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表題作殿とつばめ 七十二候拾遺譚

坊ちゃん
端獣の末裔
乙鳥
元お世話係の執事

その他の収録作品

  • あとがき/カバー下:イラスト

あらすじ

瑞獣の末裔である坊ちゃんのお世話をするため、執事として戻ってきた乙鳥(つばくら)。
お別れをした5年前とくらべ、落ちぶれてしまった様子のこの家にいったい何が起こったのか……。
しかし、そんな状況でも坊ちゃんは困った人がいると放っておけずすぐに自分の身を削って与えてしまう。
乙鳥は、坊ちゃんが傷つくことが許せず、それらを取り戻そうと心に誓うが……。
大ボリュームでお届けする、主従の切ない和風ファンタジー!

作品情報

作品名
殿とつばめ 七十二候拾遺譚
著者
小石川あお 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス エストロコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784344852518
4.4

(86)

(57)

萌々

(18)

(5)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
377
評価数
86
平均
4.4 / 5
神率
66.3%

レビュー投稿数15

そこを変えちゃうのかぁ~…(さらに「そのままでよろ」派は回れ右案件

☆1と2でかなり迷いました。でも部分的な感動はたしかにあったのでこの評価に。

結局攻めは受けに戻って来てほしくて自分の物を施していた。
しかも、中には本当に苦しんでいる人に渡ったケースもあったのでしょうが、作中で描かれるのは騙されたケースばかり。
(マッチ売りの少女と少年の母親は救えていたのでホッとした)
実際に多くの貧しい人々を救ったからこそ、オリジナル版は多くの人々の心をとらえ、涙を誘いました。
そこを「強欲な人々に騙され続けた、しかもわざとやっていた」
さらに「鱗などを取り返すために燕が自分の身を犠牲にする」
に変えられてしまうと、私にとってそれはもう「幸福な王子」のオマージュではないです。
そこにまず落胆してしまったので、338ページがものすごく長く感じてしまいました。
(何度も残りページを確認してしまったぐらい)
一件だけ、同様の旨が書かれたレビューを他サイトで読みました。
なんとかオリジナル版の設定のままでBLにはならなかったのかな…。
でももちろん、そこをあえて変えたからこそ小石川さんのオリジナル作品として光り輝いているとも言えるので、これはもう本当にちるちるの評価システムに私が救われました。
「中立」であって「低評価」ではありません。
多くの皆さんの心をとらえた、とても美しい物語と思います。
特に梅さんエピ…。

<良かった点>
・187ページのキリっとした燕ver.つばくら
・ピー助がつばくらのマネしてキリっとしてるシーン
・ハチクマの人ver.が!超絶カッコいい!
(モデルはあの作品のあのキャラだな…と分かる人には分かる仕掛け)
・バックドロップw つおいw
・二人が結果的に救った人々のことが後々描かれている
・母親にも愛されてた

<注意点>
セッ描写は "ほぼ" 人型のみです
(厳密には一コマだけ獣人ver.正常位もあるけど、夢の中なので…)

1

「有限である事」の残酷さと強さが共存する美しさと清さが苦みと共に身に沁みる

あらすじに「大ボリューム」と書いてあり、ページを捲ったカバー袖の先生の一言コメントでも「少し厚くなってしまい」と書かれている

、、、え~と…先生の〝少し〟の基準って(;゚Д゚)???w

という、混乱必至の重厚さを物理でも感じられる338ページ‼‼‼
凄い読み応えでした

今まで読んで来た先生の作品の中で1番苦しかった、、、
そして悔しかった、、、
色んな意味での涙が勝手に溢れて来てしまって仕方なかった…。。。

読後に得も言われぬ気持ちになってしまう
悲しいだけじゃないし、悔しいだけでもモチロンないです
それは2人が〝それでいいと想い合えている〟から
それが先生の作画で伝わって来るから
私はそんな2人を見て「良かったね」と思う事でどうにか救われるような気持ちになるしかない…という不条理感が拭い切れない、という悔しさ
悔しいのにそれでも救いを感じる、という複雑な感情
紛れもなくこの作品を手に取らなければ得られなかった感情です

坊ちゃんのお見合いが気掛かり過ぎて様子を見に来た乙鳥が庭園で出会った蛍が彼に皮肉交じりに諭した「君たちはよっぽど長生きで暇なんだな」という痛烈な一言が忘れられない

時間にもその時間に伴う肉体に紐づく生命そのものにも限りがある
無限ではない中に居る事
「有限」だからこそその刹那に懸ける熱の強さに気付かない事の愚かさ
それは時に利己的なのかも知れない
でも自己犠牲と利己的思考、、、
どちらにも良し悪しがある訳で、、、
美徳なんて綺麗な言葉で片付く話ではなく、どう生きるか?!という「人生への向き合い方」を問われるかのような側面を感じる所もあり、すごく考えさせられちゃいました

坊ちゃんも乙鳥もとても清く尊い存在です
彼らに対して負の感情なんて抱きたくないし、彼らが悪い事なんてない
だけど、そんな彼らが損な(本人が損と思わない事がまた悔しい…!)状況に居る事、彼らを踏み台にしている事に気付かない人、気付かぬ振りをして、更に忘れ去る人々が居る事が哀れで苦しい。。。
「正直者が馬鹿を見る」そんな現実を見る事が辛かった

ただ当の本人達は「情けは人の為ならず」の精神なんだと思うからこそ清く、どこまでも尊いのだろうと思うのです

人生と物語の優しく温かい部分だけを耳障り良く描くだけではない
残酷さを併せて映し出す事で「有限」の貴重さを諭す
大人の寓話としてしっかり胸に届いた物語でした

評価は、、、すっごい悩みました
好みか?と言われたら、、、苦しかった、、、と答えます
でも、こんな思いを抱きながらも確実に心に響く言葉と作画に溢れた1冊であった事は決して否定出来ない

記憶に残る1冊として評価を下さずには居られない作品でした

修正|1番濡れ場らしい濡れ場でしたが、またこの濡れ場も痛々しかった、、、
修正は不要な描写です

1

愛と犠牲と献身と愛と

小石川あおさんの作品が好きで、でも今回は表紙にビビり積んでました。

なんでもっと早く読まなかったの!私のバカちん!

なんて切なくて切なくて、相手を思う気持ちがあるのに伝わらなくて伝え方もわからなくて。

身分や習性や文化や世の理でどうにもならなくて、究極の手段に出た坊っちゃん。
痛々しくて切なくて(泣)乙鳥には全然伝わってないし。

お互い身を削っても姿が変わっても守りたかったのに…。

とにかく切ない。どうしたら良かったの?こんなふうにならないと国も坊っちゃんの存在意義がわからなかったから?
乙鳥も向き合えなかった事情をなんとか乗り越えようとしてこなかったの?

でもラストで良かったです(泣)
どうぞ読んでみて確かめてください。

2

美しくて悲しい物語

美しくて悲しくて、ほろっと泣いてしまいました。自己犠牲というかなんというか…痛々しく感じる場面もあったし、苦しく感じる場面もあったけど、でも悪い終わり方ではないです。
この先生は本当に絵がお上手ですよね。手抜きをされない方なんだなって尊敬します。絵が綺麗だから設定も無理がなく思えるし、大ボリュームの単行本でもストレスなく読み進んで行けます。
少し残念だった点はふたりのイチャつきがもっと見たかったです。

1

もはやBLであることを忘れる

小石川先生ワールド全開で
恵まれた、キラキラ容姿の攻め様と、
幸薄い真面目な受けの
童話をモチーフにした物語。

これだけ絵が綺麗でお話がしっかりしていて、
発情に関係ないファンタジーが満載だと
少女漫画雑誌に掲載されてもいいのではないかと思います。
もしくはフルカラーで大人絵本とか。
カラーの少ないBLコミックスなのが勿体ない。

個人的にはハッピーエンドのその先の
ラブラブな世界も見てみたい、
他の瑞獣の皆さんのスピンオフも
いつか見てみたいと思いました。

2

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