「初めて出会った日から俺はこの手が――」

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表題作愛日と花嫁 3

クロ
神様、ルカの番、α
ルカ
クロの番、Ω

あらすじ

神様(α)であるクロと番になった村の青年(Ω)ルカ。
子どもを授かり、長年離れていた故郷での出産を決めたふたりだったが、
突然変異でΩになったルカの身体に危険が及ぶ可能性があると知り――。
一方で、昔からクロをよく知るノア(α)は、自身のせいでルカが苦しむことになるのだと
ひた隠しにしてきた過去を打ち明けて…
幾重にもかたちを変え紡がれる神話。そのなかで生きる神様と人。
それでも変わらずに互いを想い生きていくふたりの、しあわせな日々がここに――

珠玉の突然変異オメガバース×ファンタジー感動のフィナーレ!

《収録内容》
◆『愛日と花嫁』10~14話
◆描き下ろし7P

作品情報

作品名
愛日と花嫁 3
著者
渚アユム 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784758028332
4.6

(190)

(144)

萌々

(34)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
26
得点
884
評価数
190
平均
4.6 / 5
神率
75.8%

レビュー投稿数26

後世にバトンを繋ぐということ。男前溺愛攻めクロのルカに対する包み込む愛が尊い。

遅ればせながら、シリーズで追っかけてきた大好きな作品です。
ルカの不安と揺らぐ気持ちを全部受け止める、男前溺愛攻めの大きすぎる愛を
最初から最後まで堪能できました。

ルカの、「産まれてくる赤ちゃんに道を譲ろう」という気持ちが切ない。
自分の母を出産で失ったルカの、子孫を残すという強い決意を感じる。
出産を前にして感じる不安をクロにぶつけるルカ。
そしてルカの不安をまるっと全部受け止めるクロが優しい。
ルカの故郷にあった人の繋がり。
変異が普通の神の世界から出て、人の世界へ飛び込み、故郷に帰る選択をする。

印象的な言葉。
**ルカと俺は、はざまの生き物で、だからこそ誰とでも手を繋げる**
**何度でも受け止めるから安心して転んで**

ノアの悲しい過去が明かされる。
人に好かれようとして媚を売り、幼いノアはさらに孤独になる。
自分を必要としてくれる存在を生み出す。
ノアのウェレに対する愛情は、ルカたちに分け与えられ、引き継がれていく。

産まれてくる子のため、歩み寄り、人の世界に受け入れられていく。
安全なところから一歩踏み出してみる。
バトンを後世に繋いでいくということを考える。
また、出産という生死をかけた行為がきちんと描かれていて、それがリアルで命の重さ、尊さを感じさせられた。
子供は人に助けられながら、人との繋がりの中で育つ。
そんなことも考えさせられる、愛に溢れた温かい素晴らしい作品でした。

1

幸せ!

お互いの傷を知り、言葉にして、愛を伝える。
3巻に渡って、壮大な愛と神話の物語でした。

なぜオメガとアルファという存在が生まれたのかを、神の創造と人間との種の関係を交えながら神話的に描き、愛とは何かを教えてくれるお話でした。

文明の発展や、人の暮らし、自然との向き合い方など、物語のベースとなっている世界観も丁寧に作り込まれていて楽しいです。

主人公の神様のクロと、元は生贄の人間ルカの関係性が深まっていく過程も素敵ですし、その2人を取り巻く神様たちも必見の3巻でした。


そして、ラブラブシーンも多いのに、なぜか心がほんわかしてしまうこの魔法に皆様もかかっていただきたいですね✨

続編のオムニバス的な短編集も決まっているそうです。また、みんなに会えるのだと今からとっても楽しみです。

0

『愛を知った生き物は みな必死で愚かになる』

タイトルは本作から引用しました。

今作では主人公であるクロとルカだけでなく、1巻から登場していたノアとウェレの話が沢山描かれています。何故かαとΩが存在しているのか、ノアは何を目指していたのか。1巻から根幹にある世界観についての一つ一つが丁寧に語られていました。
1巻と2巻を読んで、消化しきれなかった人こそ3巻を読んだ方が良いのかなと思います。

村に戻った後の人間の対応に多少ご都合っぽさを感じましたが、本作に則って考えると豊かになったからこそ神様達にも優しくできて、何よりもクロ達が寄り添おうとしたから呼応してくれたのかなと。

全体を通して、恋人や番のような二人だけの横の繋がりではなく、親子や種族のような縦にも横にも大きくて強い繋がりを感じるお話でした。当然ですが、基本的にBL漫画は恋愛模様をメインに描かれます。そんな中で突然変異オメガバースとしてありとあらゆる種の、命と絆が描かれた本作は凄く鮮烈で正しく大作だと感じます。BLの枠に囚われず、神話のような話が創られていました。
個人的には意識されているのかは不明ですが作者様の細かく描きすぎない所がとても好きです。あくまでもキャラに語らせる形を取られているように見え、それがよりこの作品を活き活きとさせているように感じました。BL漫画を、恋愛模様を読んだと言うよりも、二人の、生命の歩みを観たようです。


具体的な描写の話で言うと、オメガバースとはいえ妊娠出産についてかなり踏み込まれている印象でした。他の方も書いていますが、多くの作品は子供が出来た描写はあれど、時間を飛ばし家族が並んでいる描写をすることで出産を意味しています。しかし本作では妊娠しているルカの話や、出産時の描写までかなり詳細に描かれていました。(なんなら2巻と3巻はルカが妊娠しているからこそ描かれた内容でしたしね。)ここまで細かく描かれている作品はそうありませんから、凄く新鮮で面白かったです。妊娠出産というディープな話ではありますが、物語が壮大だからかそこまで辛気臭くならずにまとめられていました。なので苦しそうなのが苦手な方でも読んでみて欲しいと思います。

長々と書きましたが、本当に鮮烈な一作だと感じました。BL初心者さんも、玄人さんも、ぜひ読んで頂きたい作品です。

0

変わっていく恐怖との向き合い方

『十分愛してもらったら赤ちゃんにこの居場所を迷わず譲れる』

作中、ルカのこのモノローグ(心の声)があり、でもそれは否定されていて。妊娠まで、真っ直ぐに駆け抜けてきたものの、自身の身体の変化を感じて、また、時代背景的と本人の経験的に出産は必ずしも安全なものではないとわかっている中で、それに対する畏れや、己と子どちらを選ぶのか?という問いに嫌でも向き合わなければいけないルカの心情が表れていて・・・なんていうかこれはBLとして手放しに愉しめるんですかね?自分が妊娠/出産を控えている身だとするとかなり重く響く気がします。出産シーンが詳細に描かれているのも衝撃で・・・オメガちゃんの出産ってもっとこう簡単でハッピーなやつなんじゃ・・・と思いながら読みました。

もう一つのテーマはノアの過去。ノアと、ウェレの話。こっちも読み応え抜群です。ノアの【ノア】たる所以を感じられる本。

読み手の心持ちにもよるかもしれませんが、全体的に重たい巻だなと感じました。ぜひ、精神状態が良い時に読むことを!オススメします。

1

Highly recommend!

A beautifully crafted story with compelling characters, heartfelt emotions, and stunning artwork.

0

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