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表題作忍姦~蜜戯の策~

太田平蔵,備中守:戦場の鬼神と呼ばれる猛将,30歳
凜(凜太郎),女中として平蔵に仕えていた忍び

その他の収録作品

  • 忍ぶ恋
  • とある忍びの死
  • あとがき

あらすじ

「そなたを秘密裏に監禁し、こうして夜な夜な犯してやるのもいいかもしれんな」
猛将・平蔵は、屋敷で働く凛に惚れていたが、その正体は潜入していた忍びだと発覚する。
激昂した平蔵は、縄で縛った凛を激しく蹂躙。
淫らに蕩ける身体に情欲と独占欲は燃え上がるが、凛は平蔵の元から姿を消してしまう。
実は凛も平蔵を愛していたが、忍びに許される事ではなかったのだ。
再会し、濃厚な愛欲に溺れる二人…だが引き裂こうとする者が現れ!?

作品情報

作品名
忍姦~蜜戯の策~
著者
丸木文華 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784799715567
3.9

(92)

(28)

萌々

(44)

(12)

中立

(0)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
14
得点
352
評価数
92
平均
3.9 / 5
神率
30.4%

レビュー投稿数14

鬼のような風貌と初心な恋心のギャップ戦国版

すごい体格差…
その時代ならではの言葉やシチュで萌え上がらせるところも、文体を時代の雰囲気に合わせて変えているところも(“〜だった”が多く、若干読みづらさはあるものの)、いつもながら素晴らしかったです。
笠井あゆみ先生の挿絵は構図もかなり凝っていて華々しく、文章と相まって壮絶なムードでした!細い線で描かれる妓楼の部屋やお尻を握るような対面座位も最高でした…

戦国の時代に無双の強さを誇る太田平蔵は体格良く傷だらけで鬼のような風貌。でも実生活では女が怖がらないように出来るだけ優しく接するジェントルマン。
その彼がお凛(実は少女の格好をした忍凛太郎)に一目惚れして、出来るだけ背中を屈めて目線を合わせたり草花のお話をするなんて滅茶苦茶可愛すぎます!大男が少女に側室のお伺いを立てるなんて…激萌でした。

この作品では濡場にはそこまで萌えず(綿密で圧巻でしたが)、それよりも表立って一緒に居られない二人の僅かな逢瀬の数々が切なくて良かったです。
忍びとして報告する凛太郎を、平蔵は触れる事も出来ず上から眺めるしかないシーン。凛は凛で心の中で何度も彼の名前を呼んでいたり。
我慢出来ず凛太郎がお城の平蔵の腕の中に忍び込んだり、夢のようにお告げを囁いたり。

女は壊れないよう努めて優しく触れていた平蔵が、恋をした相手には感情も理性も振り乱され、「おかしくなる」と言われれば「痴けになればこれ幸いと座敷牢に閉じ込めよう」と激情赴くまま抱き潰します。
平蔵は鬼のような風貌と心の純粋さを持ち、凛太郎は平蔵の前ではメロメロメロでも他人に揶揄われれば鼻で笑うような冷たさを持っていたりと、ギャップの振り幅が魅力的。

嫉妬が渦巻いているのもとても良かったです。正室の豊の方は、自分には向けられない平蔵の恋心やお凛に遠慮なくぶつけられる熱情を妬む。お凛の兄分は変わってしまった弟を許せない。この二人とそれぞれ対峙する笠井先生の挿絵がまた素晴らしい…!!
いや、忍が正室を抱くとかありえんし、平蔵一人で政に悩み過ぎだったり、突っ込むとこはあるんですけども。

時代小説を全く読まない者でも把握しやすい文章に助けられ、また太鼓やシンフォニーが聴こえてくる様な戦の臨場感を味わえました。
バッドエンドしか想像できない激動の世のなか、昔の二人に戻ったような花のお話や穏やかな雰囲気(エロはエロい)の終わりもホッと終えられて良かったです。徹して純愛でした。

2

岡山県が舞台「武将と忍者」の命をかけた恋愛

猛将・平蔵x屋敷で働く凛
(凛=凛太郎は美貌の少年忍者、くノ一の修練も受けている)
titleと笠井あゆみさんの表紙が凄く淫靡だけど、中身はまともな純愛物語。
鬼子と同じでこれも岡山県が舞台。

著者ブログによると「戦国時代が舞台の命をかけた恋愛」武将と忍者の純愛(https://bit.ly/2HMDgTJ)
もう一つ、戦国ものがあって「情恋~乱世の蜜華~」こちらは、殿x殿。東北。

ゲームのシナリオライターらしい展開で、幾つか山場があり、忍者として育てられた凛太郎が、太田の殿様の執着愛のおかげで心を開き、恋を知り、人としての情操を取り戻していく純愛物語。
「忍ぶ恋」
妬んで邪魔する正室や、凛太郎と組む兄弟子の長吉など、試練が色々あっても二人の心の結びつきは強かった。
凛太郎が忍者を抜ける際に片腕を失い、約束を守って「桔梗の花」一輪を持ち姿を現す場面に感動しました。(ここで失血死して物語が終わるのかと思った)
「とある忍びの死」
気になるのは、安定しない太田家に万一ある時、凛太郎が盾になる気持ちがまだある終りの場面。太田を守り、自分を犠牲にする生き方しか知らない凛太郎は、きっと太田より早く死んでしまうのだろうな、という予感を感じる終わり方で、少し寂しかった。
目的を達成する任務の捨て駒として、感情を捨てる洗脳教育を受けた凛太郎がとても健気で憐れでした。束の間かもしれませんが、幸せな時間を持つ結末があってよかった。やっぱり幸せな結末の小説を読むと、波乱が途中にあっても読後が気持ちいいです。

戦国時代の武将をアレンジして付けた「登場人物のモデルは誰か?」を想像するのも楽しかった。分かりやすいネーミングですよね。
---
備中:太田氏
旧国名の一。山陽道に属し、現在の岡山県の西部にあたる。古くは吉備 国の一部。備州
(備中の戦国時代前期(永正・大永期)の武将に、岩付太田氏が居ます。太田道灌の子孫)

伊賀忍者:
根拠地は、現在の三重県伊賀市と名張市 普段は農業や行商をして各地の情報を探る一方、指令が下ると戦場やその後方へ出向き、工作活動に励んだ。甲賀流と異なる点は、甲賀忍者が1人の主君に忠義を尽くすのに対し、伊賀忍者は金銭による契約以上の関わりを雇い主との間に持たない点。「抜忍成敗」に則り、厳酷な精神と高い体術を育成していた。江戸中期に帰農。

---著者は、こういう「小道具を使ったメッセージ」が上手いです---
★桔梗の花言葉:瀕死の凛太郎が再会場面で持つ花
花言葉は「永遠の愛」「一途」
桔梗の花言葉の由来は、夫や恋人が戦場から帰る日を無事を祈り、亡霊になっても永遠に待ち続ける、一途で切ない女性の伝承が東西にあるため。

★椿の花言葉:★椿の花の場面で、正室が妬む様子が描かれています。面白い。
赤い椿=「謙虚な美徳」 「控えめな素晴らしさ」 「気取らない優美さ」
裏花言葉は「犯罪を犯す女」
椿には邪悪なものを祓う力があるとされていた。

5

女の子がかわいそう

後ろのゴリラにのし掛かられている女の子がかわいそうです

骨が折れそう

1

受け、強し!

笠井先生のイラストたどりでこの本に到達。
丸木先生は、何かで一度拝読したのですが、ちょっと怖かった印象があり
やや避けてました。ごめんなさい。
で、今回、そんな私でしたが、これは大丈夫、超好き!
(でも和風以外のファンタジーのためにやっぱ神はおいとく)

何がよかったっていうと、受け!強い!凛々しい!!!
○○切っちゃっても、這っても帰ってきちゃう!!!!!
読んでて、わーん、帰ってきたーと思わずぐっすん。
苦手な身体損壊シーンでしたが、思いが強く感じられたせいか、
全く痛いーという感触がなかったです。

後、攻めさんの嫁さん。
彼女の悋気には、なんとなく同情してしまって。。。。
そりゃ男に寝取られたらたまらんわ。 とつい。
なんとか受けさんを追い出そうと画策するところも、
見苦しい というより、彼女の強さを感じて、個人的には
をを、頑張る~つえー とやや感動。

日本史物はたぶん初めてなんですが、
大変面白かったです。読後感が超よかった!
あ、女子がちらっとでも出てきたらやだ という人は
お止めになった方がよろしいかも ですね。

3

武将×忍者

戦国時代の史実をベースにファンタジーとして書かれた武将×忍者の物語です。平蔵も凜もお互いへの執着が強くて、読み終わってみると二人がひたすら肉欲に溺れてやりまくっていたような気がしますが(笑)、戦国時代ならではの命がけのドラマティックな展開や敵味方に分かれた駆け引きめいたやり取りもあって読み応えがありました。

全体的に淫靡で、武士と忍者という立場ゆえに刹那的な雰囲気が一貫していて世界観に浸ることが出来ました。笠井あゆみさんのイラストで作品の魅力がさらに増しているように感じます。この体格差…色んな意味でゾクゾクしました。

プレイとしては激しめですが、愛が有り余るほどあるので読んでも辛さはありませんでした。二人にはいつまでも相思相愛で居て欲しいなと思います。

3

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