SS付き電子限定版
小山田先生の麗しいがっつり消防士な表紙に惹かれてずっと気になってました。
お仕事もの&バディもの大好き!!!
なのですが、念じるだけで手のひらから炎を放射できる発火能力…超能力もの?ファンタジーなのかなぁと躊躇していたらkindleアンリミテッドに!!(期間限定かもです)
ゴリゴリに消防士をしてました!!
しかも日本ではあまりない(?)山林専門の部隊!!
自分のトラウマと立ち向かい、時に立ち止まって火に向かう姿がカッコいいい!!
厳しくも人情のある隊長が本当にカッコよくて!!
イサムがコロッといってしまわないかハラハラしました。
イサムの過去の事件が、徐々に明かされ、苦しんでく様はしんどかったですが、
イサムを想って想って、果敢にぶつかってくジェイクの奮闘が良かったです!
ストーリーはアメリカが舞台で、そこで働く消防士のお話です。
ただ、受けでありイエローのイサムは消防士を目指し、努力してその道に進むのですが、大きな秘密とトラウマを抱えています。
そんなイサムを幼馴染として支えるのがジェイクです。
彼自身もイサムを支えながら自分の気持ちと、そして彼自身の体験した事件とも向き合っています。
舞台がアメリカで、さらに山火事などの非日常なのですが、ジェイクの年下攻めとしての一途さがとても切なくもあり、誠実な思いが実ったところにはキュンときました。
なにせ彼はイサムに2回も振られてるんですよね(苦笑)
しかし、やはり黒髪日系が受けになっちゃうのね…まぁそうなるか。
ジェイクに萌×2で!
お話は仕掛けだらけで後から後からわかるあれやこれやに、そうだったのー!とハラハラドキドキでした。
でも正直途中で飽きてきてしまい、もうさっさとジェイクに全部聞いちゃえば?と思ってしまいました。
でもそれじゃ駄目だったんですね。
理想の形で勇が過去を思い出して。
そして小さな頃からずっとジェイクは勇を守ってくれていて。
同じハイスクール?に進み、繰上げ卒業?して2ヶ月遅れで同じ消防署においかけてきて。
ずっと勇を見守り追いかけて。ヒーローになりたいの意味が泣けます。勇、君のためのヒーローだよ!
だって最後の時点でジェイクは18歳くらいですよね?
もう人生を勇を守ることに捧げてますよね。
勇が罪悪感や炎への恐怖に苦しんできたのは気の毒ですが、上司への報告をしなくて出動停止をジェイクのせいにしたりとかはなんだかなーでした。
別に後方支援だって火事から市民を守る大切な仕事なのに、あくまで現場にこだわってジェイクや隊を危険にさらすのはどうなのかと。
こんなにジェイクが勇のために頑張ってきたのに、勇はなかなか向き合わず、やっと事件の真相を知ったら急にジェイクにコロッとなったのは、もう少し納得させて欲しかったです。
ジェイクが勇にトラウマを乗り越えさせて支えて包み込んで。スーパー年下攻めですね。
スクールカーストはアメリカではこんな感じなんだなあと興味深かったです。プロムの重要さも。
とにかくジェイクにこの評価で!
攻めが一途な年下ワンコで凄く良かった!
幼い頃から受けが特別な存在で、何度振られても一途に受けの側に居続ける姿に萌えた。
お話も、自分のせいで両親を焼死させてしまったと自責の念に囚われ続けている受けの苦しみと、その事件に関する謎が良い緊張感を生み出してなかなか面白かったです。
だけど、中立なのは受けに超〜モヤモヤさせられたから……
大きな炎を見るとフラッシュバックして動けなくなる人が消防士なんかやっていいんか??と。
小さな火なら大丈夫!と主張するんだけど、向かう現場の炎の大きさとか火事の規模が選べるはずもない。
おまけにフラッシュバッグしたせいで、あわや…という状況になるんですね。
本当はそれを隊長に報告しないといけないのに、なんだかんだと理由つけて報告しない。
おまけに痺れを切らした攻めが代わりに隊長に報告した事で現場を外されるんだけど、勝手に報告された!と逆ギレする始末……
そんなトラウマ抱えてる割には、カウンセリングもなあなあにしてるし。
とどめは、命令に背いて嘘ついて現場に乗り込んだ挙句の「来ちゃった」と舌を出す姿。
こいつ…テヘペロじゃないだろっっ!と怒りが炎のように立ち昇ってしまいました。
もし119番した時に、「実は火事にトラウマがあって、大きな火だとフラッシュバックして動けなくなるんですけど、罪滅ぼしのために消防士になったんです!だからどうしても頑張りたいし、小さな火なら大丈夫なんでそちらに向かいます!」みたいな消防士さんが来たら…と考えると絶望感しかないです。
自分の感情や事情を優先して現場にこだわり続ける受けの姿が、贖罪というよりも自己満足にしか見えなくて、この受けにとって、職業意識って何なのかしら…と思ってしまい、途中から完全に撃沈です。
2020年刊。
それにしてもこの本の表紙、何だかBLじゃないみたいで恰好いいね。
タイトル通り、消防士の責務と誇りといった熱いドラマだった。
骨格のしっかりした話でがっつり読み応えがあり、火災現場の切羽詰まった緊迫感が感じられて良かった。
過去の火事で両親を死に追いやった罪悪感から消防士になると決心したイサム。
一つ年下のジェイクはイサムと同じハイスクールに進学し、選択授業も全て同じにする徹底ぶりで、彼に追いつき常に側にいようと頑張っている。
イサムの卒業間近には人種で括られたコミュニティの違いから壁ができてしまったものの、遂にはジェイク自身も消防士となりイサムの後を追ってきたのだった。
イサムが消防士を目指すのが贖罪の気持ちからならば、ジェイクが目指すのはそんなイサムを守る為、といった意思がはっきりしているから、執着心とかストーカーめいたものは感じない。
ジェイクの決意がしっかりしたものなので、そこには一人前の大人としての頼もしさがあった。
ただ、イサムのほうはいざ消防士になったのはいいが、火災現場での消防活動で過去のフラッシュバックが起こり、足手まといになる様子にはハラハラした。
謹慎処分が嫌でそれを隠そうとジェイクに口留めするのには苛ついたが、それを逆に諫める事ができたジェイクに芯の強さとプロ意識を感じた。
実はこの新刊を手に取ったのは主人公が発火能力者という特殊な設定に惹かれたからだが、プロフェッショナルな仕事ものとして充分満足できるだけにこの設定は不要だったのでは…と思った位だ。
しかし、この話ではイサムが当時の記憶を失くしている程のトラウマをどう克服するかってのも焦点であり、クライマックスではその能力を用いて危機を乗り越える、といった見せ場もある。
要はイサム自身がこの能力を忌み嫌うばかりではなく、どう共存していくか…てところなのだろうね。