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表題作午後9時からは恋の時間

柊修,34歳,独立したばかりのインテリアデザイナー
佐倉七海,24歳,色覚異常のデザイン事務所アシスタント

その他の収録作品

  • 真夜中は大人の時間
  • あとがき

あらすじ

デザイン事務所でアシスタントとして働く佐倉の癒しは、姪の保育園のお迎えで会う知的な美貌から服装まで自分の好みそのものの柊を眺めること。ある日、彼が独立したてのインテリアデザイナーで頼れる家族がなく息子・陸のお迎えの為に思うように働けずにいると知る。色覚異常でデザイナーとして働けず燻る自身の状況に重ね、佐倉は陸をたまに預かることを申し出るが、しだいに柊への憧れが恋愛に変わっていき…。

作品情報

作品名
午後9時からは恋の時間
著者
夕映月子 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778124472
3.1

(92)

(25)

萌々

(25)

(8)

中立

(6)

趣味じゃない

(28)

レビュー数
10
得点
255
評価数
92
平均
3.1 / 5
神率
27.2%

レビュー投稿数10

一度は諦めかけた夢を、掴み取るまで。心震える再生ストーリー

「あああ、萌えた…!」と満足感いっぱいでこちらを覗き、評価(星の数)を見てえっ、とびっくりしました(°_°)
評価が低いというより、割れているのかな…?

個人的には最高に萌えた作品でした✨
夕映月子先生の作品がとても肌に合うというか、大好きなんですが、その中でもかなり好きなお話。

最近はなんとなく年下攻めが流行っている(勝手な)印象がありますが、一回り年上のこの落ち着きと安心感、たまらないよね…!と。
恋人としてめちゃくちゃに甘やかしてくれるのに、セッッの時には言葉で苛めたりもするギャップと、メガネに萌えまくりました。

そしてストーリーももちろん素晴らしくて。
自分ではどうしようもない理由により、夢を諦めざるを得ない境遇の主人公の再生ストーリーに、涙が零れました。

賞を受賞するほど優秀で将来を期待された学生でありながら、就職時に先天性の色覚異常であることが発覚し、デザイナーとしての採用ではなく、アシスタント採用となった主人公、佐倉。
デザイン事務所では一つ年下の後輩に馬鹿にされ厄介者扱いされ、出したアイデアは事務所のものとして搾取され…と、辛い境遇の描写に佐倉と共に悔しさを噛み締めました。

特にコンペのくだりは辛かった……アシスタントのくせにデザイナーの領域に手を出してくるな、と、普段は搾取しているくせにこんな時だけ邪険に扱い、出した作品のアイデアもまた搾取され( ; ; )

攻めの柊の職業などが明かされ、今後の展開はうっすら読めてしまったりするのですが、それが全然退屈ではなく。夕映先生の”読ませる上手さ”が存分に味わえます。

柊の力には頼らず、自力でデザイナーとして踏み出そうと行動する姿が眩しいぐらい格好よくて、読みながらいつの間にか全力かつ本気で佐倉を応援していました。

新たな仕事は決して恋人からのお情けではなく、佐倉の才能と努力を認め、色覚異常を持つ佐倉だからこその特徴を存分に活かしてもらいたい、という柊の気持ちが伝わってくるもの。予想できた展開だけれど、じーんと胸を打たれました。

自分もちょっと勇気を出して、やりたかったことに挑戦してみようか。
そんな勇気がもらえる、切なく優しく温かい、再生ストーリーでした◎

1

「あなたが あなただから好き」

色覚異常に悩む主人公。

学生時代から抜き出ていた才能の持ち主だったのに、
就職後に色覚異常に気付いて、デザイナーとして採用されなかった佐倉。
生活での支障は特に無い。
若干青と赤の識別が付きにくいので、ベージュ等の微妙な色が分からない。

姪の真心(まこ)ちゃんのお迎えを引き受けて知り合った柊に惹かれる。
柊も建築デザイナー。
両親を亡くした陸君を養子にしている。
陸君の母親の代わりになりたいけれど、それは無理。

仕事で、デザイナーとしての君は要らない、と言われて居場所を失う。
そんな佐倉が、柊の養子、陸君の言葉に癒される。
落ち込んだときに読むと、心が和むセリフが沢山登場する物語だった。

佐倉は、居場所を見つける。
柊の事務所で「カラーバリアフリー」に特化したデザイナーとなる。

凄く良い結末だった。

1

エッチが予想外

佐倉の状況が切ないですね。色覚異常がわかりデザイナーになれず職場でアシスタントとして軽んじられ。

そんな佐倉の癒しが柊さん親子と保育園のお迎えで会うことで…。

佐倉が柊親子との交流でデザイナーとして奮起しようと前向きになったり、趣味がぴったりでたまらなかったり。

もしかして柊さんは…と思ってたら!

子育てと恋愛とお仕事と。結ばれてお終いじゃないんですね。

うちの子になればいいのにって、言い方が可愛いですね。陸くんまで言い出して。

エッチまでは神にするつもり満々でした。
ですがエッチがちょっと…。
いや、意地悪攻めもいいんですよ、需要も多いでしょう。
でもこれまでの柊さんとのギャップや、初エッチで痛いの好きなんだろって言ってきたり、高価なソファの上や吊り下がる不安定な椅子でエッチしたがったり。
あげくのはてにアソコの先にあんなものを!
いったいこれまでどんな経験積んできたの?

紳士であって欲しかったです。

3

午後9時以降が甘すぎる

攻めが受けに「かわいい」を連呼するパターンは甘すぎて胸焼けするのですが、この作品は佐倉の職場連中の意地が悪いので、甘すぎてもバランスが取れていました。
あとがきによると、元の作品を大幅加筆修正、柊さんの人なり以外は大幅改稿だそうですが、もとの佐倉がどんなだったのか気になります。
佐倉の転職直後、まだまだこれからというところで終わっているので、その後どんな成果を上げていくのか気になります。
もし続きが読めるなら、その時は是非、佐倉の後輩の杉にサドでおねえな恋人をあてがっていびり倒して欲しい。
あと、みずかねりょうさんのイラストが絶品。

4

色褪せていた世界が、色を取り戻していく様子が良かった。

持っているものが全てセンス良くて着こなしも絶妙で、目の保養として密かに楽しんでいた攻めが子供のお迎えと仕事との両立に四苦八苦していることを知り、受けは協力を申し出るんだけど、純粋に役に立ちたいという一心であわよくば感が一切無かったところがとても好き。
それが次第に恋に変化しちゃうのは、仕方ないよねと思います。

学生時代から抜きんでいて将来有望なデザイナーと目されていたのに、就職後発覚した色覚異常でデザイナーとしての将来や、自分のありかたまですっかり混迷しまくりで燻ってる受けの様子はなかなか辛かっただけに、再び人を好きだと思えた自分に気づいて、前向きな気持ちになれた事に自身が感動する気持ちを「綺麗な石を拾って〜」と表現した箇所がキラリと光ってていいなと思いました。

センスがぴったりってそれだけで特別感があるなぁと思いました。
アアルトとかARABIAなどが出てくるBLは初めて読んだので、ちょっと嬉しかったです。
ARABIAのAvecのプレートのグリーンとブラウンが同じように見えるというやつ、あれが同じに見えるのか!と驚いた。
だって全然違う色なんですよ。

色覚障害をマイナスなものではなく、プラスと捉えた攻めの提案はまさに発想の転換というやつで、お情けではなくその才能を買ってくれて欲しいと言ってもらえて本当に良かったなぁと思います。

そしてお情けで雇われているお荷物状態な受けが、久々に張り切って美容院の案を提出するも…‥というくだりの心が折れまくった感とかが可哀想だっただけに、前の職場にギャフンと言わせる展開希望!と思いながら読み進めていたんです。
でも、彼らに一矢報いてやりたいと思いながら新しい職場で仕事をするのではなく、もう彼らの事はすっかり過去の事として忘れて働くほうが健全だし、攻めと受けというコンビなら無敵だろうなと思えました。

色覚異常が発覚して以来、色褪せていた受けの世界が、少しずつ色を取り戻していく様子が本当に良かったです。
そして両親を亡くして以来、ワガママを言わなかった陸が言う「うちのこに なっちゃえばいいのに」は良かったなぁ。

ただしエロシーンに違和感が……特に初エッチ。
それまでセンス抜群な穏やか紳士だと思ってたのに、ちょいSっ気入った怒涛の攻めっぷりというか、この人どんだけ場数踏んできたんだろう??と思わずにはいられないネチっこいエロオヤジ化がなんか嫌だった……。
太さはフツーなんだけど長さに特化したものをお持ちということで、結腸責めとかね、激しいわ……。
手練れた攻めとか、蓋を開けてみたら実はちょいS…みたいなのも好きなんだけど、この攻めは変化しないほうが好みでした。
初めてのエッチが飲料ゼリープレイとかなんか嫌……。
ふつーでお願いしますと思いました。


4

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