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表題作天使の定理

貞野弦宇,27歳,チェリスト
式見 槐,29歳,カメレオン俳優

あらすじ

カメレオン俳優・式見は、高架下の公園でチェロを弾く男と誕生日の深夜に出会い……?
「兄弟の定理」スピンオフ、オール書き下ろし!!

作品情報

作品名
天使の定理
著者
沙野風結子 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
兄弟の定理
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525278
4.4

(70)

(50)

萌々

(5)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
16
得点
308
評価数
70
平均
4.4 / 5
神率
71.4%

レビュー投稿数16

欠けた者同士の重苦しい恋

①兄弟の定理 :2018/11/10 津向總一郎,32歳x津向要斗,26歳
⓶天使の定理 :2021/03/10  貞野弦宇,27歳,x式見 槐,29歳
③隷属の定理 :2022/08/10  乃木映爾,40歳,x瀬戸佳槻,30歳,

さすが「スキャンダル」を書いた作家の作品、といった読後感。
恋人を失い外部遮断をする者と、自分の中が空白の者。
欠けた者同士の共依存のような恋。


式見槐:
1巻の「兄弟の定理」スピンオフ
「兄弟の定理」に登場した、要斗を愛していたけれど、身を引いた俳優。
外観は天使。 でも心の中が空で自分がない。

貞野弦宇:鍵は、「弦と弓」
公園でチェロを弾いていた男。
有名な演奏家だったが、四年前から生き方が変わる。

0

天使

天使って式見のような人のことをいうんだね。人を助けられるっていいな。私も人を助けたいです。

0

攻め攻め

命の取り合い、認めたくない事との対峙、辛辣で愛憎ぐっちゃぐちゃ骨太ストーリー

「兄弟の定理」で癖が効いた当て馬だった槐の心のうちが暴かれていくのや、どうしようなく惹かれてるのに認められない狂おしさとか、心理描写も逸脱ヒリヒリ凄まじくて、2人の攻防に目が離せませんでした。

と共に責められる攻めのお尻!!
このプレイもある意味救済…と思わせる何かがあり、ハードに責めるのはドキリ、揶揄いがちに弄るのはキュン。槐のただでは済ませない攻めっぷり!!攻めに攻めた攻めフェの凄まじさ!微塵も屈しない強さ!!さらに上回る弦宇の意固地さ!すごかったです。

この2人だからこそぶつかり合えて、乗り越えれたんだなと思え、甘さはないんだけど、殺伐とした中の苦悶に悶えました。

挿絵も笠井先生なので見目麗しい!!
攻めがディノレド突っ込まれてる挿絵初めて見ました…電子は会陰から修正入っててなんのこっちゃでしたが、インパクトは凄かった。

0

堕ちる

いやぁ、、、スピン元であんまりそそられなかったキャラが、スピンオフで炸裂するっていう…。結果、スピン元よりもテンション爆上がりになってしまうパターンには何か法則があるんでしょうか?

挿絵ご担当の笠井先生は攻めと受けをキッチリ描き分けるタイプのイラストレーター様なので、表紙を見た時に今回は式見がアッチになることはわかっていました。

今作も作者様独特の、危うくて狂気じみていて夢現な世界観にハマってしまいました…。雰囲気だけでも現実逃避させてくれます。そこに読み手の精神状態をチューニングできたら、どっぷり浸かれるのでは。

ハラハラしながらじっくりと読み進め、あちこちに打たれた布石を拾いながら感じたテーマは「ループ」断ち。人生のある時点から先へ進めなくなってしまった人を救済していくお話です。

村主監督映画の出演オファーを受けた式見。まだ承諾しないうちから、共演相手の男と「役積み」のために時間を共にするようになります。式見にとっては当初、面白半分の観察目的でしかなく、自分への殺意を剥き出しにする相手の男を逆に落としてやる心積りでいたのですが——

4年前、貞野に何が起こったのか。そして式見は貞野に落ちるのか。落ちた時に彼が思ったこととは何か。貞野が「雑音」を消せなかった後に残ったものとは…。

貞野のために創られたループストーリーがまるでパラレルワールドのように実在し、現実の二人に作用していく様を目撃しながら丁寧に辿っていくと、これが貞野の救済にとどまらず、救済を施す側の式見も救われる物語であることがわかります。

式見が天使と表される理由も深くて、なんて読ませてくれるんだーっ!とこれまた悶えながらバンバンどこかを叩きたくなるところで。もう、こちらの式見はスピン元とは別人として読ませてもらっていました。

攻めも受けも脇キャラも、こんなに心身ともに傷ついていく(いかされる?)BLは、あえての鬼畜もの以外では読めないですよね。園井と瀬戸が可哀想になっちゃって…。二人でくっついちゃえばいいのに笑

物語の構成自体もループになっているところもさすが抜かりがないというか、作者様の頭の中でそういう流れがきちんとできているんだろうなぁって。もちろん、同一次元のループではなく、結末は上昇螺旋型のハピエンです。う、うまい…。

最後に、式見サンの宝箱、何もかもこだわり抜かれていてすごいなー!さすが沙野作品です笑

2

久しぶりにガッツリ引き込まれました

前作は未読です。
それでも違和感なく読めました。ちらっと出てくるスタントマンのお話のようですが、無理なくスッと理解できましたし。なんなら興味が湧いてそっちも読もうかなという罠にハマります(笑)

で、ストーリーが練られていて、まぁ攻めは最初の出会いから受け君に惹かれてしまっていたということなので、そう考えれば攻めの葛藤も理解。
それより受けが攻めだったという背景が恐ろしく興味をそそる…そして、攻めが責められる!!!
初めてのパターンで楽しめました。
これが苦手な人もいるんでしょうが、私は節操なしなので、ストーリー面白かったら問題ないっす。

あらかじめチェリストが攻め、俳優が受けっていう前情報を入れて読んだので余計に途中で?!ってなりました。それが読み進める上でのスパイスになってどんどん読み進められたから良かったかな。
チェリスト、そしてユーモレスクの中盤、このキーワードに萌えます。
笠井あゆみさんの挿絵がこれまた素敵で…文句なしに神評価です。

3

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