ボタンを押すと即立ち読みできます!
褐色肌のケモ耳・サイズ感デカめ、萌えるかな~と思いきや、ピュアでまっすぐ、カタコトが癒しの攻め様大好きなユノ・ファ、大変楽しませてもらいました。
タイトル通り、まぁヴァルティスがなかなか冷たくて、これどうやって結婚まで漕ぎ着けるの!?と心配になりましたが。
表立って見せない、王の立場上見せられないだけで、ひたむきに心を寄せてくるユノ・ファに惹かれていたのですね。
個人的にはレヴィとウー・ファランのことももっと知りたかったな。
熱を出しちゃうくらいの夜ってどんだけ
「ケダモノ」と言って、獣人をむやみに攻撃して迫害する人間。
レトヴィエ王国の山岳地帯に棲む獣人、ルーテゥ族の首長の息子獣人の王の子、ユノファは翼が生えない不具合の為、長の継承権を持たない。
里のみんなの優しさが逆に辛くて、ユノは一族の役に立ちたいと、人間と交渉するために一人で下山する。
たちまち、人間の攻撃を受け負傷するが、たまたま王弟を助けて、国王ヴァルティスによって保護される。
ユノ・ファは、王に恋をするが、王はユノ・ファはただの交渉道具。
利用するためにユノの発情期に、婚儀を意図する交渉を持つ。
政略的な行為で、愛が無いとユノは気づいて、本心を王に語る。
・・ユノの、純真で嘘をつかない誠意ある態度が切ない。
インディオを騙して追い出す、白人がとった蛮行とダブる描写が辛くて、
途中で読むことを止めようかと思う部分だいくつもあった。
・・でも、ユノが毒矢を射られて寝込んでいる間に、状況が急転。
急すぎるけど、ハピエンだから文句ない。
共存調和を考えられない人間と、純真な獣人の共存がテーマの物語。
冷徹な攻め×純真健気受け。
首長の息子でありながら、翼がないために村では人々の役に立てない獣人のユノ・ファ。
皆、優しくしてくれるけれど、穀潰しでしかない自分が申し訳なくて、何か仲間の役に立ちたい、自分が人間と獣人との架け橋になれたらという望みを抱いて故郷を後にするも、途中で怪我を負い、国王ヴァルティスに保護されます。
「人間と仲良くなりたい」と純粋に願うユノ・ファと、彼を運良く転がり込んできた自国を守るための手駒の一つだと考える国王ヴァルティス。
国王は「冷徹王」とタイトルにあるように、途中まで人間としていいなと思える部分が皆無でした。
自分の命よりも国の存続が大切というのは王として立派だと思うし、自国の危機の瀬戸際なので神経質になるのもわかる。
だけど常にピリピリ&眉間に皺を寄せて冷たい物言いしか出来ない男のどこがいいんだろう?と。
いくら美丈夫とはいえ、王に惹かれるユノ・ファの気持ちにちょっとついていけなかった…。
でも東の帝国がヴァルティスの国を狙っていてそれがかなりのピンチなので、その進退が気になって読み進めました。
自国を守るためにユノ・ファと彼の故郷を利用してやろうと考えている国王。
なので、王のやつめ…!なんて思いながら読んでいたのだけど、途中から攻め視点になるんです。
そしたら実はいつしか素直で心優しいユノ・ファに少しずつ癒され、少しずつだけど愛しい気持ちを覚え始めている姿……和む。
結局は、王としての責任感が骨の髄まで染み込んでいるために冷徹にならざるえない不器用な男だったわけで、王として全うしようとする姿と、ただの一度だけでいいから個人として物事を決断してみたいという密かな願いが心をよぎるシーンが私は好きでした。
だ・け・ど!!!
そんな戦いの最中にエッチしてよいのか?
部下たちは崖から落ちてしまった二人の生死を死ぬほど案じているはずだし……。
敵に攻められ、まさにこの瞬間にも息絶えていく部下もいるだろうに……。
そんな時に盛ってしまえる彼らの神経を疑うわ………と萎え萎えしちゃいましたが、これは担当さんのアドバイスに従った結果らしい……
……え!?
びっくり。
王と獣人の恋話です。ユノ(受)は健気ですし、ヴァルティス(攻)も真面目なので、読んでいて好感が持てます。恋愛でのすれ違いより、レトヴィエ王国とカガン帝国の戦いはどうなるのか、ルーテゥ族は援軍を出してくれるのかという点の方が気になりました。
結果的には丸く収まってハッピーエンドなのですが、カガン帝国との戦いで出陣した兵のほとんどを失った、というのが、さらりと書かれていましたが少し切なかったです。恋の話だけ楽しめれば良いのに、と思いつつもちょっと気になってしまいました。
電子書籍で読了。挿絵有り。
直前に数日かけて「BL進化論 対話編」を読んでいて、そちらにかなり引っ張られたせいか『互いに害があると思っている二つの民族の間は理解し合えるか』とか『個人の感情が社会全体に影響を与えるか』とか、読みながらそんなことを考えてしまいました。
勿論、これらのことがレトヴィエとユノ・ファ+その他のカップルの恋愛事情と大きく絡んでいるからそんなことを考えてしまった訳で……
レトヴィエは自国の利害からユノ・ファを利用しようとするのが発端ですが、でも、人って損得勘定だけではないものなぁ。一緒に話をしたり共同作業を行っていると、どうしてもその人個人に対する感情が溢れ出てしまう(その結果「だいっキライ!」となっちゃう場合もありますが)。
その過程がえらく面白かったです。
あ、誤解を生むといけないので書いておきますが、面倒くさいお話ではありません。強いて言うなら『寓話』としても読めるという感じのお話です。
今、この時期に、こういうお話を書く小中さんのアンテナにえらく感銘いたしました。