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表題作狂犬は一途に恋をする

浅海和明,29歳,人材派遣の特別企画室室長
市原浩,24歳,依頼人のIT企業社長

その他の収録作品

  • 狂犬は健気に愛を乞う
  • あとがき

あらすじ

かつて≪浦安の狂犬≫と恐れられた人材派遣業・浅海のもとに依頼に来たのは口を開けば自己否定だらけの超ネガティブな男・浩で!?

作品情報

作品名
狂犬は一途に恋をする
著者
野原滋 
イラスト
三池ろむこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344829343
3.7

(23)

(5)

萌々

(10)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
84
評価数
23
平均
3.7 / 5
神率
21.7%

レビュー投稿数6

何を言ってもケチをつけるネガティブ受け

超ネガティブな受けということである程度覚悟はして読みはじめたのだけど、「どうせ……俺なんか……」みたいなウジウジ系ではないんです。
ネガティブだけど攻撃的というか、相手の言葉尻を卑屈に捉えてケチつけて反論してくるので疲れるというか……。

何でも屋である攻めに「高校の同窓会にゴージャス美人を連れ添って幸せな俺を見せつけてやりたい」という依頼をした受け。
髪ボサボサで貧相な依頼人と「ゴージャスな美人」という組み合わせに思わず戸惑ってしまった攻めに対して

「雀が孔雀の羽付けて粋がってんじゃないよ(と思ってんだろ?)」
「おまえペンペン草のくせに(と思ってるんだろ?)」
「100m20秒で走っておいてオリンピックでるつもりか?(と思ってるんだろ?)」
などなど、怒涛の勢いで口撃する様子は最初は面白かったんです。

ネガティブ表現力すごい!!と。

だけどいつまで経っても、何を言っても捻くれた捉え方しか出来ない受けの姿に次第にうんざりしちゃいました。

何言ってもケチつける人って面倒じゃないですか。
ウジウジネガティブもイラーッとするけど、口撃力の強いネガティブのほうが読んでて神経疲弊するというか。

何を勧めても何を言っても「ハイ」とは言わず、必ずつけるケチつけるくせに結局自分の勧めたものを選んでくれている……というところを攻めは可愛いと思っているのだけど、私はイヤだなぁ……。

この受けをかわいいと思えるかどうかで評価がわかれると思います。

そしてあっさりとあんなに胡散臭い元同級生との詐欺話に乗ってしまう見る目の無さにもガッカリというか……。
それと「狂犬」とタイトルについてるけど、元狂犬であって、ワンコ攻めとか狂犬設定ではないところも紛らわしいというか……。

攻めが恋に落ちてしまい、依頼内容を超えて受けの面倒を見ようするところは面白かったし、「おしゃれサロン昇り竜」みたいな言葉の絶妙なセンスは面白いので、中立寄りの萌で。

1

ネガティブの理由を解消してあげようとするあまりオカンになちゃう

電子書籍で読了。挿絵なし。

速いテンポでどんどん話が進むのが気持ちいいお話です。「恋する若頭」がお好きだった方に是非お薦めしたい感じ。

攻めの浅海は人材派遣会社の特別企画室室長。『特別企画室』とは依頼主の求めに従って『その役割を演じる人材』を派遣するセクションなんです。お話の冒頭には浅海本人がチンピラヤクザを演じて、恋人に捨てられて会社で笑いものにされているサラリーマンと街頭で大立ち回りを行い、元恋人に惚れ直させるという荒技を行っています。浅海は仕事が出来るだけではなく、男気があって慕われるタイプ。後輩が「浅海さんみたいになりたい!」って思っちゃうような人なんですね。ケンカも強く『浦安の狂犬』と呼ばれるほど以前はブイブイ言わせており、ボクシングジムにスカウトされて「世界に挑戦できるだろう」とまで見込まれていました。
そんな彼の下に、同窓会に美しい恋人(婚約者設定の模様)を連れて行きたいという希望の市原が訪れます。市原はI若くしてT企業の社長でそれなりの業績を上げているのですが、身なりに気を使わず、浅沼のアドヴァイスで美青年に変身した後も「どうせ俺なんか。あんただって本当はそう思っているんでしょ」発言を繰り返す拗くれぶり。

でもね、こういう発言を繰り返すのは、過去に辛い出来事があったから。
それを察した(お話の途中ではちゃんと話も聞きます)浅海は「不憫だ」→「何とか自身を持たせてあげたい」→「頑張れ」→「可愛い」→「あれ?何でこんなに執着しちゃってるんだろ?」という風に気持ちが動いて行ってしまうんです。
市原の方も徐々に、浅沼が自分を傷つけないことが解って来て、ネガティブな発言をすること自体が浅海に対する甘えの様になってくる。
私はいわゆるツンデレというのがあまり得意ではないのですけれども、このツンデレは可愛らしかった!
昔受けた傷がよほど大きかったんでしょうね。捨てられた犬猫が優しくされてちょっとずつ懐いてくるように安全な場所を確かめながら浅沼に近づいてくる市原と、最後には男気と言うよりもオカン丸出しになっちゃって市原の願いを叶えてやろうとするからこそ「おい、それちょっと食い違っているぞ」と横やりを入れたくなってしまうとんちんかんな浅海にキュン死しそうになりました。

0

スーパー攻め×スーパー受け

お話はシリアスというより軽めの感じで、色んな事が立て続けに起こり、キャラクターも個性きわ立って読んでいて飽きさせない感じです。

何でもできるスーパー攻め×スーパー受け…という設定とのことですが、このスーパー受けである浩がどうも私は好きになれませんでした。
スーパー受けというのはスーパーネガティブな受け、ということです。

主人公の浅海は人材派遣会社で働く何でもこなせる男前。依頼人の浩は、会社の社長で、見た目は悪くないのに貧相で暗そうな外見をしており、同窓会で昔の同級生を見返してやりたくて、同伴する女性を派遣してほしいとやってきます。
そこから浅海の提案で、浩そのものの改造をすることに…というお話。

この浩のキャラクター、ネガティブと言っても別に大人しいわけではなくどちらかというときつめの弾丸トークをしてきます。
口は達者なのですが、口を開くと自分の否定ばかり。
自分の否定だけならまだしも、浅海にもそれを強要してくるのが頂けなかった。お前だって俺のこと貧相だと思ってるんだろ?とか美女とは似合わないと思ってるんだろ?とかいった感じ。そんなこと思ってないって!^^;

とにかくネガティブです。そういうキャラクターなのですが、どうも、ノンケである浅海がこの浩にベタ惚れになっていく理由がわからなかった。

浅海はほんとに浩がかわいくてたまらない!て感じなのですが、宏のキャラクターと、その「どこがそんなにかわいいのか?」というのが自分の中で一致しませんでした。なのでなんかしっくりこないままラストまできてしまった感じです。
それと同様に、浩もいつのまに浅海を思うようになったのか、自分の中では説明が足らないよう感じられました。

キャラクターが自分にあってなかったという点で中立です。
三池ろむこさんの絵はホントにかわいかったです。えろいシーンもすてきでした。

0

365日ネガキャン開催中の受

一風変わった人材派遣会社で働く攻と、そこに依頼人として現れた受のお話。
野原さんの作品は3冊目ですが、これってもうこの方のスタイルなんだね、っていうくらいのテンポの良さが特徴です。
ぽんぽんと進む台詞回しに、絶妙に混ぜてくるコント風のやりとり。
時折、ぷっと吹き出してしまうようなシーンも多く、最後まで飽きずに一気読みできちゃいます。

攻が人情に厚く涙もろいという性格に反し、受けは現実にいたらしばき倒したくなるくらいのネガティブ思考です。
ネガティブ一周旅行に出かけたら、なかなか帰ってこないというような、本当に鬱陶しいくらいのネガ。
人の言葉尻をひっつかまえて、皮肉ったり当てこすったり……。

攻め視点のせいか、最初はイラついてたはずなのに、最後の方ではこっちまで巻き添え食らって受のこと可愛い、とか思っちゃいました。
のりがいい分、物語に重みがなく少し薄い感じが気になるところではありますが、それを差し引いたとしても十分に楽しめるお話でした。

1

超ネガティブなのに強気で意地っ張り

とっても魅力的な主役キャラ、個人的には大好きな二人です。
攻めキャラ浅海は人材派遣の特別企画室室長なんて大層な肩書があるのに
涙もろくて人情家、若かりし頃は狂犬と呼ばれるほどやんちゃだったし、
プロボクサーにスカウトされるくらい腕っぷしが強かったりする男。

そしてその会社に依頼人として出向くのが受けになる個人IT事業家の浩。
見た目もスタイルもオドオドしていて無口かと思えばネガティブスイッチが入ると
とことんネガティブな妄想一人旅を延々しているのも面白い。
依頼内容は高校のクラス会にゴージャス美女をエスコートしたいと言う願い。
そんな浩の願いをかなえる為に浩自身の改造から入ることにする浅海ですが、
磨けば光ると目をつけた通りの展開で、初対面に近いけれど、既に浩に対する好意が
出来上がっているような雰囲気。

全体的にコミカルタッチで、笑いあり、片思いのままならない雰囲気ありと
飽きさせない展開で最後まで充分楽しませてくれるストーリーでした。
イラストはマッチしているかと言われればちょっと疑問、この作品だと今回の
柔らかなイメージのイラストよりももっとシャープなイメージの方がいいかなと
少しだけ感じましたね。

2

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