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表題作凍る月~紅の契り~

梁井轟,美術鑑定家・光陽の契約者(獣人)
鳳光陽,20歳,梁井の契約者(餌)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

幼なじみの亨が失踪して数カ月…。
鳳光陽は、気がかりな思いを隠しきれずにいた。
そんな風に亨を心配する光陽を、同居している梁井は面白く思っていない。
梁井と光陽は、ある「契約」を結んでいた。
その「契約」は、光陽が死なないために必要で、光陽が梁井に身体を与えることで成り立っている。
感情が追いつかないまま身体を重ねることに、戸惑い、ただ翻弄される光陽に反して、梁井は執拗な独占欲を芽生えさせていた。
しかし、失踪している亨もまた、光陽と「契約」するために動き出していて…。
一人を巡りぶつかり合う『同種』達のワイルドラブ。

作品情報

作品名
凍る月~紅の契り~
著者
夜光花 
イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
凍る月~漆黒の情人~
発売日
ISBN
9784812433126
3.9

(49)

(19)

萌々

(13)

(14)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
191
評価数
49
平均
3.9 / 5
神率
38.8%

レビュー投稿数11

天然って1番強い

凍る月シリーズ2作目。真っさらな気持ちで再読しています。
前作に引き続き、血生臭い描写もあったりするのですけれど、お話が面白くてするすると読めてしまう。
1作目はというと、これから始まる何かへの導入と紹介といった雰囲気でしたが、2作目は物語全体が大きく動き出していきます。

新たな登場人物たち・謎に満ちた"組織"・光陽は?梁井は?
…と、この1冊の中だけで、まるでジェットコースターのような展開を魅せてくれるのです。
本当に面白いのですが、やはり今(2021年)の夜光花先生のお話を読んだ後だと、少々詰め込みの多さや粗さを感じる部分もあります。
ただ、勢いの良い展開の数々と、設定の面白さ。そして合間に少しずつ変化していくメイン2人の関係性は読み応え大。
終始ワクワクしながら読めるBLだなと思います。

今作は、前作よりも梁井の光陽への執着と甘さが増しているのがたまらなく良くてですね。
主人公である光陽が、なんだか読んでいて「大丈夫なの?」と思ってしまう子なんですよ。愚直なほどの素直さというか、天然というか。
何も知らないがゆえの強さと愚かさを併せ持った純粋培養っぷりに、正直読んでいて鼻につきそうになることが何度かありました。
うーん、育ちを考えると分からなくもないのですけれど。
ですが、そんな清らか天然育ちの光陽に、ぶっきらぼうな梁井が惚れ込んでしまっている図がなんとも可愛らしくて。
過保護っぷりを見る度に、この子はなかなか手強いぞ…頑張れ…と、気の毒やら可愛らしいやらだったので、とあるシーンで萌えが爆発しそうになりました。
なんだろうな。受けに翻弄される攻めってすごく可愛い。

さて、次巻では一体どんな展開が待ち受けているのか?
引き続き楽しく読み進めたいと思います。
アレックスさんがとても好き。彼の活躍ももっと読みたいところ。

1

やはり少年漫画的な展開です

やっぱり展開は少年漫画だなぁ…と思うシリーズ第2作目。
優しく接してくれていた幼馴染が敵となって現れたり、強い敵キャラが出て来たり、組織と戦ったり!…濃厚な男同士のエロシーンがあるから、そのまま少年漫画には出来ませんけどね(笑)

それにしても主人公の光陽くんは、世間知らずの箱入り息子とはいえ、危機感無さすぎ。いい子なんだけど、梁井さんが過保護になるのも仕方ないですね。こんな子に惚れちゃったのが運の尽きというか…。

しかしこのカップル、想いを確かめ合って甘々ラブラブ状態です。

まだまだ危険が去ったわけではないので、次号に続く!という感じで終わる一冊でした。

1

今回も面白かったです

やっと読めた「凍る月」シリーズの第2弾。
前作終盤で行方不明になってしまった
光陽の幼馴染の亨の事が気になって気になってだったので、
本屋でこの本を見つけた時は、「あぁ、やっと読める」っと即手にしました。
読み終わって、うん、やっぱりこのシリーズ面白いです。

今回は光陽と契約を交わしたい黒澤、
覚醒した亨が光陽を狙ってきます。
組織も出てきて、餌の秘密もちょっと明かされ、スケールも大きくなってきます。
でも「無理矢理スケールデカくしちゃいました♪」みたいな
「嘘ぉ〜ん」とツッコミたくなるようなものもなく、面白くなってます。
好みの問題もあるかもしれないですけど。

さて、主役の2人は特に恋愛面では進展してません。
光陽は梁井以外と契約する気はないけど、
梁井の事が好きなのか?っというとそこまではまだ答が出ておらず、
まだ気持ちを受け止める事が出来てなくて、
これじゃぁ前にテレビで見てた「一度寝たからって恋人面すんなよ」って奴と一緒じゃんっと
頭を悩ませています。
梁井の方は光陽にベタ惚れで、光陽を片時も手離したくない。
というか、純粋培養で育ってる光陽はすぐに騙されて危険な目に合っちゃうので、
(今回もたくさんの危険な目に合ってます)
あまり家から出したくないんですね。
なので、今迄あまり外に出る事が出来なかった光陽と梁井はすぐに喧嘩をします。
それが見ててちょっと楽しい。

そんな光陽、
やっぱり今回もすぐに騙されまして、
黒澤から無理矢理契約させられそうになってしまいます。
「契約」なんですが、
餌のお腹から無理矢理赤い球を出して、
餌に主人を受け入れる気持ちがあると、
新しい球が出来て契約成立、
気持ちがないと球は出来ないので契約不成立。
黒澤は勿論契約不成立。
梁井の球をお腹に戻して、無事に家に帰ってきます。
もう〜梁井は大激怒!
そりゃ〜そうですよ。
自分の契約は無効にされる訳だし、
いやいや、それよりなにより愛する光陽を他人に盗られるなんて考えられない。
けど当の光陽はまだ危機感は梁井程ではないので、
黒澤と梁井、獣人同士仲良くして欲しいという気持ちが消えていない。

そんな中、今度は亨を手中にした組織に騙されまして、
そこで無理矢理亨から契約を迫られまう。
光陽はいつも亨を心配していたし、
いつも守ってくれた亨との過去を思い出し…
とした瞬間に球が出来てしまい、
亨との契約を成立させてしまいます。
梁井以外と契約するつもりはなかったのに、
球は出来てしまったのは避けられない事実で、
初めて光陽は自分の軽率さを後悔するんですね。
そしてそこで無理矢理亨にキスもされるのですが、
光陽はやっとそこで梁井への気持ちがただの好きとは違う事に気付くんですね。
しかし時すでに遅しで…

今回は光陽のおじいちゃんもちらっと出てきます。
落ち込んでる光陽に、たまたまおじいちゃんが電話を掛けてくるんですけど、おじいちゃんが
「そういえば野菜をたくさんもらってなぁ〜」と、会いに行こうか?っと言ってくれるんです。
普段の光陽ならおじいちゃん達に心配かけたくない所ですが、この時だけは甘えたくて
「うん、待ってる」と、おじいちゃんに甘えるんですね。
やっぱり家族はいいなぁ…とうるっとしてしまいました。
後、犬の太郎と小太郎も出てきます。
途中、光陽がもう梁井の傍にはいられないと、太郎と小太郎を連れて実家に戻ろうとするんですが、
その時に2匹共に光陽の様子が違うのに気付いて、
「く〜ん…」と声をあげながら光陽を慰めるんですよね。
どのお話でもそうですが、ペットからの癒しにはホロっときます。

そしてやっぱりは梁井と光陽が相思相愛になったのが嬉しいですね。
主人と餌っという関係ではあるけど、
梁井も光陽もお互い想いあってるのが見てて心地良くて。
亨と契約を交わしてしまった光陽に
「それでも傍にいて欲しい」と契約相手としてではなく、存在自体を大事に思ってくれてる梁井が光陽には嬉しくて、
梁井もお腹の中に違う球があっても、感じてくれてる光陽が愛おしい。
今回2人の相思相愛のシーンが多いのですが、どれも読んでて楽しかったです。
すぐに騙されちゃう光陽、
その純粋培養っぷりが鼻につくのも解らなくないですが、
私は結構好きですね。
「お前といると調子が狂う…」みたいな。
この「調子が狂う」ってよく見る台詞、
違和感を感じる事が多いんですが、
光陽に関しては私はあまり感じませんね。
梁井はさぞかし大変だとは思いますが(笑)

さて、亨、最後は2人の元を去るのですが、
幸せになって、また2人の前に姿をあらわして欲しいです。
黒澤は…うーん、どうなんだろ。
最後梁井と対決して、姿をまた消しちゃうんですけどね、
うーん…もう2人の邪魔はして欲しくないです…
って、それじゃ話にならないか。

まぁまだ続くみたいですし、まだまだ先が気になるシリーズでありました。

3

読み返して、その後は怒涛の一気読み

『凍る月シリーズ』の第二巻です。
一冊目を最初読んだ時、さほどハマり度は強くなかったのです。
しかし、あらためて二冊目のこの作品を読む前に最初から読み返したら、やっぱり面白かった!凍る月シリーズ。


受けは前作同様、獣人の餌として生まれながら二十歳までまったくそのことを知らされず家族に守られて育った光陽。

攻めは獣人であることに嫌悪しており、光陽を餌としてではなく人として愛する資産家の梁井。


まず、ひじょうに梁井が甘々。
光陽は梁井が自分を甘やかさないなんて思っているようですが、端から見ればもう可愛くて仕方ないと言ったていです。
過保護の母親のよう(笑
それも光陽相手ならば仕方ないのかも。
光陽は中学までしか学校に通っておらず、限られた世界で限られた人の中で育ってきました。
そのせいで人類皆兄弟的。
汚いことを考える人間の存在なんてまったく頭にも記憶にもないわけで…
そんな育ち方してきたら、危機感なくても仕方ないのかな?と思い始めました。
一冊目の時はどうなのよと思っていたのですが、読み進めていきましたら光陽への感想が変わりました。

サブキャラとして登場した組織の人間、昌史はたしかスピンオフ先にも登場していましたね。(けっこう前なのでうる覚えなのですが)
そちらを先に読んでいたため、こんなとこに絡んでたのか!とニヤニヤさせられました。
獣人の組織を毛嫌いしている梁井は今後どうするのか、気になるところです。
組織に比べ、あまりに梁井は孤独で戦力も少ないので心配(汗
今後、亨も黒澤も再び梁井とともに戦ってくれると良いんですが、、

今巻で光陽もとうとう梁井への気持ちが愛なのか同情なのか、はっきり自覚することができます。
今までの光陽の育ち方を思えば、案外早かったねと思いました。
や、なんだか前巻から梁井があまりに光陽の鈍臭さに気の毒でしたので、良かったです。

2

一番エロい

このシリーズで一番エロいのはこの作品だと思います。

このシリーズは「花の〜」から入ったのですが、個人的にはシリーズ中エロで言ったら一番この作品が萌えました。

受け様の性格に好みが分かれるみたいですが、私は光陽くん好きです!
特殊な体質のせいであまり社会と関わりを持たずに育って来た設定なので、天然で世間知らずなのはしょうがないと思います。
歳は成人していても、社会経験的に完全に子供状態なのは本人のせいではないし、むしろピュアな心を持っているのは長所だと思いました。
これは好みだと思うので、このシリーズ作品たくさんありますし、食わず嫌いせずに試しにどれか読んでみて欲しいです。
(ちなみに自分はこのシリーズは銀がちょっと苦手です。その辺は本当に個人の好みだと思います。)

最初はわけもわからないまま梁井さんに流されて関係をもってしまっていた光陽が、やっと恋愛感情を自覚したり。
それにともなって、より一層身体が気持ちよくなってしまうことに萌×2でした。
攻め様の梁井さん。
大人げないぞ。と時々思ってしまいますが、それも光陽が好きだからこその執着と稚気。
世間知らずの光陽の天然ぶりに時には唖然としつつも、大切に大切にしているところに愛おしさを感じます。

3

1冊目の方が面白かったけどそれでも

「凍る月」シリーズの2冊目です。
前巻の終りで仄めかされた、受けの幼馴染で一番の理解者亨が獣人化したのではないか、という所からお話は始まります。

餌を前にすると獣人は殺しあう、という殺伐とした雰囲気を、受けの性格が和ませている感じでした。
そのせいで緊張感が1冊目程感じられなかったのですが、私は受けの「みんな仲良くして」という性格は嫌いではないですね。
ただ、同じ手の罠にかかるのはちょっと・・・という感じでしたが(笑)。
1冊目で登場した黒澤も出番が増えて結構重要な役を演じています。

主人公2人の絡みシーンが更に増えた感じがしたのですが、染井が光陽にメロメロで(笑)。
何度も危険な目にあってる光陽をその度に助けにいかなければいけない彼に「ほんとお疲れ様です」と言いたい(笑)。
光陽が望むように獣人たちが争わなくなればいいな~と思いつつ、この先も気になるお話でした。

2

ダメだ、この受け苦手だ

「みんな仲良くして><」みたいな、主人公の受けのお花畑な性格が鼻について仕方なかったです。
殺しちゃらめー!みたいなこと言ってるけどさ、たとえば黒澤が目の前で平然と人殺しをする強烈なシーンを見たはずなのに(前巻の終わりの方で)、助けられただけで「本当は悪い人じゃない!」って、よくワカランかったです。受けの道徳観はどうなってるんだ。
もともと綺麗事を訴えて結局ピンチになってヒーローに助けられるアホキャラは好きじゃないんだけど、
その綺麗事に大いなる矛盾があるので、かなりひっかかりました。
行動もワンパターンだし。「攻めに忠告される→忠告を無視してノコノコ危険に飛び込む→攻めに助け出される」というテンプレ展開は、もうちょいどうにかならなかったかな…と思いました。
この受けの論理、ナニカに似てるんだよね。ナニカ…死刑制度反対の人権派弁護士(笑)とか。私の嫌いな人種です。

あと攻めのヘタレ方も私のツボからズレてました。
取り返したあとすぐに契約しなおせばいいのになー、と。「おまえを傷つけたくない」って…なんか無駄な悲劇を作り出してる気が。そこは強引にいってほしかったな。

期待した亨も、オチにがっかり。

3

魔性・・・しかも天然もの!


ぎゃわ~~~~!萌えた。

しょっぱなからネタバレ叫びます!

気持ちが通じ合ってからのいたした事後の光陽くんが魔性です!!

「このまま寝かせてくれたら、もっと好きになるよ」って

梁井さんにいっぱいされて、もう腰も立たなくて眠たくてって状態だけど、梁井さんが絶倫だから求めてくるのを可愛くお願いしてかわしてみました、というシチュエーションです。

梁井さんがたじろいでますよ。
そして歯軋りはついていたけど、言うこときいちゃってますよ!!
まぁ~なんて子でしょう。
梁井さんを手玉にとってしまいました。

チョー萌え。激萌。

表情の描写はないけど、きっとキラキラした目と素敵な笑顔で言ったんだわ。
そりゃあ、梁井さんじゃなくてもぐっときますよね。

天然の子って、逆転ホームラン級の萌をさらっとやってしまうから怖いわ。

「凍る月」シリーズ第2弾です。
今回のお話は光陽の幼馴染の亨が失踪して数ヵ月後から始まります。

私まえののお話をちょっと忘れてます。
そんな私でもするんとお話に入っていけたので1巻未読の方でも大丈夫。

梁井さんとの関係を続けつつ、自分の気持ちをつかめない光陽くん。
そんなある日、獣人を管理する組織と、前回登場の黒澤さんが出てきたことで穏やかだった日常が失われます。そして亨が登場。
光陽くんをめぐってバトルを繰り広げます。
わあ、光陽くんもってもて!ハーレムですね。

(ちなみに忘れていたのは黒澤さんです。こんなひと居たっけ?と思った^^;)

自分を中心にバトられているのに
あまり危機意識のない光陽くんは何度も連れ去られたり
薬を盛られたり、あげく契約である珠をとられたりします。
・・・・・・楽観的な天然にもほどがある。(笑)
心配して口うるさく言ってる梁井さんが気の毒になります。

梁井さんの愛の力で、数々の危機を乗り越えふたりはやっとお互いのきもちを伝えうんですよ~。
前回はちょっと不穏な感じで終わったけど、今回はちゃんとラブで終わったのですっごく満足です。

黒澤さんのこととか、亨のこととか、組織のこととか
いろいろ問題はのこっているんだけろうけど、ふたりはラブでした!
続きが気になります。

2

危機感持て受けw

今回は亨と黒澤が話に関わってきます。
亨は獣人に覚醒してしまい、そのせいで性格も変わってしまったり組織とも関係をもってしまって。
この組織も謎でしたね~
まだ組織についてはわからないことがありますが。
でも亨が光陽と再会できたのはよかった!
あともう一つわからないのが黒澤という男w敵かと思えば梁井の家に住まわせてくれって!
黒澤は悪い人には見えませんでしたね~なんかしゃべり方とか古泉みたいw

バトルシーンや血が出るシーンも結構多いんでそういうのが苦手な人は注意です(・ω・;)でもそこまでリアルでグロくないんで大丈夫かと。
光陽が珠取られるのは苦しそうでしたねー
ていうか光陽狙われすぎですよ!
しかも当の本人は誰でも信じるようなタイプで危機感ゼロときたw
それが光陽の良いとこであり危険なとこですねw

もちろんラブもエロもあります(^ω^)
前巻ではまだ光陽は梁井に対してどういう感情なのかわからないといった感じでしたが、ちゃんと好きだと自覚します!
光陽の気持ちを知ったときの梁井が嬉しそうでしたねーwそしてサカりすぎて光陽に待ったを食らいますw
梁井を止める時の光陽のセリフが可愛かったw

まだまだ続くみたいで今後の展開が楽しみです!

3

天然キャラが最強!?

梁井轟(人間と獣の混血である「獣人」)×鳳光陽(獣人の「餌」 梁井と「契約」を結ぶ)

シリーズ第1作目(「凍る月~漆黒の情人~」)に引き続き、こちらの作品も勢いが全く衰えておらずまたまた楽しませてもらいました!

今作で梁井と光陽の前に立ちはだかるのは、「組織」(獣人を匿っている謎の団体)と獣人に覚醒した光陽の幼馴染・亨です。前作では鬼畜キャラとして印象的だった獣人・黒澤も登場するのですが、今作での黒澤は「組織」の出方を窺う傍観者の立場を取っていて(しかも梁井と光陽の住んでいる屋敷に居候する)、前作を読む限りではボスキャラ設定だと思っていたのでちょっとビックリしました。

幼馴染の亨が行方不明になり心配していた光陽のもとに、亨を保護しているという「組織」のメンバー・昌史と名乗る少年(とオネエ言葉の獣人・清水)が現れます。その後亨をめぐって意見が対立しすれ違ってしまう中で、光陽は梁井に黙って亨に会いに行ってしまいます。光陽のあまりの危機感のなさに「おいおい危ないぞ~」と思っていたら案の定、梁井との契約を破棄され亨との契約を結ぶことになってしまいます(自業自得)。

梁井と光陽の関係が微妙だった(光陽がまだ気持ちを受け入れられずにいる)中、避けられない状況とはいえ梁井との契約を破棄してしまったことをきっかけに、それでもいいからそばにいてほしいと言われどれだけ自分が大切に思われているかに気づき、光陽はようやく梁井に対して「好き」だという気持ちを自覚することができます。

自分で勝手に危ないところに飛び込んで、案の定ややこしい状況にしておきながら何を言ってるのか…とさすがに光陽に対してイラッとさせられましたが、結果二人の絆が深まったということもあるのでまぁ仕様がないかと、ちょっと呆れつつもそんなおバカなところも可愛いところだわと大きな気持ちで受け止めることにしました(苦笑)。

まぁ光陽に関して言えば、人を疑う事を知らずそれゆえ無鉄砲に行動してしまうという性格はこの先も直ることはないと思うので(というかその天然ぶりが短所でもあり最大な長所でもあるので)、常に梁井は目を光らせていないとダメですね(お気の毒…)。でもそんな純粋な光陽の存在に、一癖も二癖もありそうな周りの人物(「獣人」黒澤や「餌」昌史)でさえもペースを崩されてしまうんですからある意味最強キャラだと思います。

今作でも獣人同士のバトルシーンは健在でしたし、梁井と亨どちらを選択する!?みたいな展開も緊張感があり色々と楽しませてもらいました。それにようやく気持ちが通じ合った二人の甘々は(光陽が自分から口でしてあげたりもする)読んでいて大変に萌えましたし大満足です。次作も大いに期待したいと思います!



3

幼馴染の亨までもが…

凍る月シリーズ第2弾です。
前巻のラストで交通事故にあったショックで獣人として覚醒してしまい、突然みなの前から姿ををくらまし行方不明になった幼馴染 亨。
そんな亨の身を案じながら表向きは平穏な日常を送れるようになって数ヶ月が過ぎました。
その間にも梁井との間に交わされた契約のために光陽は彼と何度も身体の関係を続けていた。

そんな2人の前に行方不明になった亨が姿を見せ光陽を手に入れようと行動し始めた事から光陽と梁井の周辺にまた不穏な空気が流れ始めます。

なんたって亨くんは今までは特殊な体質を持つ光陽の一番の理解者だったわけだから、光陽が他の男のものになっていることが許せないんですよね。
獣人より餌である人間の方が少ないみたいだから、光陽は亨に狙われる以外にも色んなところから目をつけられてまたまた何度も危ない目に。

何度も修羅場をかいくぐってきてから、梁井と光陽の関係も少し進展し始めます。

梁井は割りと早いうちから光陽に「お前が好きだ」と自分の気持ちを伝えていたのですが、今まで外界と遮断される生活を強いられていて他人との関わりが希薄だったので晩生の光陽は気持ちが付いていかずに宙ぶらりんのまま身体だけの関係を続けていたのが、梁井との間に出来ていた契約の証を無理矢理 亨に壊され、強引に亨に契約を結ばされてしまった後でも、危ない目にあうたびに身体をはって自分を助けてくれる梁井に気持ちが動いて行きます。

獣人に血肉を分け与える同じ餌の身でありながら組織に身をおく昌司と言う男に契約の証である腹の珠を取られ死にそうになっている光陽を助けに来た梁井に「契約するのは梁井さんがいい」と息も絶え絶えに訴えかける光陽。やっとお互いの気持ちが通じ合った瞬間でした。

それにしても、光陽はほんと世間ズレしてないと言うか。もう、何度も死にそうな目にあっているのにそれでもへこたれない強い心の持ち主というか、誰もが争わないでいられるといいなんて事まで思っていたりするんですよね。

そんな彼に感化されて、獣人同士の争いや餌と獣人との関係にも何かこう、新しい展開が見えてくるといいなと思ってしまいます。

3

この作品が収納されている本棚

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