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作者である夕映先生の、山に対する愛がひしひしと伝わってくる、美しい作品。。
読んだらきっと、夏山に上りたくなってしまうと思います。(読んだ時期が絶賛、冬!!で残念…)
以下、ネタバレありのレビューとなります。
梓(受)の手術後の登山と、二人がやっとやっと繋がる描写に、読みながら涙がつつつ…と流れ出て、止まらなくなってしまいました。
年下の山岳写真家 × 心臓病を抱える山のホテルオーナーの恋。
普通の人よりも短いであろう寿命を、細く静かに生きることを受け入れていた梓。
そんな梓が穂高と出会い、「共に生きていきたい」と強く願うようになり、動き出していくー
梓の踏み出す一歩に、まるで彼と一体化したかのようにドキドキ・ワクワクし、手術を乗り越え、穂高と一緒に山頂に辿り着いた場面では胸がいっぱいに。。
文章で綴られているのに、そこに本当に山頂からの景色が見えるような夕映先生の美しい描写にも、圧倒されました。
そしてそこにズドンと刺さる、みずかねりょう先生の挿絵!!!
山頂で穂高が指輪を贈るシーンの挿絵が本当に美しくて、じいっと見入ってしまいました。梓の左手薬指に光る指輪が眩しいよ…
物語に登場する木々の描写や、梓の飼い犬ボルゾイちゃん、二人が愛を交わす描写など全てが美しく、本当に芸術品のような物語でした・:*+.
あとがきによると、先生のデビュー作に登場したカップルが出てきていたとのこと。
順番が逆になってしまいましたが、そちらも読んでみようと思います(๑•̀ㅂ•́)و
ペンネームにも表れているけど、著者は山や大自然が好きな人
自然豊かな場所を背景にした作品 著者の人柄が現れている
タイトル通りの読後感良い内容の小説。
夕映先生のブログが未だ閲覧可能で
関連SSも読める状態だったので、メモ
「Live, Love, Laugh, and be Happy. 」
――『恋してる、生きていく』SS
http://yueinfo.blog.fc2.com/blog-entry-51.html
シルフ視点でみたアズサ
夕映先生の風景描写から山の美しさが伝わる。梓は諦める事に慣れてしまっていて、そんな梓にとって穂高は憧れで希望だった。先を考えて穂高を受け入れないのは解る。身勝手とは思わないけど、後悔ばかり残る気がした。篠原と蟠りが消えたのは良かったけど、穂高は寂しかったと思う。梓の気持ちが変わって良かった。恋人になっても遠慮がちな2人がもどかしい。梓が手術を受けて、穂高が献身的に支える姿は微笑ましい。ここからは感動の嵐。穂高の「この傷は、梓さんの気持ちでしょう」って言葉に感涙。優しく希望に満ちた作品
山岳BL2作目。
しかしながら、収録の「solitude」は元々デビュー作の「天国に手が届く」より前に書かれたそうです。
登山が趣味だという作者様の山への思い入れが充分伺える作品。
レビューも多いので感想だけ。
私は、物語を大きく見せようとするがためのわざとらしい演出などが嫌いです。
大袈裟なドラマの詰め込みが苦手です。
正直、この物語。
私的には苦手な要素が入り込んでいます。が。
いつもならうーんとなるような部分も非常に巧みに美しく物語の中に織り込まれ、ため息が出るような切なさで読ませます。
例えば受けの生まれつきの心臓病。
屈強な攻めでも、山の滑落事故に巻き込まれたら死に直面すること。
これらはいつもの私なら「ドラマチック過剰」とバッサリ斬るところ。
しかし、幼い頃からい色々な事を諦め、目を背け、生に積極性を求めない梓。
静かで美しい森の精のような梓。
一方、素直で優しくて逞しくて、の山男の穂高。
森の精にかしずく従者のように梓への愛を語る穂高。
この2人が紡いでいく愛の形は、崇高に美しい。
それは、人間が存在する前から何万年もそこに在る山たちの神性を映しているかのようで。
一歩間違えたら単に難病ものに転びそうな主題だけど、そこに在ってある季節は雪と氷に閉ざされ、また花が咲き、風が吹き渡る…そんな山々の厳しさと美しさが物語に芯を与えている、と感じました。
また、受けの梓が決して儚げでも聖人でもなく、愛情と肉欲が結びついている。
梓にとってセックスはこれまで手に入らないものだった、でも穂高を愛して生を欲する、そこと結びついているからこの作品におけるセックスは単にエロではない。
そんなところも読みどころのひとつ。
切なくて綺麗。素敵。
”あなたを好きになりたくない”から辿り着きました。
こちら読んでから、改めて”あなたを~”に収録されていた後日譚を読んだら
前回読んだときより尊く感じました。(当たり前か…)
他のレビュアー様がすでに指摘していますが、BL設定じゃなくても…難病ものの恋愛小説(男女)でもいいんじゃ?的な印象もなくはないのですが、舞台となっている土地の自然の繊細かつ雄大な描写にワクワクしたり、穂高と梓が相手のことを想いあう美しい気持ちにじーんとしたり、生きるということの意味について考えさせられたりと、読み応えはたっぷりありました。そして、夕映先生って結構スケベがハード目な印象なのですが、これは受が難病ということもあって慈しみあうような交わりが、むしろめっちゃ尊くていい、、と思いました。互いの鼓動をじっくり確認しあい、大切なものに触れるボディスキャンというような趣が素敵でした。
みずかね先生のイラストは神ですね。特に、カラーイラスト、ボルゾイを連れて森を散歩する2人(美人なオーベルジュオーナーと爽やかで優しい山男)は眼福でしかありません。素晴らしいです。山岳シリーズ、もっともっと読みたいです。