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表題作よきヒモとよき飼い主

河合主水,広告代理店勤務
愛論(メロン),主水のヒモ

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

俺のヒモはこう見えて、いい仕事をするのだ

モンティ(河合主水=カワイモンド)は広告代理店に勤めるエリート。メロ(安田愛論=ヤスダメロン)はそんなモンティのヒモとして居候をしている。
だが、父親の莫大な借金を背負いヒモを飼う余裕がなくなったモンティのため、メロはタコ焼き屋を開き、助けようと決める。
モンティによりエッチに目覚め、いい友達もいっぱいいて、愛すべき性格のメロなのだが、いかんせんエッチ以外は天性の不器用者で…!!!
あの未散ソノオが贈る最高のポップチューン、愛情たっぷりのエロ・ロマンチック!

作品情報

作品名
よきヒモとよき飼い主
著者
未散ソノオ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ジュネット
レーベル
ジュネットコミックス ピアスシリーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784909460653
4.4

(92)

(58)

萌々

(25)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
19
得点
409
評価数
92
平均
4.4 / 5
神率
63%

レビュー投稿数19

一周回ってこのタイトルしか考えられん

好き作家さんのため、大事にとっておいてやっと開いた本。やっぱり良かった。

イケメンエリートゲイのモンティと、超不器用でおバカなメロン。
行くところがなくなっていたメロンを主水が拾うところから始まります。
授業料を使い込みプランなしのメロン。条件だけだと完全にダメ人間ですが、本人は真面目で嘘はつかない。そして一生懸命。
一方主水は仕事で疲れている社畜。

突然背負った父の借金に、潰れそうになる主水。
それを救おうとたこ焼きやで儲けるべく修行を始めるメロン。
正反対の二人だけど、お互いを必要としていたのかも。

メロンの友人達がすごすぎ。ちょっと恋愛絡みなのもギリギリでいい感じ。
こういう空気感を描かせたらすごくいいなあ、という作者さんならではの一冊でした。

0

気持ちの振幅が大変なことになる

8000万の借金を抱えた男がヒモを囲うっていう、ちょい重めのお話なんですが、このヒモことメロンが明るいあほのこなので救われました。それでもモンティが自暴自棄になってバーンと弾けてしまわないかヒヤヒヤする場面はありますが。
話を聞いたメロンが即決で一緒に返そうと意気込むところが好きでした。欝々と悩むモンティとは対照的で、メロンのシーンは笑えるスピード感です。メロンに協力する仲間たちも良い!都合良すぎる気もするけど、借金に立ち向かうにはこれくらいじゃないと辛くて読んでいられなかったかも。
モンティで落ち込んでメロンでアゲアゲして、気持ちの振幅が大変なことになる作品でした。モンティがスパっ!と気持ちを切り替えるところは泣けました。最悪の方の決断じゃなくて本当に良かった!
着地は結構現実的なところだったかな。これからも二人仲良く借金返していくんでしょうっていう。心配は残るけど、良い話だったなあとじんわりできました。

0

良い出会い

ポップさと人との助け合いと頼り合いの素晴らしさと。

とっても良かったです。
底抜けに明るいメロン。初めて抱かれるのもヒモになるのも全然抵抗なくて。
仲間に恵まれ楽しい毎日で。

しかしある日飼い主モンティに借金8000万がふりかかり…。
モンティの葛藤もメロンに救われるのも良かったです。毎月引き落とされる借金、いつしか仕事の目的が借金返済になって調子を崩すモンティ。

しかし俺が返済する!ってメロンが一生懸命頑張ってたこ焼きの練習したり、心強い仲間と屋台出したり。ポンと先行投資でお金あげるのも、メロンにやりたいようにさせてあげたかったのかな?持ち逃げするかと思ったのに、メロンは頑張ってて。
モンティをおかえりって迎えてエッチして借金を共有して。

メロンの仲間が本当に頼もしかったですね。なんにも考えてないメロンに代わって、あれこれ考えて準備して用意して。これもメロンの人柄とモンティの為に!って頑張るところに力を貸そうと思えたんですよね。

モンティも調子を取り戻して、メロンとの関係も彼氏になって。二人なら心強いですね!

素晴らしい一冊でした。

0

たこ焼き食べたい

作者買いです。ソノオさんの作品は心が暖かくなる。
今作も例に漏れず、ほっこりした。
そして自分も抱えがちな悩みにぶち当たってる人達を見て、その姿勢に考えさせられもした。深い

じわーっとお互いが好きになってく2人と、それを取り巻く周りの優しさが優しい世界やー。となった。
もっと2人の日常を見ていたい……ボケツッコミのテンションも凄くいい……

えっちシーンは多めですが濃厚な感じではなくて優しくて可愛くてきゅんきゅんするんよ。
本当にまだ続き読みたい。続きは……ないの……?

あとたこ焼き食べたくなった。たこ焼き用意しておくといいかも

1

よきBLでした

これはすんごいよいお話でした!
飼い主の借金を返済したいヒモの物語。
タイトルまんまよきヒモのメロ
アホの子だけど天真爛漫一生懸命でかわいい〜。
モンティほんと拾ってよかったよ安いくらい。
でモンティは実質無料、安いと思っている笑
あとメロのお友達ね!
はじめたこ焼き屋開業の資金に悪いヤツが出てくるかなと思ったけどそんなん全然ないの。
みんなよいこ達。
メロは専門やめちゃったけどたこ焼き開業計画で
色々勉強?成長するんだな。
ほんとよきBL。
ソノオさんの初ジュネットだそうです。
ヒモのお仕事でえっちはたくさんありますが
ジュネットで思うエロエロ物語ではないです。
けど読後感めっちゃいいです。
純愛だし幸せな気持ちになります。
メロとモンティのディスティニー
拾われたのはヒモのメロだけど
メロの存在が孤独で堕ちそうな男を救う。
素敵なお話でした。おススメ太鼓判です。

6

予想外にホロリとキタ

ヒモと飼い主という関係性上、エロ重視なのかなーと思いながら読み進めましたが、とても純愛でした。

アホかわなメロンの純粋さもさることながら、モンティがとても素敵な飼い主でした。
弱い部分もあり、だけど必死に出来る大人であり続けようともがくモンティにハート持ってかれました♡
順調だった広告の仕事が借金を背負ってから、仕事の意味が変わり始めて上手くいかなくなるのとか、実にリアリティがあって良かったです。
モンティの焦燥感が伝わってくる描写が素晴らしかった。

メロンの友人たちも実に個性豊かで、時に優しく時に厳しく助言してくれる良い友人達でした。
有名なインスタグラマーの広告効果あれば、返せないかな8000マン。

新しい事を始めて、それでお金儲けをするということは如何に難しいかも描かれていて、借金返せてラブも上手くいってハッピー!な話に終わらなかったのも良かったです。

孤独なままのモンティなら、この理不尽な状況に耐えられなかったと思います。
メロンが居て良かったね。

作者さんの作画に少々苦手意識がありましたが、読んでるうちに内容に引き込まれて、それもあまり気にならなかったです。
読んで良かった!

2

想像してたヒモと飼い主とは違う

未散ソノオ先生と言えば、仕事の出来る色気有る美人受け
のイメージでしたが今回の受けは不器用、素直、愛嬌の有るピンク髪ブサカワのメロンちゃんです。
広告代理店に勤めるモンティの家にヒモとして居候してますが父親の借金で飼えなくなってしまいます。
そこでメロはタコ焼屋で返済をしようと考えますが…。と言うお話です。

未散ソノオ先生の最後のあとがきにもありますが、一人で背負いやすい人は皆で分け合おう。頼ろう。との通り
メロンは一人ではなく友達と相談しながら考えるんですね。これが凄く良い!
自然に集まっている友達ですが皆個性的でキャラがたっていて何より優しい。
8000万の借金と聞いてそれは逃げた方が良いと時には厳しく現実的なアドバイスもあり、時には然り気無く手を貸してくれて背中を押してくれる。一人では考えつかない色々な方面のアドバイスからの気付きって貴重。
全部自分で背負いこまない。
メロンの人徳ですね。メロン可愛いもんね、笑顔も可愛い!理想的な関係だと思います。
モンドも借金を実質一人で背負って居ますが一切メロンに八つ当たりしません。それどころかメロンにタコ焼資金をせびられてもホイホイ渡します。
(これに関してはメロンのプロヒモ師に突っ込みしたい)
それはお金の価値以上の物をメロンからもらって居るから。この考え素敵ですね(*^^*)
ヒモと飼い主と言うと主に恋愛に主軸をおきがちですが仕事や人間を軸にして居るのでリアルで、心に残ります。

結局タコ焼も一回駄目だったけど凪君が「遠いから潰れて良かった」って言うのも良かったな。そこで終わりじゃないしね。駄目だったらまた違う方向から考えてみよう。
ただ最後の1コマに、メロンに多額の生命保険を掛けて受取人をモンドにしたコマが有って、あっ!ちょっ!?(笑)

確かにエロも有りましたが、正直内容がとても充実して居たのでエロは添え物位に捉えてました。
やっぱり未散ソノオ先生は良いなぁ。

4

自由な思考でどんどん周りを巻き込んで

 最初から最後までテンポ良く、楽しく読めるラブコメでした。ヒモというとネガティブなイメージが付き纏いますが、この作品におけるヒモであるメロはヒモとして転々としてきたわけではなく、あくまで今回限りの思い付き。美容学校で挫折して潔く美容師になることを諦め、何の取り柄もない今の自分が唯一できることはヒモだ!というような超前向き思考回路。とにかく素直、思い立ったらすぐ行動、どんな時でもどうすれば良くなるかという方向で考える子で、憎めないんですよね。

 そんな彼を拾うモンティは、広告代理店に勤めるエリートであるにも関わらず、物語の途中で父親の借金8000万を背負う羽目になる、なんとも気の毒な飼い主です。エリート攻めが転落するって結構珍しい展開なので、ここからどうなるんだろうとワクワク。そこでまさかの、粉物屋で稼ぐというメロの思い付き。

 8000万をたこ焼きで!?と皆が思ったでしょうが、モンティはけっして出鼻を挫くことはしないんですよね。広告代理店のエリートだけあって、何にお金を出す価値があり何が無駄なのかを、借金で落ち込んでいても彼はきっと無意識に考えている。家でメロが迎えてくれること、たこ焼き屋開店までの失敗や努力を傍で見れること、借金という大きなマイナスを抱えた自分に下心なく寄り添ってくれること。メロがいてくれることで得られる癒しや人生への希望に対して、100万はけっして高い対価ではなかった。この2人の出会いは互いにとって必然だったんだなと思いました。もう少しいちゃいちゃも見たかったのが本音ですが、全体的には満足です。

2

無敵たこ焼き

◾️主水(モンティ,広告代理店エリート)×愛論(メロン,いちご)
やっぱり未散先生好きだなぁ
道で受けを拾う系漫画も未散先生が描けば自分好みの作品になるという。結局描く人次第なんです。先生の作品には"いい仲間"も出て来がちですね。主役CPのいずれかが人を惹きつける魅力ある人間なことが多い。
現実味と非現実味の塩梅が好きでした。SNSでバズる展開は予想通りだったけど、それでトントン拍子に借金返せちゃうって流れではなかったとこも好き。しかし引っ越しはしたほうがいいと思う。

ラブを自覚した後から特に漫画全体のラブ感がもりもりで尻上がりに好きです。主水の淡々としつつもメロンラブな様もかなり良い。そんな電子書籍おまけ1枚だったので、紙購入の方でソコ推しなお仲間は是非。

2

お金の価値、働く意味、仲間の大切さ

ソノオ先生の作品が大好きで作家買いしてるので今回も迷わず購入。

社畜のモンティは自宅マンション前で帰る家のないメロと出会い、メロをヒモにします。広告代理店に勤める高給取りのモンティにお小遣いをもらい楽しく遊ぶメロ。しかし、モンティの父親が8000万の借金を残し失踪。保証人のモンティは借金を肩代わりすることに。メロに遊ぶ金を渡すこともできなくなるため、別れを切り出すが、メロは飼い主の借金はヒモの借金!と、儲けがあると聞いたことがあるタコ焼き屋さんをやると言い始めます。

モンティはメロにおねだりされて、借金地獄の中、開店資金として400万近く渡します。最初はメロの破天荒さとか、後先考えないところが自分的に受け入れられるかな・・・と読み進めましたが、そんなメロだからこそ、モンティを救えたのだと思います。

また、メロの友達もみんないい子で特にドラがお気に入りです☆

BL漫画ではありますが、お金の価値を決めるのは自分であるとか、何のために働くのか。困ってる時に自分の損得を考えずに助けてくれる友達など、人生に大切なことを教えてくれる素敵な作品でした。

メロのたこ焼き食べてみたい!!!!

※ピアスシリーズですが、ソノオ先生の絵のタッチからか、そこまで過激ではないのでご安心ください!

2

みんな幸せ

みんな幸せなのがイイなぁ。
未散ソノオ作品のいいところって、誰も不幸じゃないとこが好き。
例えば主人公のメロンちゃん。
ちゃんと愛されて育って、好きな事は何でもできると思ってたら、実は不器用でできなくて、そしたら次は何をしたらいいかわからなくなって、行く当てがなくなっても、不思議な愛嬌で良い縁を呼び寄せてる。
メロンを拾った、よき飼い主のモンティも、父親に8000万円の借金を残して蒸発されても、ヒモのメロンちゃんがいることで心折れたりしない。
ラストの、ちゃんと恋人同士になったふたりのセックスのメロンちゃん、感涙ものでした。

3

メロンとタコ焼き

途方に暮れていた所を主水(モンティ)に拾われ、ハジメテを成り行きで捧げ、そのままヒモになったメロン(メロ)。

そんなある日、メロの飼い主のモンティは人生詰んだも同然な途方もない額の借金を抱えることになってしまい、モンティはメロとの関係を切ろうとするのですが…

金の切れ目が縁の切れ目…になりそうなものなのに、モンティが困ってるならヒモの俺がなんとかしたる!とどよんとした重い空気をおバカポジティブなメロがカラッと明るくしてくれるんです。

メロの友達ズもいい子たちでした〜。
はじめはメロがタコ焼きやるぞ!となった時、盛り上がったりやめとけよと言ったり、軽口を叩いて若い子らのわちゃわちゃしたたまり場のノリ感覚なんです。

それがみんな次第に自分のできることをメロのためにと力を出し合って、全くのゼロから少しずつまあるく形になっていき、メロの人柄が、屈託のない笑顔が周りの心を動かしていく。
そして、メロの存在にどれだけモンティが救われたことか。
人の気持ちを動かすことは難しい。
誰よりもわかっているモンティの言葉が胸に沁みました。

みんなの思いが詰まったメロのタコ焼き屋さん。
インフルエンサーのなぎくん効果でバズって一気に借金返済だ〜!!となるのかと思いきや…とんとん拍子に行かない展開も苦くてよかった。

飼い主とヒモの関係から夫婦のような恋人になったモンティとメロ。
抱えているものは重たいけれど、ひとりじゃなくてそばにいて支えてくれる存在がいることってすごく心強くて、これからもきっと大丈夫だな、と思わせてくれるふたりでした。

3

タイトル通りの2人に癒される

タイトル通りの2人ですね。
メロンがあっけらかんとしたピュアっ子、ちょいとアホなかわいい子。
モンドはしんどい状況にあるのに出来た人で。メロンがよきヒモでいてくれることのありがたさをわかっている。借金背負っているのに、ポンと50万とか100万とかあげられないですよ普通。
2人がよきヒモとよき飼い主でとてもいい関係で。
それが、メロンが友だちに言われて初めてモンドのことを好きだと自覚して(そこでめっちゃ照れるのがまたかわいい)最後にはヒモから彼ピにすんなり昇格したのがよかったです。

メロンは上新庄(大阪市内、比較的住宅地かな)の子なんですね。
「バカやめて傷つく あほにして」←めっさわかる(私も関西人なので)

愛論でメロン。モンドがメロと呼ぶのかわいい。友だちがメロリンと呼ぶのも。
弟の名前がブドウ〜www

おお〜!名言出た!
「俺は広告屋だから知ってる 人の気持ちを変えるのは一番難しいんだ」
モンドは聡明な人ですね。仕事にプライドもある。必殺仕事人友だち言われてた!かっけ〜。

先生のあとがきがいつも目から鱗&あったかい気持ちになり大好きで本作もそうでした。

そでに「タコ焼きが食べたくなってくれたらうれしいです」と先生のお言葉があり、私タコ焼きよりお好み焼き派なのですが、タコ焼きが食べたくなりました!
子どもの頃、家のタコ焼き器でぐるぐるしてひっくり返しても最初はうまく作れなかったのを思い出しました(慣れると何とかなるw)

あと、アンケートハガキの先生の「本気の質問。回答が楽しみ」とツイートされていた質問に笑ってしまったw
私、お取り寄せとかしないので答えたいのはやまやまだけど、何も書けずざんねんむねんです(涙)

余談ですが、粉もん屋は当たればデカいみたいですよ。特に東京では。
昔、知り合いの大阪で食べもん屋やってるおばちゃんが「東京でそんなおいしないのに元祖大阪のお好み焼きゆうてめっちゃ繁盛してるけど、ほんまに美味しいお好み焼き屋やったろかな。原価低いしちょろいで」的なことを言っていたのも思い出しましたw

3

幸せが詰まってる

めちゃくちゃ良かったです~!

主要な登場人物に悪い人がおらず、読後は幸せな気持ちになりました。
よき飼い主とよきヒモから、恋人になるまで。

メロの、モンティを想っての行動がかわいくて可愛くて。
作中ではモンティが、メロの行動によって救われていましたが、読んでいたこちらもほっとしました。
こういう、悪いことを忘れさせてくれて、気持ちの切り替えをすることができる相手って最高ですね。

物語は、楽観的でさくっと行動するメロと、硬派に堅実に完璧にこなそうとするモンティの対比で進んでいきます。
メロの明るさには救われますし、モンティの溜め込み体質にはハラハラさせられ...

基本的には優しいお話ですが、落とすところは落として、しっかりと現実を見せてくれました。

モンティが、無事に借金を完済できるといいなあ。
一度はメロを手放そうとしたモンティが、悩んでなやんで、抱えた負債ごとメロと生きていこうとする姿勢、最高でした。

読後、速攻たこやき買いに走りたくなるはず。

10

一家に1メロン

ああああ、素晴らしい!
「素晴らしい」以外の言葉が出てきません。
あ、一個あった。
「大好きだ!!!」

大阪から上京。
美容師を目指して専門学校へ行くも、不器用で断念。
その後の計画もなく、ただ友人たちと楽しく過ごす日々。
生活のためにやってみた仕事はどれも続かず、お金も底をつき、絶望の淵にいたメロンを拾ってくれたのは…。

モンティでした。

名前から突拍子もないです。
愛論と書いてメロン。
「高級な男になれ」という願いを込めて、メロン。
弟の「ブドウ」より高級感溢れるメロン。
親、すごいなと。キラキラネームどころの話じゃないな、と。

このメロンくん、おばかで能天気で不器用だけど愛される子です。
なぜなら底抜けに明るいから。
1冊通して、この子が前向きじゃない姿は秒もなかった。
友人たちに現実を突き付けられて、一瞬「え!?」ってなるも、すぐ上を向く。
そう、前向きどころじゃなく、上向きな子なんです。
そんな可愛い主人公に、読者のこころもガッと掴まれまくりです。

広告代理店に勤めるモンティ(主水)に拾われて、考えなしに言った「よしよししたろか?」の一言であれよあれよとお初を奪われて、ヒモになって。
おこづかいいっぱい、えっちも気持ちいい、充実した日々が続くかに見えた矢先、モンティの父が多額の借金を残して失踪。
そこからメロンの奮闘が始まります。

「借金返済と言ったら、こなもんやー!」
連帯保証人のモンティに降りかかった借金を、真剣に返そうとするメロンの軽さよ。
店の場所は確保、でもたこ焼きを丸く焼けない、食品衛生管理者の資格もない。
不器用で色々なことをサクッと諦めてきたメロンが、モンティのために一生懸命になるのが良いんです。
それを支えてくれる愉快な友人たちも、ノリは軽いし、能天気なんだけど、適材適所な才能やツテがあったりして、みんなに助けられながら、最終的にみんなで作り上げていくのも達成感があって気持ち良い。

そしてモンティとの関係がもう!!
「ヒモ」とは何ぞや?という感じですが、メロンはモンティと夫唱婦随、一連托生。
飼い主(夫)のピンチにヒモ(嫁)が頑張るのは当たり前!という考えしかない。
そういうメロンの上向きな考え方が、家のこと、家族とのこと、借金のことで鬱々してたモンティの心の雲を一掃してくれるのが、読んでいて本当にスカッとするんです。
スカッ?スパッ?うまく言えないけど、こっちまで晴天の野原に連れ出された気持ちに。
そういうメロンの効果にモンティがちゃんと気付いてくれるのも嬉しい。
多額の借金という息が詰まりそうな不幸すら、メロンといたら何とかなると思える。
そういう気持ちの変化が、良いんですよ。
「良いんです」しか言えない。だって良いんだもんなあ。

うまく言えない。とにかく好き。
あっけらかんとえっちなメロンは可愛いし、モンティがメロンへの出資に関して言うモノローグは痺れるし、愉快な仲間たちも素敵だし、全部好き。
未読の方はぜひとも読んでほしい。
もし今、何かで気持ちが落ち込んでいるなら、絶対読むべき。
読者の心の雲まで払ってくれる。
そんなメロンに癒されてください。

17

よきヒモ

未散先生がJUNETピアスっ!?と驚いた作品。
ピアスってピンク大盛りなイメージがあったのと、
未散先生はエロ少なめでストーリーが深い作品が多いと思っていたので、多少不安になりました。

でも、主人公がヒモなので、たしかにえっちの回数は多いのですが、
人物が本当に魅力的で、心の機微が伝わってきて、ストーリーをしっかり読ませるお話でした。
ピアスのイメージが少し変わりました。

愛嬌があって前向きだけど、不器用でなんにもうまく行かないメロは、行き場がなく雨の中花壇に座り込んでいたら、広告代理店勤務のエリート、モンティに拾われ、そのままヒモになります。

これが、本当に理想的なヒモなのです。
ヒモに求めるものって愛嬌と癒やしとえっちだけで、金銭とか家事とか、そういうんじゃないよなと納得。
そういうのを求めるなら、最初からお付き合いをするし、ヒモは要はペットなわけで。
本文中でも、『くさくさして真っ暗な気分で帰ってきたとき、おかえりって迎えてもらえるようになった100万円、実質無料だろ』『俺は広告屋だから知ってる、人の気持ちを変えるのは一番難しいんだ』
とあります。
激しく同意します。

重すぎるプレッシャーで本来の自分を見失なっているときに、仕事で100%のパフォーマンスをするためには、この明るさで気持ちを切り替える、心の重荷をわけあうことが必要だったんですね。

あとがきにもありますが、『ひとりでなんでもできちゃう人は、自分という資源に頼りがちなので、
重荷はわけよう、たくさんにすこしずつ頼ろう』
本当にそう思います。

行き場がなく座っていたメロを拾ったモンティ。
多額の借金を背負って、モンティはヒモを放逐しようとしたけど、今度はそれを一緒に返そうと不器用なのにたこ焼き屋を始めたいメロ。
いつもつるんでいた友人たちが、メロのためにどんどん手を貸してくれて、行き詰まった状況がうまく転がっていく。

この本を読んで、誰かに頼ることって難しいけど、大切なんだなと実感しました。
一人で思い詰めずに、潰れる前に頼ろう。
身近な人が困っていたら、積極的に手を貸そう。

未散先生の作品は好きな作品が何作もありますが、
この作品も本当に大好きになりました。
こころがつかれたときなどに、
何度も読み返したい作品になりそうです。

9

情けは人の為ならず

イヤ、良かった。ホロっときちゃった。
正直、表紙はえ〜…?って。読み始めてもメロンはそばかすっ子で「美」は無いし、カラダもガリガリしてるし。
ピアスだからセックスシーンは思ったよりあるけど、官能とはちょっと違う…
だけどね?
これが「いい話」なんですよ。しみじみキますよ。

生馬の目を抜く広告業界で殺伐としていたモンティ(河合主水)が、迷い猫みたいなメロン(安田愛論)を拾う。
メロンはアホだけど、心の波長が読める子だったんですかね?モンティの心の砂漠を感じ取るわけ。
で、モンティのヒモっ子になるんだけど、ある日モンティに大借金が降りかかる。
モンティはメロンを手放そうとするんだけど…と展開していく。
メロンはアホだから、いきなりタコ焼き屋やる!って言い出して、実際友達も巻き込んでタコ焼きを習いに行くんですけどね。
そのために50万貸して、100万貸して、っていう所、わーメロンそれダメなやつ‼︎って思ったけど。
メロンはモンティのために一生懸命。
そんなメロンを助ける友達4名。プラス知り合ったインフルエンサー。
何も期待せず当てにせず、好きにやらせるモンティ。
お金はね?モンティの足しにはなりゃしないんですよ?だけどさ。
メロンはちゃんと奇跡を起こしてんのよ。
借金の重さに焦り、仕事にキレがなくなりそう、どうしよう。そんな真っ暗な気持ちを「おかえり」を言うメロンが変えた…
そこをモンティはハッキリわかってる。

『俺は広告屋だから知ってる 人の気持ちを変えるのは一番難しいんだ …ありがとな メロン』

モンティかっこええ!メロンえらい!
借金状況は何も変わりはしないんです。
でもモンティにキレが戻り、メロンはヒモから「彼ピ」になり。
月並みだけど、モンティの孤独を変えたのがメロンだったんだね…

いつも思うんだけど…
「人に迷惑かけない」ってヤツ。コレ諸刃の剣だよね…
迷惑かける人はいちゃいけない、っていう価値観だもんね。でもさ…そこは突き詰めるべきじゃない。何が何でも、になると誰も生きていけなくなる。
モンティもメロンも、友達4名も。何ならインフルエンサーだって。
みんなちょっと寄りかかったり、手助けしたり。そうやって進んでる。
そこがすごく良かった。ホロリだったよ。

9

ハッピーがいっぱい!!

ちょっとヘンテコな頑張ってる人に優しいお話。めちゃくちゃハッピー!

低温生き方不器用モンティ(飼い主)×陽関西人手先不器用メロ(ヒモ)

ヒモ!?タコ焼きで借金返済?
からお互いと周り、どんどん補完し合って…ほっこりキュン!えっちで可愛いがたっぷりでした!!

モンティとメロのやり取りがバシバシ決まってて、そこを読んでるだけでも楽しい。噛み合ってないようで噛み合ってる!
モンティは何にも興味ない感じだけど、真正面から甘えるメロを素っ気ない態度だけど丸っと受け止めて、エッチの時はがしがしくるとか!仕事バリバリで疲れてる様もそそられる。手先が不器用で凹んでるメロにズバッと刺さる言葉をくれるモンティも何かしら抱えててメロとの関わりで徐々に再生されてくのがこれまた良い!押せ押せいきあたりばったりなメロをいつでも迎えてくれる懐の広さ!!イイ男だよ~

メロも底抜けに明るくていじらしくて!奮闘する姿は応援したくなる!一緒にタコ焼き屋をやってく仲間も愉快!!友情!努力!勝利!!←帯より 飲食店出店への豆知識も増える(お得)くじけそうな時に力を貸してくれる友人っていいな。

友人の力もだけど、メロにはモンティ、モンティにはメロが何百倍ものパワーを与えてくれる存在になってて、ドキっとじんわりで益々好きになっちゃう!いじらくて愛おしい!!
エッチも可愛くて、2人が楽しく感じてるのがとても良い。

あとがきの、重荷を分け合うという言葉も染みました。明るくて楽しくて元気いっぱいのなかに優しさが広がってきます。

11

感動ラブトッピングで!

あー、とっても素敵なお話でした。
大人になってからの出会いは希薄になりがちですが、本作のキャラ達は全然そんなことなかった。
ちょっとアホな子が、好きな人のために一生懸命頑張る姿が健気で可愛かったです!

主人公のメロンは、喜怒哀楽がはっきりした明るい子。
不器用で諦めが良すぎるし、警戒心皆無のアホっ子です。
専門を辞めて学費を使い尽くしたメロンは、実家にも帰れずにいたところを、エリート会社員・モンティ(主水)に拾われるのです。

何も出来なかったメロですが、ネコの才能はあったんですねーw
そのままモンティのヒモとして生活しますが、ある日モンティが多額の借金を抱えて……と、展開していきます。

借金のため、メロを切ろうとするモンティに対し、一緒に借金を返すと告げるメロ。
借金を返すならコナモンて……関西の常識?

全く期待していないモンティとの温度差がすごいのですが、自分が辛い時に誰かと話したり、励まされたりする事って、自然と心の支えになっていくものですよね。
明るく前向きなメロにモンティが救われていく姿が胸アツで、メロが居なければモンティは一体どうなっていたんだろう……と、思わずにはいられませんでした。

空回った言動のメロですが、正直な姿が周りの人に好かれ、メロの周りには素晴らしい仲間が集まります。
特に、ドラ(ドラ息子?)が良かった!
頼りになるし、クールな優しさに胸キュンでした♡

モンティのために頑張るメロの姿が、深い穴に落ち込んだモンティの心を軽くし、仕事の調子も上向きになっていきます。
モンティがメロを信じ始めているところも伝わってきて、グッときました。

とにかくアホっ子メロが可愛くて、3日でたこ焼き屋が潰れた時はメロと一緒に泣きましたよ……

人生は上手くいかないことの連続です。
美容師を諦めたり、借金を抱えたり、店が潰れたり、メロとモンティにも嫌なことがたくさん起こります。
それでも、愛する人のために何とかしようと必死に足掻き、周りの手を借りながら前に進んでいく2人の姿に勇気をもらえます。

ピアスシリーズだけあって、エロは多め。
メロの体はガリガリですが、なぜかそこにエロスを感じました。
「えっちする⁉︎しよしよ!」ってメロかわよっ♡

疲れている時、前向きになりたい時に読むと元気が出る作品なんじゃないでしょうか。
モンティの借金問題はすっきり解決しませんが、恋を飛び越えた大きな愛を感じて、読後感は良かったです!

11

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