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續・ポルノグラファー プレイバック

zoku pornographer play back

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表題作續・ポルノグラファー プレイバック

久住 春彦(サラリーマン・東京在住)
木島 理生(官能小説家・栃木在住)

その他の収録作品

  • 番外編 続・春的生活
  • 追伸
  • あとがき
  • カバー下

あらすじ

連続TVドラマ化で話題沸騰の
[ポルノグラファー]シリーズ
最終巻、発売!

官能小説の「口述代筆」。
奇妙な出逢いをへて恋人になった、嘘つきポルノ作家と大学生。

木島が田舎へ里帰りしてからも、文通で遠距離恋愛を続けていた二人だったが就職したての久住とすれ違い、気まずい空気に…。

そんな折、奇しくも再び腕を負傷した木島はかつてを思い出すように、地元で知り合った青年・静雄にペンを握らせる。
そこへ久住がやってきてしまい………。

「欲望のままに真っ白な双丘を揉みしだき」<??br>「……何やってんですか、先生」

作家・木島理生の人生と愛をめぐる、
感動のラストストーリー!

作品情報

作品名
續・ポルノグラファー プレイバック
著者
丸木戸マキ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
ポルノグラファー
発売日
ISBN
9784396784935
4.3

(182)

(108)

萌々

(44)

(23)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
21
得点
789
評価数
182
平均
4.3 / 5
神率
59.3%

レビュー投稿数21

木島はどうしようもないな(悪い意味ではない)

木島の世間で堂々と生きられない感じ、なんか共感できるかも。
明るく正面から屈託なく家族の晴れの日にスーツで参加出来ない気持ち、いたたまれなくて家出しちゃうの。
本当に木島はどうしようもないですね。
しかもお世話になるアケミちゃんスナックでとんでもない嘘ついて。

勇気も希望も自信もない木島。
そんなこと全部わかってて木島を好きでそばにいてほしくて一緒にいたい久住。

春子さんの言葉で木島もようやく勇気が出たかな?
東京へ追いかけたり、好きだってちゃんと言えたり。

アケミちゃんの事情も知れて良かったです。

0

この感動をどう伝えていいやら

1巻目の終わり方が好きすぎて続きはあえて読むまいと一度は思ったものの、本当に読んでよかった。インディゴの気分もあわせて3作品読むことによって良さが3倍ならぬ三乗される感じ。笑わせてくれて説教くさくないのにすごくいい話。作品の終わらせ方が恐ろしくいい。ある程度疲れた大人なら木島さんにじっくり感情移入できる。新キャラの春子さんも静雄くんもいいし、木島さんの家族もみんなキャラがいい。木島さんはめんどくさいひねくれた大人なので久住くんとのことで大騒ぎしたりはしない、がちゃんとひねくれた方法でグタグタはする。そのグタグタが噓っぽくなくてじわじわくる。いい。久住くんと関係を通して一歩踏み出すことになる木島さんですが、編集者の城戸さんとの形容しがたい関係がずっと底辺にあるのがなんともいい、そこから醸し出されるエロさが作品全体を包み込んでいる。物理的接触が前面に出ている作品ではないけどなんともエロい。普段あんななのに木島さんほどエロい人はなかなかいない、最高。

0

拗らせおじさん返上か⁉︎

「ポルノグラファー」の続編です。
シリーズ3冊をまとめて再読しましたが、すっかりまたその世界観にはまり込みました。

前作で遠距離とはいえ、くっついた理生と春彦のその後です。
春彦は社会人となり忙しい毎日で休みもままならない状況。
理生は相変わらずグジグジ拗らせており、実家でもすんなり馴染めないでいる。
そんな時"スナックアケミ"のママ春子と息子の静雄に出会うという展開。

わざわざ東京から会いにきた春彦と喧嘩になり、ちょっとすれ違いになるのですが
「タフになるのよ、大切な人がいるなら」
という春子ママの言葉が理生の背中を押してくれましたね。

周りの人達に恵まれて、改めて作家として1人の男としての再生の物語でもあったと思います。
「どうしていいかわかんないくらい好き」というストレートな告白が理生から聞けるとは…胸熱でした。

春彦はまだ青さもあるけどそれも含めかなりのいい彼氏だと思うから、マジで理生は捨てられないように気をつけたほうがいいよと助言して差し上げたいです!
まあ理生にとっちゃあ優良とか優良じゃないとか全く意味のない事かもしれないけど…。

拗らせ返上…とはならないと思いますね、個人的に。
だって木島理生だもの。
春彦ならきっと上手くやれる気がします、何となく。
そういう未来が見えるラストでした。

「アケミちゃん」が未読だったので、これから読もうと思ってます。

0

木島にとっての城戸とは、春彦とは

基本的にBLに関して情報収集をしないので、新刊情報や続刊、ドラマ化や映画化のニュースもものすごく後になってから知ることが多いです。
ドラマ化してたんですね、「ポルノグラファー」と「インディゴの気分」。
さらに映画化までとは…、存じ上げず。
木島役が竹財さん…。絶対美しいじゃないですか。

というわけで11カ月遅れで読みました、こちら。
すっかり忘れてしまっていたので「ポルノグラファー」を読み直して、読み返したくないと思っていた「インディゴの気分」も読み返して、いざ読んでみましたが。

木島のどうしようもなさが炸裂してました。
嫌なことからは「逃げる」、自分で対処できないことからは「逃げる」、自分の思いからも「逃げる」。逃げて逃げて、逃げまくる。どうしようもない大人。
遠距離になって不安になるのは自分だけじゃないのに、不安が募ると簡単に手放そうとする。相手にとって大事な思い出を、簡単に他人と上書きできる無神経さ。嘘つき。他人を言い訳にして、そこに留まり続ける理由を見つけて動こうとしない。傷つくのが怖くて動かない臆病。自分はひととは違う、と弱い自分を変えようとしない。

だめなところだらけの素直じゃない木島がどう殻を破るか。
本当に欲しいものは何か。それを手放さないためにはどうしたらいいのか。
背中を押す春子ママの言葉がすごく良いです。飲み屋のママの哲学、最高。

木島が好きになった2人を改めて考えてみると、
城戸は排他的な環境で木島には城戸しか縋れる人がいなかったし、その関係があったからこそ城戸の罪悪感や未練を利用して「絶対に木島を見放さない存在」として、好きとか嫌いという相手ではなくなっているように思えます。恋愛対象ではないけれど家族と言うのも違うし、親友も違う気がする。無条件に自分が優位に立てる相手でしょうか。
刹那的で似た者同士だけれど、「まとも」な道を選べた城戸は木島とは根本的に違う。
対して春彦は恋愛対象で、縁をつなぐ努力をしなければ離れていく可能性のある存在。年齢的に「まとも」な道も選択できるのに木島を選ぶ時点でまともじゃない。だからこそ城戸とは明らかに違うんですよね。

「インディゴの気分」で木島は城戸を繋ぎ止める努力をしたようには見えなかったし、しようとしたかも感じられません。
片方は全身で寄りかかることしかできず、もう片方は解放されたかった。
春彦とは傷つけ合うのではなく、求め合える。自分だけを求めてくれる相手に、自分も同じものを返したい。
そんな違いが見て取れました。

春子に言われた言葉を、春子に返せるようになって、
冒頭で出さずに破り捨てた手紙を、巻末では「会って伝えよう」と捨てる。
城戸と2人だけの胸にしまっていた蒲生田先生の思い出を春彦に打ち明ける。
得られなかったもの、得たいともがいて手に入れたもの。
誰かと出会うごとにひとはタフになっていくのだと、しみじみ感じる作品でした。

蛇足ですが、
東京から那須は新幹線を使えば1時間10分(6,020円)。
在来線利用なら3時間10分(2,640円)でした。

1

理想的なハピエン

私の中で理想的なハピエン✨
本作があってより前2作がいきてくると思う。
実家に戻り遠距離で久住と続けていくの無理かもといじける木島←わかる
そんな木島にいいかげんキレる久住←わかる
木島にイラつく妹(元ヤン。いいキャラ)←わかる

いじける木島の背中を押す春子さんが良くて。特に「飲み屋の女はみんな哲学者なのよ」が好き。
木島と城戸の微妙な関係が清算されたかと見せかけて…木島の中には城戸への依存というかその存在は大事なようで。
それでも素直に久住に告白する木島よかった。一途に受け止める久住も。

木島が姪の七五三に行きたくなかった気持ちもわかってしまう(ろくでなし←と木島は春子さんに言われたけど私もだわ)
「幸せな人間に文学はいらない」という木島の言い分もわかる。
それに対しての蒲生田先生の言葉がさすが!と唸った。

0

素晴らしい人間ドラマ

星4.5ぐらい。おまけの神です。

前作も余韻を残す終わり方でよかったのだが、続編は陳腐にならずさらに最後まで描ききったという感じで、ほんとに素晴らしいです。

二人はカップルになったとはいえ、先生は相変わらずののらりくらり。もちろん、どん底から這い上がって、田舎で再び前を向き筆を執っている。のだが、兄弟たちから逃れるようにスナック・アケミにたどり着き住み込んでいる。

久住くんが仕事疲れでギリギリになりながらも休みをもぎ取って先生に会いに来ても、けんもほろろだし。

しかし、カップルだからと行って甘くおとぎ話にしないのがさすが。そう、それぞれの暮らし、性格があり、そういう人たちが絡むことによって生まれる人間ドラマになっていて、読み応えがありました。

これで本当に完結ですね。寂しいですが、二人の幸せを願います。

2

書いてる姿はいい男

続編がでてたなんて!と飛び付きました。前作とはまた少し違って、のんびりとした二人の日常って感じで、そこそこ山場はあるものの、根底には好き同士なんだからと安心して読んでしまいますね。

前半は相変わらずの木島のダメ男っぷり、くずっぷりが全開で久住くんとの大切な思い出さえそんな扱いかと呆れてしまいました。今度こそ久住くんに捨てられる、いや捨てていいよと思いましたがそんなダメンズに絆されるのが久住くんのいいところですよね。最終的には木島も一歩踏み出せたし、素直になっていくのかなとこれからの二人の生活に期待しています。

城戸に帰りの新幹線代を持ってこさせて、その場ですぐ帰ろうとする焦る木島も新鮮でした。

2

久住がイケメン過ぎて辛い(尊い的な意味で)

最初の「ポルノグラファー」が出たのって、もう3年以上前なんですね。
前作はTVドラマ化されたりしたのを見てたので、ストーリー的には違和感なく、あの二人の続きがこんな感じでモダモダしたりするのねって、なんだかとっても納得だったんですが、映像化されたために逆に元の絵柄の方の印象が薄れてて、久住がイケメン過ぎて落ち着かない。
うん、こんなイケメンの3高男子が相手じゃ、ただでさえアレな木島がズルズル尻込みしちゃうのも無理ない。
それでも、少しづつ、前へ向かっていく。
こんな幸せな続きが読めたのも、ドラマ化されて話題になったおかげですね。

4

丸木戸先生の本領を知ってしまったからこそ

 やはり『ポルノグラファー』『インディゴの気分』を超える、あるいはそれらに匹敵するほどの感動や衝撃はなかったかな、というのが本音です。なんせ今までの2作が綺麗にまとまり過ぎている。鬱屈したミステリアスな作家が若い男と恋していろんな顔を見せてくれる1作目、その作家の薄暗くて人間味溢れる過去を巧みな心情描写で暴く2作目。そして、この3作目。今回は先生自身も元々は描く気がなく周りの声に応える形で出したとのことなので、絞り出して描いたような雰囲気が若干伝わる気がしました。少々マンネリ気味というか。ファンのために続編を出してくれたことにはとても感謝していますが、毎回丸木戸先生のシャープな心情描写と作品ごとに変わる雰囲気を楽しみにしている身としては、少し残念だったかも。

 ただ、ちょっと面倒臭い木島に根気よくアタックする久住、という関係が大好きなファンの方は十分満足できると思います。木島って大分ネガティブではあると思うけれど、根っこの部分は我が強そうというか、恋愛以外の面ではそこまで自分を卑下していないから、意外とうじうじしてばかりの受けという印象はあまりないんですよね。自己評価が低過ぎる受けは苦手と感じる場合もあるのですが、木島の場合はちょっと違っていて、その性格が作品の魅力の1つでもあると思います。それは今作でもしっかり活かされていました。あと、個人的に『アケミちゃん』も大好きな作品なので、クロスオーバーにしてくれたのは嬉しかったですね。やっぱり静雄が好きだなぁ、と改めて感じました。

8

最終巻。寂しい・・・

いや〜もう、大ファンです。
あいかわらずの木島さん。いいですね、さすがです。
今回は久住くんのキレっぷりも爽快でした。そうだ、たまには言ってやれ。むしろもっと言ってやったほうがいいww
ストーリーの中で、ちょこちょこ「あ、これあるな〜」という、共感部分があるのでそれが面白いです。
こどもが悪気なしに人形で再現しちゃうとか。
これで木島さんのお話は終わりかと想うとめちゃ寂しいです。
けど、また純文学書けるようでよかった。
おかげで私もがんばれます!

4

あれこれ納得した感じ。ちょっと寂し!

読み終わって「しーん」とした気持ちです。
白けた訳じゃなくて、寂しさと充足感。

ああ、【インディゴの気分】【ポルノグラファー】で、いかがわしい魅力を放っていた木島の人生を覗き見ちゃった気持ち。

作中に登場してるスナックアケミのママ春子さんが、今回は木島の人生の転換点の役割りしてますよね。
春子さんも、端から見ると結構、いかがわしい人物。でも魅力的だから、地元のおじさん達が集って来るわけで。
こういう人に、しみじみと語られると自分のことを照らし合わせて考えてしまいます。

そして、ブラックなリーマン生活を送る久住の一途なところは健在!
木島が好きで仕方ないのが本当に伝わるんです。
木島と久住がちゃんと選んだ暮らし。
良かった!

木島はこれからも、書き続けるだろうし、煙草を燻らせながら書く姿に久住は惹き付けられ続けるだろうなあ…

もちろん、編集者の城戸も登場します。やっぱり、良き理解者。

個人的に楽しかったのが、木島の姪っ子ちゃんのエピソード。
朝抱き合って眠る木島と久住を目撃しちゃうんです。
あ、事後ですけど服着てます!

木島の妹達は、そこで関係性を認識しますし(受け入れています!)。
姪っ子ちゃんのシルバ○アファミリー遊びで、並んで寝るウサちゃんを木島と久住だと言い放すんですよ~

あ~これ姪っ子ちゃんの人生に関わる萌えだよね…と思わず感じてしまいました❤️

描き下ろしも、ボリューム有り。
丸木戸マキ先生の思い入れたっぷりな裏話も楽しかったです。

5

木島めんどくせーなっていう。

恥ずかしながらこの作品読まずにいて、今回終結の段階ではじめて三作読みました。個人的には「インディゴの気分」が一番ぐっときましたが、それは置いといて。

木島めんどくせーなっていう(笑)久住くんほんと優良物件です。大切な思い出の口述書き取りを静雄にさせるとか、ほんと木島らしい。

アケミのママのセリフは人生の標語みたいなものが多かったんですが、わたしとしては、蒲生田センセイの言葉のほうが刺さりまして…まあ、それぞれだと思います。

木島の変化としては嬉しく、これからも順風満帆とはいかないでしょうが、久住くんとお幸せに。

4

人生を思う

うわー…本当にとうとう終わっちゃった……という寂しさがありますが
木島、良かったねって言いたい気分の読後です。
久住くんとせっかく付き合うようになったのに持ち前の面倒くささが炸裂で
ちょっともういい加減にしなさいよアンタ…にいつもだったらなるはずが
ああこういうヤツだったそうだった、こうじゃなきゃ木島理生じゃないわと
納得してしまうのが丸木戸さんの作風の素晴らしいところだと思います。
まっとうな未来があるはずの久住くんを素直に大事だと言えなかったり
城戸と恋愛の意味じゃなく繋がっていられる安心感をひそかに持っていたり
自分の家族と波長が合わなくて微妙ながらも木島なりに大切に思っていたり。

まさかスナックアケミがここに出てくるとは思っていなくて
「えっ!!」と素で声を出してしまいました。
驚きましたが明実家のあれこれも読めてとてもお得感がありましたし
恋に奔放な春子さんの言葉に涙……。
やっぱり色々あった人の言葉には深みがありますよね。
あと失礼ですが思っていたより考え方もまともww

久住くんがずっと振り回されっぱなしで
よく簡単に別れるとか思わないなぁと感心しまくりでしたが
本音をぶちまけたシーンでは逆に安心出来ました。
隠してばかりいたらうまくいかなくなるのは当然でしょうから。
久住くんの存在があるから、あれだけ一時期書けなくなった木島がまた筆をとれたのですね。
城戸との関係性もアリだと思いました。久住くんには一生言えなくても。

木島が思いだした蒲生田先生との会話もしっかり私の胸に刻まれました。
きっと誰もが寂しさを抱えたまま、誰かの側にいて想い合ったりするのでしょう。
この作品を見届けられて本当に幸せです。

14

理生、タフになる

いや〜すっごく良かったです…
…ってね、実際は話の内容よりも、もう名言がグサグサ刺さっちゃって。
何しろ春子さんの口にする言葉がもう、いちいち響くんだわ。
若い時からいろいろあって。
若いからヤリマンと言われる生活を突っ走って。
今病を抱えて、体の声を聞いたり、来し方を振り返ったり。
そこに考えすぎ卑屈すぎの理生がいて。
言葉を生業としながらひねくれてる理生に、いろんなまっすぐな言葉をくれる。
ー飲み屋の女はみんな哲学者なのよー
それは何度も傷ついたから。
自分の傷で、ひとの傷を感じることができるから。
そして回想シーンの蒲生田先生にも痺れた…
寂しさのない人生なんてあるのかい
…oh
丸木戸先生ってお若いでしょうに、なんか時代物にある人情を感じました。
あ、内容も書かねば。
良かったです。春彦の一生懸命さが報われて、春彦良かったね〜、っと。
「追伸」で理生がサラッとハルくん呼びしててちょっと感動。
それより、私「アケミちゃん」未読なんで読まねば。

6

結局4冊読むことに…

ポルノグラファーシリーズの3冊目。
久々でうる覚えだったので、プレイバックを読む前に
「ポルノグラファー」、「インディゴの気分」を読んでからプレイバックへとなだれ込みましたが、
まさか「アケミちゃん」とクロスオーバーしているとは…
結局アケミちゃんまで再読したくなる流れなので、気付けば一気に4冊読破でした。

どの作品もサラッと読めない内容なので、どっぷり丸木戸ワールド。
プレイバックを読むまでドラマに興味がなかったんですが、俄然観たくなりました。

ここにきて、狭い片田舎で世界が一気に広がるという展開は面白いですね。
久住は大好きなんですが「インディゴの気分」が好みで、弱くて人間味溢れる凡人の城戸推し。
アケミちゃんの春子さんが木島に見せた弱気で、本編の「アケミちゃん」が更に深まるという、
相互作用を生かした「プレイバック」です。

社会人になった久住は新人広告マンとして過酷な毎日を送るなか、
実家に戻った木島と遠距離恋愛ですれ違い…
相変らず、かなり面倒臭い木島に振り回されている健気な久住。

ずっと家族や人生のあり方について考えさせられる作品で、
これだけ面倒臭い木島ですが、気に掛けて支えてくれる人達がいる。
本当は幸せ者なんですが、当人は気付いてない?のが悲しいわ。

実家で更に面倒臭さが際立つ木島。みんな優しい…そして、妹はエラい。
アケミちゃんの春子さんもそうですが、言いにくいことをバシッと言ってくれる人って大事ですよ。

見ているこちらが生き辛さを感じてしまう木島が、少しずつ久住に寄り掛かるようになっていきますが、
それでも城戸への想いがリアルで木島らしくて、城戸もずっと燻ぶったままなんだろうなぁ…
余韻を引きずる割り切れない感じがいい。

安定の久住はどうのこうの言いながら、ずっと木島に振り回されて幸せを感じるんでしょうね。
このシリーズで見ていて一番安心する、ありがたい存在です。
そして、どこに行っても戻りたい場所…さすが作家、スゴイ殺し文句。

プレイバックまでドラマ化して欲しい、読み応えのあるシリーズでした。

※シーモア:トーン描写です。

10

ちょっと疲れる作品

木島が非常にめんどくさい(笑)
ほんとに、久住は木島でいいの?
と、思わず思っちゃうくらい連載追ってる時は感じてました
けど、まとまるとまた違った印象が

ほんとに、ここまでのストーリーが緻密に繊細に絡み合っててクスっと笑えるところから心の奥の方をギュッとつかまれるような苦しさもあって、人間味の溢れるお話だと改めて思いました

この二人は、こうやって時を重ねていくんだろうなと思いました
それがすごくリアルでこの作品の魅力なんだと思います

3

今作読んだ後、ポルノグラファーシリーズ読み返したくなります。

プレイバックを読んでから、もう一度ポルノグラファーから3冊読み返してみました。
一瞬、理生が丸くなったのかなと思ったのですが、そんな事はなかった。
理生は理生のままで素晴らしい。
私は理生の葛藤にものすごく共感できます。年齢的な部分もあるのかな…。
丸木戸先生はお若い(たぶん)のに、妙齢の、ビジネス面でも行き詰りを感じた、寂しがりやで、恋愛面では主体性があまりなくて、
家庭内で孤独を感じる人間をよくここまで描けるな・・・と思います。

でも今作は、理生の可愛い面もでてきます。
そして今回は、なんと、クロスオーバーです!「アケミちゃん」の世界観とポルノグラファーの世界観が
こんなにマッチするとは・・・
春子さんに力づけられたり、シズオ君をさりげなく労ったりする理生、良い関係です。

ネタばれになるので書けませんが、ポルノ・・・を彷彿とさせる展開も、それに対する久住くんの状況把握能力も素晴らしくて笑えます。そしてこういう所が理生の悪い所ですね!

丸木戸先生の独特のコメディセンスが大好きです。ちょっとブラックで・・
久住君がスパダリ過ぎて私は理生がうらやましいなぁと少し思いました。
そして二人の関係はまた一歩進みます。終盤深い愛情を感じるシーンが出てきて、胸がいっぱいになります。
追伸エピソードでは理生に甘える久住君が見られて萌えました。精神的に大人で世話焼きでスパダリな久住君ですが、今作では社畜になっていて何かと心労が絶えず可哀そうでしたので、幸せになってくれてよかったです。

まだまだポルノグラファーの世界を見ていたいので、続編何卒お願いします。
今作に流れる文学的な雰囲気や深い背景、装丁など…大好きで落ち着きます。
私は電子で読んだのですが、二人の手紙がラストに出てきます。文体変えてるところが、芸が細かいなと思いました。久住くんは優しい文字です。(手紙の内容はクスッと笑えます‥オチが理央らしいです)

7

No Title

丸木戸さんの作品を読んでいるとよしながふみさんや24年組の作品を読んでるのと同じ気分になります。
絵は完成されててストーリーの構成も良いけどそれが自分にぴったり嵌るかというと別です。

今回も面白いシーンは沢山あって春子さんの『あたしが何マンでも貸した金額は代りませんけど?』等の名言には、毎回笑わされました。
しかしBL特有の萌えとなると前回の方が断然上で、大人しめの外見と堕落した内面のギャップで久住を絡めとった理生ですが、
今回は若い旦那のアレコレに頭を悩ませる主婦のようで少しガッカリしました。

今の理生は久住と別れてもやっていけるだけの生活能力と人間関係を手に入れたという事でもあるので、総合評価は萌。

8

木島の実家の妹さんが好き

小説家 木島理生の人生の十数年間を側でそっと見ていた編集補助のオバチャンみたいな気持ちで読了しました。
自称「僕みたいな怠惰で受動的な人間は自分から宣言することに意義があるんだよ!」の木島の台詞どおり、彼の人生は酒とエロスと称賛と叱責と怠惰と絶望と…そして忌まわしきも溶けぬ鎖の友情と父性をもたらす師匠と最後に現れた希望が花束のように彼を押し潰すかの時間でした。
ポルノグラファー3冊目でやっと木島センセが幸せになることを受容してくれたことが何より嬉しい。
そしてこの物語になくてはならない存在だった「アケミちゃん」の春子さん。傷だらけの彼女のハイカロリーな前向きさがこの1冊に素晴らしいスパイスをもたらしました。
丸木戸マキ先生の伝説的作品になりましたね。楽しませていただきありがとう御座いました、

4

買いましょう!

onBLUEで連載を追ってて、そちらのレビューにすでにあれこれ書いちゃったので、言いたいことはそちらで言い尽くしてることもあるので何書こうかな……って感じですが……。

結論から言えば、丸木戸さんファンは購入は義務!ってことです。

「ポルノグラファー」「インディゴの気分」と「アケミちゃん」の世界が交差するんです。
過去の三冊がうまく融合しあって、それぞれが一層味わい深くなる仕様になってます。

木島は相変わらずめんどくさいです。

あーだこーだぐたぐた言って煮え切らない超めんどくさい男。
そんな木島に対して、ついにあの温厚な久住くんがブチ切れるところが見ものです。

結局、木島は臆病な僕チンなんですね。

そんな木島に対して春子の言う言葉が沁みる……。
ここで「アケミちゃん」との世界を交差した意味がよくわかりました。
だって、あんな厄介な木島を相手にできるのは、酸いも甘いも噛み分けてきた春子(スナックアケミのママで、春子のあれこれもこのプレイバックで明かされます)くらいしかいないもん。

「インディゴの気分」でちらりと触れられていた城戸の結婚についても、さらに描かれていてなるほどなぁと。

私は最後が好きです。
したためていた手紙を破り捨てて「これは会って言おう」という木島の姿に、ニュー木島誕生だ!と。
口述筆記から始まり、「書く」ことで続いてきた二人の仲だけど、今までとは違う姿を見せてくれる終わりにひれ伏したくなるというか、丸木戸さんってやっぱすごい……と。

番外編もonBLUEに掲載されていたやつで、超絶味わい深い「人生」というやつについて考えさせられるものだったのでここに収録されて嬉しいです。


電子(シーモア)にもカバー下収録されてましたよ!

ーーーーー
ちなみに「アケミちゃん」単独だと私は「中立」評価なんですね。
何もあんな攻めについていかなくてもいいのに……としか思えなくて。
だけど、この「プレイバック」を読むと、静雄が何故あの街を出たのかとかなんかわかる気がしてくるんです。

あの街から連れ去ってくれる誰か&機会をずっと心の奥底では望んでいたところに、あの攻めが登場したからそこに飛びついたのかなぁみたいな。

もしかしたらもっと他にいい男がいるかもしれないけど、それを待ってたら一生あそこから出られない、それならば幸運の神様の前髪をつかめ!じゃないけど、とりあえずこの攻めを信じてみたい、みたいな勇気を得られたことが大事というか。

7

作品世界に引き込まれる

『續・ポルノグラファー プレイバック』
丸木戸マキ先生の作品というだけで、すでに甘美な響き。
ふっと作品世界へ誘い込まれるような、独特の空気。時間の流れ。たまらなく好きです。

『ポルノグラファー』のその後。
木島が実家に帰ってからの生活や、2人の関係が語られます。

実家の妹と喧嘩をして家出するも、トラブルに巻き込まれ、またもや腕を怪我してしまった木島。
しかしそのまま加害者のスナック経営者・春子に拾われ、春子の息子静雄と3人で過ごす日々が始まり…。

浮世離れした生活を送る木島は、東京の久住とのやり取りも相変わらず手紙が中心。
そんな不便さによるすれ違いや、プライドが高くて臆病な木島の言動から、遠恋の2人に危機が訪れます。

そこでよい働きをしてくれるのが、春子。
浮世離れした木島とは正反対に、世俗にまみれて生きてきた彼女の言葉は、木島にものすごく響きます。
一歩踏み出す勇気を与えてくれるのです。
彼女のキャラ、すごく好きだったなぁ。
**私は未読なのですが、本作に登場するスナックアケミは、既刊『アケミちゃん』の舞台とのこと。
静雄のことも気になるので、これから読んでみたいと思います**

この続編では、2人の絆がぐっと深まり、2人で生きていく結末までしっかりと描かれています。
ふんわりでも匂わせでもなく、ハッキリと甘いラスト。
2人の関係の収まった先は…?
番外編や追伸で描かれるラストは、とても美しく、かつほっこりするような可愛らしさですよ!

エロ描写は抜き合い程度で少ないのですが、作品全体の雰囲気が…いや木島の存在自体がエロスですから、物足りなさは感じませんでした。

カバー下になるのかな?2人の手紙のやり取りが載っています。それがとても素敵で、
「あぁ。手紙も悪くないな」と、
かつては当たり前だった文化に、懐かしさと美しさを感じました。
達筆な木島のセンスある手紙は、さすが純文学作家。
(朗報。純文学のお仕事も再開した模様!?)
ちくちくとした棘が、木島らしい。

実はこのシリーズとの出会いは変則的で、
『インディゴの気分』から入り、ドラマ版を経てから、初めて第1作目のコミックス版『ポルノグラファー』を読みました。
結果、時系列通りに物語を追う形となり、それはそれでよかったのかな?とも思っています。(ただし城戸に対する複雑な思いは、発売順に読んだ方より強いかも知れません)
今回もちらっと登場した城戸ですが、木島の城戸に対する感情は、恋愛感情以外の部分でいろいろ孕んでるんだなーとわかり満足。

個人的には、ドラマもとてもよかったので、この続編もドラマ化していただけたらめちゃくちゃ嬉しい!

15

この作品が収納されている本棚

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