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きみがいるなら世界の果てでも

kimi ga irunara sekai no hate demo

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表題作きみがいるなら世界の果てでも

東海林達彦・ルコの面倒見の良い恋人で美術商の次男
二木了・マニア受けするマンガ家(ルコちゃん)

あらすじ

俺のせいで東海林がダメになっちゃう!? ルコちゃんという愛称で人気上昇中のマンガ家・二木は、恋人同士となった今も変わらず、いっさいの面倒を東海林に見てもらっていた。お互いそれで良いと思っていたはずの関係だったが、次々と東海林にアクシデントが起きる。さらに高校時代、二木の世話を焼いていた男・甘利が現われ……。きみがいなけりゃ息もできない――そんな二人の行き着く先は? マンガ家シリーズ最終巻!! オール書き下ろしv
出版社より

作品情報

作品名
きみがいるなら世界の果てでも
著者
榎田尤利 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
きみがいなけりゃ息もできない
発売日
ISBN
9784862634504
4.2

(88)

(50)

萌々

(17)

(14)

中立

(5)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
22
得点
365
評価数
88
平均
4.2 / 5
神率
56.8%

レビュー投稿数22

スパダリがやさぐれたムサいオッサンになってしまうところが好き

「きみがいなけりゃ息もできない」のコミカライズから入り、小説にまで辿り着きました。
てっきり恋人同士になった二人の甘々編を堪能できるかと思いきや前作を上回るくらいの試練が待ち構えていて、この作家さんって一筋縄じゃいかないなーと思ったのが一年前。
(今、何冊か榎田先生の作品を読んでみてわかったのは、そんな生っちょろいラブラブ編を期待するほうが間違ってたという事。)

初読時が今度こそ甘いケーキかと思って食べたら、下手すると前作よりも途中が塩辛くてなんだこれ……という読後感だったにも関わらず、その後も何度か読んでます。
そして初読時は「萌萌」くらいだったのが、一年かけて読み返すうちに「神」に
変化していきました。

だって面白いんだもの。

前作では、東海林から愛されている事に無自覚だったルコちゃんが「きみがいなけりゃ息もできない」と気づくまでが描かれていたけれど、本当の意味で「きみがいなけりゃ息もできない」のは東海林だったんだなぁというところがニヤニヤしちゃいます。

東海林に全てをおんぶに抱っこの愛され人形みたいだったけど、それではいけない、このままでは「自分が東海林をダメにする」という事に気づいたルコちゃん。
そこからルコちゃんなりに何とか頑張ってみようとするも全てが裏目にでて、ボヤは起こすわ、東海林に怪我を負わせてしまうわ……と役に立たないどころか自分が疫病神であると思い知らされる。

東海林のことを愛しているからこそ、自分が東海林を貪りつくしてダメにしてしまう前に別れようと決意するくだりが痛々しい。

そして高校時代に面倒を見てくれていた第二の東海林とも言うべき先輩に拾われてしまうルコちゃん。


あの東海林がまさかのルコちゃんに捨てられてしまい、やさぐれた無精髭のムサいオッサン化してしまうところ、大好き。
いつもスーツをピシッと着こなしているスパダリ東海林が、ルコちゃんに去られたダメージで、仕事をさぼり、髪の毛ぼさぼさ髭ボーボー、風呂も入らず、ゴミ溜めと化した部屋の中で、ただひたすら呑んだくれてやさぐれてる姿のおいしいことよ(笑)
落差が激しすぎて、ほんと好き。

それを一喝し発破をかける茜姐さんがこれまた好きだし、この作品の中で一番心に残るのは彼女の「格好いい失恋なんて、ないもの」という言葉。
そーだよねぇとしみじみ思います……。

個人的には、茜姐さんに発破かけられたように「みっともなく取り縋って泣く」東海林を見たかったなぁ。
それがあったら最高だった。

第二の東海林みたいな甘利という当て馬が登場するんだけど、彼もルコちゃんのお世話に関しては東海林と引けを取らない。
だけど漫画を描く事がそんなに辛いならやめたほうがいいと言う甘利に対して、「どんなに苦しくても、なにがあっても続けろ」と言う東海林。
この時点で勝負は決まったなというか、ルコちゃんよりもルコちゃんのことを理解している感が流石だなぁと思います。

「きみがいるなら世界の果てでも」というタイトルに絡めた着地点も良いし、お互いにどっちが欠けても生きていけないというのを確認しあうのに、この巻は必要だったんだなと思います。
どっからどう見ても立派な共依存カプなんだけど、病みを感じさせないところが好きです。

2

愛ゆえのすれ違い。愛ゆえの驚くべき進化!

前作の『吸血鬼には……』を読んだ後にこれを読むと、
そのギャップにやられる。
なんかもう愛があまりにも溢れまくってて、
始終にやにや、きゅんきゅんしつつ読破しました。

最初から最後まで、
東海林もルコちゃんも
ぞっこんのベロベロに惚れ合ってて、
想い合ってて、ラブラブなのです。

心底惚れ合ってらぶらぶゆえの、
大きな大きなすれ違い。

ホント、ルコちゃんってばバカだよね。
バカだけど、一生懸命に愛して、考えて、行動して、
そして踏み外す!
いつもなら、絶対に私は苦手なキャラなのに、
もうこの人は愛おしくて仕方ない。
邪心が全くないからなのかな。

そして東海林もバカだった!(笑)
意外と小さい男だなと。
でも、そこがまた、人間らしくていい。
(今は)完璧なスパダリじゃないところがいい。
きっとこの後、
東海林は無敵のスパダリに成長するでしょう!

お互いに欠けたところを補い合うように、
凸と凹が重なるような二人が、
紆余曲折をへて、互いにまた一回りも二回りも進化する物語。
ルコちゃんも東海林も。

そんな東海林とルコちゃんの心情が交互に描かれていて、
それがまた切なさ倍増!

なにより今回も、(あえて「今回も」と言わせてもらおう!)
茜さんがイイ所持ってったね!

そして意外だったのが、
甘利先輩が思いのほかいい人だったこと。
ホント、最後まで読んだら可哀相になってきた……
甘利先輩が幸せになる番外編とか、SSとか、
書いて頂けませんかね、榎田せんせい……

とにかく最初から最後まで、べたべたに愛に溢れていて、
評価は文句なく、「神」!

1

成長したルコちゃん

漫画家シリーズ最終巻。

漫画の仕事量が増えてきた二木ですが、相変わらず生活能力は低く東海林に世話を焼いてもらっています。
恋人兼マネージャーのような東海林は、本業の美術商の仕事も忙しくなり生活に追われはじめます。

自分のせいで東海林がダメになることを恐れ、少しでも自立しようと掃除や料理にチャレンジする二木が健気でよかった。(ルコちゃん成長したな~)
でも度重なる失敗に心が折れた二木は、東海林から離れ甘利先輩の元へ。
ほんと二木は生き方まで不器用で可哀想になってしまいます。
相手を第一に考えるあまりすれ違ってしまった二人に胸が痛みました。

でも最後はブルックリンで笑ってしまい、楽しく完読でした。
また読み返したいと思える作品です。

2

守る愛から育てる愛へ

漫画家シリーズ最終巻です。
割と軽めでエンタメ色の強いシリーズだと思ってましたが、ルコちゃんたちに予想外に大きな波乱が起きてしまいます。

前回は無事にくっつくまでのお話。なぜ惹かれあうのかの部分はあまり掘り下げられていなかったのを、今回しっかり掘り下げてありました。それぞれがラブコメ的な好きではなく、もっとしっかりと自分の気持ちに向き合っているのです。
榎田さんお得意の愛のムチをぴしりと効かせ、東海林もルコもキッチリ追いつめられています。ぼんやりしたルコちゃんから本音を絞るとるにはここまでしないとダメなんですね。
そして優等生である東海林も然り。とことん追い詰められないと本音に気づかないという点で似た者同士だったんですね。だからこそ、恋人からパートナーへと昇格するためにはこんな試練が必要だったんでしょう。こういうことでもないと何年でもそのままの関係を続けそうですもんね(笑)

ルコちゃんを叱咤激励するかのようにシリーズの他カップルたちがゲスト出演しているのも最終話ならでは。それぞれのカップルの日々が窺えました。
大波を乗り越えてルコちゃんもこれから成長していくんじゃないかな。東海林も甘やかすだけでなく、ゆっくり温かく育てていくんじゃないかな。甘ったれは変わらなさそうだけど、そのうちいつか東海林が困った時にはルコちゃんがお世話をしてあげられるくらいになっているのかもしれない。そんな期待が持てるラストで安心できました。

1

茜姉さんと呼ばせて下さい

漫画家シリーズ最終巻ということで、他の作品の主役たちもちょこっと脇役で登場しています。
ただ、このカプでの前作「きみがいなけりゃ息もできない」さえ読んでいれば、他の3冊は読んでいなくてもストーリーは理解できるようになっています。

相変わらず生活能力ゼロのルコちゃんなんですが、今回はちょっと無理をしてしまいましたね^^;
そのせいで自分も東海林も苦しめる結果になってしまいます。
詳しいお話は他の方もレビューされているので書きませんが、今作もたくさん切ないシーンがありました。
そして切なければ切ない程、2人のラブラブなシーンでは萌え度が上がっちゃうんですよね。^^

そしてこのシリーズの影の立役者、茜さん。
出番は多くないですが、前作に引き続き、非常に重要な役割を果たしてくれてます。
このカプのシリーズの登場人物たちの中で間違いなく一番男前だと思う(笑)。
今回もヘタレた東海林にカツを入れてくれて、茜さんがいないとこのカプはダメなんじゃないかと思う程です。3人で1組にしたい(笑)。
こういう女性キャラならBLで女性キャラが苦手な方も大丈夫だと思います。

3

今回の主役は…

 相変わらずのルコちゃんの部屋、少し目を離しただけで惨状になってしまう中、出張から帰ってきた東海林は、ルコちゃんとお風呂に入っているときに、足を滑らせてしまうのです。それだけではなく、ぼや騒ぎ、東海林の兄の忠告など、このお話では東海林にかなりの試練が待っています。

 ルコちゃんの高校時代の先輩である甘利と一緒に住むようになってからも、確かに東海林と暮らしていたときよりもいい暮らしなのに、なぜか萌えなかったのです。

 東海林と暮らしているときの方が、周囲からの風当たりであったり、ハプニングだらけなのに、それでもなぜか楽しくって、そして二人の恋愛模様に萌えるのです。


 ピーマンは嫌い、ツナ缶の蓋を舐めようとするところ、自立に憧れるところが、本当にルコちゃんらしくてつぼでした。最後に、東海林と一緒に旅立つ先をずっとフランスだと思っているのも、本当にルコちゃんらしいです。でも、タイトルのとおり、二人が一緒だったら、どこだって幸せ、コミカルなお話でおもしろかったです。

1

かんわい~ルコちゃん

ルコちゃん馬鹿だなっ…東海林から離れてみようなんて
でも2人の思いを再確認。これぞ割れ鍋に綴じ蓋 ですね

1

漫画家シリーズ完結

今回は東海林が怪我をしてしまってから二人の間にアクシデントが続けておこります。
ニ木は自分のせいで東海林が駄目になるんだと同じ漫画家のりつに言われ頑張るが空回り。しまいには慣れない家事をニ木がしてボヤを起こし東海林がニ木を庇い骨折してしまいます。
東海林が入院してる病院でニ木が東海林の兄から東海林が嘘をついてまで自分に居てくれたこと,自分が東海林にとって良くない存在なんだと思い,東海林のために身を引くんです。(その時あて馬の先輩とニ木が寝てしまう所はいただけませんでした)


東海林は生きる意味を無くしたかのように周りもびっくりな駄目人間になるんですが,私はそこを読んで人間くさくていいと思いました。


ニ木はニ木なりに考え東海林を想い行動しているのが可愛いく見えてしまいました。
前回ではそんな幼稚な所にイライラしたりしたんですが今回は何でそんな風に考えてしまうのかが分かりニ木に好感が持てました。
東海林もニ木を駄目にするんだよ!とか思ってたのですがニ木を失ったときの東海林の荒れップリを見て,
あ~東海林もニ木が必要なんだなぁ~…と。
東海林の一方通行のギブandギブではなく二人の中ではちゃんとギブandテイクになってるわけですね。
前作を読んだ段階では感想は【中立】だったんですが今回のを読んでニ木と東海林の関係が可愛いく見えて楽しく読めました。

漫画家シリーズは全部読んだんですが一番好きなcpになりましたwwww

2

うおっ、まさかの爆弾発言!!

もう、ふたりともしゃきっとして!!周りに迷惑かけるでしょ!!

続編、続編vv
相変わらずの2人に今回はなんと別れ話?!
東海林に面倒見てもらってる二木。
たまには自分も…と思ったことが間違いだったのか?!(気持ちは嬉しいよね)
東海林に怪我をさせる始末。
自分のせいで東海林が駄目になると二木の方から離れていってしまう。

その二木を拾ってくれたのが先輩の甘利でとにかく二木を甘やかす。
東海林とは正反対とでもいえばいいのか?楽な方に楽な方に導いてく先輩。
でもこれからどうなるんだ?と思ってると東海林が壊れた…

二木に捨てられて今度は東海林がボロボロ。
相手がいないと生きていけないのは二木よりも東海林??
普段ビシッと決めてる東海林が、東海林が…
だけどそこに東海林の見合い話。って相手はあの茜さんでしたが。
勿論お見合いにはならずに、ボロボロ東海林の姿をみた茜からの叱咤。
もう凄くいい女に見えましたよ茜さん!!
そうです「かっこいい失恋」なんてありませんものね。

二木に自分を捨てないように泣いて縋る覚悟ができた東海林ですが
その間にも二木の方だっておかしくなってる。
東海林がいない二木はやっぱり二木じゃない!!
そうして生きるか死ぬかじゃないけれど、最後に本能的に求めたのは東海林。
周りを振り回すだけ振り回して元鞘ですよ。
やっぱりこの2人が落ち着きますね。

そして最後は2人でイタリアへ渡るそうで…
まっ、何処にいても2人一緒なら変わりませんよね。

2

やっぱり茜お姉さま!!

前作ではルコちゃんの汚部屋っぷりに大笑いしつつ、本を読んでる自分の部屋とそんなに変わんないよね・・・(でも生ゴミと虫は居ません!)遠い目をしつつ切なくなったりしましたが(笑)

二人がくっついてからの続編ということで、わっくわくして読みました。
東海林がすっごい不憫なのは、大変だなぁと思いつつ、とても楽しかったんですが、ルコちゃんが「自分が居たら東海林が苦労するだけだ」って、離れるシーンも切なかったんですけど・・・
切ないぶん、高校時代の先輩のところに頼っちゃうのかい・・?いいのかい?と思ってしまう部分があって、ちょっとモヤモヤしてしまいました。(^^;)

頼りにする宛てが、東海林から先輩に変わっただけなんじゃ!?とか思っていたのが、もう一度読むと全体がわかっているからか、モヤモヤがそんなに感じなかったです。

ルコちゃんが雨に打たれながら行く先が無くて、東海林に会いたいけど、自分の存在は東海林を駄目にするって自分で自分に呪いをかけている様で、痛々しかったです。
そんな時に誰かが手を差し出したら、判断つかなかったり頼るのも無理はないかなぁ~と。

東海林は、彼は彼で ルコちゃんがいつも自分を追いかけて来るもんだって思ってる部分があって、頼って甘えられて、必要とされることが当たり前で、それに応えることで自信とか、存在意義を得ていた部分があったように感じがしました。

本当は好きで好きでどうしようもなくて、側に居てほしくて、必要としていたのは自分だった。でもそういう部分を自覚して認めて相手に伝えるのは難しくて・・・

そこで前作でも格好良く、素敵な茜お姉さまがビシっと一喝してくれたのが、気持ちよかったです。言葉の一つ一つが凄く東海林のことをルコちゃんのことを考えてくれていて、格好良かったです。やっぱり茜さんがこの作品の中で一番好きです(笑)

格好良い失恋なんてないもの。という台詞の中に、綺麗で楽しいだけが恋愛じゃない。という言葉も含まれている様な気がしました。なので、みっともなく泣いて縋る東海林が見たかったんですけど・・・(笑)でも二人があの部屋に帰っていく姿はとても素敵でした。

とりあえず二人は先輩も含めて、お世話になった(迷惑を掛けたとも言う)人たちに、お礼とお詫びをしに行って下さ~い(笑)ルコちゃんの漫画を、いつか先輩が手に取ってくれるといいなーと思いました。

3

お幸せに!

ふたりの前のお話「きみがいなけりゃ息もできない」のタイトルも
今回のタイトルも結局お互いが必要なんだよね、っていう
まさにルコちゃんと東海林を表しているタイトルですよね~。

あとがきで榎田さんも書いてましたが
今回は東海林が気の毒な目にあってます。
ラブラブしようとしたら、風呂場で滑って鞭打ち
ルコちゃんを救出して小火を回避したと思ったら骨折
自分は東海林の負担になるとを感じたルコちゃんには振られるし
しかもルコちゃんの高校の先輩ってひとに取られてるし!
あらららら、とっても気の毒な感じです。

振られた後、東海林が茜さんとお話をしながら
自分の気持ちに気づいていくところは
・・・綺麗過ぎるのかもしれないけどよかった。
自分の弱さを受け入れるってすっごく勇気のいることです。
「格好いい失恋なんて、ないもの」

東海林はやっと見ようとしなかった自分雄気持ちに気づくわけですが
それを伝えようとしたらルコちゃんに先越されちゃうんですよ。

もうそれは最後まで・・・。
なんていうか、ちょっと情けないというか
カッコつけられない東海林さんなのでした。
でも大丈夫、ルコちゃんはこんなこと気にしない!
そして、榎田さんの愛ゆえだと思いますよ。(笑)

東海林の情けなさばっかり書きましたが
ルコちゃんも辛い気持ちをいっぱい味わいました。
東海林が一番大事っていう気持ちだけで、
それゆえの行動だったも切なかった~。
っていうか健気!!(ちょっとずれた行動だけど)
すれ違った気持ちが、通じ合えて良かったね!
最後はお約束のハッピーエンドです。
お互いがいれば大丈夫。そんな幸福。
お幸せに!!

ところで私、円陣さんのイラストが好きです。
知らない作者さんでも円陣さんがイラストを付けていると
思わず手にとってしまうくらいには好きです。
今回はルコちゃんの表情がすっごく良かった~。
特に朦朧としながらも東海林に電話を掛けるイラストの
ルコちゃんの切なく苦しく、でもどこか嬉しそうな表情が素敵でした。
この記事書いてる間も、東海林の気の毒っぷりは
どの辺だったかな~と探しながらも
電話のイラストのところで何回も手を止めては見入ってしまいました。
いいなぁ~素敵だなぁ~円陣さんのイラスト好きだなぁ。

お話もイラストも堪能いたしました♪

1

完結

面白かったです。
言いえて妙ですが、わりと完璧な東海林(攻)が実はヘナチョコである。
という証明だったような気がする( *´艸`)クスクス

晴れてカップルとなった2人。
ダメっこな漫画家ルコちゃんと、世話焼き体質の東海林。
2人のラブラブ生活。互いに依存し合っている2人。
どちらかといえば、ルコちゃんの方が世話焼かれて、面倒みられて。
親鳥とヒナな関係のように愛をはぐくんでみえた。
東海林自信、ルコちゃんが自分に依存してくれるのが当然で、心地良いと感じていた。ところが、突然ルコちゃん「巣立ちます」宣言。
え。。。。え!?・・・ええ!?!?頼んでませんけどっ!?
な展開が面白かったです。
そんなところで頑張らなくいい。
好きな漫画だけ描いていればそれでいい。
最低限のことさえしてくれれば。
あとは俺が全部めんどうみてやんよ!な東海林。
けれど、ルコちゃんは、それでは東海林をツブしてしまう。
仕事も私生活も、もうすこし自分がしっかりしなければと奮闘するわけです。
東海林のために、東海林といるためにと頑張る姿が健気で可愛いのですよねぇ。案外大人なのはルコちゃんのほうだと思ったのは私だけじゃないハズ。
どちらかといえば、大人になりきれないのは東海林。
今回そんな風に思ってしまいました。

だからヘタレ!言われるねんっ←主に私にw

無精ヒゲ。
ルコちゃんを失って、仕事もサボり、風呂もサボり、身だしなみの手入れもサボり。酒に飲んだくれて部屋は埋まり放題。
ダメダメな東海林。意外と髭面は似合ってたとおもう。
すかしたいつものより好みですwwwウハw
そんな東海林が、茜さんに、こっぴどくしかられるシーンが好きでした。
泣いて縋ったのか?必死で捨てないでくれと言ったのか?
いつもルコちゃんが泣いて縋ってくると思ってる東海林。
キャラじゃないと強がって~な部分。
あぁ・・・・なぁ・・・と思ってしまった。
けどココのシーンが好きでした。

ラスト。
個人的には、泣いて縋る姿の東海林が見たかった!!←悪
ルコちゃんに可愛い、可愛いされればいいっ

まぁ何にせよひと波乱。
キュゥンと来た。面白かった。
歴代漫画家シリーズのメンバーもちょっぴり登場で
懐かしい気持ちにもなれたし。
一番かわいそうだったのは、先輩だろ~な~な今回でした。

1家に1人東海林。
先生、「ルコちゃんになる!」と部屋を片付けるとありましたが。
すでにルコちゃんだったらどーしたらいいですかね・・・

5

こんな恋人(攻め)が欲しいという一腐女子の僻み

なのかと考えつつ以下レビューです。辛口…

二木の行動を一生懸命なのに空回りしてて可愛いとみるか
さすがにダメすぎでしょうと呆れるかで評価が一変してしまいそうな本作。
残念ながら私は後者でした(泣)。

東海林のために頑張るという二木の一連の行動の根底に、なんだか「たとえ迷惑掛けたって東海林のためにやってることだから最終的にはOK」という甘えがある気がして素直にいじらしくて可愛いとは思えませんでした。
相手のためを思っての行動なら結果はどうでもいいってもんじゃねえぞ、と。
東海林に依存しすぎな自分を反省して離れるも新たな依存先は確保してるし。
わがままな受け(攻めでも)が可愛いのはお互いの暗黙のルールの範囲内で節度を持ってわがままをいうからであって、相手や周囲の人々を思いやれず傷つけるわがままは最早ただの自分勝手なのでは…と思います。

とはいえ二木が一生懸命なのは確かですし、東海林もそんな二木を可愛いと思っているんですから当人達は充分幸せなんですよね。
きっとしっかり者の二木なんて東海林は物足りないし!

ただやっぱり周りの人たちにあまり迷惑は掛けないほうが…とむにゃむにゃしてしまいました。

5

アホの子好き

アホの子は好きなんですが、続編はバカな子になっちゃって残念。
続編なんてやめておけばよかったのに。
でも、攻めのダメな人っぶりはよかったです。

2

タイトルに絡ませたセリフ使いの妙

前作でルコちゃんの魅力に取り付かれてしまった私。
冒頭の汚部屋描写に大爆笑スタートでした。
「今回もルコちゃんのダメっぷりが見れるのか!?」
と思いきや今回はルコちゃんが家事に奮闘するんです!
それもこれも東海林のためなんですがやはりその頑張りは裏目に出てしまい・・・それでもなんかルコちゃんを憎めない私も東海林には負けるものの、相当ルコちゃんに参ってます笑

前作「きみがいなけりゃ息もできない」はルコちゃんがこのタイトルのようなセリフを言うシーンがとっても感動したのですが、今回の「きみがいるなら世界の果てでも」は東海林が、このタイトルのようなモノローグを言うシーンがあり、やはりそこにじーんときました。
「たとえ世界の果てにいようと問題ない。二木と共にいる限り、東海林の幸福はそこにあるのだ。」
タイトルとセリフを絶妙に絡ませているところに面白さが倍増されています。

1

馬鹿は何もしないで愛されていろ

家事生活能力ゼロの漫画家・二木と
すべて出来る東海林のお話続編です。

相変わらずの汚部屋スタートw
晴れて恋人同士になった二木と東海林。
恋人同士になったという甘えも加わり
二木の東海林への依存は増すばかり・・・

楽しみにしていた旅行が流れたぐらいで拗ねたり
まあ背景には幼少期の傷もあるのだろうけど
それにしても女々しくって女々しくって女の腐ったやつみたい。

前作でやっと漫画で飯が食えるようになった二木。
今作では家事をマスターしようとするのですが
ほんとに驚異的なダメさ加減OTZ
これも幼少期のトラウマとかもろもろ絡んできてるのはわかる。
わかるけど、すべて親のせいとか環境のせいにしてはいけないよね。
あきらかに二木自身に問題があるんだよぉー!

前作では東海林の過保護が二木をダメにすると思い
東海林がいったん引きましたが
今作では二木の依存が東海林をダメにすると思い
二木が引く・・・
また二木は東海林への依存をやめるために新たな男に依存する。
東海林のためにと二木は考えて考えて行動するけど
結局、すべて東海林を傷つけてる始末。
家事にせよ恋愛にせよ、馬鹿は何も考えずにただ愛されていろ!
と、思ったよ。
成人してる男がここまで、だらしがないとイライラする・・・

まあ、この二木の愚行により
東海林も実は、相当の依存型人間だということがわかる筋書きなんでしょうが
ダメだー。
二木を愛せないOTZ

ほか漫画家シリーズのメンツも総出演で集大成といった感じでしたが
あまりにも自分勝手な二木。
それでも二木が大好きな東海林も相当だなw
割れ鍋に綴じ蓋、ふたりがそれで良しなら良いんだろうけど
他人を巻き込む二木のやり方はあまり好きじゃない。
ピュアなところが二木の専売特許だと思ってたのに
ピュアというのが悪い意味で発揮されててあまり好きなピュアじゃなかった。

5

不健康…でも健全な供依存

萌萌萌(MAX:萌萌萌:神に近い)
お世話係り兼恋人で美術商・東海林×生活能力皆無の漫画家二木(通称ルコちゃん)の、「きみがいなけりゃ息もできない」の続編。
ハイパーダメっ子を世話する保護者、おんぶに抱っこのそんな二人が無事恋人同士になれた前作。
今作は「俺のせいで東海林がダメになっちゃう」と思い込んだルコちゃんが、東海林を振り回してます…半分自業自得だけど。笑

前作はかろうじて保護者の域のお世話ぶりだったんですが、冒頭から読んでるこっちが恥ずかしいよ東海林!と言いたくなる甘やかしぶりでしたね。
お風呂に入れてやりつつリンゴジュースを飲ませてやる場面で、東海林の凄さを実感しました。
まともな食事をしていないだろうから糖分補給させねばと用意したのが、水じゃなくてリンゴジュース!しかもストローさしてあげるオプションつき。
漫画の仕事中コップだと零すから飲みやすいパック飲料を常にストックしてる気がする…どんだけ気が回るのかこの男。
喜色満面のルコちゃんを見て、とっても満足気な東海林。
と、まあ終始こんなカンジの二人は目に毒です。笑

「俺が嬉しいと、東海林も嬉しいの」と言い切ったルコちゃん。(でも終盤、東海林に同じ事言われて??になってるけど。なんでだ。笑)
そんな彼は「与えられるだけ与えられ何も返せない」「東海林の人生を蝕んでいる」と思いつめる姿は……そこまで考えがちゃんと及ぶんだ~と、正直驚き半分感心半分でした。笑 いや、ウルウルとはしましたが。
この流れはルコちゃんの成長へのフラグでもあると思い込んでいたせいか、甘利騒動はしっくりきませんでした。
え?そういう展開!?とゆうかこれ恋愛話だったんだ!?(←当たり前)という驚きが。
そして甘利は不憫。気絶って…心から同情します。面白いけど。笑

どうしてもどうしてもと相手を求めてしまう二人の姿にはキュンとしっぱなしでした。
そして、東海林が実はむっつりさんという事実にも胸打たれました。笑
確かにまごうことなき供依存ですが、病的な重苦しさや閉塞感を全く感じさせないのは、優しい榎田さんならではだと思います。
恋人で友人で親子で兄弟でマネージャーと漫画家で時には飼い主とペットで…。
世間的には不健康に見える関係も、二人にとってはそれが健康的なんだと東海林もルコちゃんも読者も再確認の1冊でした。

このシリーズはルコちゃんと東海林という正反対の人間描写がものすごく的確でものすごく引き込まれました。
「犬ほど素敵な~」の時も思ったのですが、観察眼が非常に鋭い方なのかな?と感心させられます。

1

相依存萌え

頼り頼られ上手くいっていた二人の関係だが……突然次々と東海林の周辺でトラブルが巻き起こる。
次第にいっぱいいっぱいになっていく東海林に、ひょっとして自分がいるせいで東海林をダメにしていると思い詰めた二木は……
漫画家シリーズ最終巻。

作品冒頭、いきなり自宅で生き倒れている二木がかわいい。
若干?アホの子だけど、健気で一生懸命で。
なんか東海林は二木の恋人っていうよりはいっそお母さんと思う時もなきにしもあらず。

漫画家シリーズ総決算だけあって、いままでに出てきたキャラも総出演で、シリーズファンとしては楽しいかぎりでした。
キャンディ先生とか律ちゃんとか色々。

今回東海林は本当に踏んだり蹴ったりで、そこから巻き起こる二人のトラブルは痛々しいです。
二木なんかリアルに死にかけてるし。
一瞬本気でパトラッシュが見えたよ。

これも榎田作品の特徴の一つですが。
本作のアドバイザーポジションの女子キャラ茜さんが男前でやたら格好良かった。


色々あった二人ですが、最後は結局バカップルというか、なんというか。
相依存は私の萌えポイントの一つです。
一つ壁を乗り越えてしまったバカップルには当面怖いものはなさそう。
もうこの二人にはお幸せにという言葉を贈るしかないようです。

2

ボヘミアンという選択

あえてこの作品の結末に登場するシーンをサラリと言及しますのでそのつもりで。

榎田さんによる「マンガ家シリーズ」のトリとなる作品。東海林によるルコへのハウスキーピングは紆余曲折しながらも継続中。版元の「(自称)あらすじ」がちょっと誇張されているかなという不安要素はありますが、それでも大らかな環境であることは否めずそれはそれで私には心地よいもの。

さて、この作品では「君がいないと息もできない」状態にあるのは誰なのかということが大きなトピックになってきます(ちなみに高校時代の「はうすきーぴんぐ」をしていた男性は東海林に対してちょっかいを出してはいないはずなのに、なぜ彼が勘違いしてしまうのでしょうか、そこがいまでもわかりません)。

最終的には東海林自身が決めた「イタリア」行きをルコも一緒に行くという選択をしたわけですが、それはいうなれば「ボヘミアン」という選択をしたということでもあり(マンガ家シリ-ズでは『吸血鬼には向いている職業』の黒田瑞祥さんは言うまでもないことですが、『愛なら売るほど』の立花キャンディさんもUnspeakableとしてのボヘミアンですし)、ある地点から見ればハッピーエンドの極みかもしれないけど、残酷な選択でもある。でも榎田さんはそれをあえて表現したということに最大の意味があるかもしれません。

「君たちがいないと息もできない」―読み手はみんなそんな思いを持って本を閉じたのではないでしょうか?少なくとも私はそうでした。

3

きみがいなけりゃ息もできない…のは東海林のほう(笑)

最初のほうは東海林がホント不憫。でも実際、今回は東海林に問題があったと思うんですが。
ルコちゃん守って首を痛め、火事にあい、骨折して。かと思えばほかの男と寝たからいらない、と捨てられる。
そこからの東海林はもうどうしようもないダメ男。
髭は伸び放題、風呂にも入らず酒浸り。あの完璧男東海林が!
前作では東海林がいなくなっても、東海林が自分のところに帰ってきてくれると信じて頑張ったルコちゃん。
それに比べ、東海林のこのダメダメっぷり…。
相手がいなくなって困るのは、実は東海林のほうが大きいですよね。
そりゃぁまあルコちゃんは東海林がいなくなると死んじゃうかもしれないけど。(甘利みたいな奴が現れない限り)
茜さんの後押しにより、自分の気持ちを認めざるをえなくなり、ほんとは自分のためにルコちゃんの世話をしてたんだ、自分にはルコちゃんが必要なんだって気づくシーンは感動でした。

茜さんはホントかっこいいですね。
茜さんはきっと過去に辛い恋をされたことがあるんでしょうね。ほんと、東海林より数倍大人です。
でも茜さんが言うとおり、ルコちゃんに泣いてすがって、別れないで!俺のどこがダメなの?!って言う東海林も見てみたかったな(笑)

そしてスーパー当て馬男・甘利。
ルコちゃんとのセックスの様子を聞いて、ちょっと不憫にもなったけど、
甘利のルコちゃんに対する態度はやっぱりペットのように感じました。
ルコちゃんには何もさせず、自分が世話をしたいから世話をする。
仁木くんは何もしなくていいよーって。
ルコちゃんもちゃんとした人間で、ちゃんとした人格があるのだから(難アリですが)、ルコちゃんの意思とかを尊重してほしいんですよね。
だから「漫画家やめるな」って言った東海林について行った。そりゃぁ当然ですよねー
でも、東海林もこのままいけば甘利と似たようなもんでしたよね。
東海林はルコちゃんには自分が必要なんだっていう驕りがあったと思うんです。
ルコちゃんも東海林のこと愛しているので、東海林のために何かしたいって思うのも当然なのに
「俺のそばにいればいいから」ってルコちゃんに何もさせてあげない。
ルコちゃんの意思は尊重してくれないの?!
だから今回、自分もルコちゃんに依存していて、側にいてくれないとダメなんだって気づけたのは大きいと思います。

ルコちゃんも、東海林のためを思って甘利のところに行ったのに、結局ずっと東海林のことばっかり考えてて、
やっぱりルコちゃんにとって東海林はやっぱりかけがえのない人なんだなって感じました。

ほんとグイグイ引き込まれるように読みました。この私が2時間で読めたのなんて奇跡!
相変わらずおいしそうなフレンチトーストにかきあげ…
こういう描写もたまらないです(笑)

3

シリーズ最終巻

漫画家シリーズ五作目にして最終巻、一作目に登場したルコちゃんと東海林の珍コンビが主役に返り咲いて、フィナーレです。
このシリーズはどの巻も面白かったなァ。榎田尤利さんの大ファンになったシリーズでもありました。

一作目でちょっと成長したと思えたルコちゃんですが、いきなり退化してますw
東海林とのラブラブイチャイチャ生活のなかで、退行が進んでしまったんでしょうか。
冒頭から、生活能力がないアホバカなルコちゃんが東海林に迷惑をかける様子が、これでもかというほど書かれてます。
冒頭から中盤にかけては、実はあんまり面白くなかった。東海林が可哀想すぎて笑えないというか。
中盤からググッと引き込まれました。
反省したルコちゃんが東海林のもとを離れたあとの、東海林のダメダメっぷり。仕事はできず、ヒゲ伸び放題で酒飲んで部屋は荒れまくりで。
骨折しようが過労死しようが、東海林にはルコちゃんが必要なんだということが、これでもかというほど分かる。
完璧な共依存関係ですが、きみがいなけりゃ息もできないのはお互いさまの、ラブラブバカップルもステキですw

2

集大成

マンガ家シリーズ最終巻です。神評価しちゃいました。なんでこんなに読みやすいんでしょう?

お話は、全編通してせつないのですが、ルコちゃんが東海林に依存しているだけでなく、東海林もルコちゃん依存症だったというアマアマな内容です。
そして、完璧男・東海林君が満身創痍で痛々しいったら。天中殺?大殺界?どの事故の発端もルコちゃんですが、どっちかといえば自業自得って感じもします。ルコちゃんに出て行かれ、ボロボロな彼に、やっと人間らしさを感じました。

シリーズ各作品の先生方も、重要なところに少しずつ出演してくれて、そんなところも気が利いています。

空白の高校生時代のこともわかり、あー、今といい昔といい、かわいそうな先輩。ルコちゃん、人非人!

といいながら、ルコちゃんが自責の念に駆られ雨の中を彷徨うシーンや、中学の屋上のシーンは泣かせてもらいました。

また、茜さんが東海林を叱咤するシーンは秀逸でした。『おねえさん!カッコイイ!』って言っちゃいました。(結局、ルコちゃんがぶっ倒れる方が先で、縋って泣くところは見られずじまい…残念)

榎田作品は、主人公だけでなく脇の皆さんも魅力的なのが、いいところですよね。
それにしても、どこかで先輩を救ってあげていただきたい。いい人過ぎてかわいそう。

5

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