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大変申し訳ないのだけど、いつも野原滋さんの「契約恋愛」とごっちゃになってしまう。
それぞれ作風がまったく異なる作家さん同士なのに……。
というわけで、確認するために再読しました。
受けが能面タイプで弩級のコミュ障というところは一緒だったけど、その他諸々は当然違う。
もちろん文章が全然違う。
・「ロマンス貸します」は初対面同士で、野原滋さんの「契約恋愛」は「再会」もの!!!
・攻め:芸能人レベルのイケメンだけど、イケメンで得したことはない。
顔は極上なのに中身は極々普通なのでガッカリされることばかり。
・受け:ゲイで振られた元カレに一泡吹かせたくて依頼。
・「キャメロット・キャストサービス」が出てくる。
→「可愛いがお仕事です」
・真中旬や「あなたの好きな人について聞かせて」の攻め父作品も出てくる。
「シベリアブリザード」も名前がでてくる。
大好きな箇所
「宮城のコメかってくらいよく一目惚れされるくせに」
「嬉しいです……ぁ、だよ」→「今年は麦が豊作ですだよ、旦那様」的な。
とっても面白かったです!!
レンタルデートから始まる恋なので、
二人のちょっと可笑しくて不器用なデートを、
陰から覗かせてもらっている気持ちになります(笑)
あらすじは詳しく書いて下さっているので、
以下に感想を……
小林典雅先生のお話にはどの作品にも「ここが良い!」というポイントがあり、読んでいて満たされます。
高校時代のエピソードで、
モテる高秋に嫉妬した同級生が、これ以上のモテ要素を追加させまいと、趣味は盆栽にしておけ!と強要するところなど吹き出してしまいます。
そういう明るい面白さもありながら、ストーリーが進む中での心理描写がとても丁寧でした。
この『ロマンス、貸します』では、不器用な諒がレンタル彼氏の高秋に惹かれる中で、過去の自分のうまくいかなかった恋愛について振り返っているところが特に秀逸でした。
確かに元カレもひどい人なのですが、
諒はちゃんと「自分の気持ちの示し方にも問題があった」と認めて、愛されたいという気持ちにすがって恋愛するのではなく、「この人じゃなきゃ」と思える相手と恋人になりたいという答えを見つけていて、この心の流れには、とても切実さがありました。
諒も高秋も一見ハイスペックなのに実は不器用で、一生懸命に想いを伝え合っているところが、本当にこの二人だけの恋模様だな、と思えます。
また物語の後半、高秋が諒へある贈り物をするのですが、他ではあまり見かけないチョイスでした。
自分を良く見せようという気持ちの一切無い、相手のことだけを想ったささやかな贈り物で、それを受け取った諒の喜びが伝わってきます。
この場面をぜひお読みいただきたいな…と思います。
とてもおすすめの一冊です。
長文で失礼致しました。
超イケメンな攻めの高秋と、これまたイケメンな受けの諒。
イラストを見ると、どちらもイケメンだけど諒の方がイケメン度高いような。
とはいえ砧先生の綺麗な絵柄が、このイケメン同士の恋にピッタリです( ´∀`)
さて内容なんですが、典雅先生の『国民的スター〜』ソックリに思えました。
勿論攻め受けの性格は違います。
しかし最初は攻め次は受けの視点といい、攻めはノンケながら受けに惚れる。そして溺愛。
最初のHは受けからのお願い→一旦離れる。
…等、あれ?これ読んだ事あったっけ?状態になってしまいました…。
とはいえ、所々の言葉のチョイスなど可笑しくて笑えたし、高秋の口説き文句にキュンときました。
諒も、無表情で頭の中はあんなに面白い事になってるとは(笑)
既視感あったとはいえ、楽しい一冊でした。
作中で高秋と諒君が観た映画『モホロビチッチ探検隊』のような、たくさん笑えて すこしホロリとする素敵な作品でした。嘘から始まった ほんとうのお話…!?
瑶市(高秋の従兄)が営んでいる人材派遣会社で「友人レンタル」の依頼に訪れた諒君(受け)と、たまたま居合わせた高秋(攻め)。
偽キャストである事を隠しつつ諒君たっての希望で「友人役」を務めることとなった高秋と、レンタルの本当の理由『手ひどくフラれた元カレを見返すため』を明かさずに彼への依頼を繰り返す諒君ですが・・・
元カレの暴言がひどい。表情の乏しさを指摘し、五種類くらいの返事がインプットされたロボットと喋ってるみたいだったなんて。諒君が感情を抑えるようになったのには、何とも不憫な経緯があるんです。
そんな、相手を見る目がなかったけれど、でも懸命に自分の幸せを求めている諒君なので 高秋の、失敗をユーモアで包んでくれる柔軟さや、しくじったり おかしな行動も受け止めてくれるおおらかさに惹かれてしまうのは、とても自然なこと。
高秋も最初は、無表情な彼が今何を考えているのか推理するのを面白がったりするのですが、次第に常になくお節介な気分になり 出来ることがあるなら手助けしてあげたい・元カレがつけた傷を和らげてあげたいと、本心から思うように。
そして「偽キャスト」という嘘設定を積み重ねることで、どうすればいいのか にっちもさっちもいかなくなっていく高秋。
あぁ~~もう、高秋が本音を滲ませつつキャストの体で諒君に優しく投げ掛ける心のこもった言葉に胸が締めつけられるんです・・・
細かい笑いが数行ごと(!?)に散りばめられているのでお気に入り箇所も多くありますが、イチオシは…「自分には性的魅力がない」と、諒君に植えつけられた劣等感を拭うのに 高秋が誠実な気持ちで不誠実な方法を選ぶ場面。このくだり、最高。大好きです。
頭の中で、原田○世の『ロマンス』がエンドレス奏でられます(笑)
私の萌えツボの一つに、どちらか一方が敬語・丁寧語を使う・・・というのがあり、今作ではまさにそのシチュエーションをたっぷり堪能できる作品となっていました。
受け様の天然さと丁寧語が、とても楽しい化学反応を起こしていて、読んでいて何度も笑ってしまいました。
攻め様も受け様も、とても好感の持てるキャラでしたし、綺麗な顔を持ちながらも、コンプレックスやトラウマを抱える2人の葛藤も興味深く読みました。
攻め様がノンケというのもドラマチックさを増長させるエッセンスになっていましたし、何よりも攻め様が派手な顔立ちとは裏腹に、素朴で一途で凄く優しくて・・・というのもとても良かったです。好きなタイプの攻め様でした。
受け様視点の書き下ろしも爆笑必至。と、同時に、「Hしよう」というのを直接的に言わずに、「蓮の葉茶を一緒に飲みませんか?」と言うことにした2人の奥ゆかしくて美しい感性がとても素敵だな~と感じました。直接的に言わないからこその、直接的な表現がないからこその色っぽさ、好きです。