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とうとう最終巻を読みました。
正直一回読んだだけではよくわからないような。色々ありましたね。
ようやく典彦から逃れて蘭蔵と新しい生活を始めるチャンスだったのに。
育郎にとって幸せとは?自由とは?好きなこととは?
もう選べないくらいずっと長いこと檻の中にいて、典彦しか残ってないんですかね。人並みの幸せを求めてないというか。
蘭蔵は檻から出たらたくましく?ちゃんとお世話を受けて。お兄ちゃんだった頃の記憶がとっても彼の中で大きかったんですね。
なんかもう當間一族が狂ってるというか、嫁を巻き込み子供を虐げて不義の子を溺愛して。
典彦も犠牲者だったのかな。育郎を再び手に入れても渇きが癒えないのはどうしてか?
結局檻の中が幸せなのかな。
飯田が気の毒。あんなに一人で頑張って探して。
発売されてから、すぐに読むことはできませんでした。
4巻を読み終わって、読み終わったあとはすぐに続きを読みたくて、時間が経つほどに忘れて、そして最終巻発売の告知で思い出し、でもすぐには読めず…。
やっと踏ん切りがついて、読み終わった今。
漠然とみんなが幸せになると思っていた、数十分前の自分を殴りたいです。
結局のところ、育郎が手にしたのは愛ではない。私はそう思います。幼少期に渇望してしたものは、純粋な家族愛だった。それを典彦が性愛にすり替えた。
4巻の火事の後、屋敷から蘭蔵が連れ出してくれた時、私はやっとすり替えられた愛が元に戻ると思っていました。しかし甘かった。
育郎はすり替えられたことなど、とうに気づいており、自分が元に戻れないことを分かっていました。分かっていたことに、私は分かっていませんでした。
典彦と育郎が再会した時の、あの育郎の表情。さち子には絶対に見せられません。
さち子の「他人を〜」セリフも良かったですね。私はメリバ好きですが、腕を組んでしまいました。
ここへ来て何なのですが、最後しりすぼみになったような。。
坊ちゃんへの執着愛、がメインテーマであったこのシリーズ。ときには犯罪にまで手を染める典彦のぞっとするような人間性を、むしろ鑑賞する作品だったと思います。
しかし、です。
このドロドロしたお話の中で、唯一の清涼剤となった、育郎の妻。彼女が何かを替えてくれるかと期待して読み進めるも、最後は存外あっけなく、メインカプの道行きは何も変わらなかったという気がします。
一番このシリーズで疑問だったのは育郎の気持ち。
からめとるように自分を追い詰める典彦に対して、ただ抱かれるだけなのか、それ以上の何かがあるのか。。
育郎の兄や妻など良い脇役がそろっていただけに、運命の中で自らの立ち位置を見つけていく育郎の姿が見たかったですね。
いつもながら、巻末に収録されているおまけが素晴らしいです。