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小説


「アルファの耽溺~パブリックスクールの恋~」シリーズの5作品目にあたる一冊です。
大好きな作品なので、新作を心待ちにしていましたが、今回の作品も、とてもよかったです。
サフィール王国第四王子、エドモンド校アントニウス寮の寮長のターミル・ビン・アフマド・カーミディと、エドモンド校アントニウス寮の副寮長で、ターミルの異母兄の学友の海堂 佑真とのお話と、調教ショーの男と、海堂 佑真とのお話が収録されていて、読みごたえがありました。
王子様のお話で、スケールの大きなお話ではありますが、テンポよく話がすすむので、たのしくよめました。
続きがたのしみです。
素晴らしい表紙ですよね・・笠井先生の描かれる絵はほんと素敵。受けに翼がありますが、別に天使ではないです。真面目、ちょっとにぶちん?な美人さんを、なんとか守り抜いてくっつくというお話。このシリーズ内では一番イケイケじゃない、現実路線な気がします。第四王子だからかな。本編240Pほど+あとがき。
エドモント校アントニウス寮で、サフィール王国第三王子ハムディ(マンスフィール寮)の学友を務めている佑真。ベータであることが判明してから素行が悪くなってきたハムディに困っていたのですが、父親からはサフィール王国とのコネクションは維持するように言われていて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ハムディ(第三王子)、サリファ(ベータ、ハムディの恋人)、ハムディの学友少々、ブライアン(前作攻め)、デイビス(攻め親友)ぐらいかな。御位所さん(1作目受け)もちょこっとご登場。
++攻め受けについて
受けは無色透明、キャラ的に変なところは無いですねーオメガだけど、発情して困るというシーンはメインではないし。真面目で、なんとかハムデイ卒業まで耐えようという印象。
攻めは昔から受けが大好きなんだけど、第一王妃の産んだ第三王子が意地悪したら嫌なので、受けにあまり接触しないようにしていた忍耐の人。キングになるべく、頑張ろうとしておられましたが、超策略をあれこれ構えているという印象は無かったです。受けがピンチの時はちゃんと助けているので行動力はありますね。
攻め受けともそんなシンクロしなかったんですけど、ボート祭り(真剣勝負)やキングの選挙のお話等、パブリックスクールならではの雰囲気を味わえて楽しかったです。ボート漕いでいるのは一度見てみたいなあ。
あ、コミコミさんの特典小冊子、良かったですので、ここに一言だけ すいません記入しておきます。二人でクリスマスマーケットにお出かけするお話です!
いいなあ革の手袋・・・ほちい。
ゆりの先生のこちらのシリーズ、大好きです。
今作も、攻めの愛、そして受けのピンチ&救われ方もスケール大、の
英国パブリックスクール物語を存分に楽しませていただきました。
評価は神寄り。もしかしたら後で変更するかもしれません。
(十分満足ですが、萌え度としてはちょっとシリーズ他作よりも
控えめだったため)
こちらはシリーズ5作目。
一応、順番としては「アルファの耽溺」→「アルファの執愛」→
「アルファの寵愛」→「アルファの渇愛」、そして今作「アルファの灼蜜」となります。
シリーズものですが、それぞれ単体でも読めます。
が、それぞれの作品に既刊作のキャラが顔を出したりしていますので
個人的には順番通りに読んでいくのが一番、萌えも読み応えも満足感も得られる気がします☺︎
あと今作に関しては、これが(シリーズ)初めて!という方が
スッと入っていくのにはハードル高いかな?と思いました。
名門パブリックスクールのイベントやらキング制度やらを一から頭に入れ、
次々起こる派手な事件を追っていくのは大変そうかな?と(あくまでも主観です)。
で、やっと御本の感想に入る前に一点だけ。誤植についてです。
P.47「ターミルの顔が...」から3文が2度繰り返されており、
読んでいてあれっと思ったところでした;
ここからは本当に今作の感想を。
まず、、ああーーーー表紙が麗しい!!
と興奮しながら御本を開き、口絵の可愛らしさに悶絶。
二人が初めて出会い、ターミル(攻)が一目で佑真(受)に恋に落ちた日のイラストです。萌え転がってしまう...
今回、受けの佑真が何度かピンチに陥るのですが、
闇オークションに水牢責めに…とやり方が派手だし、
ターミルの救い出し方もヒーローっぽくてハリウッドぽくて
個人的に「いいぞー!もっとやってやって!」と興奮しきりでした◎
同じ寮の同級生であるターミル(α)と佑真(Ω)。
ターミルは初めて出会った時から佑真に恋しているものの、
自分の気持ちは内にとどめてきたー
というのも、佑真はターミルの異母兄であるハムディの学友であるため。
優秀なターミルを目の敵にしているハムディにこの恋心がバレれば、
弱みと受け取られ確実に佑真が危険な目に遭う。
愛しい人を守るため、あえて自らは近づかない道を選んできたターミルですが、
ある事件をきっかけに考えを変えることに。
佑真を手に入れ、守り抜くことを決意しー
と続きます。
まず何より、攻め受け二人のキャラが良い!!
佑真への溢れんばかりの愛が伝わってくるターミル。
自信と才能、実力を全て兼ね備えた彼が、
唯一佑真へは文字どおり跪き傅くのですよね...うっとり。
佑真がどんなピンチに陥ろうと必ず救い出してくれる、
駆けつけてくれる。
目指していた”キング”の座を放棄することになろうとも…
ゆりの先生もあとがきに書かれていた肩書き、
「初めての”キングにならない攻め様”」、
その道を選んだ覚悟が男前すぎて痺れました。
初めは佑真の身を案じ、陰で見守ろうとしてしていたのに
いざ”表に出る!”と決めてからはあっという間に佑真を囲い込んで行く
一流ハンターなところも、大いに心を沸き立たせてくれました。
対する受けの佑真も、結果的にいつも
ターミルに助け出されてはいるのですが(笑)、
決して”助け待ち”の姿勢でいるわけではなく。
どんなピンチでも冷静に頭を働かせ、
自分の頭で考え行動できる精神的な強さが魅力の、麗しい受けでした。
ストーリーの方も、ハムディによって次々と仕掛けられる罠、
国を跨いだスケールの大きな救出劇に身分差のある一途愛が
ハラハラドキドキ感をおおいに高めてくれ、
ページをめくらずにはいられない面白さ。
ラブ面で言えば、ターミルの長年・積年の想い、
恋心の芽生え〜それがどんどん大きくなっていく様子を
個人的にはもっともっと見たかったかな?
個人的に、恋心を拗らせた攻めが大好きなので...
とはいえ。
王族でありながら跪いて愛を乞い願うターミル、
それに愛をもって応えた佑真のロマンチックな恋物語、
存分に味わい楽しみました。
悪役がドッカン!と成敗されるの大好きですが、
この作品では悪役にも”愛による救済”が待っていたことに、うるり。
こっちの二人の「これから」も、なんだか無性に気になります。
ターミルが「キングの座を諦めても、佑真を救いに行く」と
決意するのを後押ししたアントニウス寮の面々の熱い言葉・熱い結束がまた、
とても印象強く心に残りました。美しかった...✨
ゆりの先生、今回もまた素敵なオメガバース×パブリックスクールのお話を
ありがとうございました。
第6作、第7作...と、ずっとずっと続いて欲しい大好きなシリーズです☺︎
『アルファの渇愛』で、脇役ながら大きな存在感を放っていたターミルのターン。
ターミルは、前作の渇愛の方では"カーミディ"の名で度々登場し、レックスと瑠衣にチャチャを入れるよき見守り役だったのを覚えている方も多いのではないでしょうか^ ^
キングであるレックスの悪友であるアラブの王子さまは、キングのポジションにこそ就けなかったものの、そのカッコ良さはキングに匹敵するほど。皆から憧れられる容姿と体躯を有するターミルは、まさにザ・アルファです。
王族という出自の良さを始めとし、エドモンド校生としての品位、周囲を惹きつけるカリスマ性、冷静に物事を見極める知力、狡猾な根回し調整力……などなど、アルファとして申し分のないスパダリスペックです。
愛する運命のオメガ・佑真のことに関して言えば、求愛力もそこにプラスされますので、向かうところ敵なし。オメガバースにおける王道のドラマティックラブストーリーをたっぷりと堪能できるストーリーなのは間違いないでしょう。
佑真の仕える主人が、ターミルを敵対視するターミルの異母兄・ハムディということもあり、彼らの想いが報われるにはかなり困難な道のりです。
というのもですね、ターミルとハムディとの兄弟関係と、佑真とハムディとの主従関係が2人の恋愛成就を阻む最大のハードルで、これがなかなかに厄介だからです。もーーー…諸悪の根源のハムディが気持ちが良いほどのクズで、見てるだけで吐き気がしました。
ターミルの方では、兄弟関係の立場っていうものがあって、報復するのは簡単ではないし、また。佑真の方は親の事業を握られているもんだから強くは出られない。双方に繋がる複雑なパワー関係が、この2人の恋愛模様を焦ったくさせています。
佑真がハムディの策略にハマり、腹パンさせられたり、薬を盛られたり、怪しいショーで陵辱させられたり、水責めで溺死させられようとしたりと、まぁ嫌がらせが酷いもんです。
それをターミルが助けにくるので無傷っちゃ無傷で守ってくれるけど、ハムディの怒りの矛先が佑真に向けられているぶん、兄弟バトルというより弱い者イジメのように見える構図は何とも言えないやるせなさでした。
マジこいつ、早く詰んでくれよと何度願ったか。。。
やることが全部裏目に出るので後味は悪くはないけど、いつも佑真が割を喰らっているので、何か奴が仕掛ける度にため息が出ます……
でもそこはやはりアルファ。やられたら倍返しでやり返す、半沢の精神でズバッと断罪ルートへと落とし込むターミルの手腕はさすがでした。
自分で直接手を下すのではなく、周囲に裁かせるやり方は腹黒が見え隠れしていて、そんなところも良き^ ^ キング最有力候補になるだけのことはあるなと、ターミルの周りを固めていく手腕には惚れ惚れしました。
アラブの王子らしいターミルの一途でひたむきな愛は、砂漠の灼熱にも負けない情熱的なオーラを放っていました。
このシリーズ作品は、どれもアルファがアルファらしくて王道の良さを感じさせてくれるのがいいですね。しかもパブリックスクールという、独特な学園事情も余計にドキドキ感を煽られました。
あと、結構な割合で家族が恋愛に絡んでくるお家事情も各シリーズ作品それぞれで面白い。今作は兄弟でしたが、断罪されたクズな異母兄にも有り難いことに救済エンドが設けられているので、そこんところにも注目して読んで欲しいなと思います。
