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表題作坂道のソラ

大柴賢司
33歳,IT関連会社の副社長
河野一吹
一人暮らしをしている高校2年生

その他の収録作品

  • あとがき
  • 三年後のソラ

あらすじ

恋は、夜のバスの坂道みたいに寂しいものだと思っていた。高校生の河野一吹は、毎朝バスで乗り合わせる会社員の大柴賢司と親しくなる。悩みを抱えていた一吹を彼は優しい言葉で救ってくれる人だった。やがて互いを深く知ったふたりは自分を変えるために彼女をつくろうと約束する。しかし賢司と過ごすにつれ、一吹は自分の恋がとても近くにあることに気づいてしまい…。

作品情報

作品名
坂道のソラ
著者
朝丘戻 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
坂道のソラ
発売日
ISBN
9784861346330
4.1

(258)

(148)

萌々

(58)

(22)

中立

(7)

趣味じゃない

(23)

レビュー数
32
得点
1045
評価数
258
平均
4.1 / 5
神率
57.4%

レビュー投稿数32

それぞれのドラマが動き出す、

バスの中にさまざまな『ドラマ』を見いだしていた一吹。
最初はとても大人な思考の持ち主だな…と思ったのですが、
自分自身のことだったり他人との距離の取り方に悩んだりという多感な時期"らしさ"もしっかり持ち合わせていて、
かと思えばそういう部分すら一歩引いて見ている冷静さもあって…
と、ちぐはぐに揺れる心の内を知るたびに放っておけない気持ちになるような彼のキャラにすごく惹かれました。

賢司との出会いで少しずつ成長していくところも
逆に臆病になってしまう一面も。
すべてが彼の人生のドラマの1ページとして眩しく映ります。
恋に変わっていくまでの感情の変化は楽しさだけではなく少しの痛みも混じっているけれど、
そういう部分にも丁寧に向き合う一吹の姿勢に
強い意志と決意が感じられたのが素敵だったなと思いました。

出会いから現在に至るまでの気持ちが
編み上げられていくようにふたりの想いが交わる様子には
丁寧に相手と向き合っていたいというそれぞれの気持ちがしっかりと伝わってきます。
賢司がどう出るのか終盤まではハッキリわからなくてすごくジリジリしましたが
結果的にはそれも良いスパイスになっていて、
両想いになった喜びも、答えに辿り着いた感動も
倍増しました。

結構年齢差はありますが特に背徳感を感じることはなく、
それが生まれないくらい混じり気のない感情をぶつけ合える関係なのが素敵すぎる…。と、しみじみ。
どんな大変なことがあってもふたり手を取り合って乗り越えていく未来が見えるような結末に大満足!でした。
シリーズの他作品も読むのが楽しみすぎる…!
(BLアワード2014の4位受賞をうけて、SSをあげてくださってるのがありがたすぎました。こちらも本当に素敵な後日談でした…!)

1

落ち着いた雰囲気の中に透明感がありました!

作品の雰囲気は透明感があって文章も素敵です。
一気にさくっと読み終わりました。

IT副社長と高2生、ノンケとゲイ。ゆっくり丁寧な描写で読んでる時は納得しちゃうのですが、やっぱり年齢が約2倍ある大人と未成年という設定が引っかかりました。本人達が好きなんだもんいいとは思いますし実際あり得るでしょう。完全に好みの問題ですね。すみません。

細かいエピソードは1つ1つ、とても素敵でした。
好意をもっていて距離を詰めてくるのに、手が届く程に近くなるとガードが固くなる賢司さんの煮え切らない態度に好感をもてなかったな。
それが大人の狡賢さ、カッコ悪いことしたくないって気持ちからくるものなのかな?
優しいことばかり言うけど社会的責任と恋愛を天秤にかけて、頭で恋愛してる感じがすごくしました。

現実感があまりなく優しくて甘い世界観なので体の関係も卒業後まで待って欲しかった。
お互い一人暮らしでご近所住まいなのでまぁ無理なんだけどさ。

書き下ろしの三年後のソラは彼らが同棲していて相変わらず仲が良く、一吹の友人達も元気そうで安心しました。

0

No Title

バス通学の中で出会った賢司と言葉を交わすようになった高校生の一吹。交流するうち好きになっちゃうんだよねぇ。好きになっちゃうよ大人の男だもん…。自分の想いは明かせない一吹の気持ちが切なくて切なくて初めての恋の切なさとか幸せとか…。

ゲイだと自覚した彼の初恋の相手がヘテロで幾度となく自分の相手ではないと突きつけられる瞬間がしんどかった〜。でも幸せなラストでリアルにこんな子が近くにいたら心配で仕方ないけどね。

0

言葉の繊細さ

救ってもらったことを文字と心のなかだけで片づけて、実際会って一緒に肩を並べているときにはうやむやのままっていうのが違和感だ。文字の世界からもう一度とりだして、ありがとうの一言ぐらい声で言っておきたかった。


言葉の大切さや繊細さが深々と伝わってきて、改めて作家さんて凄いなあと思いました。一吹の誠実さや賢司のかける言葉ひとつひとつが素敵だったり可愛らしかったり優しくて。一吹は主人公で悩む心理描写は多いけれど、バスにのる乗客の観察眼や告白現場での受け答え、何より賢司への真剣で誠実であろうとする気持ちに尊敬のような気持ちを持ちながら読みました。賢司の一挙手一投足に一喜一憂する一吹、それを可愛いと言う賢司、どちらもフワフワと萌えました。私の語彙力。。
大人の賢司(私のイメージは◯田啓太さん)と高校生の一吹だけど、真剣に自分のことを考えながら伝えていくコミニュケーションが読み応えがありました。
言葉に対して考えたりするシーンがいくつかあって考えさせられたのですが、特に他人がミチルに当てた言葉遣いを「まるで無感動な物みたいに」と表現したところ、冷静だし、そんな風にそこに居ない人を庇えるひとになりたいなと思いました。

1

『アニマルパーク』シリーズ"(ノ*>∀<)ノ

大好きな『アニパー』シリーズの始まりの一冊。
とても好きな2人です(*´∀`*)

受け様は高校生の一吹。
攻め様は『アニマルパーク』などのゲーム会社副社長の賢司さん。
毎朝、通勤通学で同じバスに乗り合わせていた2人。

知り合いになったと思ったら、あっという間に距離が縮まって、名前で呼び合い、特別な存在になっていく。

顔が見えないからこそ、伝えられる言葉ってのもあるし、きちんと顔を見て伝えたい言葉や想いもある訳で。
バスの中や『アニパー』を通して、どんどん特別になっていく様子に、とってもきゅんきゅん(≧∇≦)

もうね、一吹が高校生とは思えない程、真面目で誠実で思慮深い。
こんなに一生懸命好きになってくれて、好きを伝えてくれて、可愛いしかないわ。

また、賢司さんも、誠実でなんだかんだと溺愛してるよね~( ^ω^ )
一吹を大切に可愛く思ってくれて、それを惜しみなく言葉や態度で表してくれて、はなまるな攻め様♡

相手のことを自分のこと以上に大切にしている、そんな2人の姿が、私の胸を暖かく、優しい気持ちにさせてくれます。


イラストはyoco先生。
もうピッタリとしか言えません。
『アニパー』内のキャラ、ウサギとオオカミ、めっちゃキュートです(≧∇≦)

2

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