電子限定おまけ付き
初読み作家さんです。
絵がすっきりきれいですね。とても好きです。
話の流れがスムーズでするする読めてとても心地いい。
太陽のまっすぐな性格がいい面でもそうではない面でも出ていて(番外編に至るまで)人物描写がお上手だな~と感じました。
それは「東窓のお向かいさん」の天根にも感じて、世話好きが良い時もあれば、相手にとっては良くない時がある。こういうことってわかるし、とても説得力があります。
表題作はちょっとした日常の連続で、読んでいる途中は正直地味だな~と思ったのですが、その分、絵、キャラ、ストーリーのじんわりくる良さを味わえました。
このいぶし銀のような良さを出せるのはとても高い技術ではないかといち読者ながら感じました。
そこが伝わるはずと読者を信頼されての作品でもあると思います。
先生の前作が大好きだったので、心待ちにしていた新刊。
求めていた雰囲気そのままで、そうそうこれが読みたかった!!となりました。
当たり前の日常にふと差し込んでくる、恋愛スパイスがうまい。
じんわりとしみ込むように、けれど爽やかにお話は進んでいきます。
受けには片想いの相手がいて、その人は攻めではない。
年下×年上という関係性も相まって、絶妙なすれ違いにはどきどきさせられました。
けれど攻めと出会ったからこそ、受けは長年の想いを昇華させることができます。
じっくりと丁寧に気持ちを描いてくださっていたので、安心して読むことができました。
劇的な展開があるわけではないですが、日常と恋愛が絶妙なバランスで散りばめられたお話が読みたいときにおすすめです。
◆太陽はひだまりと笑う(表題作)
読み終わった後は本当にひだまりを感じられるような温かい話だったなぁと振り返られたんですが、最初は低姿勢な太陽にズケズケものを言ったり、パシリに使ったりする旭の良さが分からなくて、2人の関係の進展に萌えるのに少し時間がかかりました。ゲイではない太陽が旭にそういう魅力を感じるようになるのもちょっと早かったかな?という気がします。途中で元カノが登場した時も、太陽はちゃんと元カノだと言っているのだから、旭も間髪入れず予防線を張る前に一言確認すれば済んだ話なのになぁと。ちょっと不器用同士の2人ですが、傷心だった旭に心からの笑顔が戻ったことは嬉しいので、これから楽しい日常を紡いでいってくれたらと思います。
◆東窓のお向かいさん
綾人のビジュアルや健気なところ、ダメ男に好かれてしまう危なっかしいところがタイプで、もう少し長く読んでみたかったですね。ノンケだった天根は世話焼きではあるけれど、年下でゲイの綾人に対してちょっと大人気ないというか、あまり深く考えていない言動が気になりました。晴れて恋人になってからは、口にすべきことと言ってはいけないことをよく考えて、綾人がずっと可愛い笑顔を見せてくれるように接してほしいな。
こちら、「萌」評価なんですが「萌えたか」と聞かれると、ちょっと違うかな。。
高評価なのに評価を下げてしまい申し訳ないです;
表題作ともう一作入っています。どちらの作品も、特に攻めにそれほど感情移入しきれないまま、サラッと読めてしまいました;
表題作の方の感想を。
受→攻への気持ちの変化は理解できたんですが、ノンケ攻めが受けを好きになる過程に共感しきれませんでした。
攻め目線で進んでいくので、いまいち納得できず「うーん」を抱えたまま最後までいってしまった感じ。
それと、結婚の決まった高橋に、敢えて告白しようとする旭の行動もちょっと自分都合優先に思えてモヤっとしたり…
告白された側の高橋が、その後特に気まずそうにすることもなく過ごしてるのも違和感が。
とはいえ、ところどころ萌えた箇所はあり。
特に、旭が真っ赤な顔して「誰にも取られたくないなって…」って告げるシーン。最初に猫を連れ帰ったのがバレた時、攻めを罵ってた人物とは別人のようでギャップを感じたり。
あと、ニャー助は問答無用で可愛い!! 動物は、グッときますね ฅ^•ω•^ฅ
表題作ももう一作も、ノンケ攻めが受けを恋愛的な意味で好きになる過程に引っ掛かりを感じてしまい、萌えきれずに終わってしまい残念です;
また別の機会にじっくり読み返してみたら、違う気持ちになるかな、、
「何気ない日ののんびりした昼下がり」みたいな感じなのに、めちゃくちゃ幸福度が高い表紙のふたりに惹かれて購入。
旭のはじけるような笑顔を傍らで見つめる太陽と、リラックスしたニャー助…なんて良い画なのでしょう。
ふわっとあたたかくて、でも綺麗事だけではない大人の恋を感じられたストーリーもとっても素敵で、夢中で読み進めた作品でした。
最初こそお互いにあまりいい印象がなかったけれど、ニャー助のことを通じて少しずつ打ち解けていくふたり。
仲の良い先輩後輩のような距離になるのがすごく早かったので、恋愛感情を抜きにしてもふたりの相性が良いのが伝わってきて微笑ましいなーと思っていました。
でも旭の笑顔にときめく太陽の想いが加わった途端、一気に恋愛モードになってドキドキ。
ただ旭は長い片想いを燻らせているのを太陽は知っているので、太陽の恋の始まりが楽しい感情はばかりではないのが切なかったです。
自分以外を見ている彼にどうしようもなく惹かれていく太陽の葛藤に苦しくなりながらも。
お互いを思い遣るあまりにすれ違ってしまう日々を乗り越えて、ふたりが幸せに笑い合える結末にじんわり心が温まったのでした。
同時収録の作品も引き込まれるところがたくさんあり、読み応え抜群な一冊でした!
初読みの作家さんでしたが、過去作もぜひ読んでみようと思います。