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単調な解説で壮大な世界観を述べるファンタジ―。
壮大で煩雑な世界観の中で貫かれる主人公と騎士の純愛。
著者は、濃厚官能描写は添えで、
壮大な世界観と、こんがらがった事情の中でメインキャラはどう生きるのか、
という人間愛を書きたい人みたい。
タッチは、「錬金術師と不肖の弟子」と似ている
BLで出さなければ良かったんじゃないかと思うようなファンタジー。
冒頭:
奇妙な「天空倫理会」という宗教団体。
美貌の天使のような外人が登場して、
「この世には、幻に力を吹き込める人が居る」と語り、獣人を信者に見せる。
1章:
祖母が大事にしている宝石付きの小刀を手に握った時から、類は、騎士「クイン」の夢を見る。
次第に夢の中のクインが実体化して、類の傍に居るようになる。
或る日、類の母と父が失踪、類と弟は叔父の家に行く、
死期が近い祖母に呼ばれて、何も文字が無い本「神代記」を譲り受け、
祖母の死後に、あの刀を相続する。
類は祖母に似た容姿。
類は後継者に選ばれた「特別」で、神代記を狙う勢力に実は両親は殺されていた。
・・とこんな感じ。謎が深い。
著者の書き癖に慣れたら、段々面白くなってくる。
電子版は挿絵が無いので、紙本もそろえる予定。
★著者Twitterを読むと、体調不良と、家の事情で書けなくて、数年新作を出せなかったみたいです。
内容はあらすじからわかる通りの、いわゆる異世界トリップ系。
昨今はやりの異世界モノも、みんなこれくらい作り込んでくれたら読み応えあるのに……という「正しいお手本」のような本でした。
壮大すぎるという意見もあるようですが、私はそうは思わなかった。
別の世界を想定するなら、このくらい作り込んでくれなきゃ!と思います。
キャラクターもみんな魅力的で。
特に攻めのクインは実に騎士然としていてイイ。それでいて、世慣れていないところも、天然かわいいです。
受けも、きちんとものを考えられる落ち着いたキャラクターだったので安心して読めました。
難のつけようもない作品だと思うのですが、あえて一つ挙げるならば、いつも清廉な神殿の騎士であるクインは、いつエロスイッチが入るのだろう?と思ったこと。
攻めのクインは、受けにすべてを捧げている人なので(なので献身的な攻めが好きな人は好きだと思う)、無償の愛を捧げている感じはとてもするのですが、受けに対する征服欲とか支配欲(自分のものにしたいという気持ち)は絶対になさそう。
あまりに受けを絶対視しすぎて、繋がりたいとか一つになりたいとかもなさそうだなと思ったのです。
そのため、ベッドシーンはあるのですが「いつスイッチ入ったの……?」というのが疑問として残った。
清らかな顔して実はムラムラしてた、とかでも可愛いと思うので、もうちょっと、不変不朽の無償の愛ほど尊くない、人間っぽい愛情も見たかったなー、と思いました。
最近この作者さんにハマってしまい、電子版を買い漁っています。
結果、新しいものとファンタジーものは非常に面白かった。
作者さんと嗜好がバッチリ合うみたいです。
あとがきに『自分の好きなものを詰め込んだ』とあると大当たりでした。
不器用ながらも精一杯愛情を注ぐ攻め、すごくいい!
もっともっと評価されて欲しいなぁと願う作者さんです。
作品中で残念だったのは、一冊では無理があったのでは?ということ。
後半は駆け足でギュッと無理矢理まとめたというイメージでした。
電子版なので下に読書位置のスライダーが出てくるんですが、読んでいる途中で「えっ、これあと3分の1くらいしかないけど、話ちゃんとまとまるの?BLにありがちな巻数表示がないだけで続刊パターン?」と気が気でありませんでした。
感覚的にはあと2冊くらいあっても良かったんじゃないかなぁともったいなく思います。
他の方もレビューで書いていらっしゃるように、全体的にもうちょっと掘り下げて書いて欲しかった。
そうしたら3冊分くらいになるかなと。
続きが気になるしもっと読みたかったと感じたので、私も続刊希望です。
大好きな作品ですが、皆さんがシリーズ化を疑うくらい中途半端で足りなかったということは否めません。
もしかして出版社側の都合もあったりして?
杉原さんの作品は現代を舞台にしたのも好きですが、やはりファンタジーの方が冴え渡っている気がします。
恐らくシリーズものだとは思いますが、設定などが込み入っててまだ謎な部分は残ってます。
神代記の収集、神遣いの騎士としての役割…それから弟の由羽も何も知らないままフェードアウトするとは思えないですよね?力もあるみたいだし。
普段ストイックなクインが類を押し倒すシーンはドキドキでした。他の方も書かれてましたが、どこでそういった知識を学んだんだろ…。これで「昔は稚児を何人も侍らせてた」とかだったらドン引きですわ。
理解力に乏しい私としてはペーパーナイフの存在も謎なんですが?
異世界ファンタジー。
高校生の類は、古の時代から伝わる『神代記』を護る一族の末裔、
祖母の死によって類は継承者となり……
お相手は、継承者に仕える神獣の騎士、麗しのクイン。
唯一無二のパートナーの二人、
類が呼べばいつでもクインは現れ、共に危険や敵に立ち向かう……
かなり厚めの本で、作り込んだ設定ではあるのだが
説明調が多くて、正直世界観に入り込むのに時間がかかった。
そしてこの設定の割には、実は物語はシンプル、
無駄に壮大な気がするのは、シリーズ化への布石なんだろうか?
BLのファンタジーやSFは、なんちゃってに成りがちなことと
LOVEの塩梅が難しいと常に思っているが、
この作品も、いっそLOVE抜きで匂い系か
あるいは設定はもっとバッサリ簡潔にして
LOVE要素を増量にするかの方がよかった気がする。
淡々とした主人公二人のキャラは結構好きだが、
淡々としている上に気持ちの描写が少ないので
なかなか思い入れるという感じになれず
盛り上がりに欠けたのが残念。
人間に興味がなく禁欲的に生きてきたクインが
気持ちを伝えるところでの物なれなさ不器用さは萌えるのだが
いざベットとなると結構手慣れているのは
どこで経験を積んだんだろう……?(笑)
個人的なお気に入りは、謎の美青年アーロンと
異世界での師匠(竜使い)のラザレス。
シリーズ化するとしたら、重要な役割になるのかな?
とも思うが、正直続刊が出ても買うかどうかは微妙なところ。