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表題作諦めきれない恋の橋

高峰,自動車メーカーの製造管理部に勤務するリーマン,22歳
藤生尚哉,電子機器メーカー勤務の営業マン,22歳

その他の収録作品

  • 完璧な恋人の朝ごはん
  • あとがき

あらすじ

親友の高峰に人生の半分近く片想いしている尚哉は、酒好きな高峰が禁酒を宣言したのをきっかけに、自らも“高峰断ち”しようと思い立つけれど……!? 幼馴染み同士のエターナル・ラブ

作品情報

作品名
諦めきれない恋の橋
著者
海野幸 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525520
3.7

(54)

(10)

萌々

(28)

(10)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
12
得点
197
評価数
54
平均
3.7 / 5
神率
18.5%

レビュー投稿数12

一途受けの想いの強さに心撃ち抜かれる

大好きな海野先生の、幼馴染 × 一途な片想いもの。

なんと小学5年生の時から22歳の現在まで、人生の半分の期間を見込みのない片想いをし続けているという…このスペックだけでなんだか泣ける。

や、内容の方も素晴らしく良くて…受けの想いの強さと、攻めの見せる包容力よ。
最高にきゅんとしました。

海野先生の作品は本当に各作品、それぞれキャラの性格は違うのに魅力たっぷりなんですよね。性格は違えど、攻めがほぼ皆素晴らしい包容力を見せてくれるところが本当に大好きです。

なんていうか…”包容力”という言葉で表現するとぼやっと曖昧になってしまうんですけれど、ダメなところも含めて全てするっと自然に愛してくれて、それを言葉で態度できちんと伝えてくれる、安心と信頼の攻め。

簡単なあらすじです。

もうすぐ23歳の誕生日を迎える尚哉(受)。小学5年生の頃から、同級生の高峰にずっと片想いをし続けています。人生の半分を見込みのない片想いに捧げているなんてさすがに”やばい”と思い、この恋を諦めようと決意します。

ところが離れようと密かに決意した時から、なぜか頻繁に高峰から二人で会おうと連絡が入るようになりー

と続くお話。


何が良かったって、小学生時代の給食のエピソード。

尚哉は子供の頃から極端な偏食&少食なんですね。

給食に出されたレバーが食べられない尚哉を気遣い、苦手な食べ物を食べられる物と交換してくれるという、本当になんでもないような小さなエピソードなんですけれども。

海野先生の文章を読むと、ぱあっとその情景が頭に浮かんできて、ああ尚哉はこんなふうに恋に落ちたんだなあ…と腑に落ちて…
なんでもないような日常の一場面が、尚哉目線でキラキラ輝いて見えるんですよね。

読みながら尚哉目線で高峰に恋に落ちたし、全力で尚哉を応援したくなりました。

「何が食べたい?」という一言の、優しい優しい響き。
そんなものに想いを馳せてじーんとした、素敵な作品でした・:*+.

0

告白のやり取りは好きだったんですけどね(ˊᵕˋ˶ )

なんというか、偏食少食の受け様がねぇ(^_^;)

受け様の藤生は、偏食少食が激しい。
そんな藤生を過保護なくらい世話を焼いて食べさせようとしてきたのが、攻め様である高峰。

長らく高峰に片思いをしてきた藤生は、高峰が禁酒している姿を見て、自分も思い切って高峰への気持ちを諦めることに。
なのに、そんなタイミングで、距離を縮めようとしてくる高峰。


藤生が偏食少食ってのが、結構全面に押し出されているのですが、一応家族の食事を作っている身としては、作り手への感謝が感じられない藤生に感心しませんでね。
食事へのトラウマがあるのは分かってるのですけど、いろいろと子供だなぁ、と思ってしまい。
あ、でも社会人1年生じゃまだ子供か…じゃあしょうがないか、と思ったり( ´~` ;)

藤生が彼女のふりを頼んでいた女性の本当の彼氏が現れた時も、高峰への恋心がバレたら、なんて思って説明に二の足を踏んでしまったのも、え~(´・_・`)だったし。

大好きだーと思えるタイプじゃなかった受け様でした。
でも、告白、というか「一生つきまとってやる」とか、書き下ろしでの「地獄で後悔しろ」なんてセリフには笑いました。
告白には程遠い甘くないセリフだけど、藤生のおもーい好きが詰まってて、高峰には刺さってましたしね。


イラストは陵クミコ先生。
あーんのイラストが2つも(≧∇≦)

1

守りたくなる系受け

 尚哉の偏食に共感が溢れる。そんな尚哉に対しての高峰の接し方や対処が、優しいを通り越して神。
 高峰の距離の詰め方が強引で、断りにくい性格の尚哉が毎度揺らいでるのが可愛い。
 覚悟を決めたシーンで、なぜ告白じゃなくて彼女がいるなんて嘘を選んだのか。反応を窺って好意を見出そうとしたって、反応なんていくらでも誤魔化せるのに、そこで確信しちゃう尚哉、ちょっと早とちりすぎ。
 事故告白からの、高峰の溺愛ぶりが箔をつけても〜砂糖より甘い。
 尚哉はドがつく程のウブさで、俺が守ってやらなきゃ……ってなるくらい可愛い。

1

じれきゅん

タイトルに惹かれて購入しました。

高峰に長い間片思いをしている尚哉。
そんな高峰が禁酒宣言をします。
そんな高峰に「だったら、俺も付き合う」と言う尚哉。
「お前まで禁酒するのか?」と聞かれた尚哉は心の中で、
見込みのない片想いを終わらせようと決めるのですがー…。

尚哉の片想いの相手は高峰です。
タイトルの『諦めきれない恋』と言う部分と、
人生の半分以上高峰のことが好きな尚哉にグッときました。

読んでいて胸が痛くなったり、きゅんきゅんしたりと感情が大変でしたが
ハッピーエンドでほんとに良かったです…!

溺愛執着攻めが読みたい時にすごく良い作品だなぁと思いました(*´▽`*)

0

リアルにきゅんとするお話♡

あらすじからきゅん♡が期待できる!と思ったら想像以上でした。

小学生の頃から高峰に片想いをしている尚哉。高峰が大好きなお酒を禁酒すると知り、自分も見込みのない片想いをやめようと決心します。しかし、決心したそばから高峰が急接近してきて‥というお話。

コミカルだけど切なさ満載できゅんと胸が痛かった。台詞が良いんですよね〜「どうやったら、好きって気持ちを捨てられるんだろう」とか、温めてきた想いを捨てたいけど捨てられない苦しさに泣きそうで。

2人の紆余曲折のお話に泣いて笑って、とても楽しい1冊でした。オススメです✧*。

10

萌えられなかった…

あらすじ見て設定が大好物で、しかもイラストが陵クミコ先生だなんてもう萌える要素しかないと思っていました。

ところがですよ…この作品を読んで自分の地雷に気が付いてしまったんです。確かに幼馴染みの焦ったい恋のお話は好きなんですよ。

でもなんて言うか受けの尚哉が好きになれなくてですね、雑誌掲載の表題作を読みながら、自分勝手に暴走する様子に「馬鹿なの?」って何度も思ってしまったんです。

そして書き下ろしの「完璧な恋人の朝ごはん」に至って、何処が嫌いなのかハッキリしてしまったんです。

尚哉は小食で偏食なキャラなんですが、幼い頃のトラウマとかで絶対に食べられない物とかあるとかなら理解出来るんです。でもですね、単に食に興味が無いから食べないってどういう事?って思ってしまったんです。食べられない事はないけど食べたくないとか、お酒が入らなくなるから食べないとか、あんなに高嶺が心配して世話をしてたのに食べなくて、後輩の前では格好付けて食べるって…と怒りにも似た思いを感じてしまったんです。

どうやら酒飲みの好き嫌い多い小食受けは嫌いらしいです。なので、書き下ろしの尚哉の迷走と高嶺の焦りにもときめかなかったし、やっと2人が結ばれるシーンも目が文章を滑ってしまってなんの感動もなかったですね。

10

育ちすぎた想いの行方

今回は自動車会社の会社員と電子機器会社の会社員のお話です。

受様の長い片想いの顛末と恋人になってからの続編を収録。

受様は電子機器メーカーで営業マンする2年目社員で
受様は来月の誕生日で23才になります。

受様は長い間、片恋をしていて
誕生日を迎えると初恋を自覚してからの年月が
人生の半分を超えてしまいます。

受様は小学校5年生の夏に
父親の仕事の都合で転校した学校で
ある男子生徒と仲良くなります。
彼が今回の攻様ですね♪

受様は偏食で小食なのですが
小学校て行われた「食べ残しゼロ」イベントでは
受様のお残しが原因でクラスが最下位となるほど
筋金入りなのです。

攻様は級友たちからハブられた受様に
気負うことなく声をかけてくれ
その時から受様の中で特別な存在になったのです。

受様は攻様の親友となりますが
攻様には彼女がいた事も有り
恋愛対象は異性です。

受様は自動車メーカーに就職した攻様と
月1くらいの頻度で飲みに行っています。
高校の友人達と新年会をした翌月、
攻様と飲み会をした際に
攻様はしばらく禁酒をすると言い出します。

どうやら飲み過ぎて失敗したらしく
酒好きな攻様がウーロン茶を飲む姿が深刻で
受様も付き合いであるモノを断つ決意をします。

受様が決意したのは
見込みのない片想いを断つ事だったのですが
禁酒をしたはずの攻様からのお誘いが
なぜか前よりも頻繁になって!?

果たして受様の長い片恋の行方とは!?

雑誌掲載のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
幼馴染の攻様に長く片想いする受様の恋物語です♪

受視点で進むので
受様が攻様に惹かれていく過程から
諦めきれずにいる理由まで丸わかりで

攻様に会うと嬉しくて楽しくて
一緒にいたいと思ってしまうけど
このままではいけないと諦めようともする
受様の一喜一憂がとても楽しいです。

自分達を客観視できない2人を
壁になって見続ける読者だからこそ気づく
攻様の変化にピン!! と来るものがあり

受様のグルグルも恋が実るまでと
安心してワクワク読ませて頂きました (^-^)

攻様が受様の偏食をただすだけではなく
受様のできる事、できる範囲を広げていこう
とするスタンスなのがとても素敵でした。

雑誌ではまとまったところまでだったので
ちゃんと身も心も恋人同士になった2人を読めて
大満足な1冊でした。

9

一生、つきまとってやる

先生買い。雑誌で読んでいた時も激萌していたのですが、本になってから読んでもやっぱり激萌。海野先生の既刊がお好きな方でしたら全力でおススメします。大好きだ、こういう恋心がじわってくるお話。雑誌掲載分150Pほど+その続き90Pほど+あとがき。タイトルは大好きな受けのセリフ。こんなセリフ吐く男子です。いい子なんです。

小学校時代からの親友と飲みに行った尚哉(なおや)。その親友、高峰は食べずに飲んでばかりいる尚哉を気遣い、あれやこれや「食え」とかいがいしく世話をしてくれましたが、突然「酒をやめる」と言い出して・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの祖母、母(伝聞形式)、三好、兼森(合コンで出会った女子)、芝浦(受けの同僚)ぐらい?受けの祖母と母のエピソードが私は大好きでした、コワいけど。

++ 攻め受けについて

攻めは男前だけど強面?愛想いいタイプではないです。小学校で転入してきた受けが偏食すごくクラスで孤立していたけど、なぜか面倒みてあげてそこからずっと学校一緒、就職先だけ違っているという方。社会人になっても飯を食いに行き、おかんのごとく、あれ食えこれ食え言っているという状況。考えていることがわかりやすいタイプではなく、社会人になって距離を置こうとし始めた受けになぜか逆によく連絡とるようになってきて・・・。

好きだったのは受けの心情。もうすぐ23歳となるのに「人生の半分以上高峰に片思いしているのか」と気づき、ぞっとしたというくだり。これはさすがにまずいのではと思って、高峰が禁酒始めたのに便乗して自分も思いをすっぱり断ち切ろうとあれこれ頑張るんです。そこがなあ・・読んでて泣いちゃいました。

止めたくても止められないのが恋心。飲み会で一緒になれば視界から高峰を外すのに苦労し、メッセージで誘いが来れば断り入れて悶死しそうな様子だし、前を歩く高峰の背中をみて「どうやったら好きという気持ちを捨てられるのか」と考える様子が沁みたのです。辛い恋を長くしたことがある人には堪らんのでは。

決してウジウジ、グルグルというように感じないのが海野先生の受け。男前、ちゃきっとしている印象なんですよね。でも内面では切なく悶えている。その恋心にシンクロして胸がきゅー-っとなって、攻めが思いを爆発させたところでは「うあああ」と唸り多幸感がどわーっと押し寄せるお話なのです。

受けの祖母と母のひそやかな確執のエピソードも(怖いしえぐいけど)人情味を感じて好きだったなあ。

このご本の素敵さを全然伝えられていないと思うのですが、現代リーマン二人のお話、ジワるお話がお好きな方でしたら是非お手に取ってみてください。

9

自分の想いにとことん向き合う

恋をしながら自分の内面を深くもぐってさぐり、何がどうだったのかを思い出したりどうするべきか気がついたり…な印象が強かったです。

もう尚弥の片想いが切なくて泣けて。
ほぼ尚弥と高峰の二人芝居な感じでしたね。

仲間内の新年会の後、なぜか高峰の様子が変で断酒すると言ったり、なのにやたら飲みに誘ってきたり…。
尚弥ももういい加減高峰を諦めようとするところが切なく、避けようとしても誘われると全力で傾くところとか。

お互いに一番そばにいたいんですね。それはなぜなのか?高峰に新年会のあと何があったのか?

親友から恋人への戸惑い感、片想いが長すぎていざ実ったらどうしていいのかわからない感、よく出てました。

一人暮らしであんなに飲みに行っていっぱいビールと料理を頼んで、社会人ニ年目なのにお給料大丈夫かな?と余計なことが頭に浮かんでしまいました。

6

切ない恋が好きな人におすすめです

長年の恋心を諦めるために距離をとろうと決意した藤生に、想い人である高峰から逆にグイグイ来られて困惑する序盤。結構高峰が執着気味でワクワクが止まらなかったです♪寡黙で強面で面倒見の良い高峰が、こんなストーカーみたいなことをするなんて気持ちバレバレ。両片想い匂わせの分かりやすい序盤で、これからの展開どうなるんだーって思ったら、うむむ…。藤生の臆病っぷりがなんとも。最初のワクワクが消えて、切ない方向に向かってしまいました。


高峰との距離の取り方。
予定があると嘘つくのは許容範囲だとしても、高峰を着信拒否したり彼氏持ちの女性にニセ彼女のフリをお願いしたりと…藤生、周りに迷惑かけすぎだよって感じでした。恋愛初心者でテンパっていたのは伝わりましたが、全部裏目に出ていて不憫…。高峰への恋心は断つとしても友人関係まで断つ勢いで避けるのはどうかと…。
ニセ彼女の件で高峰を好きなのも結局バレたし、避けたり着拒するくらいなら最初から告っていたら良かったのにねって思いました。臆病な藤生に途中もどかしかったけど、告白してからはスッキリしたのか素直で可愛かったです^ ^


後半は恋人編でした。
あまいやつ期待しましたが、しょっぱさもありましたねー。藤生が不器用なんだか、高峰も大事にしすぎなんだか。要はエッチをしたいのにビクビクしちゃう藤生と先急ぎを気にする高峰なんです。なかなかその先に進めないもどかしさは分かるけど、前半もジレモダだったから、後半の恋人期は対比させて甘くして欲しかったです。高峰の浮気疑惑をぶっ込まないで〜。誤解だと分かってるけど、恋人編なのに安心して2人のラブラブを見れないのしんどいです。

誤解は解け、ようやく身体を繋げることができました。2人とも道具は準備万端で、あとは気持ちの勢いだけだったのに、全編通して周り道が過ぎました。エッチもアッサリしていたから、もうちょっとググッと(長年の想いをぶつけるように)盛り上がって欲しかったです。

欲を言えば、高峰視点の話がもっと描かれていたら良かったです。藤生に距離を取られた焦りとか、彼女ができたと聞いたときの嫉妬とか、着信拒否されたときの動揺や、藤生にキスしたときに芽生えた恋心への向き合い方だとか、高峰の心理描写をもっと詳しく知りたかったです。
もちろん、恋人になって藤生にメロメロになってる様子などもあったら嬉しかったです。

欲張りですみません^^;
ストーリーの設定や登場人物のキャラクターがとても好みだったので、切なさより甘さがたくさん欲しいなぁと思ってしまいました。

個人的に気になったのは、お酒のシーンが多かったこと。お酒が飲めない私はちょっと胸焼けしちゃいました。あとお酒のアテにはタンパク質!が至るところで出てくるので、そのお役立ち情報が頭にめっちゃ刷り込まれました。飲めないけど(笑)


13

地味系だけど好きだ

海野先生の攻め好きです〜。今回は若手リーマンの元同級生ものということで必読。書影から切ないイメージを期待したけれど、キュンキュン〜より、なんでそーなるかな笑?的なすれ違いループを楽しむ感じでした。ラブの部分は「萌」に近い感じです。

超少食&偏食の尚哉は、小学生の頃から人生の約半分を同級生だった高峰に片思いしていて、大学までずーっと一緒。就職しても月一で飲みに行くくらい仲良しでしたが、高校時代の仲間と集った新年会で尚哉がベロベロに酔って以来、高峰が謎の禁酒を始めて…、、

ド派手な作風の作者様ではありませんが、今作はちょっとおとなしめ笑?とてもスタンダードなお話で、最後まで予想を裏切られないまま穏やかな気持ちで読み終えました。

しかしながら、作者様の「食べる」ことに対する思い入れをもの凄く感じさせてくれるお話で、攻めが受けに食べさせたい!っていう気持ちは愛なんだな〜って強く感じました。受けが食に積極的ではない理由にも説得力があって、ちょっとしんみり…。

高峰みたいなキャラ、ものすごくツボです。本人はいたって真面目に振る舞っているつもりだけど、受けに対してはなりふり構わない。しかも無自覚なんですよね笑。序盤、軽めのストーカーになってるところとか、洗濯機のくだりとかフフフって笑えました。

尚哉の後輩、有川が脇キャラの中で地味に光ってて好印象でした。脇キャラ好きなので、どうしても目がいってしまうんです…

イラストがまたお話にピッタリでした〜。そこも個人的にポイント高かったです。カバーイラストに見えるアルファベットの羅列は、タイトルのローマ字表記なのでしょうか。

作者様があとがきで教えてくださったお酒のアテ、早速作ってみよう♪

7

王道の良さが生きている

幼なじみ。
子どものころからの、拗らせた恋心。

そんなワードにビビッときた腐姐さま、超お勧めな1冊です。




大学を卒業し営業職として働き始めた尚哉には、小学生のころからずっと一途に想い続けてきた幼馴染がいる。高峰だ。偏食で小食の尚哉を気遣い、いつも助けてくれた高峰に秘めた恋心を抱いてはいるが、でも彼に想いを告げるつもりはない。

いつものように飲みに行った席で高峰から禁酒を始めたことを聞かされた尚哉は、良いタイミングだとばかりに自分も高峰の恋を終わらせることを決意。けれど、そんな尚哉の少しの変化に高峰は気づき、さらに気に掛けるようになって―?

読んでいて、これは王道の両片想いのお話だな?と読者はすぐに気づくんですよ。でも、当の尚哉は、全く、これっぽちも、全然気づかない。さらに言うと尚哉という青年は非常に豪胆って言うんですかね。美しいビジュアルをしてはいますが、決して儚げでもないし健気さん、という感じの青年ではないので序盤は非常にコミカルに進みます。

が、物語が進むにつれ、尚哉の一途さがブワッと見えてくるわけですよ。そこにワンコさながら尚哉に心を配る高峰くんの描写が被り、なんでさっさとくっつかないんだー!とハラハラしてしまう。

そして、尚哉の偏食という部分。
この「偏食」というバックボーンが、徐々に効いてくる。なぜ偏食になったのか、その理由から、尚哉という男性の中身が見えてくる。序盤コミカル、からのハラハラ、そしてしんみり、と1冊で何度も美味しい作品でした。

高峰くんへの想いは捨てなきゃいけない、もう捨てよう、でも捨てきれない。
高峰くんも尚哉も大人の男性ですが、その恋心がめちゃめちゃ可愛くって萌える。

すれ違う二人のお話、なので濡れ場はかなり少ないです。終盤にやっと、っていう感じ。が、この濡れ場がまた良い…!まっさらさんゆえの尚哉の可愛さといっぱいいっぱいさに悶絶しました。高峰くんに振り回される尚哉、という構図に見えて、実は尚哉に振り回されっぱなしの高峰くん、という非常に可愛らしく、王道の良さが生きた作品だったように思います。

16

この作品が収納されている本棚

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