意識してからは翻弄攻×5年間片思い受

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表題作冬知らずの恋

笠原 千紘,高校生,愁人のいとこ
立花 愁人,いとこに片思いしている高校生

その他の収録作品

  • 十七歳の夏

あらすじ

「この恋は行き止まりだと思ってた――――。」


愁人(しゅうと)の5年間の片思いが、
隣に住むいとこ・千紘(ちひろ)にバレたのはこの夏のことである。
千紘は暑い夜には涼しい愁人の部屋にやってきて、
同じベッドで寝ていく。愁人の気持ちも知らずに。

そんな夜を繰り返し、
魔が差した愁人は寝ている千紘にキスをするが、
目覚めた彼に恋心ごとバレてしまう。

愁人は「今までと同じ関係を」と頼むが、
千紘の視線は徐々に熱を帯びていき……。

片思いの殻をこじ開けられる、
溶けるようなときめきの恋。

作品情報

作品名
冬知らずの恋
著者
夏野寛子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396784232
3.9

(346)

(125)

萌々

(111)

(76)

中立

(24)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
49
得点
1321
評価数
346
平均
3.9 / 5
神率
36.1%

レビュー投稿数49

お互いの気持ちが大切

秘めるべきだった千紘への想い。それを抑えきれずにいたところを母親に目撃されてしまった愁人。
中心にいるのは千紘と愁人なのに母親の涙からお話は始まっていて…
お話が進んでいけはその理由がわかってくるのかなー?と思っていたのだけど、それほどはっきりしたものがなかったことにちょっぴりモヤモヤ。

千紘と愁人は従兄弟だし、さらには男同士だし。そういう後ろめたさを印象付けるために「母親の拒絶」を見せたのかもしれませんが、結局それを解決させられるのはふたりの気持ちしかないんですよね。
なので、"蓋をするべき気持ち"だということを母親の拒絶で表現されていたことに「うーん??」という気持ちになりました。

ふたりの関係はといえば。愁人が悩んでいたほど拗れることもなくて、それほど難しい恋ではなかったのかな?と感じました。
幸せなところに着地して良かったけれど、気になるところも結構あったなと思いました。

1

暑い夜に

作者買い。夏野先生の儚げイケメンでちょっとズルい感じの男子(攻)と可愛いお顔で意外と男らしい受が好きだ。

綺麗な顔して強引だったり、打算的だったりする、王子様顔で全然王子様じゃないのほんとずるい本当好きだと、夏野先生に実感させられます。

好きで好きでたまらなくって、でも、それを言ったら壊れてしまいそうな関係があって(この作品だと、母子関係だったり、友人関係)、理性的であろうとするけれど、あふれ出す。『見つからなければ大丈夫』とたかを括りながら、どこかで見つかることを望んでいる。そんな危ういDKの話です。

0

ノンケ高校生✕ゲイ同級生

隣に住む幼馴染であり従兄弟でもある千紘と愁人が恋人同士になるまでのお話です。

千紘に片想いしていた愁人に彼女ができたと知った途端、愁人を追いかける千紘が面白かったです。

しかし、愁人の母と愁人との関係が拗れたまま終わっているので、仲直りとまではいかないまでも希望を感じるような展開にしてほしかったなと思ってしまいました。

シーモアは白抜き修正でした。
序盤に千紘が彼女とえっちをしているところを愁人が隣のベランダから聞いてしまったり、愁人が母を安心させようと彼女を作ってデートしたりキスしたりしていますので、苦手な方はご注意下さい。
千紘は彼女と別れた描写があるけど、愁人はないので、そこがちょっと引っかかりました。

0

私には合わなかったようです

辛口注意です。

評価の高い作家さんなので、ハマれたら楽しいぞーと思って期待して読みましたが、今作と『25時、赤坂で 1〜4』『アバウト ア ラブソング』と、紙の既刊コミックス全て読んだ上で、結論として、私にはこの作家さんは合わなかったようです。今作は好きそうなシチュエーションだったので特に期待していたのですが、やはりどうしても入り込めませんでした。

作中での性に対する倫理観が合わないのが、 一番大きいです。私の感覚だと気持ちの描写が充分でないまま、行為をするしないという話になり、好きならして当然、断るのはわがままである、あるいはそこまで言わないにしても、断るのはとても特殊なことであるという空気感に疑問を抱きました。
今作だと、心の準備もできていない、千紘に恋愛感情があるのかよくわからないあの状況で、愁人がこわいと断った後の場面が特にきつかったです。え、愁人が悪いの? あそこは「我慢」したほうが偉いの?
根幹部分の価値観が合わないので、物語に入りきれず、感情移入できませんでした。

お母さんともお互い話し合うことなく終わっているのが気になります。母親を泣かせてまでして、双方歩み寄ることもなく解決しないのが、このエピソード必要だったのかな?と。
そもそも私が親なら、あそこは女の子相手だったとしても、付き合ってもいない子の寝ている間にああいうことをしている場面を目撃したら衝撃的だし、腕掴まれたら恐怖だと思います。愁人が男相手だったから、と悩んでいることにずれを感じます。

あとはやはり、千紘がいつから愁人を好きになったのか私にはわからなくて、でもグイグイ迫るという展開に納得できませんでした。自覚したのが千紘のキスの後だとしても、その前から布団に潜り込んでいるし、でも彼女はいるし…とよくわからなかったです。

それぞれ彼女がいる状態でお互いが好きなのが引っかかります。彼女との関係がお互い遊びとして割り切れていたり、彼女側が彼氏というステータスを欲していたりするから、というわけでもなく、わりとちゃんとお付き合いしていたので。特に千紘はやることやってたので、あっさり別れたことに戸惑い、すぐに愁人にアタックしていたのにモヤつきました。
お母さん含めて女性キャラもけっこう出ますが、みんなあまりいい印象で描かれないし、可哀想な目にあってて、BLとはいえ気になります。

尺の都合かもしれませんが、最終的に結ばれるのにも、お互いの気持ちがよくわからないまま体の関係だけできて「解決しました」感があってモヤモヤしました。今作に限らず、ページを悩みや関係性の深掘りよりもエッチに割きがちで、かつコミュニケーションの手段として活かせているわけでもないように感じます。

絵は綺麗ですし、独特の空気感があると思います。嫌われない、好かれやすい作家さんだと思います。

1

気になるとこ

絵も儚げで透明感もあるし、全体的にはハッピーエンドだし片想いも実ったし、良かった良かった(´∀`)……なんですけど。

そもそも千紘の気持ちが愁人に傾く気持ちの変化がよく分からず、心からのブラボーで終われませんでした(・・?)

彼女いたよね→エッチもしていた→千紘はノンケだし愁人への気持ちはいとこ&友だち以上ではない。…ですよね?
それがなぜ愁人が自分のことを好きだと知ったら、いけいけ押せ押せモードになるのかよく分かりません。彼女と別れて、愁人の彼女に嫉妬して、前よりも愁人の部屋に潜り込む…千紘が愁人を好きだからこその行動だけど、急に愁人を好きになるってことに違和感ありありです。

愁人がお前の好きは風邪みたいなもの、と言っていた答えもよく分からない。実は俺暑いのに耐性あるんだよ〜って。……で?だから何やねん状態でした。
え?じゃあ前から愁人を好きで敢えて通っていたってこと?…となると、冒頭の彼女とのエッチあれこれがよく分かんないです。この時から愁人を好きだったような描写もなかったのに。

千紘が攻めの姿勢を見せてからは、すごく楽しくて面白かったです。終盤に向けては神評価つけたいくらいです。それだけに最初がなー…って感じでした。
あとは愁人の母親とのこともうまく処理して欲しかったですね。母親の許しとまではいかなくとも、前向きな形で終わってくれたら良かったなぁと思いました。

0

これぞ究極のエロティシズム!!!!

同人誌みたいなドロドロのエロより遥かに官能的。

まず漫画の描き方がめちゃくちゃ上手い。少年らしさとセリフ選びと目線の使い方とコマの送り方と……とにかく作者天才。

直接的に描いてないのに「お尻を慣らしてる」ことを読者に分からせるお風呂のシーンはヤバすぎるし、足の指だけでキャラの心理が伝わってくるのも、作者先生の凄さを感じる。

「なんで俺が追いかけてんの」からの攻めの一連のセリフとか、何食ったら思いつくんですか???
なんか尊すぎてその場で踊り狂いそうになった。

個人的には、こういうゆったりとしたテンポ感で少しずつ進むBLが一番グッとくる。なんか全部キラキラしてた。

とくに良かったのが攻めのキャラで、受けに優しすぎないのがリアルな距離感だった。あと2人とも表情豊かじゃないのがいいね、なんか本当に男子学生同士の純愛を覗き見しているようで、ずっとこの2人を見ていたいなと率直に思った。
後半はもはや「物語終わらないでくれ〜!」と思いながら読んでた。

0

別格のアオハルBL

沢山の方が絶賛している作品だったので気になっていて遂に読みました。
結論でいうと既視感は多少ありますが、起承転結がとても綺麗で夏野寛子先生の魅力である透明感、空気が澄んでる感じがとてもでています。正に王道ストーリーという感じなのでBL好きになりたての方にもオススメしたくなる作品だなあと思います。行き止まりで冬には死んでしまうんじゃないかと思われた愁人の恋が、元気に花を咲かせた、と言うことで冬知らず(フユシラズ)の恋なんでしょうか。
気になった点は、愁人がカモフラージュで作った女の子の恋人とはいつ別れたのかな?ってのと、愁人のお母さんとのイザコザはどうするんでしょうね..。お母さんとの問題を解消せずに終わらせたと言うことは続編を期待していいのかなあ。あ、でも番外編でてるんですよね。まだそっちは未読なので読んでみます!流石といえる作品でした( ◠‿◠ )

1

若さ青さが痛々しい

「25時〜」も読了済ですが、やっぱり絵がとてもキレイです。
その絵のキレイさも相まって、年齢特有の性欲など若さ青さがリアルに描かれていて何だか痛々しく感じました。これは恋なのだろうか、この二人は幸せになれるのだろうか…。親との事も解決していないし、心配になる二人です。
私はBLには癒やしを求めているので、何だか不安定な二人には不安が付きまとって心が落ち着かなかったです。
読後感も不安が残って、正直読みたいタイプのお話ではありませんでした。
そして、あとがきの「気持ちのいい漫画になっていたらいいなと〜」というコメントを読んで混乱。
作者さんが気持ちのいい漫画を狙ったのだとしたら、全く別の感想を抱いてしまった…。趣味や価値観が違うのだなと思いました。

寝ている相手にキスして一人致している所を母に目撃され泣かれてしまうので、親が泣かない相手、男ではなく女の子と恋愛したい…と主人公は考えるけど、私が母なら相手が女の子であっても寝込み襲ってる時点で犯罪だし泣くし話をします。特に描写はないので、この母も男を好きになる息子に戸惑っているんだと思うので、その辺りも私の考えとは合わずストーリーに上手く浸れなかった感じもしました。

0

表紙買い

表紙の雰囲気に惹かれて購入。
題名から何となく春夏秋過ごして、勝手に片想いで終わる話かと思ったけど違いました。作者さんのあとがきにも書いてあるけど読んだらわかるけどなんか求めてたのが求めてたのだけに腑に落ちない・・。
表紙の寒々しさとはうってかわって作中は夏です。
あとこれ!これは帯につられたのもある!帯の言葉、あれはずるい。笑
始まりはずっと一方通行だったけど、最後らへんで、ああそうだったのねってなります。
いろいろ疑問が出てきますが、多分ハッピーエンド。わたし的には悲劇が物足りなかったかな・・

1

儚げな雰囲気で素敵な作品...

ゲイでガラスのハートの持ち主の受と、ノンケでワンコ系の攻めです。
絵のタッチとか雰囲気とか、どこか儚げなな雰囲気がでており、サラッと読めるけど心に残ってしまう、そんな作品です。
言葉にできないけれど、どこか不安定さのある、でもちゃんと愛で溢れてる、素敵な作品です。大好きです。

2

描き下ろしがなければ萌止まり

アパートの向かい側同士の幼なじみ。夏。セミの音。
夏野先生の作品は、絵のタッチもストーリーもとても瑞々しくて、世界観に簡単に入れます。キャラも魅力的な子が多いので、綺麗な作品として読めました。

ですが、やっぱり今回は…ストーリーなのかな、キャラの問題か…。攻めの子がなんで急に受けの子を好きになったのかと思うほど急展開で…だって直前まで女の子とセックスしてたんだよ?笑 なのに受けの子がキスしてきたら、急に前から好きだったんだよ風が出てくるのって…そりゃ受けの子も信用しませんわ。

そういう若気の至り感?不安定さ?みたいなのが表したいのならそれは出てます。思いっきり出てます。若さ故の今だけ感がすごい出てます。これで次の夏までに付き合っていられるのか?と不安にさせられるほど。

まあ描き下ろしがあったから、攻めの子が受けの子をしっかり好きになってきてるってのはわかるんですけど、ま〜感情の変化が謎すぎて。キスされただけで好きになった感があるんですよ〜元々ノンケだし、そんなんかわいい女の子に誘われでもしたらいってしまいそうやと不安になる。

そういう不安定感が好きな人にはいいかもしれません。夏野先生の画力と雰囲気の表現力は神評価ですが、ストーリー展開を踏まえてこの評価です。

1

夢のようで現実的

まず作画が美しくて、それだけで楽しめます。
きらきらしてますし、湿度まで感じられる。かなり画力がすごい。

物語も、全ての蟠りが解決されるわけではありませんが、むしろそこが現実的だと思います。

作中では受が母に性的趣向を知られ、気まずくなるという場面があります。そして、受とその母はなんとなくずっと気まずい空気です。物語の中でそれらは解決されません。
ですので、母との関係は結局?とか攻はなんでずっと受の部屋に来てたの?とか疑問は残ります。けれど、現実だって2人が結ばれたら、急に周りに認められるんけではないでしょうし、人の行動全てに理由付けがあるわけではないのではないでしょうか。

ただ、そもそもアパートの隣の部屋に毎晩通うなんてフィクションやん!(物語なのでフィクションです)って感じで、The物語な点もあります。ですので、全てが綺麗に収まりきっていないところに現実味を感じつつも、夢のようなときめきも持ち合わせています。

私はそのバランスが心地よくて、好きな作品です。

ちなみに2人は結ばれますので、ハッピーエンドではあります。

0

いつお母様がやってくるか、ずっとどきどきしっぱなし!

夏野さん初読みです。
とにかく絵が可愛いv

とても普通の男の子たちの恋愛なのですが、
愁人くんは最初から自分は女の子はダメだと分かってる。
なのでいろいろ葛藤があり。
さらにお母さんを泣かせてしまった
負い目も感じて素直になれない。
千紘くんの方は、
愁人くんが自分を好きかもしれないと
意識し始めたら気になって仕方ない。

そんな二人のひと夏のお話なのですが……
ずっと読んでいる間中、
愁人くんのお母様のことが気になって仕方なかった!
いつまた乱入してくるのか⁉︎と……(汗)

二人の気持ちが
離れたり寄り添ったりするのはいいのですが、
そのお母様問題が
全く片付かないまま終わってしまうので、
なんだかすっきりしない!
知ってはいるのでしょうが、
認めているのかいないのか、
結局愁人くんとも千紘くんとも
ギクシャクしたままで終わってる。

本編中も番外編中も、
いつお母様が帰ってくるか、
なんだかそればかりが気になり……
だってまた遭遇したら修羅場になりそうで!

お話としては、
ハッピーエンドで満足なのですが、
とにかくそのお母様問題が最後まで引っかかって、
素直に気持ちよく読破できず……orz
なのでお話的には×2くらいなのですが、
最終的には「萌×1で……

2

ぐーーーっと胸を締め付けられる

ほんとに、とにかく切なくて儚くて胸がジーンとなる作品です。ずっとひた隠しに片想いをしている愁人も
ノンケで愁人のいとこで隣人の千紘。ふたりの、どこか切なくてでも真っ直ぐで、向き合いたいけど向き合えないもどかしさに胸が締め付けられるしキュンキュンします。そして夏野寛子先生の美しい綺麗な絵に、
圧倒されます。この絵にこのストーリー。完璧と完璧でとにかく最高です。ふたりの若くてもどかしいラブストーリー。何回でも見れるくらいよかったです。

3

千紘の気持ちがよくわからない

目がキラキラですね。絵は少女漫画のようでキレイ。
アパートのお隣同士に住むいとこ同士のお話。
受け・愁は5年間ずっと攻め・千紘に恋していて、でも千紘には彼女がいて。
ある日寝ている千紘に思わずキスしてしまう愁、目覚めてしまう千紘。
愁の好意に気付き、そこから千紘の気持ちが少しずつ揺れ始める・・・というのはわかる。
でも、千紘はどうして冷房なしでも寝られるのに、ずっと愁の部屋へ忍びこんできていたのか?
そこの理由はっきり描かれてましたっけ?潜在的に実は千紘も愁のことを好きだったということなのかな?
千紘が愁のからだに触れたいと思ったり、愁が女の子と一緒にいるのを見て独占欲出したりするのも急だなという印象。
愁の立場から見るストーリーは良いのですが、千紘の気持ちの変化がよくわからなくて、その点だけが消化不良でした。

2

健気すぎる

この作品は高校生同士の同級生BLです。しかも、いとこという関係性。

受けの愁人くんは一途に、隣に住むいとこの千紘くんに5年間も片想いしています。5年間も!!!!長い!!!!思いが重い!!!!

それに対して千紘くんのほうは、どうやってその深い思いに応えるのかなと思いながら読み進めていましたが、私は案外あっさりしているように感じました。え、千紘くんは愁人くんのこと本当に好きなの?流されてない??え、えどうなん!?と疑問が残るままでした。

長々と自分の思いを書き連ねましたが、、
2人が幸せなら問題ありません。お幸せに。

1

優しい温度

「25時、赤坂で」の大ファンで、今更ながら読みました。すごく好きなお話でした。

話のテーマとしては特別珍しいものではなく、同性を好きでそれが母親にばれて泣かれてしまった高校生が「親が泣かない相手と恋愛したい」と思って彼女も作るんだけど、やっぱり片想い相手のことが好きでそれが相手にもばれてしまう展開は、恐らくこれまでに何度となく読んできたと思います。
それでも言葉選びや話の展開、雰囲気がさすがという感じで、なんでもないような場面でも切なくて泣いてしまいました。

クーラーの調子が悪いのを理由に夜な夜なベッドに忍び込んでくる従兄弟のことが好きで部屋の鍵を締められない受けと、そんな受けからの好意に気付いてからクーラーがよく効いた部屋で「自分が来ない日はこんな寒い部屋で一人でどうしていたの」と思う攻めは思い出しただけで泣けます。

やっぱり、大きな声を出したり、感情を大きく荒げたり、そういう描写はなくたって、お互いに沸騰寸前みたいな気持ちを抱えて、それを深呼吸するみたいに優しく相手に届けようとする関係を描ける夏野先生の話全部の温度感が大好きだなと思いました。
好きって言ったらイっちゃいそうになる受けが可愛くて何度も好きって言ってすごく良い笑顔で笑う男の子が本当に本当に可愛い……

どうしようもなく暑い夏の夜にオススメのボーイズラブです。

8

夏に読みたいお話

五年間、いとこで同性で隣人の千紘に片思いしている愁人。夏になると自室のエアコンが効かないからと愁人のベッドにもぐりこんでくる。
千紘の寝顔にキスして自慰している姿を母親に見られてしまうんですが……気まずい!そして慌てて母の腕をつかんだ時に精液がべったりついてしまうなんとも言えなさ。同性だとか以前にそんな場面遭遇したら母親もそりゃあ動揺しますよね。
母親に心配かけたくなくて普通であろうとするけど、やっぱりどうにもできない部分ってありますよね。女の子と付き合ってみるけど気持ち悪いと感じてしまう。そんな時に自分の想い人が女の子連れ込んでセックスしてるの知ってしまったらショックそりゃあショックだ。
序盤は愁人の苦しい片想いが前面に出ていて、中盤は愁人がきっと自分のことを好きだと自覚した千紘の変化を中心に描かれています。
全体的にこの作者さん、心理描写がお上手な方だなと思いました。慌ててつかんだ手とか、千紘が部屋にやってきた時の表情と顔の向き変える場面とか、焦りとか不安とか悲しみが言葉がなくても伝わてきました。
最後はしっかりハッピーエンドで安心して泣けました!

0

虫の音が聴こえてきそうな

“正しくなくたって報われたい”

「25時、赤坂で」よりも絵柄は見易く(個人比較)、キラキラで照れる顔の可愛さはそのまま。トーンや背景も雰囲気があり、少年たち、夏の夜風や虫のキリキリした音も聴こえてきそうな情感たっぷりの作品でした!
内容としてはあっさり目な印象ですが、この作品にしかない、限られた季節や若さへの切なさがなんとも良いです。
夏野さんの描く行為シーンはそこまで際どくはないと思うのですが、重なった細い体のラインや背中の浮き方とかが凄くドキドキします。

1

絵で魅せる作品

FEELyoung系列のON BLUEさんらしい、凄く雰囲気のある作品でした。

毎日窓から入ってきて、狭いベッドに潜り込んでくる幼なじみ。

これだけ聞くとラノベや青年誌の男女ネタで使い古されたベタなネタなのですが、上手い人が描くとしっかりサマになってます。

特に、息子が寝ている幼なじみの男の子にキスしてオナってる所を見てしまった母親の葛藤がリアルでね…。

自分の息子の性的な部分てあんまり見たくないてか、高校生なんてまだまだ子供だと思ってたら、男の子相手にそーゆー事してたら、そりゃショックだよねお母さん。

しかも、母子家庭で夜勤も多くて留守がちと言う、漫画的には美味しくても、は母親の不安要素はいかほどかと…うん、おばちゃん、つい母親目線で見ちゃうのよね。

しかも、高校生の浅知恵で「彼女できたよ」とか言われても、混乱するだけだよね、分かるよママ…しかも、理解しなくていいよとか突き放すような事を言われたら、いくら思春期だって分かってたって辛いよね…。

おばちゃんとしては、その辺もうちょっと詳しく描いて欲しかったんだけども、作中ではあまり言及されておりません。
息子がお隣の子と結ばれた事も、ママは知りません。

息子たちサイドに行くと、結構話はサクサク進みます。

先に寝込みにキスしてた癖に逃げ腰な愁に、あんまり、葛藤とかせずグイグイ行く千紘。

展開はどこまでもベタに都合よく、さしたる諍いやすれ違いもなく進みます。

つか千紘が理想の彼氏過ぎ。うだうだ悩んでたら強引に押し倒すくせに、脱がして触っていよいよ…!てとこでも愁が嫌がったら止めるし、ゴムが無くても止めるし。お前スパダリの素質あるよ。

で、そんなベタな話を飽きずに魅させるのが作者様の画力と構成力でございます。

一つひとつのシーンが凄く丁寧で、全体的にモノローグもセリフも少なく、目の動きや指先の動き、窓からさす光や影の表現が素晴らしいのです。

漫画的にはここで終わるの?え?オチは?と思いつつ、ママとの関係も解決してない…まあ、カップルは成立したし今んところは2人は仲良しなのでいいか…て感じなので、ぜひ続編を!

2

冬知らずよりかわいい

愛し子たちの可愛い初恋物語

0

攻めが

ちょっと意味が分からなかった。
攻めの千紘は彼女がいて隣の部屋でセックスもしていて、受けにキスされても今まで通りと言われて同じベッドに寝に来てます。
それで受けに彼女が居ると知ってから、急に独占欲を見せて迫り始めました。彼女を振って受けに好きだと告げます。
そしてエアコンの調子が悪くて暑いから受けのベッドに来てた訳じゃないって?じゃあなんで来てたの?好きだったの?って思いました。
受けに彼女がいたことを知られて居るとは思ってなかったようです。知られて無いからセックスしてたのかと思います。
それでもう誰にも取られないようにとか調子良すぎます。受けはゲイであることで母親と気まずくなってるのに、攻めの気持ちが今ひとつ信じられません。

昔の作品みたいな内容でした。

6

素敵な作品。

夏野先生の作品本当に大大大好きです。
他のかたがおっしゃる通り、「いつからその気持ちだったの?」という部分ははありますが個人的にはあまり気になりませんでした。読み手側が好きに理解する形になっていると思います。
夏野先生の現実味があり静かにゆっくり流れていく日常の中で繰り広げられてる感が大好きです。

4

攻めが急になんで?

ずっと寝かせててやっと読みました。だって表紙やタイトルが切なそうなんですもん。裏にあらすじも書いてないし。

片想いがジェットコースターみたいに転がりましたね。どういうこと?

千紘は暑くても眠れるのになんで愁人のベッドに潜り込んできてたの?
好意を持たれてると思っていたようなのに。
そして愁人のキスで気持ちを知り愁人にどんどん気持ちが傾いて。

愁人の葛藤が切ないですね。しかも二人きりの家族なのに現場を母に見られてしまって。
最後の伝言は認めたってことなのかな?

千紘が急にグイグイきて、え?って思いました。いきなりエッチしようとして。彼女ともしてたし抵抗がないのかな?でも…うーん。

冬でもちゃんと咲く花になぞらえて、本気の恋だぞって意味なのかな?

5

とてもいいです!

隣に住んでる従兄弟同士の話。

初コミックとは思えない完成度だと思います。
話も絵も素敵すぎます!

でも、攻は彼女と別れたのはわかったけど、受は彼女と別れたとこが描かれてなかったし、それっぽい描写もないから、そこはちゃんと描いてほしかったです。
それ以外は、もう本当に好みにはまりすぎてて、何回読み返しても飽きない一冊です。

4

真夏の話です

シゴいてた手でよく親の腕を握れるな、と初っ端からぞわぞわした。

男子高校生の恋愛がじっくり描かれてます。on blueは雰囲気いい漫画でますよね〜
プロット自体は圧縮すれば1話でも終われるし、王道だと思うのですが、一挙手一投足を追っかけて、場面転換も豊富にして、演出もきっちりして、魅せる作品でした。

フィクションだけれど、ノンフィクションみたいな感覚にさせるとことか、カット割の雰囲気がミニシアター系の邦画みたい。

先生の絵が好きです。眉のふわふわしたとこ、目のうるうるしたとこ、Tシャツの厚み。寄りの絵が多いので、もう少し引きの絵が増えるといいのになぁと思う。
神よりの萌2

1

水晶硝子

某芸能物でブレイクした夏野さんのデビュー作、連載当時から決してすごく上手いわけではないのにとても魅力的な絵だなと思っていました。

ただこの頃はまだ絵も話も粗削りで「いつから君はそういう心境になったの?」という疑問を抱いてしまうような場面の急展開があるのは否めません。

そういう欠点があるに関わらずぐいぐい読者を引き込みますし、良く言われている透き通ったような眼球の美しさは電子でなく紙面で読んで欲しいなと思いました。

2

ただの王道だと思うことなかれ

幼馴染み同士の男子高校生の恋。
王道といえば王道のストーリーなのかもしれません。
主人公は従弟でお隣に住む幼馴染みの男の子に片思いをしています。
ある日、幼馴染みが寝ているときに気持ちを抑えきれずキスをしてしまい、その瞬間に幼馴染みが目を覚まし、主人公の気持ちがバレて、お互いに意識しつつ恋が始まる的な展開です。
多少の障害はあれど、順調に恋を育ててゆく二人の恋愛模様は王道的ともいえるかもしれませんが、決してお花畑的ハッピーなエンドというわけでもありません。
例えば、主人公の母はひょんなことから息子の性癖を知ってしまいます。
母はその事実を受け止めきれず、だからといって息子を頭ごなしに責めるわけでもありません。
また息子は息子で母を悲しませたくないという理由から好きでもない女の子と付き合ってみたり、と同性愛ならではのリアルな葛藤なども描かれます。
また、幼馴染みもノンケなので彼女もいるわけで、そんな二人を見つめる主人公の切なさですとか、いざ想いが通じたところで男であるが故の引け目を感じていたり、もうとにかく繊細で…
そんな登場人物たちの心情の揺れが生々しくもあり、魅力的にも感じた1冊でした。
続編が描かれることがあれば、ぜひ手にとりたいなと思いました。

6

「絵」で魅せるしっとりとした作品。

「真夜中に読んだら、叫びだしたくなる片思い。」という帯が非常に印象的で、「そこまで言うなら、叫んでみるか」と実際のど飴と水を準備し読んだ作品です。
…うーん、どのあたりで叫んだらいいのかわからず読み切ってしまったんですよねぇ。
「一体どこで叫べばいいのーー!!?」と叫びたくなったのですが、止めました(笑)。

細かいあらすじについてはたくさんの方が書かれているので割愛。
隣に引っ越してきたいとこと主人公がこじらせた両片思いを実らせるまでを描いた作品。
非常に静かでしっとりとした作品です。台詞やモノローグも少なく、絵で魅せる作家さん。どちらかと言えば「静」の雰囲気を表現するのが得意なのだと思います。

ただ、ものすごい見せ場があるわけでもなく、あくまで日常を切り取った淡々とした作品なので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
唯一びっくりしたのは、攻めのコが彼女とHしてるシーン。お互い彼女持ちというだけでもなんだかなぁ…と思っていたのに、わりとがっつり書かれているので苦手な方は気になってしまうかもしれません。

作品もそうなのですが、登場人物も淡々としています。
私は登場人物がジタバタしたり、ツンツンしてたのが急にデレたりするギャップに萌えるので、彼らは随分落ち着いた高校生だなと。
2人ともHシーンではかわいいので、ここが萌えポイントなのかも。

さらさらっと読めますが、すごく刺さる作品かと言われると正直微妙です。
決して嫌いな作品ではないのですが、もっと心に残る見せ場を作って欲しかった…。

ちょっと帯負けしている感が否めなかったので、今回は萌評価で。
静かでしっとりとした作風を好む方にはぴったりの一冊だと思います。

7

淡くて。直ぐに消えてしまいそうな想い。

番外編が出ていて。自分が本作を持っていた事を思い出す。そして、内容をさっぱり覚えていない事に自分で驚く。ものすごく驚く。
再読して、なるほど思い出せなかったわけだ、と確認する。読みながらも結末を思い出せなくて、「どうなるんだろう?」などとドキドキした。こんなに心に残らない作品もあるだろうかと驚かされる。
本編自体がまるで、ショートストーリーのようなのだ。
片想いは劣情を伴って、胸苦しく夏の夜を苦しめるけれども。父を亡くして、母に男しか好きになれない事を嫌悪されると苦しみ、彼女を作ってみたり、無理をして。
けれど、母はきっとびっくりしただけで、やはり息子を愛していると思うから。何となくありのままを受け入れているとも思わせて終わる。
それより何より、意識し合った従兄弟同士の千紘と愁人が、互いにおずおずと気持ちを確かめ合っていくのは、言葉少ないだけに丁寧に描かれているようで。一夏の恋のようでもあって。
とっても淡い気がしてしまうのだ。詩のようにさらりと終わってしまう…。
もちろん、このまま続くし。あまあま番外編へと続くし、描き下ろしにも独占欲をのぞかせた千紘にホッとするんだけど。
しばらくしたら私はまた綺麗さっぱり忘れてしまうんだろうと思う。
愁ちゃんのまつ毛の長い、閉じた目が綺麗でそそられます。千紘が意識しないわけがない。
思い悩むより前にきっと。千紘は愁ちゃんを好きになっていたとも思うのだ。

0

思春期と純愛

隣に住むいとこ千紘(攻)に5年片思いしている愁人(受)が寝ている千紘にキスをして気持ちがバレて...色々葛藤している愁人、意識しだしてから急にぐいぐいとくる千紘。

結局いつ千紘は愁ちゃんを好きになったんだろう...?という疑問はありつつも私は魔性の男の雰囲気を出す千紘に胸きゅんの嵐でした!
俺のこと好きだと思うじゃん。というかそうだよねぇ。というセリフに特にぐっときましたが、まぁ愁ちゃんからみたらこの時点ではただただ好奇心からのヤリモクにしか見えませんし実際千紘が好きじゃない、というレビューをよく見かけます
確かになぁ...とも思うのですが私は自分への好意に意識をしだして嫉妬したりおかずにしたり、なんだかまあ思春期独特な感じだなぁ~!とそれも良かったです
番外編や書き下ろしでは千紘からの愛情がみえて特に良かった!本作でもう少しそういう場面があればなお良かったのかな、と思います!

色々リアルで好きな作品ですが母親との部分はもう少し書いて欲しかったかな?

1

片思いというより両片思い?

表紙の少年の儚げな表情がずっと気になっていて、先日やっと購入しました。

まず、画力がとても高いです。夏野先生の作画は目がとても魅力的だと思います。瞳の中が宝石のようにキラキラ輝いていて、ウルウルしていて目に登場人物達の感情が全て込められている気がします。

ストーリーは隣に住むいとこの千紘(攻)に5年間片思いしていた事がバレてしまった愁人(受)。千紘には今まで通りでとお願いするが何故か千紘が次第にジリジリと攻めてきて…!?という若さ全開のピュアな恋の話です。いとこという設定は活かされていないので、血縁関係同士が苦手な人でも全然気にせず読めます。

愁人がキスしながら千紘の寝顔で抜いていた所に母親が入ってきた場面が作中最もしんどかったです。そんな所を見られたうえに母親に泣かれてしまった愁人の「俺だって親が泣かない相手と恋愛したい」という言葉にすごく心が痛みました。(実際に女の子と付き合ってみる所が母親思いで健気な子なんだな…とウルっときてしまいました。守ってあげたい)

彼女もいて普通にノンケだった千紘が愁人を好きになった理由があまり伝わってきませんでした。愁人と彼女の下校に割って入ったり、玄関に押し入ってキスをしたり、愁人をオカズにしたり…若さ故の「好きって言われたら好きになっちゃう」的な理屈抜きの感情なのでしょうか?愁人も愁人で「俺はお前に後悔させたくない」と言いつつ流されて体を重ねてしまいます……これで良いのか?若いからこれで良いの?2人がくっつくまでの過程や、千紘が愁人に惹かれている心情があまり描かれている場面が少ない…私の読解力が無いだけだったら本当に申し訳ないです。

臆病な愁人の5年間の片思いが実って本当に良かったのですが、帯の「真夜中に読んだら、叫び出したくなる片思い。」は言い過ぎです。私からするとこの作品は「片思い」ではなく「両片思い」の話でした。

4

青春はエグくてずるい

表紙もきれいですが、本編では目がもっと印象的で、そこから「若さ」や「青さ」「脆さ」のようなものを感じられる作画でした。
萌か萌2で悩んだのですが、最終的に描き下ろしに後押しされて萌2。

5年前に隣に越してきたいとこの千紘。
「エアコンが壊れて暑くて眠れない」と言って夜な夜な愁人のベッドに潜り込んでくる。
ある日、愁人は千紘を見ながら自慰をする姿を母親に見られてしまい…。

千紘を好きになれるかどうかにかかっている作品です。
高校生で彼女がいて、そういうことも普通にしている。
夜になると愁人のベッドに潜り込む。
愁人の気持ちを知ってからは、いつも以上に体をくっつけて来たり、距離が近かったり、キスをしたり、その先へ進もうとしたりとぐいぐい来る。
何というか、ひとの気持ちが分からない子にしか見えなくて、わたしは千紘は嫌いでした。
千紘目線の話もあるものの、愁人の反応を実況中継しているだけとか、愁人の気持ちを読んでいるだけで全く千紘の気持ちが見えないのです。
相手の好意を知って利用しようとしているだけに思えてしまう。わざとなのかな、あの描き方は。

一方愁人に関しては、冒頭のシーンからいきなり爆弾を落とされたような衝撃があって、愁人目線で始まることも相まって感情移入しやすかったです。
母親を裏切ること、ふつうではないこと、窓の鍵をかけてしまえば拒絶できるのにかけられないこと。葛藤や不安、戸惑いが手に取るように分かるのです。

最初に愁人と千紘がそういう感じになったとき、愁人が「こわい」と言って止めるのですが、このあとの千紘がもう本当に嫌い。「勃ってる男をそのままにするなんて」とか「そのまま帰った俺はすごく優しい」とか、目がどこかに飛んでいってしまう勢いですよ。
挿れるだけの方はいいけど、挿れられる方の体の負担とか全然考えてない。その負担だって痛みだって、相手がひとこと「好き」と言ってくれれば乗り越えられるものなのに言わない。言ってないんですよ、この時点で。読者もまだ千紘は「やってみたいだけ」にしか見えないし、信用できない。
興味本位ならこわいし、いやでしょう。と、熱くなってしまいましたよ。

片方の気持ちは詳細に描き出して、片方は明かさない。このアンバランスな曖昧さを作者さんが狙ってやっているのなら本当にすごいです。わざと千紘を嫌なやつに仕立てあげることで愁人への同情から共感を深めようとしているなら大成功。
本編とのギャップで描き下ろしの感情だだ漏れの千紘には好感が持てました。むしろ本編で「くわー、こいつ嫌いだー」と思ったマイナス部分が大きければ大きいほど、一気に千紘を好きになれそう。

母親のこともまだ解決していないし、ふたりが長続きするような気もしないのだけれど、これも青春の1ページという感じで、部分的に覗き見させてもらったようで良かったです。

愁人の母親と千紘が似ていて、胸で確認してしまったコマがいくつかありました。
似てますよね?

5

煌めく瞳に吸い込まれる

 従兄弟という設定はあまり活かしきれてないので、あくまで隣に住んでる同級生の幼馴染との恋であることを前提に読み進めることをオススメします。「母の涙を見たのは人生で二度」というモノローグから始まり、その二度目の涙が従兄弟の千紘で抜いている所を見られた時なので、これはかなり重々しい作品になりそうかもと身構えました。が、そこまで苦悩ばかりに焦点を当てられているわけでもなく、萌えるポイントはたくさんある作品でした。
 
 最初に好きになって思わずキスをしてしまう愁人ですが、諦めがあったり拒絶されるのが怖いのもあってか千紘に気持ちを知られてからはすっかり消極的になってしまいます。逆に、キスされたことで愁人の好意を知った千紘は彼を意識せざるを得ず、段々気になって仕方ないというように想いを膨らませていきます。相手が自分のことを好きなんだと知ると、相手のことが気になってくるものですよね。そして、積極的に迫ってくる千紘に愁人は徐々に溶かされていきます。濡れ場の描写も非常に時間をかけてあって、こんなにしっとりと一つひとつの行為を飛ばさず描かれる作品も珍しいのではないかと思いました。

 あとは、無駄な台詞がほとんどなく、必要最小限の台詞で最後まで粛々とした雰囲気を壊されず読める所や、瞳のアップが煌めいていて凄く綺麗だった所も印象的でした。愁人の母親が同性愛を認める発言をするシーンはないのですが、「わかってくれなくていいから」という愁人の言葉で、もちろん親が肯定してくれれば一番良いけれど、自分の性癖を無理に理解してもらう必要もない、という強い意思を感じたので個人的にはこのように一線を引く作品もありだと思います。

3

好みは分かれそう

隣に住む高校生の従兄弟同士のお話です。
主人公受けのところに、窓をつたって毎晩涼みにくる攻め。攻めはノンケでリア充、受けはゲイで攻めのことが好き、という間柄。

窓を使って行き来する隣人同士、というありがち設定ながら、しっとりと読ませるシリアス切ないお話でした。
ただ、攻めの考えてることがいまいち分からず…。受けが思いがけず自分のことを好きだった、そこから意識し始めるのは分かるのですが、「実は前から受けのことを好ましく思ってた」的なことを後出しでチョロチョロとほのめかすもんで、嘘つけあんた女の子とヤリまくってたし受けに好意を寄せられて困ってたじゃん、と、うさんくさいものを感じてしまいました。
あと、受けが母にゲイバレし、女の子と付き合ってみたりするのにも萌えられず。てか受けの彼女どうなったの? さらにゲイバレしてショック受けてる母の夜勤中にイタす2人にあまり好感が抱けなかった。

攻めがガンガン彼女とヤッちゃってるのも萎えました。あんなにしっかり描写する必要なかったんでは…。私はそうでもないけれど、女性と生々しい絡みがあるのを嫌がる人も多かろうと思うので、声だけの描写にするとか配慮があっても良かったな。

12

表紙に惹かれた

表紙の雰囲気もいいし、タイトルにもセンス感じる、なんか良さそう!と思って読んでみました。
お隣同士の幼馴染・そしていとこ同士という血縁関係。
5年前からいとこの愁人の事がずっと好きな千紘。愁人は自室のクーラーの効きが悪くて暑くて寝れないから…と言って、千紘の部屋にやってきては狭いベッドで一緒に寝る毎日。
たまらなくなった千紘は熟睡中の愁人のうえに覆いかぶさってのキス&オナニーを母親に目撃され…。
千紘はゲイばれしたことばかり気にしてるけど、母親からすればゲイで、しかも相手がいとこというダブルショックだと思う。二人に血縁の葛藤は一切ないので、それならただの幼馴染だけのほうが良かったな。

それと私が読み解けなかったのは、千紘のこと。
後ろの方で、実は全然暑いの大丈夫なのに、なんでわざわざ毎晩愁人の隣に寝にきたと思う?みたいな事言ってるんだけど、毎晩愁人の隣で寝てたときも日中は彼女とエッチしまくってたじゃん…って。
あの時から本当は愁人の事好きだったの?いやいや、あなた愁人に告白されたときちょっと戸惑ってたじゃない…。
何か読み落としたかなぁと思って何度か繰り返し読んでみたけど、良くわからなかった…。

いいなぁと思ったのは、千紘が「(今夜抱きに行くから)嫌じゃなかったら鍵あけといて」と言うところ。
そして愁人がどきどきしながら準備して、ちょこんと椅子に座って待ってたとこが可愛かった。きっとベッドに座ってみたり、床に座ってみたり所在無さげにウロウロきっとしちゃった末の椅子ちょこんなんだろうなぁって思ったら、ほっぺ緩みました。

そういえばフユシラズの花。タイトルにもなってて、付き合う以前の二人が一緒にいるときに植え替え作業して「フユシラズさ、枯れないといいね」という台詞まであったので、終わりのほうに花が咲いたフユシラズを二人で仲良く見るとかそういうのがあれば良かったな。

いくつかの伏線が回収しきれていなくて少し消化不良は否めないけど、絵は綺麗だし季節感の盛り込み方とか、作品の空気・雰囲気を作るのがお上手だと思いました。

4

pixivコミックで初めて会った時に、絵柄が好み過ぎてずっと単行本出ないかなと待ち望んでました。結果は【★★★★】。
個人的に、勝手に期待し過ぎたかなとは思ってはいますが、内容が割とあっさりしていて、ちょっと物足りなさを感じました。
重い話系の片思いが苦手な方にはちょうどいいかもです。
表紙然り“絵”を重視する方にはかなりオススメです!
ただ、エロシーンはそんなに多くないです。

続きがでたらいいのになあと密かに思ったり…

5

表紙の印象通りの内容

ちるちるインタビューがあったのを知らずに表紙買いです。
お話としては難しい事もなくある意味王道なのかもしれませんが、絵柄が繊細で綺麗なのでしっとりして雰囲気がとても良かったです。

いとこの千紘に恋をする愁人が、千紘にその恋心がばれる。
今のままの関係のままで…と千紘にお願いするけど千紘は愁人への気持ちを変えていくんですが、愁人が自分を好きだと分からないままだったら普通にいとこ関係のままだったんですよね?
暑いのが平気なくせに愁人の部屋にやってくるぐらいだから、やっぱり愁人が好きだったのか?
でも彼女とHもしてたし…と、千紘の気持ちが分からない愁人に同感です。

そして愁人の母ですが、愁人が男(千紘)を好きだと知らしめる必要があったのかな…と。
愁人達がHをする時、母が入ってくるんじゃないかと妙にドキドキしました(^^;;
解決してないし、必要なエピソードだったのかな…と疑問です。
あと、愁人母と千紘がちょっと似てたのが紛らわしかったかな。

気になる点はあったとはいえ、絵柄と話の内容が凄くマッチしてたのが好みでした。
限りなく『萌2』寄りなんですが、『萌』評価で。

4

切ないBL作品を見たい方にオススメ

表紙の絵柄に魅かれて購入しました。

切ないストーリーと絵がとてもマッチしていて良かったのもありますが、母親が息子にとった反応や攻め受けのキャラクターにそれぞれ女の子の彼女の存在に現実味がある世界観の作品で面白かったです。

控えめなエロさですが、愁人の方が強かった恋愛感情が徐々に千紘の方が勝っていくところに注目していただきたいです。

お話は相思相愛エンドで終わりますが、母親の問題はそこまで触れなかったためその点は読み終えて少しもやっとした感じになるとは思います。

切ないBL作品を読みたいそんな方にオススメしたいです。

13

どこか懐かしさも感じます

表紙にドーンっと切なそうな主人公本は当たった時凄いのに、外れた時のしっぺ返しに疑心暗鬼になり買うのをためらいましたが、帯とonBLUEさんがきめ手で購入しました。

さらっと読めてしまうのですが、ヒトコマずつ綺麗な表情のキャラクター達と時折はいってくる風景に引き戻され噛めば噛むほどの一種するめ感のある作品です。

エロさは控えめですが、年齢特有の骨格、腰の細さに大変フェチを感じました。好物です…。

所々読み手の想像力に任せる所があり、こうだったらいいなとか思える人にはとてもオススメです。
またその為、いつでも続編が作れる作りだなと思ったので期待して待ってます。

18

エロ爽やか

きれいな絵と爽やかな表紙ですね。高校生、幼馴染みの従兄弟、という美味しい設定にもピッタリでした。

ただ、1つよくわからなかった事が。
まずは、千紘の気持ち。彼女もいたし、エッチにも積極的で普通の高校生のような気もするのですが愁人にこっそりキスされて、「え?愁人って俺のこと好きなの?」とビックリしていたのに、後の方で「ほんとに暑くて眠れないから来てたと思ってたの?暑いのはそれほど苦でもないんだよ。」みたいなことを言うのは何故?愁人のことが好きだったから、クーラーが効かないと言う理由をつけて通ってたんじゃないの?私としては最初からそういうことなんだろうと思っていましたよ。

それと、お母さんに見られてヤバイ!となったのは、男同士と言うことの他にも従兄弟と言う関係があったからじゃないのかなぁと思うのですがその辺は触れてませんでしたね。親の立場としては、そこの方が私は気になってしまいますね。

とまぁ、あげ足をとるような指摘をしてしまいましたが、細かい描写には萌えるものが沢山ありました。特に大好きなシーンは、千紘から「今夜はエッチの続きをするよ」みたいな宣言をされ、窓の鍵を開けて待っている愁人。ベッドではなく、勉強机の前の椅子に膝を抱えて待っているのがとっても可愛かったです。
その他にも二人の会話が、特に千紘の言葉がストレートで男子高校生!って雰囲気が良かったです。エロいことを言っているのに爽やか!なんて、ズルいですね。

4

おすすめです!

キャラクターの表情や気持ち、好きな人のここ見るよな〜っていうキャラクター視点のコマのひとつひとつが非常に良かったです。さらっと読めるお話ですが、物足りなさはなく、満足しました。帯に「真夜中に読んだら、叫びだしたくなる片思い。」と書いてありますが、私はため息が出るくらいの片思いのように感じました。

こちらのレビューで彼女について触れられていますが、彼女自体さらっとしか出てこないので、私は彼女たちが可哀想とは思わなかったです。ここで他の方のレビューを読んで、確かにそうだなとは思いました。彼女たちが、のっぺらぼう寄りのモブ扱いだったら良かったのかもしれないですね。

この作品は、受けの愁ちゃんの気持ちを知って攻めの千紘が意識して翻弄という感じでした。人から好意を寄せられると気になってしまう気持ちわかります。しかし、終盤辺りは千紘が追うかたちになっていて、可愛かったです。

基本的に商業を読んでいて、受けのキャラを好きになることが多いのですが、この作品は攻めの千紘も魅力的に思いました。

二人がくっついてからのいちゃいちゃも尊くて良かったです。

5

王道ストーリー。絵が綺麗で見応えあり

まず絵がとっても綺麗。線が細くて繊細で、キャラの見た目も好み。黒髪可愛い…

ですがストーリーにひねりがないというか、物足りなさを感じます。
まずお母さんの涙からお話が始まったけれど結局千紘とくっついてそれからお母さんについて描写はないし、2人はいとこという設定だけれどそこについても言及されてないのでその設定は必要だったのかなあと思います。

良かったところは、攻めである千紘が受けのしゅうとに手を出すときの普通の男の子っぽさがいい。しゅうとも赤面したり涙目だったり、とっても可愛いです。絵がほんとに綺麗で見応えはあり。

このお話は主人公ゲイ(受け)がノンケの友達(攻め)のことが好きなことがバレてっていう王道ストーリーまんま。(個人的にはノンケに受けになるという意外性がほしい笑)
絵が綺麗なぶんもったいない気がします。この絵で耽美なお話とかとんがったお話とか読んで見たいかですね。主従ものとか。

4

さらっと読める

1話試し読みしていとこ同士で5年間の片思いに惹かれて読みました。
いとこだからというのは特になくさらっと読めます。

彼女がいて男同士はなあという反応だった攻めが急にぐいぐいきて
受けがえ?え?なんだろう?と思っているうちに結ばれて
読んでいるこちらもえ?え?なんだろう???と思いました笑

この漫画の中で同じくだりを何回も見て進んでるのか後退してるのかも
わかりにくくてもう少し葛藤というか…内容があったらよかったのにな…

他の方も書かれていましたが攻めと受けの彼女がかわいそうだと私も思いました。
彼女に対しても攻めに対してもネガティブというより自分の事しか考えてない受けは
好みじゃないという事がわかりました。

6

絵が綺麗

ちるちるさんのインタビューかなんかで知って試し読みして衝動買いしました。
さらっと1回読んだだけなので私のレビューは参考にならないと思います。
絵が綺麗で…あっさり読めました。
期待はずれとまでは言わないですが…他の方のレビューにもありましたが、帯が煽りすぎだなと私も思いました。私の心が汚れているのかも…。
何だろう…ハッピーエンドで良かったとは思いますが、物足りなさを感じる。あっさりしている。
2人と付き合っていた女の子たち可哀想だな…特に受けと付き合ってた子。BLで女の子の扱いなんてこんな感じだと思うけどさ…。
今後はどんな作品を描かれるのか気になりますが購入は迷うかもしれないです。
乱文失礼いたしました。

7

帯の文句に引っ張られた

twitterとかでよく見かけていたので購入しました。
クチコミ、帯や煽り文ですごい読者の期待を高めてきて、ウキウキで帯のとおり真夜中に読んだのですが、んーー、他の方も仰ってましたがちょっと期待し過ぎたのかなー、という感想。

正直、「真夜中に読むと、叫び出しそうになる片思い」なんて帯に書かれてたので失恋エンドを期待しちゃってました。というか、その覚悟で読んだのであっさりくっついて拍子抜けしたというか。。。

これならこれで、もうちょっと違ったアプローチが必要だったのではないかなと感じます。
「叫び出しそうになる片思い」と銘打つほど片思いの苦悩は描かれてないんじゃないかなぁ。。。帯の文句に第一印象が引っ張られてしまったために期待はずれのような感じになっただけで、作品自体は絵柄も構成も無理なく綺麗で読みやすかったので、作者買いしたいなーとは思いました。次の作品楽しみです。

7

超個人的な意見です!!

絵がどタイプで、試し読みで続きが気になりずっと読みたくて長いこと楽しみにしてました!しかし、私の期待度が高すぎたのでしょう…読み終わったあとあれ?こんなもん?となってしまいました…
この作者さんは絵がホントに丁寧でお綺麗、そして登場人物の心情も空気感をうまく使いゆっくりじっくり描写していました。しかしそこにページを費やしたせいか、登場人物の大きな心情の変化がいまいち伝わってきませんでした…攻めは最初から受けのことが好きだったの?なのになんで彼女作ってセックスしてるの?そこらへんがよく分かりませんでした。挙げ句の果て彼女と別れガンガンに攻めるのですがちょっと勝手すぎないかな…って感じです。受けが一途なのはとても良かったです!ただ、もうちょっと葛藤があっても良かったのではないかなーあっさりしてたなー

15

切ないけれど暖かみを感じる

初読み作家さんです。
表紙とタイトルにに引き寄せられたのですが、
中も人物絵と背景と漂う空気と切なさがマッチしていて良かったです!

(中身が気になる方はpixivコミックでタイトル検索すると1話が読めます)

私は絵が全く描けないので触れるのもアレですが…
素材っぽい背景やオシャレな室内ではなく、
手描きで丁寧に描かれた背景と身近に感じる素朴さがあって。
ストーリーをよりよく際立たせてるなーと感じました。
さすがonBLUEさん。


タイトルは冬知らずという花からだそうです。
花言葉をググってみたら「別れの悲しみ」と書いてありました。

【この恋は行き止まりーーーだと思ってた】

帯に書いてある一文であり作中での受けのモノローグなのですが、
花言葉と少々リンクしているように見えます。
隣人で幼馴染でいとこへの恋心は、最初から報われるとは思っておらず。
それでも好きでいることをやめられない受けの片思いに切なキュン(∩;///;∩)

報われない片思い、外聞的な女の子との付き合い、母への申し訳なさ。
序盤は受けの周囲に鬱屈とした息苦しさが漂っていてシンドかった…。

でも攻めが受けを意識するようになった辺りからスキンシップが甘いものに///
受けは翻弄される形になったけれど、それでも触れ合えるのは嬉しそうで。
めちゃドキドキしてるのが伝わりました(∩´///`∩)

攻めから「夜行くから」と予告された時は、
ドギマギしながらお風呂で準備して、ドギマギ戸惑いながら待ってるのめっちゃ可愛かったー!!
体が繋がって攻めから欲しい言葉をもらえた時の反応にキュンキュンする+゚。*(;ω;)*。゚+

攻めもクセがなくて良い子です。
受けは考えすぎるとネガティブ思考なりがちだけど、それを吹き飛ばしてくれるような感じ。
カラっとした明るさと感情が素直に出るタイプで好印象でした◎

受け母との問題はまだ解決してないけれど、この攻めなら上手く収めてくれそうな気がする。
受けのネガティブさを補いながら良い潤滑剤となって受けを守るんだろうなー。
そんな頼もしさを感じることが出来ました(﹡´◡`﹡ )

3

真夜中じゃ無くても叫び出したい‼

しっかり設定や内容を確認してから購入するタイプなので、普段は表紙買いをしたりしないのですが、こちらの作品は思わず購入してしまいました。落ち着いた色合いで決して派手なワケでは無いのに、ハッと目を引き寄せられる表紙なんですよね。
そして作品の内容も、また同じ印象です。これと言ってすごく派手な展開だったり大きな事件があるワケでも無いのに、読んでいるとすごく引き込まれる・・・。帯に「真夜中に読んだら、叫び出したくなる片思い」てありますが、真夜中じゃなくても叫び出したくなりましたよ!!帯も秀逸だなぁ(*´Д`*)


内容ですが、DK同士の甘酸っぱい片思いものです。
隣に住むいとこの千紘に、長年片思いしている愁人。そんなある日、寝ている千紘についキスしてしまうと、本人にバレてしまいー・・・というものです。

いとこ同士の男子高校生と言う事で、その距離の近さに萌えます。最初からナチュラルにイチャついてるんですよね。暑いからと、クーラーの効いた愁人の部屋で二人はよく一緒に寝てるのですが、これが一緒に寝てるだけなのにすごく萌える。それぞれの視点での印象の違いにも注目していただきたいのですが、愁人視点だと片思いの切なさで、千紘視点だと無防備な愁人に対する欲情系で。

心理描写もとても丁寧で、切なさだったり、胸が沸き立つような感じだったり、抑えきれない欲情だったりが、しっとりとしたタッチで描かれてます。

そして避けては通れない、自分のセクシャリティに対しての葛藤。女手一つで育ててくれた母親を安心させるために、女の子と付き合ってみたりと、あまり褒められた事では無いのですが・・・。
愁人の母親の反応も、ごくごく普通なんじゃないかなと思ったりして。受け入れられない気持ちと、息子を思いやる気持ちの間で、母親も悩んでいるんでしょうね。

愁人が深く思い悩むタイプである分、千紘の明るさや大らかさに救われます。最初は女の子と付き合っていたのに、愁人の気持ちに気付いてからはグイグイ来ると言った感じで、彼の気持ちの変化は実のところ良く分からなかったのですが。しかし、強気でグイグイ押すのには萌えました。
この千紘が愁人を翻弄しているように見えて、実際は愁人も千紘を翻弄しているんじゃないかな。彼は肝心な所で逃げ腰になるので。とりあえず、寸止めされたのは気の毒でした☆ 描き下ろしでの「人の気も知らないで」というぼやきに、千紘の内心が良く表れてるんじゃないでしょうか。

注意点ですが、主役二人がそれぞれ女の子と付き合ってたりするので、苦手な方は気を付けて下さい。

男子高校生同士の片思いに、胸がキュンとなりました。

9

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