小説

  • アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋

アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋

Mr.Arthur Rutherford no ososugiru hatsukoi

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋

アーサー・ラザフォード,30歳,米国保険会社日本支店の支社長・アメリカ人
坪内時広,28歳,元英語教師

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「この私が、今さら恋だって?」
百戦錬磨のプレイボーイが落ちた瞬間とは――!?

高校教師の時広は同僚の男性教師のストー力ー行為に悩まされ、退職することに。
しばらく自宅を離れたい時広のもとに、ホテルに滞在しての日本語教師の仕事話が舞い込む。生徒は国際企業の日本支社長に就任したアメリ力人・アーサー。
映画j俳優ばりの容姿の彼は名うてのプレイボーイでゲイ!
彼にとって小柄で童顔、純朴な時広は全然食指が動かないタイプだと思っていたのだが――!?

地位もお金もあるハンサム支社長×童顔・子供体型、まるで冴えない元教師

作品情報

作品名
アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋
著者
名倉和希 
イラスト
逆月酒乱 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋
発売日
ISBN
9784861348235
3.8

(115)

(32)

萌々

(51)

(22)

中立

(4)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
22
得点
434
評価数
115
平均
3.8 / 5
神率
27.8%

レビュー投稿数22

”初恋”に悶える30歳スパダリ攻め様がここに!

いや〜〜〜、これを「溺愛」と言わずして、なんと言う!?

あらすじは他の方がたっぷり書いてくださっているので、感想のみを。

もうね、攻めのアーサーの「包容力」そして「溺愛っぷり」といったら!!
これが想像を上回っていて悶えました。


初対面では「なんだーがっかりー子供みたいな体型でタイプじゃないわー」とツーンとしていた攻め様が、受けの健気さにやられて落とされ…

というよりも勝手にどんどん落ちていく(笑)様子にニヤけました( ̄∀ ̄)

執着して受けを監禁したり、酷いことしちゃう攻めのお話も好きなんですが、このアーサー氏は真逆も真逆。

時弘のことを好きだと自覚してからは、徹底的に守って守って溺愛して…

読みながら足元から蕩けそうになりました。冬なのに真夏のアイスクリームみたいになりましたよ…笑

両手両足の全指を足した数より多くの相手と浮名を流してきた攻めが本物の恋に落ち、”初恋”に戸惑い胸かきむしる様子を堪能しました✨

ストーカーによる監禁・暴行により心に大きな傷を負ったトキ(=時弘)に寄り添い、懸命に心を解きほぐそうと努力するアーサーが素晴らしく格好よかった!!

受けのトキも一生懸命で健気で魅力たっぷりなんですが、それを凌駕するアーサー様のスパダリっぷりにどっぷり溺れた一作でした〜◎

0

ストーカー野郎が胸糞悪いけど、、、

今更ながらに読みました!評判がいいだけあってすごく面白くて満足です。
分厚いし読み応えも抜群。ただ最初と最後に主人公にストーカー監禁暴力したクソ野郎が出てきてしんどい描写があるのでそれだけ注意。無理な人はそこだけ数ページ飛ばして読んでも話はわかるし何も問題ないです。オール甘々だとおもってるとちょっとキツイかも。
中盤はずっとアーサーがかっこよくて大好き。真面目で紳士だししっかりしてるから印象も良き。たまに変態だけど外国人だから許せる。190のイケメン社長外国人なら大抵のことは許されるよね!笑
なんだこの子猫ちゃんは〜とか言うのもアーサーが言うなら許される。
ハッピーエンドで大満足でした!

0

運転手さんのプロ意識よ

溺愛攻めと言えば名倉先生。
疲れた時に、癒されて甘々に浸りたい気分にはおすすめの作家さんです。

竜シリーズ、神様、おねがい、を読みましたが、初めてのレビュー。どの作品も素敵なのですが、シリアスと甘々のバランスが好きであっという間に読破してしまいました。

好みとは程遠いトキのことを最初は全然良く思っていなかったのに、トキがふらついたときには、さっさと抱き上げて助けてあげちゃうアーサーは、やっぱり育ちが良くて基本的にはとてもいい人です。
冷静で大人っぽいと自負しているのでしょうけれども、とても愛情溢れていて所作もスマート。う〜ん、間違いのない攻め様です。

そしてトキちゃん。なんていったってアーサーとの身長差と体格差。
もう、好き!
過去のいろいろで痩せてしまってふらついている姿なんかも、私としてはたまりませんでした(最低)

2人の想いがやっと通じあって睦ごとを繰り返している車中(アーサーの泊まっているホテルに向かっている時)の会話なんて、マジで聞いていられないくらい甘々です。
よくぞ運転手さんは表情にも声にも出さずプロフェッショナルを貫いて下さいました。
甘々やないかーい!と読んでいる私はすごく騒がしかったです。

そしてだいちくん。
いい人過ぎない?!
え!スピンオフは?!
と思っていたら2巻で彼のお話が読めるんですね。
すっごく楽しみ〜〜〜!

なにはともあれ読んで元気になれる作品て貴重です。
とっても幸せな時間でした。

0

純・シンデレラストーリー

シンデレラストーリー嫌いな人いる????
私は大好きです!!!

受が不憫で健気、攻はスパダリで仕事ができて遊びで恋愛している人。
それが、健気でかわいそうで庇護欲を掻き立てられる日本人・トキと出会ってすべてが変えられてしまう。
希少動物であるトキのように、時広には遊びで触れられないとアーサーが自重しまくる話です。
名倉和希先生は天才だよぉ……。

ただね、私が萌にした理由は、ずっともだもだと片思いしてアーサーが希少生物であるトキに遠慮して手を出さないことですかね。
やっとおせっせに持ち込んだときに、アーサー視点で「いやああhっほおおおおおおあぁぁぁああ!!!!トキかわあああいあいあいいいい!!!ベロベロベオrベオロロ」っていうところが見られたら神になってたけど、アーサーは紳士なのでそんなことしないし、そんなヘンタイではありません。
紳士は多少ヘンタイのほうが性癖です。

けど、スパダリの溺愛が好きならぜひ。満腹になります。
このあと、何巻か続きますが、この巻は序章です。
私は一巻で満たされすぎておなかいっぱいだなって思いましたが、私の知らない内に二巻が手の中にありました。きっと無意識のうちに電子書籍買っちゃったんでしょうね。こわ……。
アーサー×時広って際限なく摂取できる…こわ……モグ…ムシャアァ……。

0

攻め←←受けが、攻め→→←←受けになる


外国人支社長×トラウマ持ち童貞受け

攻め←←受けが、どんどん攻め→→←←受けになっていくお話でした。

最初は受けの一目惚れから始まり、中盤まではずっと片思い。
受けは臆病で控え目、童貞恋人歴なしピュアッピュア!
カッコイイ攻めを前にしても見ているだけでも充分という奥手な性格。

なかでも攻めの心の変動は、面白かったポイントでした。

エリートで女も男もとっかえひっかえ、遊びと割り切るタイプの賢い攻め。
見た目も中身も全然タイプではなかったのに、受けの抱える孤独な背景とストーカー事件を知るうちに同情→心配→保護欲→恋心というようにシフトしていき、放っておけなくなります。

しかもスマートだった攻めも、初めての恋を前にしてはドヘタレに…。
お互い好きなのに短期滞在の攻めは思うことがあり、すれ違いが発生。
とはいえ、端から見たら甘々な二人。

執着攻めばかり見ていた私は糖分過多(笑)
腹黒さからはかけ離れた甘々なお話でした。

ちなみにピュアピュアなのでエッチなんて最後の最後。
それまではキスくらい。

攻めの女性秘書がナイスアシストで女性キャラとしては好感を持てました。

1

じっくり恋に落ちて行く過程

私が先に読んだ名倉作品2つ(恋は晴天の霹靂、竜は将軍に〜)が早々に両思いになるので、今回もサクッと気持ちが通じて甘々でコメディな作風を予想してたのですが、日本情緒も織り交ぜて初恋がじわじわと育っていくお話でした。

トラウマ持ちの時広はトキと呼ばれ、その無垢さにアーサー達から天然記念物扱い。
スパダリと豪奢ホテル暮らし(部屋は違うけど)だけでなく、日本家屋や風鈴とキス、蒸し暑いお盆など瑞々しい日本風景が心地よいです。
相手への好意に気付いていく過程が和と洋のイベント(プールやお盆、ブランデーに日本茶)を印象的に織り交ぜながら描かれ、納得しながら読み進められました。
個人的にはもっとコメディ感があると思っていたので、甘々はまだかと急いてしまいましたが、切ない&ほのぼのトーン強めでした。時広のトラウマがあるから余り明るくなってもという気もしますが。でも精神的に辛かった時広を癒しまくる描写はもっと読みたかったです。アーサーが時広の裸の細い背中や腰を想像したり、跡の残る首をキスマークで上書きするのがとても良かったです。
しっとりした両片思い描写を楽しみたい時におすすめ。

1

さすが!

プレイボーイが初恋でおかしくなっていく様を楽しむ本ですね。

好みじゃなくても落っこちた恋に我を忘れてしまったアーサーが可愛く思えてきます。

トキがストーカーにえらいこっちゃな目に合わせられながらも、前向きなところが魅力的です。
事件のあとすぐに教師を辞めずになんとか続けようとしていたのに辞めざるを得ない状況になった時は、悔しくなっちゃいました。
日本語教師を引き受ける勇気もえらいなぁ。と近所のおばちゃん目線か?って感じで読みました。

挿絵がイメージとマッチしてた!

2

時広よ幸せになって…!

時広の受けた仕打ちが理不尽すぎて、あまりにもかわいそうなので、はやく幸せになってくれと本気で思いました。
友達の大智に紹介された、アメリカ人支社長相手の日本語教師の仕事に就くも、最初は印象がイマイチだったようで…。
どうなるかと思ったら、美人秘書のエミーが時広をみごと大変身に成長!
アーサーの帰国が決まって、泣いちゃう時広が可愛かったなぁ。
時広が変態ストーカーに襲われた場面でアーサーが助けに来たのは本当に安心したー。
最後のエッチは甘くてすごく良かったです。
エミーが美人で、とってもいい人で大好き!
エミーのオフの生活がすごく気になります…

0

私の溺愛といえばこちらのシリーズ。

 先日のちるちるさんで実施されていたの溺愛のアンケート。
私の中の溺愛といえば、これだなぁ、と真っ先に思い浮かんだシリーズです。
ただ今再読中です。


 受け様は、ゲイであり英語教師をしていた時広。
同僚からストーカーされたあげく拉致監禁の被害を受け、その傷が癒えないまま、攻め様であるアーサーの日本語教師として出会う。

 攻め様のアーサーもゲイであり、ティーンエイジャーの頃から夜の方は切らしたことがない百戦錬磨のプレーボーイ。
イケメンでお金も、能力もあり、モテモテだったよう。


 ホテルのロビーで初めて会った時、アーサーってばトキのことをまるっきり論外だとガッカリ。
なのに、身なりをちょっと整えてみたら、案外キュート。
ものなれない初々しさは庇護欲をそそり、素直でかわいく、それでいて芯は強い。
一緒に過ごす内に、気付けばアーサーは、トキの事ばかり気にかけるようになる。

 期間限定で日本に来ている自分は、いずれアメリカに帰らなければならないから、トキを泣かせたくはない、と手を出してくてもぐっと我慢のアーサー。

 初めはその気じゃなかった攻め様が、受け様にメロメロになっていっちゃう姿、ソーキュート。
私が好きな展開が繰り広げられていて、とっても楽しくにやにやしっぱなしでした。

 トキが、再びストーカーされていた元同僚に襲われた時、アーサーが激怒してストーカーを撃退。
助けられはしたけど、トキをこんな怖い目にあわせてしまった自分を許せないアーサーの意気消沈ぶりも、そんな攻め様の姿が大好物なので、萌えがあふれました(*´∇`*)

これから続くアーサーのトキへの耽溺ぶりが、何度読み返しても大好きです(≧▽≦)



5

攻めの脳内が楽しい作品

名倉先生作品の中でも、なぜかまだ読んでいなかったこちらの有名シリーズを読んでみようと手を伸ばした結果…
いやはや、とっても面白かったです!
てっきり貴族ものかと思っていたのですが、そうではなかった。
同僚のピンチヒッターとして急遽会社の日本支社長を任されることになったアメリカ人と、ワケありの日本人元英語教師という組み合わせでした。

両視点で描かれる、焦ったくてもだもだとした大人の恋模様がすごく可愛らしくて。
特にアーサーの脳内の混乱っぷりがおかしいんですよ。
タイトル通り、不思議の国ニッポンで大和撫子のようなトキという青年にいつの間にか心奪われつつある自身の気持ちから目を逸らそうとあらがい、結局あらがえていない様子がなんだかクスッと笑えてしまう。
アーサーにとってトキは恋愛対象としては全く好みのタイプではないですし、服装も何もかもが野暮ったい…と、出逢った当初の印象は最悪とまではいかないにしても、芳しくないものだったのですよね。
しかし、そこから彼の内面を知っていく内に、気付けばどっぷりとトキという沼にハマっていってしまう。
守備範囲外は興味がない→ちょっと気になる→可愛くて頭を抱える→好きなのではないか?→初恋かもしれない→好きすぎて触れられない!と、段階を踏んで脳内で漫才のような葛藤を繰り広げる、果たして本当に初心なのはどちらなのか?となってしまうアーサーの姿が見どころです。
理想のタイプと好きになる人は違ったりする。
この辺りが恋愛の不思議さ、面白さだなと思います。
ピュアなおぼこ受けにどんどん余裕なくのめり込んでいく様子が可愛らしくも、ところどころに育ちの良さが見られたり、トキを優しく庇護しつつ、強引さはなく最後まで誠実だったのが素敵。
全てトキ限定なところが好きです。

そして、アーサーではなくともどうしようもなく庇護欲を掻き立てられてしまうトキこと時広という人。
こんな出来事が起きれば泣き寝入り、もしくはしばらく立ち直れなくなっても無理もないよねと思うのですが、それでも少しずつ前に進みたいと考える彼は、決して大人しくて弱々しいだけの存在ではないんじゃないかな。
亡き祖母を大切に想う優しい彼が、傷付いた心ごと包み込んでくれるアーサーと出逢い、少しずつ救われて愛される様は名倉先生らしい溺愛ものでありながら、受けである時広のシンデレラストーリーでもあるのではないでしょうか。
どうかこのまま甘く幸せな日々を送って欲しい。

ストーカー男やトキの学校関係の面々に関してはなんとも言えない気持ちになりましたが、エミーをはじめ、周囲の登場人物がとても魅力的でした。
トキの愛らしさに初めから気付いていたエミーの審美眼とアーサーに対する物怖じしない物言いが好きです。
アーサーとエミーのやり取りが読んでいてすごく楽しかった。
トキの友人の大智も魅力的で、ノンケなのは分かっているけれど、この世話焼き加減さを見ると大智のスピンオフも読みたいなあなんて思っていたら、あとがきで先生が言及されていて、もしあるとすればどうやら受けになりそう…?
(勝手に攻めかなと思っていました)
この2人が今後どう絡んで来るのかも楽しみです。

あとですね、西洋系外国人×小柄な日本人カップルの定番描写である、攻めのあれが大きすぎて少ししか口に含めない描写が定番だけれどたまらなく良かったです…
1作目は出逢いからくっつくまでがメインだったので、190cm近いアーサーと165cmのトキ…と、体格差のある2人のあれこれについては続編でじっくり読めるのかな。
溺愛度もきっとパワーアップしてくれるのではないかと期待をしながら、続編も楽しく読みたいと思います。

3

応援し続けたいと思ってるシリーズ


レビューする前ちょっとだけ愚痴。(ここはスルーしていただけると幸いです!)

いつか名倉和希先生の作品をレビューするのならどんな作品を最初に選ぼうかな~ やはり先生のお名前と作風を確実に認識できた『神さま、お願い』じゃないのかな~

今はこんな思いあっさり消えちゃいました(笑)「名倉和希」という認知度高めな作家さんをちるちるという巨大サイトでサーチすると、一番上に(しかも二番目まで!)自社のレーベルと出版社名が出るのがどれだけ宣伝になるのかについて新書館はまったく興味がないみたいですね。
はい、小説Dear+ Vol.72のことです。あんまりにも無神経すぎて、残酷すぎて… 結構長い間根に持ってそう。貴社の作家さん扱いはよ~く分かりました。作品リスト+作家コメントという周年特集の鉄板ができない作家さんだけどお祝いしちゃうんだ!うわっなにその覇気!ホントスゴイデスネって感じ(笑) じゃあ私も残念ながら私にとって記念すべきな作品より先生の作品で一番超大好きな『アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋』をレビューすることにしました。



このレビューには先生の作品『純情秘書の恋する気持ち』のネタがほんのちょっぴり出てるのでネタバレ嫌いな方々はご注意してください。



この作品は導入部読んで少し焦りました。
なぜなら、今か今かと読み続けても攻めさん出て来ない!(笑)
どうしよう。早く攻めさんと一体化して読みたいのに。あっ、でも坪内さんいい感じ。会ったらすぐに運命の恋を感じちゃうのかな?一目惚れ的な?とか、遠くで見守る気分で読み進めるところ、攻めさんよりも先に柴田野郎が出てくるんですね。名前書いてるだけなのにムカついてきた(笑)
この作品そして『純情秘書の恋する気持ち』も相当嫌な、目障りとかそんな可愛い単語で表現できないほど、人間であることを辞めましたっという奴らが登場します。こいつらのせいで受けさんたちは仕事をやめる羽目になってるしストーキングまでされて。
まあ、『純情秘書の恋する気持ち』の先輩野郎はこの作品の柴田よりマシなほうなんですかね。人でなし先輩野郎も一応最後には人間のようには見えてきたんで。

時々「健気受け」タグがつく小説で受けさんが感情過剰と感じられる作品ありますよね。自分の哀れな過去とか語り続けるの読んでると「ハイハイワカリマシタもういい加減聞き飽きた」という気分になっちゃうみたいな。
名倉先生の作品の健気受けさんはなんというか、ちょうどいい程度といいますか、むしろ「もっと怒って!もっと泣いてもいいのに!」と慰めてあげたい気持ちになるんです。こんな受けさんだからこそ私は素早く熱い恋の熱病におかされる。いつの間にか攻めさんになりきってこの子を幸せにしてあげたい。生涯を捧げたいって(笑)

作品の冒頭から坪内さんは退職届を差し出して、 すでに行われてしまった柴田の悪行を坪内さんの回想を通じて読むことしか出来なくて、そして「(レイプが)未遂でよかったじゃないですか」ってほざいてる警察官まで。
ここまで読んで思ったのが、この柴田のヤツこれで終わりのはずがない。絶対また出てる。私のBL脳細胞がそう言ってる。その時アーサーさん、アメリカ人の専売特許な「訴える!弁護士雇って絶対に訴えてやる!」ほどで済ませるとマジがっかりだからね? そうすると私は、『アーサーシリーズ』読み続けること出来ないからね?一発だけでもいいから必ず殴って?
すみません。アーサーさんと出会いがまだだったので。ごめんなさい。アーサーさんは真に名倉先生のご立派な攻めさんでした。めちゃくちゃカッコイイ!よく出来ました!
アーサーさんが柴田の悪行を目の前にしたとき、素晴らしく文句無しの対応してくれて私は起立拍手の状態になったんです。角野さんが止めなかったら柴田はその場で確実に…(笑)

実のこというと、アーサーさんそんなに遅い登場ではなかったんですね。ただ、ストーキング描写、こいつマジで正気じゃないな、頭どうかしてんなって思えるほど、住居侵入した柴田の態度と言動があまりにもリアルすぎてぞくぞくして、この状況早く何とかしてほしい。だからアーサーさんの登場が遅いと感じたようです。(そして柴田の住居侵入は後半でもう一回出てますが、後半のほうがすごくキツい。心臓壊れると思った)

話の最初と最後は「柴田、絶賛悪行中!」みたいな感じですが柴田が出てこない、内容のほとんどはラブコメです。とくにアーサーさんの変化ときたらw 「全然好みじゃない → 好みじゃないはずだが → いやいやいや好みじゃない!断じて違う! → 可愛い…これだけは認めよう… → トキ、愛してる!愛してるんだ!私のものになってくれ!」みたいな。初対面の人がちょっと体調悪いって自分の部屋に姫抱っこして連れてく時点からもう一目惚れでしょうが。
名倉先生の攻めさんは基本、年齢関係なく一貫してます。情熱的で猪突的でありったけの熱い想いを注ぐ、恋を自覚するとさらに色々すごくなります。そして「受けさんのこと心から愛してる」っという感情がほかの感情より最も優位を占めている気がします。受けさんなしじゃ生きていけないっと全身で叫ぶような感じで。アーサーさんはもし坪内さんがいなくなったら「生きることに何の意味がある?」とか言っちゃいそうなお方なんです。遊び人の初恋ってすごい!



名倉先生、20周年真におめでとうございます。
そして『アーサー・ラザフォード氏の甘やかな新婚生活』の増刷もすごく嬉しかったんです。増刷のお知らせを見たとき『ダリア文庫』というレーベルの好感度が一気に上がりました。
さらに!2019年5月13日に発売予定の待望の4作目まで!アーサーさん、記憶喪失ですって?(笑)大好物です!たまんないです!これからもずっとずっと『アーサーシリーズ』と連呼し続けたいです!

8

「アメージング!」に笑った

「今まで何故読んでこなかった?」と言われてもおかしくない有名シリーズですよね、このお話。
勝手に『ふわふわして可愛らしいお話』だと思っていたのですよ。
ところがお話の冒頭は、私立高校英語教師の時広が職場を辞める場面。それも『自分の意に沿わずに』。
主人公の時広は学校経営者の血縁の同僚に一方的に想いを寄せられ、ストーカーされ、挙げ句の果てには拉致監禁と強姦未遂の被害に遭っているんです。その後、同僚や生徒の態度はぎこちなくなり、時広も精神的にまいってしまって辞めざるを得なくなったという顚末。
おまけに時広は事故で両親を亡くし、育ててくれた祖母も他界した天涯孤独の身なんです。
加害者が『執行猶予付き有罪』って事なので……これは怖いでしょう。

「えー!そういうお話なの?いや、どんなのでも平気なんだけどね、そういう心づもりで読み始めていないから……」と思っていた所、途中からお話のトーンがガラッと変わるんですよ。
これがねー、とっても良かったの!
まぁ『落とす所まで落としておいて急激に押し上げると、上がる、上がる』とでも言いますか。

時広は外資系保険会社に勤める友人の大智から、日本支社長として赴任したアーサー・ラザフォードの日本語教師として務めて欲しい旨を要請されます。日常会話を教えて欲しいので、その間はアーサーと同じホテル住まいという条件で。
怖いから自宅に居たくない時広としては渡りに船の話なんですね。

ゲイである時広は、出会ってすぐにハリウッド俳優のようなアーサーに好感を持っちゃうんですけれども。
でも、アーサーは時広が全くもって好みのタイプじゃない。
身なりに気を使っていないし、ガリガリで、子どものような見た目なので。
おまけに控えめな時広は、アーサーにとっては「自己主張すら出来ない」と映るんです。

まあ、ご想像通り、アーサーの方がいつの間にか時広に心を奪われてしまう訳なんですが。
ここからが滅茶苦茶可笑しくて、もうクスクス笑いが止まらなくなるんです。
だって、当初は馬鹿にしていた子どものような見た目が「若く可愛らしい(アメージング!)」となり、自分のことよりも他者を立てる振るまいが「なんて優しく思いやり深い(アメージング!)」となる。
当初は日本を『アニメと変態の国』と思っていたアーサーですが、時広のおかげで『奇跡の国』に早変わりですよ。

ただ、流石『合衆国のエリート』アーサーは自分の気持ちが恋であることを否定し続けます。
ストーカー被害に合ったばかりの時広も、被害者の例に漏れず自分を卑下し、自分がそんな目で見られているなんて思いもしない。
このジレジレとした『両片思い』を大変楽しくいただきました。

ただね、このお話、スパダリ(それも『合衆国でエリートとして生きてきて、家は富豪っぽい』っていう、プライドが服を着て歩いているようなヤツですよ)が恋に翻弄されて『愚かしくも可愛らしい人』になっちゃう様子を楽しむお話だけじゃないんです。性被害に遭った健気な主人公が幸せになる『一種のシンデレラストーリー』でもあるというのがミソなんじゃないかと。
アーサーの様子が笑えるだけでなく、時広が過去の被害から解き放たれる所は思いっきりスカッとしますよ。

5

超肉食プレイボーイが初めての恋にオタオタする様子がおいしい。

初っ端から高校の英語教師をやってる受け様が同僚のストーカーに拉致監禁されてしまう不穏な出だし。
すぐに救出されて犯される事はなかったものの、心に深いトラウマを負ってしまい、職場にもいづらくなり辞める事になった彼に、臨時日本語教師の話が舞い込みます。

教える相手は保険会社の臨時日本支社長として来日したアーサー。
彼はオープンゲイの肉食プレイボーイ。
日本語に興味はないけれど教師が男だと聞いて、好みのタイプなら……と渋々承諾したところ、目の前に現れたのは好みとはあまりにもかけ離れた男。

こんな貧相でこどもみたいな男はごめんだ!と思うのですが、それでも肌のきめ細かさや、メガネの奥に潜む大きな瞳の艶やかさ、睫毛の長さとかに気づいてしまうあたりがさすがというか、男に対しての観察眼の鋭さはまさにハンターだなぁと思いました。

そしてトキ(受け)が早々にゲイでしかも童貞だろうという事も見抜いたアーサーは、今まで接したこともないタイプの人間を前にして、ちょっかいをかけたら面白いかもしれないと閃いて……。

アーサーの微笑みに思わず真っ赤になるトキを見ては面白いなんて思っていたはずなのに、柔らかそうな耳たぶについ触ってみたくなったり、時折暗い目をしている理由を知りたくなったり……と少〜しずつ少しずつトキに興味を惹かれていきます。

初めは好みではないから手を出さないと思っていたのに、一緒に過ごして惹かれていく過程でトキの背景や心の傷を知ったアーサーが、いい加減な気持ちで手をだして純真なトキを傷つけたくないから手を出さないと気持ちが変化していくんです。

そして超肉食で遊び慣れた攻めが、初めての恋に右往左往してプラトニックな関係で我慢しつつもオタオタしたり、ヘタレてしまったりする様子もたまりません。

大切にしたいがあまり人生最高の自制心を発揮しまくる攻めと、気後れしまくる受けという二人なので両片思いなのになかなかくっつかないのですが、そんな焦れっぷりも攻め受け両視点で綴られているおかげでイライラせずに読む事ができるし、そこも醍醐味の一つだと思います。

そして二人を支える脇役も良かったなぁ。
トキの貧相さにガッカリしたアーサーが、あんな男じゃ勉強する気にもなれない!とチェンジを希望した際に「目の保養になる男性を連れてきたら、それこそ別のヤル気が出てしまうでしょうが。」とボスにピシリと言い切れる秘書のエミリー、GJ!

思い通じあったあとの甘さといったら、さすが外国人!ストレート!
甘いの大好きなので、ごちそうさまです〜♪♪と有り難く頂戴しました。

ちなみにこの二人は続きがありまして、2巻のタイトルは「アーサー・ラザフォード氏の甘やかな新婚生活」。
どっからどう見ても甘さしかないといったタイトルなので、もちろん2巻も買いましたよ!

こちらは答姐でおすすめ頂いた作品でして、とても楽しく読めました。
どうもありがとうございます!



10

読む前は貴族だと思ってた

シリーズ物で、新刊が出るということで選びました。
名倉さんは最近では読むのご無沙汰していた作家さんでしたが、やはり文章に癖がなくサラッと読むことができます。
タイトルからアーサーって貴族なの?と思いきや、セレブビジネスマンでした(苦笑

受けは元英語教師の時広、28歳。
攻めは大手企業日本支社長代理のアーサー、30歳。

勤める学校の同僚から時広がセクハラ→拉致監禁され精神的ショックから退職し、その後友人の紹介でアーサーの個人日本語教師となるお話です。
視点が受け攻め交互の三人称で特にアーサーの一喜一憂が面白いんですけど、携帯端末という表記が気になって気になって仕方なくて。
地の文は良いと思うのですが、会話に「携帯端末を持たないはずがないし」という感じに出てくるんです。
口に出しての台詞なんだしここは「携帯」とか「スマホ」とかで良いのではなかったでしょうか。
もうそこで吹き出しちゃったんですよね、シリアスな場面なのに。
それまでは外国のビジネスマンなのでブラックベリーみたいなものを使ってて、わざわざスマートフォンと書かないのかな?なんて思っていたわけですが…違ったらしい。
そして誤字が…
電子化の時に直してくれたら良かったのになと思いましたね。

個人的には友人の大智がなかなか素敵攻めになりそうなんですが、先生の頭の中ではまさか受けでは??あとがきでは分かりづらい。
結構前に刊行された作品なので、大智のスピンオフなんてものがもう出ていたら嬉しいんですけど…どうなのかな?

1

アーサーが興味深い

まずタイトルを見て英国貴族と日本人庶民ものかな?と思いました。人名に氏と書いてあるし。
読み初めて、あれ?辛い話?どうしようと思いました。

でも安心してください、この後は甘々展開が待ってますよ。

時間をかけて色んなエピソードをはさみお互いが恋に落ちていく様子が丁寧に書かれています。
特に私はアーサーの気持ちの動きが興味深かったです。

初めは時広の見た目も態度も気に入らないから始まって、髪型と洋服を変えさせて、おっとなって。
そして時広が28歳なのにまだ誰とも経験がないと知ってつい意識しちゃったり。
そして時広のストーカー事件を知りもうほっておけなくなりますね。庇護欲がどっとわき起こります。

アーサーの無自覚な浮かれっぷりに頬が緩みます。週末に行くプールを浮き浮きと調べたり、つい時広にキスしそうになったりあらぬ想像をしてしまったり、時広のことを鳥のトキのように貴重で、野に咲く花のように健気で美しく、襲いくる嵐から守ってあげたくなるなんて!もう恋しちゃってますよ!
親友の大智のことを心配したり。ジムのインストラクターを警戒したり。
このアーサー・ラザフォードがどうしたというんだというどこかの心の声が聞こえてきそうです。

事件は起こり時広が辛い目に合いますがアーサーと大智が助けに来てくれます。

悪者といったらこのストーカーくらいでそれもアーサーがしっかり手を打ちます。あとはみんないい人ばかりで。秘書が時広をなぜそこまで気に入ったのかは不思議でした。キュートだと何回も言ってるし。時広の容姿に関する記述は幼児体型に童顔とのことですが。小動物系で謙虚で誠実さが滲み出てたのかな?

最後はアーサーがやっと覚悟を決めます。
会ってしまったら止められないというのは本当でしたね。アメリカに連れていけるし、しばらく日本にいられるしハッピーエンドです。
ただエッチはあっさりの一回です。せめてもう一回読ませて~!

5

外国人社長×日本人教師

名倉和希先生の作品はいくつか読んでいて
いまのところ外れがなく
すべて私好みなので、
本作品も期待しながら読みました。



結果、すごくおもしろかったです。


タイトルが、遅すぎる初恋、なので
アーサーは時広に一目惚れでもするのかと
思いきや、
最初は「好みじゃない」とか、
とにかく時広のことをボロクソに言っていて
驚きました(笑)
でも、好みのタイプじゃないのに
好きになってしまった、という方が
なんとなく本気度が高い気がするのは
なぜだろう(笑)
最初はボロクソでも、
最後はちゃんとメロメロの溺愛攻めになるので
ご安心ください。
外国人だからなのか、
言葉や愛情表現がストレートなところも
とてもよかったです。

ただ、時広が遭遇する
2度もの事件というか、ストーカー被害
の内容が辛すぎて...
これで、アーサーと時広の
甘々ないちゃラブシーンがあれば相殺されるんですが、
いちゃラブが思ったよりも少なかったのが
残念です。

でも続編があるので、いちゃラブは
続編で補てんされることを期待したいです。

7

小動物っぷりが可愛い

久しぶりにre〇taさんでget。
表紙の金髪さんの のペっとした感じが好きになれないかもと思ってましたが
読んでみたら、面白かったです。
挿絵は全部で10枚+絵師様のあとがき1枚で
紙媒体とおんなじじゃないかな?
あとがきの1枚が、本編より こなれた感があり、一番好き。
(二人の着衣 日常姿みたいな図)

地雷要素は
受けさんにストーカーが絡んで、少し嫌な目にあう というところ?
あと、攻めさんの秘書が女子。一ミリでも女子は嫌 という方は無理かも。

私はこの女子、言いたい放題言うタイプだったので、面白かったです。
ボスに「小動物に手をだすな」と咬みついてました。

そして、小動物系日本人男子にまんまと落ちる きらきら系のお話が好きだわ
と再認識した1冊でした。
当作の小動物、ほんとに弱い。凛々しい という言葉は
みじんも当てはまらない。
故に、いらっ とする方もいると思います。
私も 「泣くな」(怒)と思うところも少々ありましたが
それよりなにより 落ちていく金髪ナイスガイが楽しかったです。
エッチシーンは最後の方だけなので、
エロエロしさは期待しない方がよいと思います。

ちょっと楽しかったので、続き読もう~

2

もっと、もっとくれー

サラッと読めました。簡単に説明すると

アーサー(アメリカ人)、攻め。
ベテランゲイでアヴァンチュールもお手の物だったはずが
趣味じゃないタイプのトキに、知らず知らずの内に心を奪われていく。
ある時「トキが初恋なんじゃないの?」と言われ動揺。
相手の事を想い何もないうちに身を引こうと変に気を回すが
逆に相手を傷付けてしまい、その上自分も傷付いてしまう。

トキ(日本人)、受け。
ゲイなのは認識していたが好きでもない同僚の男教師に襲われトラウマに。
友達に紹介された日本語を教えるバイトでアーサーと出会う。
アーサーの秘書(エミー、女)には
「28まで誰とも付き合った事がない、貴重な人」と思われていたが
実はキスも何もしたことがない事がのちに判明する。

その後トキがまた元同僚に襲われ、あわやという所でアーサーに助けられる。
お互いの気持ちを口に出して確認し、二人はようやく一つになる。

で、ですね、無事二人が初めて結ばれた後なんですが
「アーサーの帰国が伸びて良かったね~」的な事で終わっており
再度あると思っていた、二人の燃えるような熱いシーンがなかったのが
消化不良というか物足りないというか…。
せっかくならウブなトキを開拓していくさまを読みたかったです。





4

タイトル、あらすじが気になって読んだら良かった!

ゲイ×ゲイのお話ですが、時広がウブで可愛いです。

ひとつ気になったのは時広の元いた学校のこと。
私が学生時代から離れすぎていて今はこんな感じなのかなぁ?
知らないだけか?こんなにも対応してもらえないものなのかな?
学校を退職しないとアーサーに会えないし話にならないからかな?と納得することにしました。

時広の両腕を隠す仕草が話しのポイントやスパイスになっていて好きでした。
せつない!と思わせて、あまあまにいく展開は好きな人にはオススメの本です。
くっつくまでが長かったので、あまあまになってからの話をもっと読みたかったです!

3

シリアスのまま終わるかと思いきや

時広が受けたストーカー行為と、それに対する周囲の反応がかなりシビアだったり、アーサーがクールだったり、物語のはじめはかなりシリアス。これは泣けるほうの名倉先生かな?と思いきや。特にアーサーが時広のことを好きだと自覚し始めたあたりから態度も思考も人が変わったようにメロメロになっていくので、重たすぎず読み終えることができました。残念攻めの名倉先生キャラが大好きなので、とても面白かったです。「この、アーサー・ラザフォードが!」って自分で言っちゃう(頭の中でだけど)ところとか、古典演劇か!でも言いそうこの人なら、と吹きました。

5

文章が…

あらすじを読んで惹かれたので購入しました。
内容については前の方がわかりやすく書いてくださっているので、省略いたします。

小説を読んで一番に思ったことは、内容云々よりもかなり読みづらい文章だなと思いました。
言葉でその状況を詳しく伝えようとしてくださっているのはわかるのですが、説明口調が多く、第三者からみた状況という感じがします。また登場人物の口調も固いと言いますか…全体的に文章が固いです。しかし最後の方になると人物が感情的になるせいか言葉が人間らしくなるので、後半になって物語に浸ることが出来ました。

この物語は時広、アーサー交互に両方の目線でお話が進むので、この時こんなこと考えてたのか〜と知れて面白かったです。基本受け目線でお話が進むのが好きな私でも難なく読めました。(ただ短い章でパッパッと目線が変わるので読むのに少し疲れました)

物語は非常にゆっくり進んでいきます。
アーサーははっきり言って紳士な性格ではないですが、時広に対してだけは紳士です。手を出せない理由が様々あるせいですが、ここまで手を出さない攻めも最近のBLでは珍しいかと。

お話の本筋的にはシンデレラストーリーではありますが、内容は甘々ではないので一風変わっていて良かったです。(全体的に甘々じゃないせいか想いが通じあった途端一気に甘くなります…むず痒い)

あとは時広の親友である大智。すごく優しくて友人思い…いや、時広思いで凄く魅力的でした。

5

それなりにシリアスなシンデレラストーリー

同僚のストーカーを苦に仕事をやめた、元高校英語教師の時広(受け)。
知人の紹介で、外資系保険会社のアメリカ人支社長・アーサー(攻め)の日本語教師を務めることになり……

攻め受け両視点あるため、互いが互いに惹かれていく過程がとても分かりやすく、恋のときめきもよく伝わってくるお話です。

時広は、恋愛未経験のゲイ。
小柄で童顔、性格的にも大人しく控えめという大和撫子のような(?)人物です。
アーサーに惹かれるも、ストーカーのトラウマで容易には彼と接触できない悩みも描かれている点が、なかなかリアルでいいなと思いました。

アーサーは、カミングアウト済のゲイで、時広と会うまでは大人の男たちを相手にしてきた遊び人。
しかし、時広の可憐さや謙虚な性格を好ましく思ううち、いつしか恋に落ち……?
時広が仕事を辞めた経緯に憤り力になろうとしたり、彼の墓参りに付き合ったりと、かなりの紳士ぶりを発揮します。

絡みは最後に一度だけですが、その前にもキスやお姫様抱っこなどそれなりにイチャイチャはあり、全体的に甘くゴージャスな雰囲気を楽しめました。
王道のシンデレラストーリーのような話ではありますが、時広がストーカー男に殴られるシーンなど、それなりにシリアスな要素もあり、物語として血に足が着いている感じが読みやすかったです。

12

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP