えている幸太郎。でもずっとこの先も一緒だよって、駿平のしたいことを叶えたいって幸太郎も愛してますね!

無事に大学に合格して念願のふたり暮らしがスタート。ふたりの母親たちが気がついてるのをわかってないのが面白いですね。
家族ぐるみの仲良しもの、いいですね。

0

瑞々しい

田舎の高校生らしいおおらかさと朗らかで元気、笑顔で誰からも好かれるコタ(幸太郎)と寡黙で一途な瞬平。
家族の様で兄弟の様で幼なじみ、でも誰にも言えない秘密を共有するふたり。
ずっと一緒に居たから、ずっと一緒に居られるのが当たり前だと思ってた。

コタの瞬平に全部あげたい、わたしたい広い愛と、瞬平のコタへの一途で深い愛。

学校、友達、進路に夏休みそして家族にと、瑞々しく爽やかでもあり、自分の気持ちをストレートに言えて伝えられるコタとそのコタ以外要らないくらい盲目なまでの一途な瞬平の恋物語。

1

やばい!

やばい!これ、めっちゃ好きです。

続編希望します!

もっと、この2人をみたい!

2

どこにいたって、ふたりなら

田舎に住むDKふたりの優しくてあたたかいお話でした。

小さい頃からいつも一緒にいて、それが当たり前になっている瞬平とコタ。
ふたりで抜き合いはしていたけど
コタがその行為にまだあまり意味を持っていなかった頃
瞬平は既に友達以上の気持ちを自覚していて。
想いを伝えたあと、今後のことを考えて離れようとするものの
他の友達に嫉妬して余裕がなくなり自己嫌悪…
そんな風にぐるぐるしている瞬平を救うのは
やっぱりコタの言葉なのでした。
自己中で俺様っぽい発言なのに微笑ましく思える不思議。
コタ自身も瞬平のことが大切だと改めて思ったんだろうな、とほんわかしました。

そして、引っ越し。
瞬平の母は少し複雑そうだったけれど、コタの母ちゃんは強いな〜と感心。
気付いているのだと思いますが、ふたりから打ち明けてくれるのを待つのでしょうか。
母たちのやり取りも素敵でした。

大学生になって都会へ出ても、ふたりの周りはほのぼのと温かい雰囲気が漂っているんだろうな〜
すごく幸せな気持ちになれる作品でした。

0

家族でも兄弟でも、ない

とある田舎の、隣家の幼馴染。
共に飯を食べて、兄弟同然に親から叱られて、
でも家族ではなく、兄弟でもない。
空き家で、人に言えないことをしている。

同級生で幼馴染。
娯楽は少ないが、お互いがいれば、という
距離感がバグっているような、想いがいろんなものにがんじがらめになっているかんじ。

想いはまっすぐなのに、だから色々考えて回り道してしまう。
青春って初恋ってこんなにめんどくさくって青臭くって、
どうにもならないなって応援したくなるものだったなぁって、
改めて気づかされる名作だと思います。

私自身山あいの田舎生まれなので、途中に描かれている田舎の濃密な生活もリアルに感じられて面白かったです。

1

愛しくなるお話し

ただただ二人の生活を見守る続編が見たい…離れるなんて絶対無理なのお互い分かってるのに気づかない…分からないフリ…もどかしい!けど愛しくなるお話しでした。二人だけの秘密の隠れ家でエッチみたいなシチュエーションが好きな人にも大変おススメです。

2

味のある絵

表紙や絵の雰囲気がとても良く、味のあるタッチが田舎風景の舞台に合っていてすっと物語に入り込めます。

家が隣同士の幼なじみで、でもそれだけじゃない親密さもあって…幼なじみ好きには刺さる設定かと思います。
嫉妬や独占欲も相まって、じれったくもあり思春期ならではの青春の匂いもぷんぷんする恋物語でした。

タイトルにたんたんと、とあるように淡々と進んでいくので今一つ盛り上がりに欠けるかなと思いましたが、そこが良さでもあるのかな…

この二人に関しては、田舎からいざ東京に出てさあこれから!って感じなのでまだまだスタート地点のように思います。
これから東京に揉まれてハードルをたくさん乗り越えて二人三脚で日々を過ごしていくんだろうな…と想像させてくれる終わりかたなので、この先の二人の人生も見てみたいなと思いました。

0

いつか母親にも言えるといいね

 こういう田舎の幼馴染ものが自分は本当に好きだなぁと再確認できた作品です。きはら先生の作品は初めて読みましたが、田舎や青春の描写にとっても合うタッチですね。瞬平とコタの会話の温度も好きだなぁ。恋人になる前もなった後もベタベタした甘さはなく、男同士の親友らしいからっとした温度で、でも、周りに比べるとやっぱりちょっと親密な感じがあって。遊びの延長線上で抜き合いはしていたけれど、コタの方には最初恋愛感情はまったくなく、瞬平に告白されてから、彼と離れたくない気持ちが恋愛感情に変わっていくのも自然な流れに感じました。

 瞬平はコタと並ぶと随分大人びて見えるけれど、コタのことに関しては案外心が狭く、彼に正直な気持ちを伝えないまま1人で思考を巡らせたりする、どちらかというとネガティヴな男子なんですよね。コタへの恋愛感情を拗らせているからこそなのだけど。放っておけばふらふらと後ずさって消えてしまいそうな、危うさがある。だから、そういう時に毎回コタがちょっと強引にでも彼を引き止めて、とにかく俺は瞬平と一緒にいたいんだ!と嘘偽りない率直な気持ちを伝えてくれるのに安心しました。初めてのセックスも、普段あけすけなコタが恥ずかしがるところが可愛く、幼馴染だからこそ背徳感がある雰囲気が楽しめました。

1

田舎独特の空気感

前回の作品「いじめて愛して」とはまた違ったお話でした。小さな田舎の片隅でたんたんと育ってゆくDK二人の恋
幼なじみで硬派な攻とやんちゃ受
受のコタは可愛かったです無邪気で何事にも楽天的、攻の瞬平は考えすぎちゃうタイプで
相性が良いのでしょう
進路を決める段階で離れることなど考えられないコタと離れても生きていけるようにと考える瞬平
もう息をするように一緒にいることが普通なんですよ
この二人が将来別々になることなんてありえない
最初から兄弟であり家族であり友達であり恋人だったんだろうなと思う
でももう少し大人になった二人も見てみたい気もしますが
河原でこたが瞬平にいきなり後ろから抱きついてちゅってする場面好きですかわいい
空き家での秘め事も真っ昼間っからお婆ちゃんの引く手押し車のカラカラ音聞きながらって背徳的でgoodでした

4

母親

きはら記子先生は「一途な犬はあきらめない」を読んで気になる作家さんとなっていました。このタイトルはおそらく全く違う意味でしょうけど、どことなく淡々としているというか、感情の爆発がないというか、進行がぬるっとしているな、と今回も感じる。場面展開が早いからかもしれないし、瞬平が歳のわりに落ち着いている(あるいは落ち着いてる風を装っている)からかもしれない。ビジュアル含め瞬平の雰囲気は好きです。

今作については母親がとってもよかった!こういう風に"親が気づいていることがわかるシーン"を出してくる作品て、自分は読んだことなかった気がするのですがどうなんでしょう。どうやら幸太郎の母は気づいているけどかなりサッパリしていて、瞬平の母は気になるけれど…幸太郎いい子だもんね。

この一冊では萌なんですけど、家族の様子や田舎の時代に伴う変化含めて長く人生の行先が見たい二人です。

0

子どもと大人、友達と恋人のあわいの物語

いつも一緒だった幼なじみが、環境の変化をきっかけに、お互いのあり方を見つめ直すという、BLにおける王道ストーリーです。
きはら先生の優しくあたたかいタッチの絵柄と、独特の空気感がマッチして、じーんとくる作品でした。

お隣さんが歩いて数分、という田舎に生まれたコタ(受け)と瞬平(攻め)。
ふたりは兄弟同然に育ち、当たり前のように毎日を一緒に過ごしています。
普通の幼なじみと少し違うのは、時折空き家でお互いを慰め合う、という秘密を共有していること。
けれどそれさえも、彼らにとっては日常の一コマ。箱庭のような場所で、ふたりだけの日々を積み重ねていきます。

ある日、瞬平の携帯のロック画面がコタの写真に設定されていることをクラスメイトがからかったことで、いままで均衡を保っていた歯車がゆっくりと動き始めます。
昔からコタを恋愛対象として見ていた瞬平は、これ以上隠し通すことができないと、コタに想いを告げます。

「これからもっとコタを好きになる奴が増えるんだ 大人になって街に出て」
高校を卒業して、新しい場所に飛び出して、今までとは違う世界を知ってしまったら、きっとコタは自分のことなど気にも留めなくなる。
今、彼と一緒にいられるのは、ここが田舎という特殊な環境で、お互いしかいないから。
瞬平はそう考えています。
焦りと諦めの気持ちから、ついコタにきつく当たってしまう瞬平の痛みが伝わってきて、切なかったです。

一方、今までそういった感情を瞬平に抱いたことがなかったコタにとっては、青天の霹靂。
突然の告白に驚き、思い悩みますが、彼の中には瞬平と離れる、という選択肢は最初からありません。
圧倒的な心の強さで、瞬平の葛藤も不安も、すべて吹き飛ばしてしまいます。

自分よりもふさわしい相手がいるのではないか。いつかその相手と出会って、自分の元を離れていってしまうのではないか。
そう考えることは、きっと誰しもあります。
でも、星の数ほどの人間がいるこの世界で、運命の相手に巡り会うのは難しいですし、恋愛においては、相対評価は何の意味も成しません。
コタにとっては、瞬平の隣にいることが、この世界でいちばん幸せなことなのです。
置かれた環境の中で出会い、惹かれ合う、それもまた運命。
短い人生、そういう考え方もいいんじゃないかな、と思いました。

家族が出てくるお話が好きなのですが、ふたりのお母さんもまったく対照的で、それぞれのやり方でふたりを見守っている姿が印象的でした。
親同士の仲の良さも田舎ならではの魅力ですね。

3

つい、母心が発動してしまう

田舎の狭いコミュニティでいつも一緒の二人が恋人になるまでが一冊にまとめられています。オビに書かれいる通り、友情と恋愛のグラデーションがうまく表現されています。
受け・攻めともにピュアでスレてないのが可愛いです。でもそこが少し危ういというか、視野が狭く二人でいることを早々に決めてしまっているところに若者独特の危うさを感じてしまい、読後は満たされたというより「だ、大丈夫だよね……?」と問いかけたくなってしまいました。世間の荒波に揉まれた二人を想像するとハラハラしてしまうから。(ちゃんとハッピーエンドなんですが)
えっちなシーンは表紙のイメージ通りあっさりとしています。この作品にはこれぐらいで十分だとおもいます。

1

相手さえいればいい世界

田舎の閉鎖的な空間と、幼馴染として親密な関係。
最高の舞台から始まった物語は、2人だけの箱庭のように思えました。

もどかしくてたまらないし、難しい。ありふれている単純な話に見えて、心の機微は複雑で繊細。
途中途中で、うっとページをめくる手が止まってしまい...

最初から最後まで、お互いがお互いに大好きで唯一無二なんです。
これが、言葉にしてしまうことでバランスが崩れてしまうなんて。
もどかしすぎて、唸りたくなります。

個人的には、瞬平のただただコタのことが大好き、ということで突き進んでいく姿に萌えました。
あんまり表に感情を出さないキャラなので、ふとしたときに崩れるのは良いですね。
コタは終始可愛いですし。

この2人はこの先、どんな未来を進むんだろうかと気になりました。
最後の「幸せにできる」という言葉は、呪いの言葉にも思えて...
2人が幸せでありますように。

5

この先が気になる二人

きはら先生大好きだわ!と再確認した最新刊。この雰囲気がすごーくハマる。何がいいって言葉では言い表せないんですが、とっても好き。

田舎に住むDK二人のお話。学生ってだけでも刹那的なものを勝手に感じて切なくなっちゃうんですが、さらに田舎ってことで世界は狭いし人間関係は限られてるしで、お互いが唯一になるのも必然。

攻めの瞬平は思い詰めてる系片思い男子。コタはちょっとデリカシーなし男系っぽいwんでもだからこそ思い切りの良い踏み込みがあって、関係性が動く感じです。
まだちょっと子供の「好き」かな~ってときから体の接触はあるんですが、これは最初に始めた瞬平のせいなんじゃないのwヤることヤってんのに感情はついていってなかったり、理不尽な行動取ったり怒ったりしてるのがDKだな~と。必死で全力で真剣なぶつかり合いが眩しいです。
二人それぞれの結論の出し方も好き。

最終話は都会に出ていく二人。物語としては綺麗に終わってますが、田舎から都会に出るなんて!この先にどれだけのドラマが待ち受けているのか!ここで終わりなんてもったいない~!!
もっともっと二人でごちゃごちゃやって熟年カップルになっていくまでを見たいなあと思いました。

ところでタイトルの「タント」って「たくさん」て意味だったんですね…あとがきを読んでも分からず、「淡々と田んぼと」ってんじゃないだろうしなあ??とか思ってましたw「たぁんとお食べ」の「たんと」か。
意味が分かると田舎BLにぴったりなのが分かり、タイトルまで大好きになりました。

9

ずっと一緒に

1話を試し読みしてから、単行本になるのを待っていました。

高校の同級生で幼馴染でお隣さんの幸太郎と瞬平。
2人の住んでいる田舎のほのぼのした雰囲気とは裏腹に、空き家で行われている行為の"非ほのぼの"なこと!
だけどそれは彼らの日常で全く悪びれる様子もない。

ずっと一緒に育って来た2人だから、この先も一緒に居るのが当然と思っている様子の幸太郎。
一方瞬平は自分の好きと幸太郎の好きは種類が違うと気づいていて…というお話です。

あるきっかけで瞬平は幸太郎に気持ちを打ち明けることになります。
そこから変わらないようでいて、少しずつ変わっていく2人の気持ちの描写が良かったです。

「コタが居ないと生きていけなくなる」
「いいじゃんそうなれば」
で萌え死ぬかと。

無事に2人とも大学合格し、一緒に住む部屋へのお引っ越し。そして初H。
こちらも2人らしい感じで、描写は薄めですが私は非常に好きでした。

描き下ろしは、取り壊す事になった空き家でのイチャイチャ。きっとコタはお口が小さいんだね。

11

淡々と沢山のこと。徒然に日々。

この爽やかで涼やかな。新緑の様な。グリーンに透ける、風光る。
美しい色合いの表紙に惹かれて購入。その色の様な、碧い青春の涼やかさ。
田舎で過ごす、高校生のワチャワチャ。

田舎の「お隣りさん」は遠い。田んぼ道を抜けて数分だという。
窓越しに声をかけたり、ベランダづたいに部屋に来れる距離では無いんだけど、
幼馴染の気安さから、瞬平は幸太郎の家で晩御飯を食べたりする。幸太郎の母も、2人を兄弟の様に扱っている。
けれど。2人だけの時は、セックスをしたりしていて。友達以上の関係なんだが、言葉にして来なかったから。瞬平は気持ちを言い出せなくて焦れていて。
幸太郎は持ち前の鈍さから自分の気持ちに気付かない、という幼馴染あるある。
この何処か分からない、漠然とした「田舎」と言われるコミュニティの狭さ、とか。その不穏そうな側面はそこまで押し出される事も無く。高校生だと言うのに、割と2人だけの世界で展開されて行く。それはちょい勿体無い。せっかくなのに。
高校生活を満喫した展開を期待してたのになぁ。
受験間近で、卒業というリミットを前に。離れるのは無理だと知って、ようやく互いの想いの発露。恋の成就。淡々と紡がれる、日々の積み重ね。丁寧に想い重ねた気持ち。
「タント」=沢山。という程でも無く。サラリとしていたかも。
大雨にずぶ濡れ、ホテルとか。定番的なとこ、あるあるはもっと散りばめて欲しかったなぁ。瞬平の、独占欲垣間見えも、もうちょい激しめにお願いしたかった。
瞬平・母が気付いていそうだけど、障害になる程でも無く。幸太郎・母は多分気付いていて、それを受け入れていそう、な逞しさは嬉しい。
大学生になって、同棲生活スタートさせた2人の淡々とタントも見たいかも。

エチは薄め。多分達する瞬間、瞬平は幸太郎を「幸せにできる。」と決意している。
『幸せにしたい。』とか『幸せにする。』なんて不確かなものでは無くて。その科白の健やかさに温かい気持ち。

0

きらきらと ひかる

こんな男子たちが身近にいたら絶対癒しでしかない…
二人の緩やかで優しい愛情にほっとする読み心地でした。

のどかな田舎風景の中で二人だけがきらきらと眩くて、
そこでの時間が宝物みたいに思え、いとおしい。

高校生のコタと瞬平は同級生で、幼馴染で、お隣さん。
小柄で人懐こくて、誰からも愛され体質なコタと人見知りでクールな瞬平は
正反対のタイプですが、幼い頃から兄弟のように一緒に育ってきました。

けれど、二人だっていつまでも子どものままではなく、
放課後の空き家でこっそり抜き合ったりする仲でもあります。

古びた空き家、というのが何とも言えぬエロティシズムを漂わせますが、
当の二人は性欲処理感が強く、どうにも色気がありません(笑)

だけど、実は瞬平はコタに特別な感情を抱いていました。
それは友達以上で、コタを自分のものにしたいと言う性欲で、愛情。

いつも隣にいるからこそ、伝えられない恋心を胸の内に秘め、
せめてコタが誰かのものになるまでは、といつかやってくるであろう
初恋の終わりを待ち続ける瞬平の切ない想いに胸が締め付けられます。

ずっと一緒だからこそ、言葉にしなくても分かり合える部分があって、
そんな二人の関係性が心地よくもあるけれど、好きという気持ちだけは
口にださないと伝わらない。

いつもコタとニコイチで、コタと二人のときだけ声をあげて笑ったり、
スマホの待ち受けがコタだったり、さりげなくコタの好みに合わせてやったりと、
そっけないようでいて、コタにはすごく優しくて、こんなにわかりやすいのに…

それでもコタは気付けません。
互いが互いの一番で、隣にいることが当たり前すぎて。
そして、それは高校を卒業しても変わることはなく、
コタにとっては当然の未来。

だからこそ、瞬平から突き放されるとコタはとても弱い。
瞬平から想いを告げられたときもコタは戸惑いながらも、
「俺も瞬平が好きだから、セックスもできる」と即答します。

一見、瞬平がコタに執着しているようで、それはコタも同じ。
対等な関係の一方で、共依存的な二人。

だけど、正直この時点のコタは親友からの突然の告白に
まだ気持ちの整理がついていないように見えるんですよね。
その返答もただ、瞬平を失いたくないという一心から出た言葉で、
瞬平もそれがわかってしまったからこそ、
「俺の好きとコタの好きは違うんだよ…」と言ってくれたんだろうな。

でも、その事実を誰でもない瞬平が突き付けてやるというのが切なすぎました。
ここで、じゃあヤろう、と言わないのがまた誠実で。

色々と考えた末に“コタ離れ”をしようとするも1日ともたず、
会いたくなってしまうヘタレなところも母性を擽りますが♪
そして、「離れるな!」と瞬平に言い放つコタが実に男前でした。

両想い後は「好き」がだだ漏れ、イチャイチャする二人が
甘くすぐったくて、萌え悶えました。
瞬平の膝の上に乗っかり抱っこされているコタの可愛さよ…
なんだかんだでこの二人って終始ベタベタしてるんです。
この親友ならではの距離感の近さというか、密着度がたまりません///

個人的にいかにもな「母ちゃん」感溢れるコタ母も好きでした。
瞬平を自分の息子同然に扱うところも素敵だし、
本当は息子たちの関係にも気付いていたのではないかなと。
瞬平母を「いいのいいの」と宥める姿に、そんな気がしました。

描き下ろしではぴったりとくっついて眠る二人に幸せホルモンが
溢れまくりでした。
あと、「コタのやりたがりの下手クソ」はなんかわかるかも。
でも、恋人になっても最後まで色気はあまりなかったかな(笑)

いつか大人になった二人のお話も読んでみたいです。

9

ずっと一緒の、もう子供じゃない二人のお話

初読みの作家さんです。
発売前から気になっていましたが、読んでよかった。
絵のタッチや表情など好みです。

内容に斬新さは感じませんでしたが、もう子供じゃない二人の触れ合いが色っぽくて素敵でした。
家族みたいにずっと一緒のコタに恋愛感情がある瞬平、彼は全てを真正面から受け止めてしまい張り詰めてる感じがします。
一方、コタはいい意味で曖昧に捉えていて、瞬平とはこれからもずっと一緒だと疑っていない。
お互い誰よりも大切な存在であることは変わらない、だけど頑なさがある瞬平と、柔軟なコタ、二人の気持ちがきちんと重なり合うまでの物語でした。
もう一度書きますが、二人の絡みがいいんです。
キスにしても触り合いにしても息づかいが聴こえて来そうな描写で、とてもドキドキしました。

5

水彩絵具が滲むような

きはら記子先生の描く絵が好き。
さらりとシンプル。それでいて印象的な線で、多感な時期を田舎で暮らす高校生の男の子達の恋が綴られています。
余白の使い方や、逆光での影の付け方も好みでした。寄りの画と引きの画も、ビー玉のような瞳も好き。
うん、これはもう好きなんだな。

同級生で、幼馴染で、お隣さん。
とある田舎の、とある幼馴染2人のお話。
こちらの作品。幼馴染ならではの家族のようで家族ではない、言葉に出来ない距離感もなのですが、田舎特有の距離感の描き方が非常に上手いなと思います。

自然はあれど娯楽は何もない。コンビニはなく、小さな商店がひとつ。
ほんの少しの描写で、幼い子供の頃は良かったものの、ある程度大人になった若者は暮らせない地域なのだろうなということがよく分かる。
でも、よく名前も知らない近所のおじさんやお婆ちゃんが「これ食べな」なんてお菓子をくれたり、地域で助け合ったり見守ったりしながら暮らす田舎なんです。
人懐っこいコタがあれこれと貰うシーンだけでも伝わって来る、住んでいる人々の優しさとあたたかさがすごく良い。

狭い世界で暮らす、子供すぎないけれど、決して大人なわけでもない"17歳"という年齢の瞬平と幸太郎。
田舎から日に数本しか出ないバスで高校へと通い、一緒に家に帰る。
きらきらとした青春ではなく、日々を淡々と過ごす幼馴染2人の関係が少しずつ変化していく様子が優しく丁寧に描かれています。

「昔からおまけ付きのお菓子が好きだよな」
「カシカシになったポテト嫌いだろ?」
幼い頃から一緒に育ち、何もかもを知っているのが分かるこの感じがたまらなくて、さり気なくこういう自然体でいる2人を入れて来るのが本当に好き。
"相手のことは何もかも分かってる感"と共に、ずっと一緒に育って来た距離感が近い者同士だからこそ見えていなかった相手の気持ちや、自分の相手への気持ちがモヤモヤぐるぐるとまわるのが幼馴染ものの醍醐味ですよね。
ふとした視線や仕草、時にはモノローグで、両視点で繊細に描かれた心理描写が素敵でした。

急速な変化ではなく、ちょっとの変化を交えながらじっくり、ゆっくり、たんたんと。
そんな風に、ぺたりとくっついたひとつの塊のようだった2人が、やがて個になって…
それからどう形を変えていくのか?
それはぜひ、本編を読んで見届けてみてください。

派手な物事は描かれていませんが、シンプルでいて味のある、水彩絵の具でじわりと木漏れ日を滲ませたようなあたたかさがありました。
やっぱり幼馴染ものって最高。

8

全部ほしくてあたり前の2人♡

初めて読んだ きはら記子先生の作品です。

高校生 浅沼 瞬平と高校生 大山 幸太郎のお話。

同級生で幼馴染で家は隣同士の瞬平と幸太郎。
小さい頃から一緒で、家族じゃないけど家族のような付き合いです。
そんな2人にはある秘密が…。
放課後の空き家や孝太郎の部屋でお互いに抜き合う。
その行為にはただの性欲処理だけではなく、別の感情もあって…。

2人が住んでいる田舎は小さい商店がひとつ、栄えている町は山をひとつ越えて行く。
瞬平と幸太郎は日常に起こる些細な出来事が少しずつ消化できなくなっていきます。
それは、ただの同級生で幼馴染でお隣さんだけ…でないから。
とっくに自分の気持ちに気付いている瞬平と1ミリもわかっていない鈍感な幸太郎。
きはら記子先生の繊細な心理描写が思春期の2人の不安や葛藤を上手に表現されており、物語に惹き込まれました。
田舎の狭い世界で生きる2人の恋と成長が見守れます。

ずっと一緒にいる2人ですが、ずっと同じままではいられない。
瞬平は自分の気持ちを抱えきれずに、とうとう孝太郎に告白します。
でも、孝太郎はわかっていました。
俺の好きとコタの好きは違う…。
届きそうで届かない瞬平のせつない想いに胸が締め付けられました。
…が、思春期のDKはさらに恋心を拗らせます!
続きは、ぜひ本編をご覧ください。
モダモダする2人がもどかしくも可愛いですよ。

このお話には、当て馬は登場しません。
脇キャラとしては、孝太郎の友人達、孝太郎の母、瞬平の両親が登場します。
瞬平の一言がきっかけで、2人の仲を勘ぐるようになった瞬平のお母様…。
母親の立場としては不安だろうな(汗)

Hシーンは、本編に1回だけあります。
エロさは薄いですが、バックから幸太郎のお尻を舐めている瞬平が艶めかしかった…。
大学生になり一緒に暮らし始めた2人が一組のお布団で寝ているのが良かったな。
これからは、好きなだけエロいことをして欲しい(笑)

描き下ろしは、本編のその後のお話です。
あの空き家が取り壊されることになり、GWに片付けに帰ることになった2人。
汚くてほこりっぽくてじめじめして…でも、思い出が詰まった秘密の場所。

18歳の春、田舎を出て新しい環境で新しい生活を始めた2人。
時代も人も移ろい続ける中で、お互いの気持ちだけは変わらない。
それは、全部ほしくてあたり前の物。
2人がこの先も穏やかで優しい時間を過ごせますように♡
大学生になった2人の日常も見たかったな~。

読後は、ほっこりとした幸せな気持ちになれますよ。

10

変わるもの、変わらないもの

深読みし過ぎるので、1つのレビューに2時間くらいかかってしまう…。
この作品も深読みしまくった結果、ただ素直に読めばいいんだ!と気付きました。

栄えた街に行くには山を越えないと行けない。
家は隣同士、たぶん同年代の子は他にいなそうな地域で育った瞬平とコタ。
学校へ行くのも、帰り道も、帰ってからもずっと一緒。
それが当たり前でふつうだったけれど、高校3年生になって、いよいよ「田舎」を出て行く時期が迫ってきたときに、コタは瞬平の想いを知ってしまいます。

田舎というと開放的なイメージと同時に、不便さや保守的な面から来る閉鎖的なイメージもありますね。
この作品では誰彼構わず声をかけては、するりと懐に入り込むコタは前者を、コタへの想いで鬱屈としている瞬平は後者を象徴しているように思えるのが、深読み隊にはたまりません。
その深読みをベースに読むと、瞬平の気持ちを知って、これからも一緒にいるために飛び込もうとするコタはどこまでも奔放。
自分の気持ちとコタの気持ちは違うと決めつけて、諦めようとする瞬平はやっぱり保守的に見えます。

深読みしちゃったけど、そんな深読みは意味がないんですよ…。

家族じゃないけど、家族みたいな存在。
親友だけど、それ以上みたいな存在。
何でも知っているつもりだったけど知らない面があることを知って、初めて「家族じゃないし、自分とも違うんだ」と気付く。
ずっとそばにいるのが当たり前で、この先も変わらないと思っていた相手を改めて自分と切り離して、考えて、向き合う。
そんな心理描写が素晴らしいんです。
コタの焦燥感が伝わるモノローグは胸に迫るものがあるし、初めてコタに触れる瞬間や、待ち受け画面を揶揄われたときの瞬平は切ない。
2人の気持ちの揺れをただ感じる。
それだけで良かったんだなあ。

子供からおとなへ、田舎から都会へ。
変わっていく環境の中で、「一緒にいたい」という想いは変わらない。
シンプルで優しくて可愛い恋の話でした。

タイトルの『たんたんとタント』ってどういう意味なんだろう?と思って調べてみましたが、こんな印象的なタイトルなのに、ちるちるさんやmimosa編集部さんのインタビューでは質問されていなくて、きはら先生のTwitterも遡って読んだけど、情報がなかった…。
なので勝手に「淡々と」過ぎる毎日の中で、「たんと」気持ちを伝え合う、という意味だと深読みしておきます。

15

ほのぼの切ない青春BL

田舎で暮らす幼馴染み同士の、可愛くも切ない恋物語です。
幼馴染み2人の距離感にキュンキュンしました。
家族のようで、兄弟のようで、恋人のようで……そのどれでもなくて。友情というには少し行き過ぎた関係にドキドキを感じる作品でした。

幼馴染みでお隣さん同士の瞬平とコタ。
2人は兄弟のようで、実は周りが思っているより仲が良くて子どもでもないのです。
家で空き家で、こっそり抜き合いする2人にドキドキ。

瞬平は見た目も大人びていて、早くからコタへの恋心を自覚しています。
それに対して、コタはまだまだ幼いのかなあ。
いつもベッタリ一緒のニコイチで抜きっこまでしてるのに、自他の気持ちの機微には鈍い感じ。

微妙な意識の違いからすれ違う2人。
コタに思わず気持ちを告げたのは、鈍感なコタへの怒りと焦りからなんだろうな。
恋心を抑えながら〝コタ離れ〟しようと決心するも、会いたくて仕方なくなっちゃう瞬平に萌えました。

離れようとする瞬平にコタが怒りをぶつけながら叫ぶ場面は、もはや告白。独占欲の表れ。
真剣なコタの表情も瞬平の可愛い態度もめちゃめちゃ良かった。

お互いの気持ちを確かめ合ったことで、2人の関係が変化しただけじゃなく、心の成長にも繋がったと思います。
家族・兄弟・恋人……何を捨てるでもなく、どれも自然な形で手に入れた気がしました。

微妙な距離感から始まって、その距離を保ちながらも少しずつ近付いていく過程に胸キュンでした。
キスもHもいいのですが、2人がペッタリくっついて抱き合ったり眠ったりする場面に物凄く萌えた。
友達や家族との関係も描写が細かくて良かったです。

7

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