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四者四様+α で、カプは予想できつつも
同展開してくの!?そんなことする!?下巻でした。
すんなり収まらないから、ドラマティックで面白かったは面白くて、
宮と鼎の家族愛、宮が成長してく様は魅力的でした!!
そして、万ちゃんの包容力とえっちな時の焦らし方、距離感が堪らず、すっかり万ちゃん推しになってしまったので、
ずるくて弱いとこ、もっと早く見せてくれたら…って本当に思っちゃいます。
これもタイミングや大事にしてるものがハッキリしてるからこその大人の歯がゆさなんでしょうが。
サヤカの方がしっかり切り替えられてる分、鼎の気持ち、それを長年見守ってきた万ちゃんが切ない。
好きだから子供だからって相手の都合お構い無しにぶつかってく国生には辟易、
たまたま会った万ちゃんの娘と言い争うのは分かるけど、
そのあとの行動はとてもじゃないけど着いてけない。
その真っ直ぐさが国生の魅力なのかもしれませんが、自分本位すぎ。
だけど、国生が我武者羅なとこ残したまま大人の男性になる…が王道なのでしょうか…
そこはハッキリしないまま。
下巻のあとがきで、続編のことも触れられていたけど、表紙見たらカップリング分かりそうだから怖くて調べれずにいます。
宮とサヤカは良かった、えっちシーンありがと~~だけど、周りが強烈すぎて、メインカプなのに印象が弱いのは、2人がメインではないく、群像劇だからですかね。
誰かに支えられて誰かを支えたくて強くなってくのが素敵でした。
なるほどー、と思いました。
上巻を読んだ際にあちこち飛び交って戸惑っていた片思い矢印の多さについては、すんなり回収されました。
上巻だけでやめずに下巻も読んでよかったです。
本当のことを言うと、高砂と鼎が、年来の両片思いが再燃する話でもよかったと思っていましたが、そうミスリードしないような下巻の話運びでした。
上巻を読んだ時に困惑した、情報量の多いキャラクターの乱立と、飛び交って散らかった印象の片思い矢印が、下巻でパタパタと整理されていくのが気持ちよかったです。どんどん扉が閉まっていって、ストーリーで重要なところだけ扉が開いている感じ。若干強引ではありましたがこの辺りが巧者と思いました。
最後に二組がまとまって完結、と思いきや、あとがきを読むと、鼎と国生はまだまとまったというわけではないようで(といっても先が見えてはいる)、もしかしたら続きもあるかもしれない、というところなんですね。
そして全体的に、やはり群像劇でした。
粗探しをしているわけでもないのですが、消化不良だったことが二つあります。
一つは、下巻ラストの鼎の様子。千度の窯を防備なく覗こうとするくらいぼうっとし、しゃがみこむくらいの胃炎に苛まれている。この辺りの解決がまだ書かれていない? 仕事の方でも妨害されて影響が出ていたと思うし、それこそ時間が解決する問題というわけでもないと思うので、中途になっている印象です。
それからもう一つ。未成年の腹を包丁で刺して、この世に一つしか無い芸術作品を次々に割った女が、なんのお咎めもなくのうのうと生きている。これだけは本当に許せません。
この二点がたとえば続編の布石だとしても、なんらか示して欲しかったです。
泣けるBL。三者の愛。
凪良先生のBL作品は、トラウマ持ちや、偏執愛キャラ、クールな三枚目の美形が登場するけど、あとがきによると、この作品は10年寝かせたもので、著者の萌キャラの原型が描かれてる。
展開の軸はこの巻も三者、龍之介、鼎、高砂。三者を取り巻く、脇役数人。
大真面目に悩み、可笑しなことを繰り返すキャラ達夫々の事情とドラマが描かれてます。
鼎と、同級生の親友・高砂は、美形のモテ男。
鼎と高砂は、複雑な家庭環境で育ち、脆さを抱えている。
心の傷を、愛し愛される対象で埋めたい二人は、実は互いに一目ぼれ。
相愛なのに、告白後の拒否と破局を怖れ、本心を隠し、けん制しあって親友から踏み出せない。
だから、お互いに「相手の今恋」を知る都度、深い悲しみと傷を受けている。
鼎が、姉の遺児・龍之介の保護者になり、帰国した高砂も龍之介のお多福かぜを看病。
その日以来、鼎と高砂の最優先は「可愛いヘーゼルナッツ王子=龍之介の幸せ」になる。
鼎の強さは硬くて細いので、ポキリと折れやすい。
龍之介は、「良い子+捨てられる」のトラウマ持ち。
・・似た脆さを持つ叔父と甥、鼎と龍之介にとって、欲しい言葉をくれる高砂は、安心御守り「セキュリティ・ブランケット」
裏切らない愛を求める「愛したい人」の高砂。
龍之介は高砂の父性に惹かれだす。
鼎は今も「欲しい言葉」を常にくれる高砂を愛している。
でも鼎は父性を貫き、高砂を甥に譲る。嘘が生む空虚を高砂の代役=万座や国生で埋めて、巻き込んでいく。
龍之介は、国生と鼎の言い争いから「鼎の秘め恋」を知り、高砂と鼎の恋を成就させようと場を取り持つ。
だけど、甥の幸せを鼎は優先、「父性愛」を貫き、嘘を高砂に告げて踏み込まない。
こんな風に、凪良先生の「心情揺さぶり」は何段にも張られ、叔父と甥の思いやり&譲り合いは繰り返す。
この作品は、切なくなる場面が凄く多かった。
龍君を呪縛する「良い子」、母の呪縛を解いたのは、スペインから来た実父。
実父から生前の母の記憶を聞き、自分は母にしっかり愛されていたと理解。恐ろしいだけだった母の言葉の印象が変わる。
高砂に自分の気持ちを伝えたい龍君の背を押し 旅に出す鼎。「俺が出来なかったことをしろ」
・・この場面の鼎は切ない。親であろうとする鼎は、龍君には痛みを伴う愛を注ぐ。
鼎の新しいセキュリティ・ブランケット役は、万座だろうか?国生だろうか?
続編、出るかな??
下巻は2018年刊。
大抵の上巻って気になる所で終わるので、久々に気合いを出して一気に読んだ。
しかし、何で始終迷惑しかかけなかった花房に対して、最期まで"ちゃん"付けの呼称(人物描写)だったのだろうね。
帰ってきた宮が父・マリアーノを連れてきての鼎との初対面&腹を割った話し合いの場でも、ジェシーや国生まで同席するデリカシーの無さにはイラッときた。
(ま、それを言うと高砂もだが、聞き役に徹した第三者を貫いていたのでギリセーフかな)
…と、どうしようもなく苛ついたところも有ったとはいえ、収まるべきところに収まるものだねぇ…
上巻で抱えていた迷いを自ら吹っ切り、腹を括った鼎のパワーは最強だった。
普段ならマリアーノみたいなピーターパン男ってモロに受け付けないキャラなのだけど、宮の母親に対する愛、息子・宮の幸せを願う気持ちは本物で、ちょっぴり絆されちゃう不思議さがある。
過去の大いなる不幸は取り返せないけれどね。
途中、周囲の余計なお節介で高砂と鼎をくっつけちゃえ!!って暴挙もあるものの、ひょっとして…といった高砂への過去の想いを鼎自らが断ち切ったのは英断だった。
かつて両片想いだった二人がそれぞれ別の道を歩んでも尚、かけがいのない縁を得たというのは貴重な事だと思う。
宮を高砂の元へ嫁に出したかのような心境もサイコーに彼らしい。
これからも高砂にとって是非とも難攻不落な叔父、甥であってほしいものだ(笑)
高砂と宮のカップル誕生に関しては文句はない。
しかしなぁ、国生にはあまり期待できないのだが…
コイツが将来いい男に育つとは到底思えない。
個人的には後半の出来事がもうてんで受け付けなかったものでね…
*何故そう思うのかってのは、以下がっつりなネタばれなのだけどさ…
父の秘密の交際にショックを受けた万座娘の元に日々待ち伏せした挙げ句、いかに万座と鼎がラブラブか、自身がそれに耐え忍んでいるか説き続けたって行為にゾッとしてしまったのよ。
立場上、万座娘には父が男と付き合っていて気持ち悪い!!って拒絶する権利は充分にあるんだぞ。
なのに、その娘の事情は一切無視して、鼎が嫌われるのは許せない、彼程ほど美人で素晴らしい人は居ないって自身の価値観だけをゴリ押しするなんて、やっぱりコイツにはデリカシーが無い。
どうも鼎と国生がくっついても良かったねとは思えないな。
むしろ、鼎には幼少からの顔馴染みだからと絆されるばかりではなく、ピンと引っかかるものがあったら容赦なく振ってもらいたい位だ。
他の読者とは真逆の感想だろうけれど、まぁそういう意見もあるという事で…
面白かった〜!
色んなカップリングが考えられるキャラ設定と物語の流れで、さあどう展開するのかな?とワクワクしながら読みました。
登場人物1 鼎。
陶芸家で甥の龍之介を育てています。
龍之介の親友の国生に迫られています。若い男の直球勝負で勢いのある愛に押される一方で、息子同然に育てた甥の同級生というところにひっかかります。
現在実際に関係があるのはパトロンの万座。ある程度割り切った関係ですが、割り切った関係と見せかけた万座の本気がちらちら見え隠れしていたりもします。
長年の親友は高砂。大事な親友すぎてお互い告白の機会を逃してはいますが、昔からほのかな恋心を抱く相手でした。
登場人物2高砂
実はリッチでモテモテのカフェオーナー。
親友である鼎が大切に育ててきた龍之介の健気さや可愛らしさにときめいています。
でも相手はまだ子供なので勢いで手を出すわけにもいかず、物分かりが良い素敵なお兄さん的なポジションをとりつつ機を伺っています。
他方で長年の親友である鼎のことも憎からず想っています。が、親友関係を崩したくなくて、一歩踏み込めないまま現在に至ります。
登場人物3龍之介
鼎に親代わりのようにして育ててもらっている高校生。
大人しくて優しくて健気な良い子ですが、遠慮しちゃうところがあります。
高砂は素敵な大人だなあと思っているけど、自分なんかでは釣り合わないと思ったりもします。
大好きだけど、実は鼎が高砂を愛していることに気がついてしまい、身を引くべきではと悩みます。
国生とは幼なじみ。なんでも言える間柄です。
登場人物4国生
龍之介の幼なじみ。なんでも言える間柄です。
元気いっぱいの明るい直情型人間。
龍之介の父代わりである鼎に子供の頃から恋しています。告白して強引に関係を迫ったりもしましたが、己の未熟さ故に一旦は玉砕しています。
こうやって整理してみると、この物語の結末のカップリングはなるほど最大公約数的な幸せに落ち着いているな、となっとくするのですが、大人組、子供組で分かれて友達同士からのカップリングもそれはそれで背伸びがなくて良いようにも思ったりします。
特に大人組は長年の両片想いという前提があるので、ちょっと惜しく感じてしまうのかも知れません。
ラブストーリーではお互いが唯一無二、他の相手など考えられない!というのが定石ですが、実際はこうやって開かれた複数の可能性の中でなんらかの決断をしたり、あるいは何らかの偶然でたまたまそのルートを辿ることになって結びついたり離れたりもします。
あり得たかとも知れない可能性を閉じない、余韻を残した物語は新鮮だなと思いました。
唯一当て馬ポジションになったパトロン万座ですが、割り切った関係に見せかけ、割り切った関係として終わりにしなければならなかった事情と、それでも残る未練と執着の描写のバランスが絶妙で、これも一つの物語だなあと。