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吸血鬼と愉快な仲間たち 6

kyuuketsuki to yukai na nakamatachi

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表題作吸血鬼と愉快な仲間たち 6

アルベルト・アーヴィング(アル)
半人前の吸血鬼、29歳(外見年齢21歳)
高塚暁
エンバーマー、30歳

その他の収録作品

  • 大好きなお父さんと吸血鬼

あらすじ

殺人の疑いで逮捕された暁。唯一の目撃者となったアルは、真犯人を捕まえるべく奔走するが……。大人気吸血鬼シリーズ、ついに完結!

作品情報

作品名
吸血鬼と愉快な仲間たち 6
著者
木原音瀬 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
集英社文庫【非BL】
シリーズ
吸血鬼と愉快な仲間たち
発売日
電子発売日
ISBN
9784087447255
4.7

(28)

(25)

萌々

(1)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
133
評価数
28
平均
4.7 / 5
神率
89.3%

レビュー投稿数7

この6巻が一番面白かった、良きエンディング

いよいよ最終巻です。
私は文庫版になってから読み始めたのですが、新書から追ってる方からすると13年越しのラスト!
未完の作品となるのかと思いきやですよ、こんな面白い最終巻として世に出されるなんて。

6巻のポイントはこの辺り
真犯人である米倉を探し出し殺人の証拠を見つけられるのか。
アルと暁がくっつく未来はあるのか。
アルは吸血鬼で年を取らないけど、その辺はどうするのか。

アルが大活躍します。
コウモリに変身出来る、不死身のカラダ、人から好かれて助けて貰えるアルじゃなきゃ解決出来なかったよ。
無実の暁を助ける為、沢山の協力者のファインプレーの数々で米倉を追跡出来たしピンチも乗り越えます。刑事の忽滑谷と柳川、オールドセレモニーホールの鳩野と金崎、偶然出会ったバラエティ番組の撮影クルーの清水この人達とのやり取りで解決に近づいていくのが面白くて読むのが止まらなかった。

鳩野が実は男性だったり、米倉がバイだったりビックリ設定だった。最後米倉をおびき寄せる時の忽滑谷の手慣れたやり取りはなんだかエッチでもっとください!忽滑谷のプライベート〜!となってしまった。

この作品はアルが不死身だとは言えなかなかエグい暴行を受けるシーンが頻繁に出てきます。
文章だから読めてるけど、コミカライズはどの程度描写してるのかな?

私は甘ったれなアルが大嫌いでしたが、5巻6巻の頑張りと成長で認めました。(何様やねん)
暁にはアルみたいなヤツじゃないとダメなんだと。

書き下ろしの蓮視点のお話、[大好きなお父さんと吸血鬼]がほっこりと心えぐられが混在するさすがの木原作品でした。
あのままあの母親の元で育たなくてよかったよ。
暁とアルの元に来させてくれてありがとう、木原先生。持ち前の性格ももちろんあるだろうけど、環境、育てられ方、愛情を本人が感じるかで人間どんな風にも変わる。
すんごいしんどい事実を知ってしまった蓮が最後自分は大丈夫だと言い聞かせるようにしてたのしんどい。それまでの回想シーンが楽しい3人での生活でほっこりおもしろ愉快だっただけに。

この作品はBLじゃないから暁とアルのラブシーン描写は全然ないけど、蓮視点で描かれる穏やかで優しい2人の感じからして暁の頑なさがなくなって優しさがもっとわかりやすくなったんだろうし、アルを認めてるんだろうなと感慨深かった。
大きなベッドで一緒に寝てるんだよ。アルの事[パートナー]って言うし。
ラブの部分読みたいなー。2人の初めての夜はどうだったんだろう。壮年の暁とアルの夜事情も知りたい。(下世話ですみません)

やっぱり木原先生の作品は面白い。まだまだ未読がいっぱいあるので、読むの遅いのですがぼちぼち読んでいきたいです。

4

最後まで読めてよかったです

よかったです。最高の終わり方です。
感激し過ぎてテンションがおかしいので、ちょっとクールダウンしてからこれを書いてます。
5巻を読み終わってからすぐに6巻を読めて本当によかったと思いました。5巻も盛りだくさんでしたが、6巻も盛りだくさんでした。
シリーズの完結は、Holly Novelsの頃からすれば13年ぶりということなのでしょうか。
私は集英社文庫になってから読んだくちなのですが、はじめから読まれている方にとっては待ちに待った完結編なのですね。
この5巻から続く、暁に降りかかった困難を、アルをはじめ忽滑谷や鳩野や金崎が文字通り奮闘して晴らしていく展開は、はらはらするし先が気になって読書をやめられず手に汗握りながら読みふけりました。
アルの身体を張った働きを、全貌を知るのは読者ばかりなわけですが、もっと感謝してあげてよーと暁を揺さぶりたい気持ちで一杯でした。
海斗の残忍さにはただただ肝が冷え、人って本当に恐ろしいよな、としみじみしつつ、暁を信じて待つ皆さん(津野や室井までもがサポートに!)にほっこりして、このシリーズの世界観に思いを馳せました。
「bitterness of youth」にどうしても戻るのですが、(5巻6巻を読みながら何回か見返しました) たとえば暁の周囲にいる人が、海斗の言うようにいいひとたちばかりだったかというと、そうではなかった。殴る父親、優しいようで冷たい諫早、最終的には逃げた叔母、殺意すら感じた施設のルームメイト、他にも大なり小なり負の要因ともいうべき人が周囲には居て、もちろんリチャードやイングリットのような人も居ましたが、色々な人達と関わることで大人になっていった。誰とも関わりたくないと思ってはいても、そういうわけにはいかなかった。その中でどう捉えてどう振る舞うか。選択する機会も流されていく状況も無限にあり、それらを踏まえて今の暁が居るし、海斗も(言うなればアルも忽滑谷も誰も彼も)その人なりの生き方をしている。人を羨んでも成り代わることもできないし、自分を憎んでも何も始まらない。生き方には正解も誤りもないけれど、ただ、暁の中にも海斗が居て、もしかしたら同じような道を選ぶ可能性もあったのかもという考えが抜けないから、「一人じゃない」って海斗との繋がりを断たないのかもなと思うなどしました。
海斗は怖かったです。アルじゃないけれど、考えていることや行動の裏側が全然読めなくて、本当に怖かった。
書き下ろしの「大好きなお父さんと吸血鬼」で、このとき海斗に対して蓮が思ったことが、10年後、20年後、時を経て大人になっていくことで変化していくのだろうと思いました。
この書き下ろし、読めてよかったです。感謝しかないです。海斗が「お前、普通だな」と感じたその失望の意味を、私は想像もしていなかったので、そういうことなのか!との答え合わせでもありました。
シリーズ終わってしまいますが、みんなのその後もまた覗き見したい気持ちです。

7

最終巻

吸血鬼と愉快な仲間たち。
こちらの作品に出会い、アルと愉快な仲間たちが繰り広げる奇妙で愛おしい日々にすっかり魅了されてしまってからいったい何年経ったのでしょう。
ずっと待ち焦がれていた続編が最終巻と聞いて、早く彼らの行く末を見届けたいような、まだどこかへ大切にしまってとっておきたいような…
そんな複雑な気持ちでいっぱいになりながら手に取った最終巻。

すごく、すごく良かったです。余韻がすごい。
なんでしょうか…自分が想像していた結びの何十倍も胸にじわりとくるものが待っていて、ラストにかけてページ数が減るたびに本当に読み終えるのが惜しくなりました。
間違いなく最終巻が1番良かった。大好きです。
なんてやさしくて愛にあふれたお話なんだろう。

旧版刊行時から数えて13年の時が流れているものですから、現在の木原先生が描く吸血鬼シリーズはどんな作品になるのだろう?と思っていたのです。
事件に巻き込まれたり、巻き込まれに行ったり、ピンチが訪れたり、手に汗握る展開の中にもさり気なくユーモアが。
あれから何年経っていても、アルたちはアルたちのままでした。
雰囲気はあの時のままだというのに、登場人物たちにより深みが増していたように感じたのは、ENDを打ったのが現在の木原先生だったからなのかもしれません。

ひょんなことから迷い込んだ見知らぬ土地で、1人の人間を愛した半人前の吸血鬼・アル。
子供っぽくて、わがままで、愛嬌があって、とにかく真っ直ぐで一途。
時に空回ってしまうこともあるけれど、決してあきらめない彼が大好きです。
そして、そんなアルが愛した、暁の頑固さと不器用で伝わりにくい愛情深さが大好きです。
飾り気のないアルの本気の言葉が暁に響いてなにかが決壊した瞬間、ああやっと届いたんだと、これで2人はずっと一緒にいられるんだと感無量に…
ほぼアル視点なこともあって、その後の2人の関係性と暁の変化が本当に少しずつ読み手に伝わる、このさり気ない描写の数々がたまらなく素敵でした。
口数も多くはないですし、不器用で一見わかりにくい暁が、作中で1番愛が深いやさしい人なことがわかるのです。
他の誰でもなく、本編ではアル。短編では蓮視点で語られる暁像にぐっときました。

タイトルに「愉快な」と入っていながら、ただ愉快なだけでも幸せなだけでもないえぐみのようなものを織り交ぜてくる、一筋縄ではいかない木原節はあちこちにうっすらとあるのだけれど、なんだか本当にやさしくて幸せな作品だったと思います。
蓮視点の短編も含め、なにかしらの孤独を知っている者たちだからこその愛や情がすごく印象的で魅力的でした。
彼らの人生の1ページを追いかけられて、今はただただうれしいです。
きっとまた彼らに会いたくなったら何度も読み返すでしょう。
素敵な作品をありがとうございました!

12

忽滑谷ロス

ついに完結してしまいました…
めちゃくちゃ!めちゃくちゃ!いいラストだったよ~~!!
木原先生ありがとう。
ところどころに極北感はあったけれども(サイコパス・米倉の描写とか、周辺キャラのクセツヨ設定とか)、本当にハートウォーミング、当社比ほのぼのではなく、ちゃんと一般的なwほのぼのでした。暁のそばにアルがいてよかったなと、心の底から祝福したくなりました。ただ、やっぱり永遠に生きるってどうしても寂しいですよね。ここまで読んでしまうと、ついつい人間の命が尽きるときまで考えずにはいられなくて(どうしても別れはやってくる)、
切ない気持ちにはなりました。でも、それはそれでいいんですよね。出会わない一生よりは絶対いい。

同時収録の「大好きなお父さんと吸血鬼」は、ふたりの後日譚を彼らに愛情たっぷりで育てられた”息子”視点で語られるんですけど、泣きたくなるほどいいお話。負は連鎖しないんだっていう力強いメッセージも感じられて、本当にじーんとしちゃいました。にしても、「エンバーマーでも俳優でもなくて刑事」っていうオチにひっそり笑ってしまいました。

というわけで裏主役・忽滑谷刑事。米倉との場面はなんだかエロすぎて、むしろこっちで刑事とサイコパス的なBL読んでもいいくらいなんですが!とムズムズしちゃいましたが、コミコミさんの特典(忽滑谷ファンは必読!)で彼のその後の人生がさらっと描かれていて、益々大好きになってしまいました。
あ~、、忽滑谷ロスになりそうw

7

嫌だ…終わらないで!

最終巻、ずっと読んでいたかった作品…ロスがヤバい…。
もう同人でその後を出さなそうなほど先まで書かれていて絶望…暁とアルのやり取りが本当に大好きでした。羅川先生がコミカライズされているのが救い。

最終巻だと実感させられるそれぞれのその後も書かれていて、「あぁ良かったな」と思うキャラもいれば「あらあらw」と思うキャラもいました。室井はどうなったのかな…暁に未練ありそうだったけど、パートナーを見つけて幸せになっているといいな。

コミコミスタジオの特典小冊子で忽滑谷のその後が書かれていました。予想と違ってビックリ!5巻の小冊子でフラグ立ってると思っていたけど、そんなことなかった。
本編でアルが忽滑谷は死んでもいいと思える恋愛をしたことがあるんだろうなと思っていたから、その事が書かれるかと思っていたのですが、触れられず…5・6巻の小冊子しか読んでいないので、他の特典に書かれているのかな?読みたい〜!

挿絵であまりアルの顔を描いていただけてない…後ろ姿が多すぎる〜!表紙のアルは今までの表紙のアルとは別人…三谷かと思っちゃいました。13年は絵柄変わっちゃうのには充分な時間ですね。

2人がずっと優しすぎる。こんな2人だからお互い惹かれあったんだろうな。優しすぎて自分を犠牲にしてまで人に尽くすから、お互いがかけがえのない支えになるんでしょうね。
やっと手放しで甘えられて、心から信頼できる人と出会えた暁。2人の涙が混じるところは一緒に泣いてしまいました。甘え方が暁らしいw
はぁー、蓮が羨ましい!

この作品で木原先生を知ってハマった、とても大切な作品。今後も何度も読み返すだろう大好きな作品です。
望みは薄いだろうけど、2人のにゃんにゃんをwイチャイチャを同人で出してくれることをしつこく願っています。

8

この作品が収納されている本棚

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