snowblack
カイトがまだ16世紀にタイプスリップすることなど想像もせず、
ごく普通の少年として現代イギリスで過ごしていた頃のエピソード。
彼は女王陛下の御前でヴァージナルを演奏したりするする訳だが、
それは元の世界でピアノを習っていたからこそですね。
(ベートーベンのソナタやドビュッシーを気楽に弾ける……
それなりの腕前なのだというのが分かります。)
和哉と共に習っていたピアノ、
性格の全く違う二人は、ピアノの弾き方もまるで違う。
細かいミスは気にせずに、鼻歌混じりで奏でるカイトのピアノを
和哉は憧れを持って眺め聞いている。
「和哉は俺のピアノ、好き?」
なんて無邪気に訪ねるカイトは、本当に人たらしだなぁ!
そんな二人の平和で他愛もない、ピアノを巡る日常の一こま。
和哉がどんなにカイトに惹かれているのかが、
垣間見える番外編の短編でした。
※ virginal
ところでみなさん、ヴァージナルってどんなものかご存知ですか?
フェルメールの絵画によく描かれているこの楽器は、
15~16世紀にかけてイタリアで制作され、その後フランドルで多く作られ
そして何故かイギリスで大流行した小型の鍵盤楽器だそうです。
名前の由来については、諸説あるようですが
この楽器を愛したヴァージンクイーンこと
エリザベスⅠ世にちなんでつけられたという説もあるとか。
http://harpsichord.jp/virginal/index.html