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壮大なミステリックホラー物語の11巻です。
前回、辛い体験をした晃一。
その影響は、葉月にまで現れて。葉月と晃一は、気を分け合う主従関係だったのですが、レイプ事件以来葉月も怖くなってしまって…。気をあげようとすると、恐怖心を思い出して力を暴走させてしまうのです。
気がもらえないことでイライラする葉月。でも、気を分けるのはお前だけ、あの事件もお前だと思っていたから力を我慢した、だから特別なんだの塔谷の一言に、我慢を覚える葉月。
葉月と晃一の間でも、強い絆が育っていたことが分かってキュンとなります。
今回は、前世の塔谷や晃一のお話も収録されています。
晃一に一方的に惹かれていた塔谷。晃一は蓮と夫婦のような仲で…。現世では、一番近い位置にいる塔谷と晃一だけど、成就するのか気になるところです。
現世では過去のしがらみにケリをつけるべく、一臣と晃一が動きます。
継ぐべき者に継がれ御神体を失くした天野家と塔谷家、氷見家は極秘資料を一臣に焼かれ、神生家にいたっては直系の兄・弟どちらもが忌みを背負った存在で、四家は形骸化、存在意義がなくなっていきます。
そして11巻では一臣の前世”刀邪”について語られます。
イスラム風な建築物、中華風な衣装、シルクロード王宮のような華やかな世界にいるのは、長い髪を持った強き神魔将たち。
その中でひと際美しく、他の神魔将を魅了しているのが長の”羅鬼”、晃一の前世です。
一臣の前世”刀邪”は一番年若い神魔将で、”羅鬼”に焦がれる気持ちを隠さない。でも、”羅鬼”の隣にはすでに伴侶となる”呀雷”がいて、”刀邪”は叶わぬ想いを抱えていくしかない。
”刀邪”が”呀雷”に「あの美しくて強くて…残酷な人を手に入れたとき恐ろしくはありませんでしたか?」と尋ねると、”呀雷”は意味ありげにほほ笑むだけ。
極上の人と共にいれる歓びと、その人を失くしたときの絶望への恐れ…
”呀雷”の執着こそが現世で起きていること全ての元凶だから、この問いは胸に刺さります…