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惚れさせたいアルファ王子と恋したくない転生オメガは運命の番

Horesasetai alpha ouji to koi shitakunai tensei omega wa unmei no tsugai

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表題作惚れさせたいアルファ王子と恋したくない転生オメガは運命の番

アンドレス
26歳,アマネセル王国第二王子
セシリオ(南 裕貴)
22歳,酒場の息子,酒場で舞をして働くΩ,前世の記憶を持つ

その他の収録作品

  • あとがき
  • 双子と姫と宝物

あらすじ

「そなたは今から私の番となる」酒場で舞を披露して働くセシリオは、前世のバレエダンサーの記憶を持つオメガ。親の借金が発覚し、希少なオメガとしてオークションにかけられ絶望する。しかし、連れられた場所は愛妾が暮らすという後宮で!? そこで再会したのは、酒場で助けた青年、第二王子アンドレスだった。驚く間もなく、愛妾と過ごす為の部屋で押し倒されてしまい!? フェロモンに諍えず、愛欲に溺れそうになって――。恋に臆病な転生オメガとイケメン王子の溺愛ラブ


初版のみにお付けしている特典(初回特典、初回仕様特典)がある商品は、商品ページに特典の表記が掲載されている場合でも無くなり次第、終了となりますのでご了承ください。

作品情報

作品名
惚れさせたいアルファ王子と恋したくない転生オメガは運命の番
著者
滝沢晴 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784866697956

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54

4.1

(53)

(25)

萌々

(19)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
217
評価数
53
平均
4.1 / 5
神率
47.2%

レビュー投稿数13

前作との読み比べも楽しいオメガバ作品

お互いのフェロモンにグラグラになりながらも、意のままになるものかと丁々発止でやり取りする様が面白い。攻めに巨乳好きを疑われる受けは斬新すぎるw オメガが踊り子であったり夜職なのは割と定番だけど、バレエダンサーというのは初出。バレエの無い世界で、あんな高度な芸術舞踊を見たらひっくりかえるだろうなあ。獣人や奴隷に対する排斥について描かれていて、現代の課題とリンクするところを感じさせます。直近の前作もオメガバ作品だけど、前作は定番のピュアで健気受けに対し、本作は自立した姉御?タイプ。個人的にはこちらの方が好みでした。

1

前世の記憶を持つ臆病な恋

前世での辛い恋の記憶からもう恋はしないという元バレエダンサーのΩと第一王子とを後継争いをするαの第二王子。
王子と奴隷から愛妾という関係から始まるラブストーリー。王道なようだけどそう簡単にはいかない。前世の記憶により恋に対してどうしても頑なになってしまう。王子の方は何としてでも惚れさせたいと思っていますがそんなΩ相手に苦戦します。しかし一緒に過ごしていく中でお互いの人柄を知っていく。運命だからとか番とかではなくこの人だから好きという気持ちが募っていったように思います。好きな気持ちには抗えない。もう惹かれずにはいられないという感じかな。そこに至るまでにジレジレしますがそれもまた良き。獣人の子供たちもとても可愛く王子とのやり取りもとてもよかったです。周りの当たりはキツかったですがそこも成敗出来てスッキリ!!元バレエダンサーということで踊るシーンがありしなやかな動きが目に浮かぶようでした。
面白かったです!

2

No Title

「転生もの」も、「オメガもの」も好きなこともあり、タイトルにひかれてよみましたが、期待以上に、おもしろいとおもいました。

アマネセル王国第二王子の「アンドレス」と、酒場の息子で、酒屋で舞をして働く「セシリオ」とのお話です。この「セシリオ」は、日本でバレエダンサーだったという前世をもちます。

冒頭から、いろいろなことが立て続けにおこるので、おもしろいとおもいながら、よみすすめることができました。

バレエが好きな人には、たまらない作品だとおもいます。



2

踊り

滝沢先生おっかけで購入。なんでもバレエ経験者のご担当さん推しで、バレエ要素がけっこうあるお話でした。グラン・ジュテとか書いてあってもすんなりそのポーズが脳内に再現できる人だと、より楽しめるんじゃないかなと思います。私はちょっとその部分が無理でして萌どまりでした。すいません。本編260Pほど+あとがき。柔軟性も大事よね。

日本でバレエダンサーだった前世を持つセシリオ。両親が営む居酒屋で、人寄せのため踊りを披露しモテモテですが、恋愛沙汰の挙句、事故死したという前世の記憶があるため、もう二度と恋はしないと考えています。ある日、父親が多額の借金を抱えていることがわかって奴隷として売られたのですが、買われた先は王宮で・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
シーロ、ロペ(双子の獣人♂)、第一王子、後宮のオメガ、使用人たちぐらいかな。悪党は立派に清々しく悪党です(笑)

++攻め受けについて

攻めは第一王子と世継ぎの座を争っている方。運命の番と出会えたら「神に祝福された者」として世継ぎ争いに優位になるらしいのですが、後宮には一向に足を向けていなかった方。硬派?というほど頭でっかちさんでもないですけどねえ。まあセシリオ一筋、よろしいことですわ。民を思う良き王様に絶対なると思います。王道。

受けは前世記憶持ち、恋なんかするもんか状態なのにオメガに生まれたもんだから気分最悪。意思が強くて、体はめっちゃ攻めに惹かれているのに心は反抗、「絶対惚れない!」とぷりぷり怒ってます。ケンカップルってほどではないんですけど、お互いあれこれすれ違うことがあり、あー恋愛ってそうよ、あれこれめんどくさいのよね、と思う焦れ度合。元バレエダンサーさんでバレエ大好き、体なまるから、と後宮来てもせっせと体を動かしてます。努力家さんね。

攻め受けとも、そんなにキャラにハマれなくって、バレエの技、盛沢山だなあという印象が一番強かった一冊でした。じれじれ恋話が好きな人だったらもっと評価違うだろうなあ。

4

面白かったけど

滝沢晴先生の作品なので凄く面白かったんですが、個人的には少し前に出た「オメガ嫌いの英雄大公と離婚を目指す内職花嫁」の方がめちゃくちゃ好みでした。


というのもアンドレスとセシリオのすれ違いが焦った過ぎて好みじゃなかったんです。セシリオの前世のトラウマがしつこ過ぎでした。アンドレスが当初無神経だったのも原因ですが、何度も何度も彼の気持ちに不安になるのに読んでて気が滅入って来たんです。

その点他のキャラは分かりやすくて良かったと思いました。黒豹獣人の双子は可愛かったし、セシリオを奴隷だと蔑む後宮の面々の愚かしさと第一王子の俗物さと王妃の黒幕感も読んでて面白かったんです。

私はバレエダンサーの知り合いが多いので、バレエが出てくる漫画とか小説を厳しい目で見がちなのですが、その点はとても満足できるものでした。特にセシリオの踊る場面とかワクワクしながら読みました。そして前世のあの人のモデルは誰かなと妄想しながら楽しみました。

嫉妬や僻む人間たちの嫌らしさや、黒豹獣人のシーロとロペの純粋さの比較も生きていて、お話の緩急が素晴らしいと思いました。それ故にセシリオのトラウマを引っ張り過ぎだと思い神評価から1つ下げました。

4

運命という本能と戦う愛をしらない2人の物語

今回は第二王子と酒場給仕のお話です。

前世の記憶で恋愛を忌避する受様が
本能を乗り越えた攻様の運命の番となるまで。

この世界には男女の性別の他に第二の性があります。

人口の8割が男女の性別以外にめだつ特徴のないベータ
1割は男女問わず子を授かる器官と発情期を持つオメガ
残り1割がオメガフェロモンに反応し
孕ませるアルファです。

アルファは優位性遺伝子の塊という異名を持ち
特権階級に多い生まれながらに成功を約束された性
でもあります。

受様はオメガで両親の酒場の給仕しています。
日本のバレエダンサーをしていた前世の記憶があり
集客のためにとバレエを踊っています。

ある夜、
店の奥で移民の男と揉めているフードの男を逃がす為
受様はバレエの大技で回転数の賭けをして
他の客の気をひいて男を逃がします。

去り際に名を聞いた男に妙な高揚感を覚えましたが
数日後には父が騙されて負った借金返済で
奴隷競売に掛けられます。

競売会場では貴族や豪商が次々と奴隷を買い
受様は映し杭ダンスが特技と披露した事で初老の男性に
王宮の後宮で余興担当として買われます。
果たして高給で待つ受様の未来とは!?

王位継承権を競う攻様と前世の記憶持ちの受様の
異世界転生オメガバースになります♪

後宮には王と第一王子、王弟3人がよくくるものの
独身の第二王子だけは縁談にも後宮に目もくれません。
この第二王子が今回の攻様なのです♪

受様は第一王子の宴に呼ばれてバレエを披露し
粉を掛けられますが"便所掃除をして汚い"と
難を逃れたと思ったら

バレエの練習用に許可された裏庭で
酒場で逃したフードの男だった攻様と再会し
攻様が"運命の番"だといわれるのです!!

受様も攻様の匂いを好ましいと感じますが
前世で恋人に裏切られ「愛を知らない踊り」と評されて
恋愛を忌避していたので番になる気はありません。

兄王子と王太子の座を競う攻様にとって
運命の番を得れば不利な立場を逆転できる好機であり

受様に「惚れさせることができたら番に
割れなければ番わず、奴隷から解放してやる」と
賭けを持ち掛けます。

賭けに乗った受様は王妃や兄王子の暗殺対策で
攻様の愛妾として部屋をもらいますが
運命の番の本能にあらがうのは攻様だけでなく
受様にとっても考えた以上に大変なのですよ♡

受様はバレエダンサー時代のトラウマ影響と
攻様都の身分差に大きく悩んでいき

攻様には本能との戦いと兄王子との確執に絡まる
王からの政策課題の獣人問題と移民問題対策が
大きくのしかかってきて

受様が攻様の手を取るまでドキドキ&ワクワク
大変楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

黒豹獣人の双子達の素直さとまっすぐさが
2人とともに読者の心にも刺さりまくりでした。

4

バレエダンサーの臆病な恋

第二王子アルファのアンドレスと前世バレエダンサーの記憶を持つ奴隷オメガのセシリオ。二度と恋愛したくないセシリオと王になる為に運命の番と番いたいアンドレス。最終的に運命に惑わされずにお互い愛し合って良かった。強いて言えばラストシーンと他のキャラの挿絵が欲しい。

1

美形王子αと強気不憫Ωのスレ違い純愛

王子様αと不憫なΩが出会い恋をするという王道ストーリーのようでそうじゃない、2人の駆け引きとすれ違いが絶妙に面白い作品でした

2人の出会いのエピソードから
一目惚れのシンデレラストーリーなのかと思っていましたが
実際はそうではなくて
運命の番を見つけることで王位継承に近づくことが出来るから番になりたい第二王子さまと
前世がバレエダンサーでトラウマ持ちの酒場の息子が、父親の借金のかたに奴隷堕ちし、後宮に仕える奴隷として買われた強気なΩのある意味恋愛バトルのお話でした

まさにタイトル通り
惚れさせたい王子VS恋したくないオメガです

主人公のオメガは奴隷から第二王子の愛妾に格上げされて部屋持ちになりますが
元奴隷に対する周囲の風当たりは強く
獣人の奴隷の双子や元奴隷仲間を侍従としています

第一王子やその母である王妃のクズさ加減も吹っ切れてていいですが
犠牲となったオメガや獣人も多かったので
王様はもっと早くに2人の本性に気付いて欲しかったです
物語の進行上無理なことではありますが
最終的に辛い思いをしていたみんなが救済されてよかったです

第二王子と主人公オメガも
運命に惑わされずにお互いを深く知って
本物の愛を手に入れてくれたので良かったです

最後までスレ違いにジレジレしたい方には
おすすめだと思います

3

愛を知るバレエダンサー

「この顔だぞ」(笑)

異世界転生オメガバースで前世でバレエダンサーという盛り盛り物語です。芸は身を助ける。

第二王子アンドレスの運命の番だったセシリオ。親の借金で奴隷オークションにかけられ後宮に買われ…。と怒涛の展開がスピード感あり。

アンドレスとセシリオの賭け。
賭けなのにお互い本気で相手を好きに…。
アンドレスが打算的かと思いきや国民思いで、セシリオにも無体を働かず対等に向き合って良かったです。

あ〜もどかしい、好きって言いなよ、早く!早くったら!
獣人の双子も可愛らしくて頑張ってて偉かったですね。

良いお話なんですが、なぜかそこまで萌えられず。焦らしすぎだったかな?

3

面白すぎてもう再読したい♡

作者買い

すっっっごく面白かったです!!
滝沢先生の作品に出会えて、本当に良かったと心から思いました。
語彙力が足りず、この感動がうまく伝えられないのがもどかしいですが……とにかく最高でした!
今回の作品はオメガバースの中でも「運命の番」設定。
惹かれ合う運命なのに、攻めは俺様系、受けは前世の記憶に縛られていてなかなか素直になれない。そんな二人が、少しずつ距離を縮めていく物語です。

◆受け:セシリオ
前世はバレエダンサー。
役を得るたびに向けられる嫉妬や妬み、「愛を知らない」と言われた過去。
「愛を知るため」に取った行動さえも誤解され、心に深い傷を負った彼が、攻めへの複雑な感情を少しずつ整理し、心を開いていく描写がとても丁寧に描かれていました。
また、最後のシーンでセシリオが愛を訴える姿が、言葉ではなくバレエで表現されていたのが本当に素晴らしかったです。
アクロバティックなエチシーンも、バレエダンサーだったという設定が生かされていて感動……!
クラシックと現代舞踊の使い分けが描かれていたわけではないですが、私は「観せるときはクラシック」「感情の爆発には現代舞踊」なのでは?と勝手に想像しています(笑)
脳内ではマラーホフ様が踊っていました♡
◆攻め:アンドレス
俺様すぎて吹き出してしまう場面も多々(笑)
けれど、そんな彼がセシリオを無自覚に溺愛していて、そのギャップがとにかく最高!
何を言い出すのか毎回ワクワクして読んでいました。
◆シーロとロペ
めちゃくちゃ可愛くて賢い子たち♡
たどたどしく文字を書いて、セシリオの好きなものを一生懸命伝えようとする姿には完全にやられました……!

議会のシーンでは、重くなりがちな場面を先生らしく絶妙なテンポで仕上げていて、思わず笑ってしまいました。
「ハイハイ」って、まさに滝沢節全開!!
待ってました〜〜〜♡

冒頭の「胸毛は三つ編みできるくらいじゃないと!」というインパクトあるセリフから始まり、笑いあり、涙あり、水戸黄門ばりのスカッと展開ありの感動作!
本当に、本当にオススメの一作です!!!

4

本能に抗う2人の焦ったい恋

現代ではバレエダンサーで、オメガに転生したセシリア 前世のこともあって恋に臆病ですが、アルファに必要以上には怯えず、我慢強い人です。
市井でセシリアに出会い、後宮で再会した使用人の母から生まれた第二王子アンドレス 王位を目指していて、自信家だけど気さくで民を愛する、かっこいいのにどこか可愛い人です。

セシリアが父の失敗のために奴隷として売られて、後宮に買い取られた先で、一度市井で身分を知らずに出会った第二王子アンドレスと再開。実は2人は運命の番だったのです。王位の継承という理由もあり、すぐに番になりたがるアンドレスと、前世の記憶から恋に溺れたくないセシリア。2人の攻防が始まるのです。



本能に抗って無理強いしないアンドレスがかっこいい!セシリアも陰湿な後宮の中でぐっと我慢したりアンドレスに言いたいことを言ったり…素直になれないだけで終始言い合ってる様がいちゃいちゃしてるみたいで良いです!アンドレスもセシリアも、独占欲が滲み出ちゃってます。

あと何より獣人の従者2人が可愛い!王子とセシリアに甘えながら、しっかりとお仕事していて偉い!2人に癒され、セシリアとアンドレスの恋にキュンもできるお得な一冊でした!

6

”絶対恋したくない!”二人の、賭けから始まる大恋愛。アクロバティックすぎるアレも見どころ

評価は「萌2」ですが神寄りです。
(「運命」よりも「運命に抗う」方に断然萌えと魅力を感じてしまう自分、、)

攻め受け二人の「恋愛」だけじゃなく、
権力闘争や移民問題なども絡めた奥深いストーリー。
だけど楽しい描写も多く、「ふふっ」と笑えてしまう
滝沢先生のお話スタイルが大好きです(*´˘`*)

レビュータイトルにも書きましたが、
今作、受けが前世でバレエダンサーだったということで
体の柔軟性抜群!!
エッチ描写が…!兼守美行先生のイラストが…!
足の角度、そんなのアリ!?って感じにアクロバティックな体勢での
エッチに挑んでいるところ、見どころアリアリでした◎(イラスト凝視)

イラストといえば、兼守先生の表紙が麗しい〜!
セシリオの肩に手を乗せて不敵に微笑むアンドレス。

作中で「次の発情期までに、私がそなたを惚れさせることができたら
番になれ」と言い放つ傲岸不遜な感じ、表紙にまるっと出ています(。-∀-)

あと、口絵が素晴らしい…!
背後に注意、書店でカバーをかけてもらうのも要注意! な
攻めフ◯ラシーンです(大感謝・:*+)


以下、簡単なあらすじと感想を...

主人公は前世でバレエダンサー、この世界にΩとして転生したセシリオ。
前世での辛い恋のトラウマと、仕事上の挫折経験の記憶を持っています。

親の営む酒場で舞を披露して働くセシリオですが、
ある日移民に絡まれた青年を助けます。

その時に感じた青年の匂いが,
何故か忘れられないセシリオ。

その後、借金持ちの父親のせいで
なんとオークションにかけられ、奴隷として後宮に連れていかれるー
といういにしえの急展開が。

しかしそこで、あの酒場で助けた青年・イケメン第二王子のアンドレス(α攻め)
と思わぬ再会を果たしー

と始まる、オメガバース世界での恋の攻防ファンタジーです。
身分差あり、獣人もいる世界観、
可愛い獣人双子も出てくる嬉しいおまけ(?)付き◎

この恋の一番の見どころは、なんといっても
そのタイトルにあるとおり

「惚れさせたいアルファ王子vs恋したくないオメガ転生者」の攻防!

早々に「運命の番」であると発覚し番になろうと手を出す(未遂)
アンドレスと、”そんなことされるなら死んでやる!”と啖呵を切って
短剣を自らに突き立てようとするセシリオ。

そんなアンドレスからの提案で賭けをすることになり、
次の発情期までに果たして、二人の気持ちは通じ合うのかー

これ、100%通じ合うとは分かっていても、
やっぱりそのプロセスにワクワク興奮、楽しいー…!٩(ˊᗜˋ*)و・:*+.

側室を侍らせるだらしのない父親を見てきたせいで、
「恋なんてバカバカしい」と思っているアンドレス。

そして前世で傷ついたトラウマから、
”絶対に恋なんてしない”と固く決意しているセシリオ。

方向性こそ違えど、二人とも「恋」というものに夢を持っておらず、
拒否感を持っているところは同じなんですよね。

で!

序盤の「賭け」の時点では傲慢さばかり見えていたアンドレスが、
その後の展開でどんどんどんどん、
ビックリするぐらいカッコ良い内面が見えてくるプロセスが胸熱…!

イケメン王子で自信家だけど、
身分・種族の違う者にも態度を変えることなく、
優しさ・慈愛を見せる姿。

無理やりセシリオを襲ってしまうことのないよう、
効き目の強い薬を体を害してまで服用していたこと。

一国の王子として、私利私欲でなく
民のために尽くす意識があるところ。

その後に続く数々のエピソードの中から、
これでもかー!!というぐらい次々とアンドレスの素晴らしい面が
溢れ出てきて、印象一変。

こんなスパダリが運命の相手だったら、
もう、恋に落ちるしかないよね...!

悪役の第一王子・ディオニシオという存在がいることで、
よりアンドレスの崇高さ、素晴らしさが輝いて見える✨

ヤンキーが雨の中、子猫を拾っていたー
それと同じような印象激変、爆上がりー!⤴︎な展開、
アンドレスに萌えに萌えました。

そして物語に”可愛さの華”を添えてくれているのが、
セシリオと共にオークションで売られていた
獣人双子のシーロとロペです。

”小さくて可愛いもの”大好きな自分は兼守先生のイラストに
ノックアウトされました。か、可愛すぎんか。
この二人が、セシリオには丁寧に話すのに
攻め・アンドレスにはタメ口なところ、笑っちゃいました(*´艸`)

要所要所で出てきて、セシリオのピンチの時にも
重要な役割を果たしてくれる双子獣人S、
好きにならずにはいられない超重要キャラクターでした୨୧

そして個人的に滝沢先生のお話を読む時に
楽しみにしているのが、先生ならでは!のコミカルな描写です。

今回も、誘いをかけてくるα除けのため、
セシリオが使う言い訳(?)が可笑しくて可笑しくて。

「胸毛で三つ編みできる毛むくじゃらが好みなんだ」
「便所掃除を済ませてきたばかりなので汚いです」

...いや、声あげて笑ってしまった〜!ꉂ(๑˃▽˂๑)


恋愛パート・攻めの魅力(♡)・可愛い獣人の子どもたち、
権力闘争のシリアス展開、そしてクスッと笑えるコミカルパート…

これらがとってもバランス良く配合されていて、
ラストまで一気読みです。

あえて、いくつか欲を言うなら。。

-攻め・アンドレス視点での恋に落ちるプロセス詳細が読みたい!
→これはもうそのとおりで、「恋なんて」とバカにしていた
アンドレスの心境変化を、攻め視点で見たいなあ、と。

-セシリオの舞の描写
→「脚を◯度に持ち上げて回して…」という動きに関する細かな描写、
とてもイメージしやすかったのですが、
「”舞”という動作の流れ」を感じる部分はやや薄かったように思います;

音楽とか、踊りとか、視覚や聴覚情報に多くを頼るものを
文字にするのは難しいんだなあ...とあらためて感じるところでした。

とはいえ。
二人の愛の証まで見られる大団円のエンディング、
「賭け」から始まる恋の胸熱展開、
ときめきながら駆け抜けた一冊でしたー...!(*´◒`*)

6

"運命"を超えた、運命の2人の身分を超えたラブストーリー

普通は運命の番に出会ってゴールですが、このストーリーはそこからがスタート。運命の番に出会ったところから始まるストーリーに終始ワクワクでした!( ´∀`)
しかも転生ものとのコラボ付き。
元いた世界でバレエダンサーだったセシリオが、この世界の人たちをそのダンススキルで魅了していく存在っていうのも、なおオモシロ楽しいです♪

運命の番といえば、番カップルの中でも超レアケースという、まさに運命の名に相応しいカップルなのはご存知の通りです。お互いに惹かれ合い、求め合い、本能のままに身体と心を重ね合わせてうなじをガブリ。そうすることで番契約が成立するオメガバースの中でも最強最高の唯一無二な存在です。
しかし、です。
この物語では、第二王子のαのアンドレスの傲慢で身勝手な思惑で、その運命の番を政争と王位継承に利用しようとするから、ドラマチックな話ではないんですよね。最初は、ですが。
恋愛に全く興味のないアンドレスに番になれと強引に迫られ、その言葉に怒りを覚えたセシリオとの惚れさせバトルのゴングが鳴り響いてからが、この物語は爆発的に面白くなっていきます。

俺に惚れたら番になってもらう。
そんな条件の下、表向きは運命の番同士として仲良さげに振る舞う2人が、いつしか恋を覚えていくストーリーは、簡単なようで簡単にはいかないもどかしさが、ああ…なんと焦れったいことか。運命に中身がないなら中身を作ればいい、俺に惚れさせてやると息巻くアンドレスの自信家なところは嫌いじゃないけど、自己都合でセシリオを振り回そうとするノンデリ発言はイエローカードです。
しかし。セシリオを惚れさせるため、セシリオの元へせっせと通う姿からは、彼が表向きだけの運命の番としてセシリオを扱っているようには見えないから困ったもんでした( ̄▽ ̄)

"ミイラ取りがミイラになった"…って感じかな。恋愛的な意味で(笑)
運命の番を求めていただけのアンドレスが、"運命の番"ではなく、セシリオ自身を求めていくのは時間の問題です。というか、アンドレスの態度はめちゃくちゃ分かりやすいので、深く考えずとも答えは簡単でした。
運命なら誰でも良いわけじゃないってところに辿り着いていくアンドレスの気持ちと、アンドレスの気持ちを今ひとつ推し量れない恋愛臆病者のセシリオとの間に生じる切ないすれ違いは、両想いなのになんでこんなにシンドイのって思いでいっぱいですが、"運命の番"という関係に理由と根拠をつけていく過程では、そのすれ違いもまた大事なエッセンスなんですよね。
そもそも最初があんな感じでしたからね、リカバリーが大変…。
他の登場人物たちにもちょっかいを出されながらも紆余曲折いろいろありありでしたが、彼らが少しずつ心と心で繋がり合っていく関係を築いていく姿は、運命のカタチそのものでした。


最初こそアンドレスの態度は、は?って感じでしたが、どんどんカッコ良さが増していくのでそこの変化に注目しながら読んで下さいね。セシリオの華麗なダンスシーンも挿絵と共にお楽しみ下さい♪
中身のない運命に翻弄されながら、互いの想いに触れて本物の運命を掴み取っていく2人が素敵でした。運命を超えた運命以上の彼らの愛に、盛大な拍手を送りたいと思いますヽ(´▽`)/

6

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