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表題作愛の一筆書き

笹尾高秋,書道家,35歳
小池佳文,保険会社勤務,30歳

その他の収録作品

  • 愛は永遠
  • あとがき
  • 両手いっぱいの愛

あらすじ

天才書道家・笹尾高秋は恋人の佳文を溺愛している。二十年前に一目惚れして、長きに渡って口説いた末にやっと結ばれたのだ。今はともに暮らし、毎日佳文を思い浮かべながら作品を生み出している。佳文のいない人生なんて、高秋にはもう考えられなかった。ところが最近、佳文の様子が少しおかしい。何か隠し事もあるようだ。まさか捨てられるのか、と動揺する高秋だが…? へたれ攻×男前受のフォーエバー・ラブ。

作品情報

作品名
愛の一筆書き
著者
名倉和希 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523540
3.9

(44)

(16)

萌々

(13)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
170
評価数
44
平均
3.9 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数9

ネジが外れた攻めの粘り勝ち20年愛

美しく印象的な書。書道家としての才能は言わずもがな。
その一方、愛する恋人「佳文」の名を何百枚と揮毫しては、「佳くん、佳くーんっ!」と悶え転がる。
それが天才書道家・笹尾高秋の実態である。

ネジが何本かぶっ飛んで受けに対してとち狂っている、受けがいなくてはとても1人では生きていけないレベルの受けバカな攻めの大暴走を生温かく見守りながら楽しめました。
いやあ、度を超えた変態攻めがなんとも愛おしい作品でした。これはきっと名倉先生も楽しんで書かれたのではないかな。攻めへの愛をひしひしと感じます。

初めての告白から10年。一緒に暮らし始めてから5年。出逢いから数えれば早20年近く…と、既に出来上がっている同棲中の恋人同士のお話。
全編攻め視点で進むので、それはもう暑苦しいほどに佳くんへの愛が溢れて溢れて止まらないんですよ。
受けとの過去を回想し「青姦」と筆を動かす。これには読み手側の笑いも止まりません。
時に勝手に暴走し、勝手に混乱して佳くんのことを傷付けてしまうこともあれど、なぜか憎めない上に強く責める気にもなれないんです。
終始高秋からの佳くんへの想いがどでかいものですから、わかったわかった!わかったから!20年ものの愛はわかったから落ち着け!となってしまうほどに情熱的。
生活能力は皆無だけれど、人生の全てと言っても過言ではないほどに受けを愛している男でした。

攻めのキャラクターの立ち方が見事で、あまりの常軌を逸した受け愛に、周囲の人々も受けも気付けば引っ張られていってしまっているのが面白くて。
20年近く高秋の愛の標的になっている佳くんも、普通であればちょっと距離を置きそうなものですが…
こんなにも熱烈な愛を何年も浴びて、何度も告白をされて、それを1度でも受け入れてしまったのだから仕方がないんです。
誰よりも攻めと攻めの才能を愛し、理解しながらリードを上手く引き、なおかつ懐が深く器が大きい男前な受けでした。
高秋が妻には納得しかありません。

さらりと読めて笑える楽しい1冊です。
全身全霊の愛と包み込む愛。非常に相性が良い2人でした。

0

年上感ゼロの年上ヘタレわんこ攻め

祝・電子化。
以前から読んでみたかったので電子化されて嬉しいです。

書道の才能があって、容貌もストイックな美形なのに、中身は残念……という攻め。
受けへの愛が原動力のすべて!みたいな男でしたね。
「すべては佳文が基準になっている男、三十五歳の高秋だった」というところ、大いに笑わせてもらいました。
三十五歳だけど、中身は永遠の中学生なので年上感はゼロ。

「佳くん」「佳くん」「佳くんっ」
「佳くん」何度言ってたことだろうか……
ほんとこの攻め、アホだわー。
でもこういうアホな攻め、嫌いじゃないので神です。

0

愛が溢れてる!

自分史上最強のヘタレ攻めと男前ツンデレ受けカップルでした!開眼した心境です。

高秋が佳くん佳くんって佳文がいないと生きていけないほど愛してるのがものすごーく伝わってきます。どれ程佳文が魅力的かも。

佳文が小学校五年生の時に一目惚れして高校一年になって告白して何度振られても諦められず、とうとう佳文が25歳の時に愛を受け入れてもらえ同棲がスタートします。小学生にしかも正座した膝小僧に一目惚れとか高秋の変態さ加減も随所に書かれていて愛らしいです。

佳文も高秋を愛してるはずなのですが愛の表現は完璧に高秋のサポートをする事や、愛情(性欲)を受け入れてくれることなど、あまり言葉で伝えてくれず高秋は何かある度に佳文を失うのではないかと不安から混乱します。

佳文はパーフェクトな恋人で伴侶なのですが高秋のヘタレさをもうちょっとケアして欲しかったかな。

巻末の両手いっぱいの愛では佳文目線のお話で、ちゃんと高秋を全身全霊で愛してること、それを高秋が自覚したら高秋ではなくなってしまうと考えているようなのでこういう付き合いの形が最良なのでしょう。佳文も高秋と致したいこともわかって安心しました。

いくつになっても頭は中学生の高秋、でも書は天才で書に専念できるよう一番の理解者でありファンの佳文が全力でサポート。
愛が溢れてほとばしっているお話でした。

やっぱり攻めに変態が入るのはいいもんですね。

0

読んで題名に納得

表題作、続編、SSの3作品が収録されています。


「愛の一筆書き」
高秋(攻め)が主人公です。
高校1年の高秋が、小学5年生の佳文(受け)に一目惚れして、14年後に両思いになり、現在は同居中。佳文がいれば幸せいっぱい、仕事もはかどる毎日。ところが、佳文が会社の後輩と浮気している?!

「愛は永遠」
高秋が主人公。会社を辞めて高秋のマネージメントに専任することにした佳文。佳文が会社に行かなくなって、いつでもエッチ三昧の甘い生活のはずが、仕事で海外に行ってしまい…。佐久間弁護士の退出がナイスでした。

「両手いっぱいの愛」
佳文が主人公。高秋40歳、佳文35歳。一、二日置きだったのに、ぱたりと一週間もセックスをしなくなった高秋に理由を尋ねたところ…という話。

高秋は年上なのですが、とにかく佳文が大好きで、佳文がいないと仕事になりません。何もかもを佳文への愛にむすびつけて、書を書くのが面白かったです。

佳文も、高秋に意地悪したり冷たくせず、怒るにはきちんとした理由があって好感が持てる人物でした。ほだされた、流されたというのでなく、ちゃんと高秋が好きなんだなぁと感じられます。

典型的な、ワンコ年上攻め×クール年下受けの、ほのぼの甘い話がお好きな方にはとってもお勧めの作品です。

1

好きな設定のはずなのに。

執着攻め大好物で男前受け大好きなのに、全然ダメでした。
攻めは日常生活のスキルが無さすぎ。
勘違いから受けを強姦まがいなことをしちゃうんですけど、ん~、友人に相談したり...、なんか女々しいのかヘタレとも言いたくなくて、途中からもう無理だな、ごめんなさいって思いしかなかったです。
周りに誰かいないと生きていけないのかって言いたくなっちゃう攻めと、受けはそれが本当にやりたいことなのって聞きたくなっちゃうくらい出来る方で。
趣味だったはずなのに、こんなにも合わなかったのは初めてでした。

1

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