特典付
地獄はまだ続きまして。
典彦はとことん悪魔のような男。
病床にあった育郎の父を窒息死させたんですもんね。
巻き込まれるな健一、とずっと思ってきたけど典彦に狂わされてしまった。
後に正気を取り戻したからよかったものの。
さち子はさほと不幸にならずよかった。
自身の力で現状を打破するかと思いましたが、その手前で離縁されてしまった。
その方がさち子のためですもんね。
育郎は調教され陵辱され、心では典彦を忌み嫌うも「触れられたい」と。
結局、快楽堕ちですやん、と思ってしまったw
それだけではないとは思いますが。
ま、育郎の言うように「愛なんて詭弁」というのはわかります。
でも結局は、体で落とされた。
典彦という檻に閉じ込められていると。
と、2人が火に包まれているところへ蘭蔵が育郎を助けにきた。
典彦は檻の中で息たえるんでしょうか。
いえ、悪魔だから不死鳥のごとく逃げ出して、また坊ちゃんを追いかけそうで怖いです。
で、ずっと思っていたんですけど、蘭蔵は父に体の相手をさせられていたのに、育郎のように淫乱にはならなかったんですね。
快楽に溺れさせられていたら、健一を誘惑したり欲情したりしそうなものなのにそうではない。
ただ相手をさせられていただけで、そこまで仕込まれていなかったってことかな。
その点、典彦は育郎を調教していたんだわと。
完全に依存させた。
支配するために。
最終巻、どう転ぶのか楽しみです。
※ネタバレです。ネタバレせずに読むことをお勧めします
ここで!ここで!ランゾウが!!!!(号泣
わかっていた、わかっていたけどやっぱりイクロウへの愛があったのだと実感できてここで泣かずしてどこで泣く展開…ーーそして最高のタイミングで現れるイイダ!やったぜ!
このあと幸せになれるのかなんなのなわかりませんが、さち子には戻ってきてほしいし、ケンイチだって本当はいいやつだし、早く早く、みんなが安心して笑顔で暮らせる日が来ますように…
ノリヒコはdeadなのかな、、?
典彦、鬼畜ですね。
育郎を貶め、もう育郎は仕事も取り上げられ、唯一支えにしてた家族を養うことも出来なくなり。
賢いさち子の善意さえ典彦は利用して健一をそそのかし…。
健一も蘭蔵への独占欲に苦しみ、さち子を手に掛けようと…。
使用人の典彦が自分を慕う可愛い子供を愛して、自分なしではいられなくして、全ての感情を手に入れようと。強烈な独占欲と思い通りに育てるエゴが、たまらなく嫌です。
救いは蘭蔵の育郎を思う純粋さでしょうか。
何故だか4巻で完結だと勘違いしてた…( ;∀;)
途中で収集つかんやん?コレ、って気づいたけど時すでに遅し。
回を重ねる毎にドロドロ具合が増してきて、本作はドロッドロのぐっちゃぐちゃといった様相。
もうハッピーエンドとかありえないよね、コレ。
さち子の闇堕ちを心配してたけど、典彦に操られて闇堕ちしたのは健一でしたね。
最悪な事にならなくて良かったけど…。
典彦は火に飲まれてしまったんでしょうか…。
実は生きてた!みたいな展開もあると思います。
生きてる方がお話的には面白いだろうけど、育郎のためにはならない気がしますね。
ついに飯田と育郎が再会しました。
次巻はいつ出るのだろう。
待ってます。
3巻に続いてのレビューです。
なんだか凄すぎて、読後に頭がぽかんとしてしまった。
かなり分厚く、ボリュームのある4冊目。
クライマックス!の文字に完結かなと思いきや、まだ続くのですね。
嬉しい反面、どう終わるのかが全く想像が出来なくてハラハラする。
4巻のカバーイラストでは、今まで艶やかに彩られていた蘭の花が燃え、蘭蔵が走り、折り返し部分の顔を覆う健一の手がどす黒く汚れている、という変化が。
3巻から帯に書かれている「メス若当主」の文字だけが残念。
この耽美な作品とはミスマッチかと思う。
人の欲望とは本当に恐ろしい。
きっと、全ての元凶は育郎達の父親世代なのでしょう。
けれど、典彦の育郎に対する感情は執着愛なんて生優しいものではなく、狂愛や妄執という言葉の方が相応しいとも思える程です。
さらっと描かれているけれど、己の欲望を満たすために本来の主すらも手に掛ける事すら厭わない…
恐怖すら感じる大きなものです。
「ただ私の手に落ちてきてほしかった」
持ち得る感情の全てを自分でいっぱいにして欲しい。
これはある意味究極の愛なのかもしれません。
後半の、やっと育郎を手に入れ優しく抱く穏やかな表情からの変化が見事です。
「まだ足りなかったか」
彼はこれだけでは終わらないでしょう。
なぜ育郎で無ければいけなかったのか?
典彦の過去についてもっと知りたくなってしまう。
典彦という檻から逃げようと賢明にもがくも、じっくりと身体の内側にまで記憶させられた快楽からは逃れられず、気付いた時には全てを奪われていた育郎。
追い込まれ、絶望の淵に立たされる育郎がどんどんと壊れていく様子にはたまらないものがありました。
蘭蔵のように愛されたかった育郎が求めてしまった典彦という存在。
離れたくても離れられない、手放せない共依存のような関係にぐるぐるとしていて、不憫で愛らしくて、そこから目が離せない。
4巻では蘭蔵とさち子の交流と存在が唯一の救いですね。
「いくお」「おとと!」「かぁいい」「すき」
どれほど育郎から憎まれようとも、蔑まれようとも、蘭蔵の根底には後天性障害以前からある弟の事を無条件に愛してやまない心があった。
絶望の末、屋敷と共に、典彦という檻と共に果てようとしていた育郎を救いに走った蘭蔵。
蘭蔵はずっと前から育郎のお兄ちゃんだった。
飯田に助けを求めた事により、どう展開していくのか?飯田の存在が一石を投じる事になるのか?兄弟の仲はどうなるのか?
少しでも明るく幸せな方向へ向かって欲しい気持ちでいっぱいです。
そして、さち子。
私はこの優しくも強い女性が大好きです。
BL作品の中で魅力的な女性キャラクターを描くのって本当に難しいと思うのです。
彼女の真っ直ぐな瞳が、凛とした表情のひとつひとつが本当に美しい。
一方的に離縁されてしまったさち子ですが、私はまだ彼女は決して諦めてはいないのではないかと期待をしてしまう。
歪んだ當間家という異様な一族の実態を知る人間の中で正気を保てているさち子が異例なのであって、闇や欲に染まってしまった健一は決して弱いわけではなく、もしかしたら普通の感覚なのかも。
どちらもこのままフェードアウトしてしまうには惜しいキャラクターです。
今後2人はどう出て来るのか、来ないのか。
そちらも気になるところです。
それにしても、on BLUE作品は続きが気になる作品ばかりですね。
続きが読めるのはいつになるのだろう。
彼らの結末をしっかりと見届けたい。