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表題作好きにならなくてもいい

田宮幸秀,ギャラリーの客
乾大和,叔父のギャラリーで働く

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

叔父のギャラリーで働く乾 大和の前に、ある日、田宮と名乗る男が現れた。
対人関係が苦手で、感情が顔に出ない大和は、これまで誰かに恋をしたことがなかった。
そんな大和に、田宮はある提案をする。
実験のつもりで恋愛してみないか、と。
怖くなるほど甘やかしながら、時折意地悪く焦らしてはまた優しくする。
そんな田宮に溺れていく大和だったが、あるきっかけで田宮の秘密を知り……!?

作品情報

作品名
好きにならなくてもいい
著者
椎崎夕 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813012740
3

(55)

(8)

萌々

(9)

(22)

中立

(8)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
9
得点
150
評価数
55
平均
3 / 5
神率
14.5%

レビュー投稿数9

ズルい大人というか( ̄▽ ̄;)

静かな、大人の恋模様。

受け様は、叔父のギャラリーで働く大和。
コミュニケーションが苦手で、感情の幅が狭く、恋をしたことがない。

ある日、叔父とコンタクトをとりたそうな、訳ありっぽい客がギャラリーを訪れる。
こちらこそが攻め様である田宮。

恋愛に不向きで不感症だと言う大和に「好きにならなくていいから、恋愛の真似事をしないか」と、田宮が持ちかけ、2人はカラダの関係込みの契約恋人に。

もうね、こんな契約を持ちかけてる時点で、田宮ってば、ズルいわ~って( ̄▽ ̄;)
理路整然と言葉巧みに。
丸め込こむように、すぐさまベッドへ。
いや田宮、鷹揚ぶってるけど、割と必死だな。
そして、あれよあれよで、グズグズに可愛がられちゃう大和( *´艸`)

恋人ごっこが本気の恋になる頃、大和は田宮が偽名であること等、出会いからの嘘を知ってしまう。
田宮改めて矢野へ、契約はなかったことに、とキッパリ言う大和に、にまにま。
元カレと出た大和を探してた間、めっちゃ焦ってたよね。
想像してはザマァってニヤついちゃう(*´艸`*)
ぜひとも、もっとその姿を見たかった。

最後まで、大人の余裕を崩さない、嫉妬すらスマートで、私には魅力的というより、ズルい大人って感じもするんですけどね。

それにしても、騒ぎの元になった叔父達のトラブルは何だったのかしら。


イラストは葛西リカコ先生。
イメージぴったり(≧∇≦)

0

上品にセフレ

葛西先生の美麗な表紙と、気になるタイトルで購入したのでした。
椎崎先生の作品はタイトルがエモい!すごく拘りを感じる美しいタイトルが多いな~と、これから色々掘り下げていきたいなと思っています。

んでもって、”好きにならなくてもいい”って意味深なタイトルは、ふたりの馴れ初めが関係していて、早い段階で”なるほど”と落ち着きました。ちょっと昭和のおじさまロマンス小説(褒めてます!)みたいな雰囲気がとてもよき♪ギャラリーの受付と顧客として第一印象×のマイナススタートから、徐々に知る互いの第一印象からのギャップに惹かれていき、手練手管の攻さまにあっという間におちていく受さん。受視点で心の動きが丁寧に丁寧に描かれています。

攻さんの人物像がいまひとつ見えてこなかったというか、、なかなかのプレイボーイ(死語?)で、セフレ(♀)が複数人いたという設定が地雷ではないんですけど、え~?そんなにきれいに切れるもん?つか、受さんが初心なだけになんだか不安だ…というフラれたものの敗者復活戦を試みる当て馬さんと同じ心持になってしまうのでした。受の叔父さんの存在感が強いんですけど、そちらは別レーベルからスピンオフで刊行されてるんですよね。興味がわいたので、そちらも読んでみようと思います。

0

恋愛の真似事の行方

攻めの性格が受け入れられるか否かによって随分印象が変わりそうです。

悪い人ではないんだろうけど、良い人でもない。
狡い大人×ウブな青年の恋愛の真似事から始まるお話です。

受けは感情表現が下手で恋愛不感症。
ゆえに百戦錬磨の攻めから見れば手垢のついてない原石のようなもので。
誘導尋問に落ちるかのようにあれよあれよと展開し、
気づけば攻めの腕の中で極上の甘々に包まれていて…。

ウブな子がここまでされれば落ちますって(`・ω・´)ん
と言いたいぐらい甘々に蕩かされてます。
恋愛不感症と自分を位置つけて、淡々としてた頃が嘘のよう。
めいっぱい愛された受けはとっても可愛く変化を遂げてました。

受けをそんな風に変えた男は、もちろん魅力的な人物。
いつも悠然とした態度で独特の雰囲気を纏った大人の男。
何をしても絵になるような素敵な攻めでした。

そんな極甘な日々の中に発覚した事実。

その時の受けのショックたるや…(;ω;)
動揺を隠せない姿も、毅然と振る舞う努力をしてる健気さもグッときました。
初めての涙には切なキュンでもらい泣き。

それに対して攻めはというと。
不利な状況に落ちても悠々としてて不遜な態度を崩さない。
その態度から、『どう足掻いても俺を好きなのは変えられないだろう?』と上から目線で受けを見てるようにしか見えなくてイヤーな気分に…(-ω-;)

受けが愛らしいと感じれば感じるほど
反比例で攻めムカつくムカつくムカつく。
ちょっとは動揺しやがれ!!!
と、モヤモヤ( ˘•ω•˘ ).。oஇ

ここで攻めがなりふり構わず必死な姿を見せてくれたら激萌えだったのですがね。
攻めは最初から最後まで一貫して変わらなかった。

受けにとって攻めは自分を変えるぐらい影響のある人だったけど、攻めにとって受けは新鮮で可愛らしい愛玩的な恋人なんだろうなぁ…と捻くれた感想が浮かんでしまう…。

また、ストーリー部分では
スピンへの伏線バンバン張られてるのがありありと見えて変に気が逸れたかな。
叔父さんと相手の間に何があったんだ…。

受けに重点をおくと萌え×2評価
攻めに重点をおくと中立評価
間をとって萌であげます。

6

結構しつこい攻め

う〜ん…どう言えばいいのか。
出だし。大人の魅力たっぷりの攻めに、反発しつつも気になって仕方ない受けの気持ちに感情移入して、強引かつ官能的に未経験の受けの躰を拓いていく描写に「神寄りの萌x2」評価と感じていました。
その後の、受けが甘やかされてどんどん素直になっていく様なども好ましいものでした。
が、起承転結の「転」とも言える攻めの隠していた秘密が浮かび上がり、そこからの二人に亀裂が入り……のあたりからどうも違和感を感じ始めて。
結果的に言うと、この攻めは大和のことを全く対等に扱っていない。
もちろん年齢差とか社会経験の差とか財力とか、もとより攻めの方が圧倒的上位にはいるのです。実際先に挙げた「二人に亀裂が〜」というのも、亀裂が入ったと感じたのは大和の方だけで、攻めは痛くも痒くもない。大和が傷ついたことなど話を聞く価値もないような態度でsexで流してしまう。
攻めにとって大和は可愛くて、なんでもしてあげたい相手。でも二人で何かを分かち合ったり作り上げていくことはなさそう。
そんな余裕すぎる大人の攻めにすっかり攻略されている大和が、私的になんとなく気に入らない……
というわけで、一冊全部読み終えての評価は「中立寄りの萌」です。
素敵系大人が、頑なな美形受けを官能Hでぐずぐずにとろけさせて〜という展開や、年上攻めが年下受けを甘やかす展開が好きな人にはおすすめです。

まあ、よく考えたら攻めの方もセフレとしか付き合ったことなくて、まともな恋愛は初めてらしいので、これから大和に翻弄されて恋の苦しみやままならなさを知ればいいんだ。ふん。
(葛西リカコさんのイラストは素晴らしいです)

6

裏で動く登場人物が気になる

登場人物は美形ぞろいで華やかなんですが、ストーリーは静かな・・・と言う表現が似合うと思います。
誰が見ても目を引く美人の大和と、同じく目を引くハンサムの田宮。
大和の叔父のギャラリーで出会った二人は互いに人を本気で好きになったことがない、恋愛にのめり込んだ事がないと知り、不感症かもしれないと訴える大和をとりなして、お試しのお付き合いが始まります。

恋愛に本気にならないとお互いわかっているため、好きにならなくてもいいよ、と言う暗黙の了解。成るほど、そういう意味のタイトルなのかーと思いました。
二人は割りきったお付き合いで食事に行ったりホテルに行ったり…そんな感じで淡々と進むので、お話としては展開が開けていかない感じが最初はします。ページがある割りにはかなりスローペースなお話だと思いました。高揚感やドキドキのない、凪のような・・・。

しかし、後半になって、実は田宮には秘密があり、大和に近づいたのも偶然ではない、という事実が明るみにでてお話は一気に動きます。
でもよくよく考えてみればそんなに意外な秘密でもないような・・・。
中立にしたのは、結果的にやはり抑揚のない一冊だったなと感じてしまったからです。

田宮と言うのが偽名で、騙されていたと知って怒って別れを切り出す大和ですが、そもそも最初から「恋愛感情は無しで」というセフレのような関係なのだから、田宮に何があろうとそこまで怒ることはないような気もします。というか、そんなに怒るような大した秘密でもないような。

「恋人ごっこ」のはずだった田宮のことをいつの間にか本気で好きになってしまったために、大和は田宮に対して許せないという感情がわきあがるのですが、田宮も大和も淡々とした性格なのですよね。
なので、いつの間に大和が田宮をそんなに好きになっていたのか、恋愛したことないと言っていた稀有な大和が本気になったのか、わかりづらくて共感しにくかったと感じました。

それと一番重要なのが、このストーリーのキーパーソンである大和の叔父ですが、名前も話題にも何度も上がり、田宮が大和に近づいたのもこの叔父が原因なのですが、肝心のこの叔父は電話で話すだけで一度も出てきません。「誰からも愛される人」だと大和は言っていたけど、私には子供っぽいトラブルメーカーにしか見えませんでした。
そして、この人と田宮の関係、この人が田宮に何をしたのか、田宮がこの人に何をしたのか、そもそも田宮が何をしたかったのか、田宮と叔父の共通の「知り合い」とは一体誰でどんな奴で、叔父が逃げていたのは何故だったのか、そしてそれは解決したのか・・・説明がされないまま終わっています。
もしかして別のスピンオフ作品があるのか??と思ってしまうほど、別のお話が裏で進行していて、ラブストーリーとしては薄味だったと思います。 一体この叔父を取り巻くお話は何だったのだろう・・・それがこの作品の半分を占めています。
一冊ラブストーリーを読んだという気分になれずに不思議なもやもやだけが残ってしまいました。

6

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